絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五五二話

神崎:

 

 

フラグを建て捲くっていた雪が、真っ先に水路に落ちて死に戻りした。そういう、フラグ回収はイイって言ってるのにアイツは……つか、ここでも水路オチかよ!?と思ったのは、俺だけじゃないはず!そもそも、街の中に水路があったら十中八九何かしらのギミックになっていてもおかしくはない。

そんな所に落ちたら、死に戻りしても致し方ないとは思うけど。ここまで、水路にトラップを仕掛ける運営は……何か、水路に怨みでもあるんだろうか?と勘繰りたくなる。

まあ、多分水路が出て来るラノベを参考にしたんだろう。

でも、多過ぎないか?

水路ネタを、作り過ぎだろう!?

 

「水路に支配された運営か……」

 

「でも、即◯戻りさせられた辺り高レベ帯なのは確定」

 

「水泳や素潜りのスキル持ってなかったからじゃね?」

 

「もしくは、水泳の一ランク上のスキルが必須とか?」

 

「まあ、あるあるだな。とはいえ、流れてレベ上げとかできそう?◯戻りが、必須だけど……」

 

「……さっきから、変な感じで伏せられてるけど……セキュリティが、高いのかな?◯に戻りって言えなくね?」

 

「◯に戻り…氏、戻り……◯に戻り……伏せ字にされる!」

 

「ウジ(氏)戻りってなんだ!?訳のわからん確認すんな!」

 

全く、どいつもこいつも……そう言えば、先日から借りて来た猫みたいになってる奴が居るんだけど。そりゃ、はしゃいで水路に落ちたりしていたけれど。それ以上に、周囲の女性をナンパしないし直結厨みたいな事も言わない。まあ、目の前に暴行を受け続けた被害者が居る訳だから言えないか?

そんな事をしたら、カウンセリングの邪魔だと言われて除け者にされてしまうもんな?雪は、性的な事とヤバい女に惚れやすいってのを抜けば割りと良い奴だから……ヤバい女に手を出し易いってだけで、それだけが悪目立ちするので雪自体がヤバい奴って評価になっているけど。

 

「そう言えば、雪……お前、今回は直結しないのか?」

 

「は?…………そんなもん、名前や素性のわからない奴と直結できる訳が無いだろう。下手を打てば、組織のお局様とゴールインだぜ?そりゃ、警戒するさ……」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

そんな理由で、直結厨プレイを控えていたと言うのか!?

思わぬ雪の告白に、つい言葉を失って沈黙してしまった。だが…と、少し思い直す。言われてみれば、ここに居るのは【組織】に所属している隊員達と所謂『お局様』と呼ばれる女性達と一般の客人達だ。それから、【組織】が保護されている養い子達。通常、個人情報の流出を防ぐ為に容姿の変更や名前の変更を行う訳だが……一部のお姉様方は、出会いを求めて作り込んでいる節がある。更には、役職や種族もわからない様に普段とは違う身振りや言葉遣いで相手を騙し?(騙している訳じゃない)罠に掛かる男性をゲームを攻略しながら待っているとのこと。それはそれで、恐ろしい話なんだけどな?だって、ゲームで仲良くなってオフ会とかに行ったらお局様達が待ち構えているのでしょう?それって、怖過ぎる。

下手に、仲良くしようモノなら人生の墓場へ直行する事になる。しかも、家庭が『カカァ天下』になるのがわかり切ってるっていうのだから恐ろしい。わかるだろう?嫁の尻に、敷かれる生活が待っているんだ。しかも、稼いだお金は嫁が管理する事になる訳だ。

ぶっちゃけ、殺生与奪を鬼嫁に握られる事になる。だから、己が自由にできるお金は別で持つ事をオススメしておく。

 

『もしも』の時の為に……。

 

じゃないと、『もしも』があった時に逃げ切れなくなる。だから、ある程度は別に貯めて置くことを推奨する。

因みに、ダイブ設備は【組織】があると言われている【零の次元】ではなく『外』にある組織所有の施設に型落ちした量子コンピュータを使って演算処理させていると聞いた事がある(それでも【外】では最新設備)。

そこに、常駐の部隊を置いてかなり大規模な感じで馬鹿が釣れるのを待っているのだとか。話を聞いた時は、耳を疑ったけれど。理由を聞けば、納得のいく話だった。何故なら、零の次元の中と外では通信が全く通らないんだそうだ。

なので、別の通信設備を『外』に置いて使っているとのこと。

つまり、【零の次元】と呼ばれる空間は生物どころか電波的なエネルギーでさえも()してしまう模様。そりゃ、◯波レベルの光鷹翼を全開で使って通過せにゃならん訳ですわ。

他にも、ファンタジー的なシールドを多様。

組織が存在する【零の次元】が、なんで『死の空間』と呼ばれているのか良くわかる話だ。

ついでに言うと、亮達が今居る施設は零の次元の『外』にある施設――常駐軍や組織の養われっ子達が居る所――なので一般のダイブ者と同じゲーム内で遊べるとのこと。本来であるならば、【零の次元】の『内』で修行中の身なのだけれど。特例として、【組織】の『外』で暮らす事を許されているらしい。どうやら、ウチの師匠が色々気を使ってくれたのだと師範代達から聞いた。だからこそ、亮達が『外』で活動していても他から茶々が入らないのだとか……ホント、師匠には頭が上がらない。

多分、俺達が交流しやすい様に手を回してくれたのだろう。本当なら、俺達は全員纏めて扱われる予定だったらしいから。でも、人数が人数だったので其々が其々の派閥に引き取られたのだと師範代達は言っていた。

多分、いずれは一つの部隊にまとめられるらしい。人脈は、多い方が何かと便利云々と言われていたので纏まるのは最終的な話なんだと思われる。いやはや、本当に頭が上がらない!

どんだけ、先の事まで考えておられるんですか!?というか、俺達の事なのに色んな人(?)が手を回してくれていてワケワカメ。ただまあ、有り難い事なのは言うまでも無い。

 

「そういやぁ、お前ら……ちゃんと、鍛錬や座学はやっているのか?ウチは、超スパルタだから割りと進んでいるんだけど……何故、目を逸らす?」

 

『鍛錬』と言えば目が泳ぎ、『座学』で視線を逸らされた。

まさか、サボってるなんて事はないだろうけど……始まってすらいないって事なのか?

そう言えば、師範代が【組織】の教育はトロいとか遅いとか言ってた様な気がするけど。流石に、基礎くらいは進んでいてもおかしくは無いはずなんだけど?この様子だと、ほぼ始まってすらいない模様。

 

「なら、せめて自分で出来る鍛錬を始めれば良いモノを…」

 

「自分で出来る鍛錬って、なんだよ……」

 

「本当に、何もしていなかったのか!?……ランニングとか、腹筋に腕立て伏せ等だな。今のお前らは、ある程度は戦えるだけの体になってはいる。だから、無理のない体力作りから始めたら良いんじゃないか?ああ。一応、保護者には確認を取っておけよ?運動しても良いですか?ってな」

 

確か、肉体に魂が定着するにはそれなりの時間がかかったはずだ。俺の時は、師匠が肉体に封印術を使って無理やり定着させてたから直ぐに鍛錬に入れたけれど。何もしてないこいつらが、唐突に鍛錬とか始めたら支障をきたす恐れがあるっていうのを忘れていた。

なので、保護者に確認する様に促して鍛錬を始めるとこんな事が〜的な事を話していた。

この日は、こんな感じで終了。

翼とは、恋人繋ぎしかしてなかった様な気もしないでもないけど……ま、急ぎ過ぎてもダメっぽいのでまったり進める予定。でも、アイツらの転生後の勉強の進み具合も気になるので色々話してしまう。

だってなぁ?体を動かすのは駄目でも、座学を進める事くらいは幾らでもできそうじゃないか!なのに、何もしてないって……それって、ただの怠慢だと思う訳ですよ?

 

 

 

翌日。

昨日の続きとして、始まりの街で翼と手を繋いでいる俺。今日の参加者は、浅上兄弟のみである。他の奴らは、ゲームを攻略するべく街の外へと行ってしまったらしい。

なので、俺は昨日には思い付かなかった座学の進行に関する話を深掘りするべく質問を投げ掛けていた。もしかしたら、とてつもない勘違いをしている可能性だってあるからな?

 

「ところで、座学は?本当に、何もしてないの?」

 

「…………講師役が、飛龍さんなんだ……」

 

「コテハン、能天気の人……」

 

「……能天気?ああ、借金地獄の人か……」

 

何となく、亮達の境遇がわかった気がする。

多分、その講師役の人……【組織】に行った時に、何度か見掛けた事があるわ。注意力が散漫で、あっちこっちへフラフラしている感じの奴…だったはずだ。噂では、借金地獄で色んな依頼を掛け持ちしつつ次から次へと買い物して散財している人だよね?

つか、そんなヤバい人が講師役なのか!?

きっと、借金を減らすべく引き受けたんだろうけど。常時、集中力が散漫してそうだから急に違う話とかを挟んで周囲を混乱させているイメージしかない。だから、そんな人が講師役では終業過程なんてほぼ進まないのではないだろうか?

そんな事を考えながら、視線を戻すと亮達は他の奴らの講師役もその飛龍さんなんだと告げて来た。つまり、アイツらの講師役も飛龍さんって事か!?そりゃ、進まないだろうな。

 

「抗議……チェンジ要請はしたのか?」

 

「したよ!したけど……講師役が、人事部に泣き付いてるらしくてさぁ……反映されないんだよね……」

 

それ、泣き付く相手を間違ってるんじゃね?

セイビアさんが、所属している部隊は確か……イッサン部隊のヒトサン分隊だから、その上役かつ保護者枠の人に言わないと聞き入れられないはずだぞ?分隊長なら、『秋月愁』さんでそれ以上となるとセリュウさんじゃね?

因みに、俺がその辺りの事情を詳しく知っている理由は師匠からの受け売りだからである。というか、イッサン部隊を例題にして説明されたからだ。

(※イッサン……113部隊の事)

 

「それなら、秋月愁さんかセリュウさんに話を持って行った方が良いぞ?上役かつ、保護者枠じゃ無いと対応してくれない。飛龍さんは、あんなチャランポランでも上位者だからなぁ?借金地獄で、首が回らなくても顔だけは広いから…」

 

「それ、どこからの情報?」

 

「もちろん、師匠からの情報だけど?」

 

「何故だろう……とても、安心できる情報源だった!!」

 

「ここまで、心強い情報源があっただろうか……」

 

ま、まあ、【組織】ではそういう信用出来る情報屋を探すのも実力の内と見られているからガセ系が多いのは言うまでも無い。

亮達が、大袈裟とも思えるレベルで涙を流している様子を見る限り、余り良くない情報元を使っている模様。それなら、師匠の使い魔を探せば簡単なのに……。

 

「情報元なら、師匠の使い魔を探した方が良いぞ?」

 

「流石に、おんぶに抱っこは避けたいんだ……」

 

「おんぶに抱っこって……生きて行けるかどうかの死活問題だろう?基礎に該当する教育で、お世話になったとしてもそれを理由に突き放す様な事はしないさ。それに、進捗状況次第では簡単な依頼を受けたり出来る様になるんだぞ?ぶっちゃけ、バイトなんぞよりか儲かるからな?」

 

「「……………………」」

 

ぶっちゃけ、見習いの《神殺し》がバイトで稼げる金額は貧乏学生がギリギリ日々を凌げる程度の分でしかない。俺の様に、正規依頼を受けた者に付いて回って一緒に依頼を解決に導くならその一部を貰えたりするけれど。

そうでないのなら、数少ない正規依頼をするかバイトを掛け持ちして肩身の狭い思いをするかのどっちかだろう。因みに、見習いにも出来る正規依頼は……ちょっと難しいけど、基礎知識さえあれば解決出来る程度のモノだ。

つまり、『座学のおさらい』を旨とする依頼だったりする。しかも、ちゃんと段階を踏んだ依頼が多いので人気の依頼だったりする。

だから、俺は鍛錬よりも座学をオススメする訳だが……その座学が、講師のせいで進まないという状況は余りよろしいとは思わない。

後で、師範代に相談でもしてみようか?と亮達の様子を見て考える。ついでに、講師役の人の事も伝えてどうにかしてもらわないとイケないだろう。人員的な理由で、亮達がこれ以上【組織】に囚われるのは避けたいから次に戻った時に拉致れたら拉致りたい所だ。

ただ、それをやるには師匠や師範代に話を通さないとイケないので今直ぐに答えが出せないのが心苦しい。だって、秘密基地が大所帯になりかねないからなぁ?最悪、【船】の移住区で講師役の使い魔に座学を教えて貰うか……なんだろうけど、その講師が出来る使い魔が今は少ないって話だったっけ?いずれにしても、師匠と話をしない限りは何もできない状況だった。

とりあえず、今は幼馴染み達との交流と翼のカウンセリング?と言う名のイチャイチャをしている事にする。その為に、この休暇を使うと決めたんだ。ヒョイっと、繋いだ手を持ち上げて翼の甲にキスをしてみる。翼は、唐突な出来事にキョトンとしていたけど…何をされたか理解して、顔を赤く染め上げて行く。その様子を見て、ついニヤニヤしてしまう。だけど、それと同時に溜め息も出てしまった。何故なら、その行動を見ていた向かいの奴から殺気が飛んで来たからだ。言うまでもなく、美愛だな。

ホント、こっち方面で信用できない奴。

 

「お前の妹が、殺気飛ばしてくるんですけど?」

 

「お前が、唐突に予定外の事をするからだろう?」

 

「恋人なんだから、普通だと思うんだけど?」

 

「普通って……乙女ゲームじゃないんだから……」

 

「その乙女ゲームをやらせた奴が、お前の隣に居る奴なんですけど?つーか、一度はされてみたいとか言ってたぞ?」

 

「お前……なんで、自分の欲望を垂れ流すかなぁ?」

 

「うぐっ……だって、面倒臭かったんだもん……」

 

スキップ、できない仕様だったもんな?まあ、古いゲームなんかではよくある話ではあるんだけど。中古品のゲーム持って来て、最初は自分でやって次からは分岐まで俺にさせるなんて事をしていた美愛。そんな事をするから、俺の感覚が妹みたいな存在になるんだよ。

てか、人が在宅ワークだからってそんな風に使っている奴が悪いと思うんだけどなぁ?

振り向いて欲しいのなら、適度な距離感は必要だったんじゃないか?コイツの場合、幼馴染みってだけでも、かなり近しい存在だったのにそんな風に近付き過ぎるからおかしな事になるんだ。もし、本当に恋人になりたいのなら適切な距離感は必須だろう。ましてや、妹ポジションから恋人は無茶振りである。

そりゃ、血の繋がらない妹に手を出す奴も居るけどさぁ……お前の兄ちゃんが怖くて、手も出せなかったよ。

 

「文句があるなら、お前の兄ちゃんに言えよ?俺が、お前に手を出せなかった最大の理由だ……」

 

「だから、兄妹関係に亀裂を入れるの止めてくれない?」

 

「はっ。実際問題、お前が居なかったらそういう関係になってたかも知れないけど……お前が、居る限り無理だったと思うからな?だって、お前……下手なヤク◯よりも怖いし?」

 

美愛は、俺を滅多刺しにするより亮を滅多刺しにした方が良かったかも知れない。まあ、もう無理な話なんだけどな?

結局、レオンと奏を除いたみんなが《神殺し》に転生してしまった。こうなると、いずれ来るレオンも《神殺し》になるとか言い出しそうなので最終的には『奏』だけが人に転生する事となるだろう。出来る事なら、みんなに再選択の機会があれば良いんだけど。

一度、《神殺し》に転生した者は人に戻る事は叶わないと師匠は言ってた。

ただし、《旧・神族》が居る間は……と。

要するに、《旧・神族》が居なければ人に転生する事が可能なんだよな?アイツらさえ、居なければコイツらが人間に転生しようが何をしようが自由なんだよな!?全く……なら、話は簡単だ。そう、とても簡単な話だった。

《旧・神族》と呼ばれる種族を、皆殺しにしてしまえば良い。

 

「ふぉ!?今、なんか、ゾッと来た!!」

 

「私も、背筋に悪寒の様なモノが走ったんだけど!?」

 

おっと。つい、殺気が漏れてしまった模様。

チラッと、横を見れば奏も背筋に来たらしく腕を擦っていたので間違いなく俺の負の感情が漏れ出てたみたい。ちょっと、頭を冷やそうか?と指先に蛍光ピンクの魔力光を収束した高町なのはを思い浮かべて……落ち着いた。

いや、それよりもガチギレした師匠を……あ、うん。落ち着く以上に冷えたわ。

 

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

とりあえず、今は不穏な事は考えない様にしつつ奏の治療に専念する事とする。等と言いつつ、みんなが震えているのを尻目に大きく動いてみる事にした。詰まる所、奏の肩を抱いて自分の方へと引き寄せてみた訳なんだけど。

ソレに気が付いた美愛が、奇声を発しながら割って入って来るまでがお約束。てか、俺達が居る場所は誰もがログインしたら必ずそこに出る事になる中央広場と呼ばれる噴水のある広場だ。

そして、俺達は今座っているのが噴水の縁にあるベンチな訳だけど……真正面から、抱き寄せた奏と俺の間を割って進むと噴水から噴射された水が溜まっている池?に突っ込む事になるんだけど。その、水を貯めて置く部分には水面からでも見える大きな穴が存在した。

多分、水路に続いていると思われるソレは何故か人が一人くらいなら通れるくらいの大きさをしていて……小柄な美愛なんかはスッポリ収まるレベル。

ソレが調度、俺達が座るベンチの裏手にあった訳ですよ?間違っても、計画的犯行って訳じゃないからな!?

まあ、狙っていたのは間違いないけど。でも、美愛を飛び込ませる気なんて一ミリ足りとも無かったと断言しておこう!

他の奴は、予定していたんだけど……今日は、別行動になっちゃったので諦めていたんだ。

だから、場所を移動するまでも無かったのでそのままにしていた。

でも、まさかこんな事になろうとは、ねぇ?

般若みたいな顔をした美愛が、俺と奏を隔てる様にその間に飛び込んで来たんだけれど。元々、ネタでやっていた事もあってそれ程強く抱き寄せていなかった。そんな理由もあって、美愛の身体を受け止める?押し留める?には至らなかった模様。故に、彼女はステータスの瞬発力で飛んだまま池の方へと落ちて行く。振り返った時には、美愛の姿は無く……全てを見ていたであろう亮は、能面の様な顔をしていた。

 

「…………何を、見た!?」

 

「…………ノーコメントで……」

 

周囲の反応からして、プレイヤーが吸い込まれて行った的な感じのざわめきが聞こえて来るけど。詳細は不明。こんな事なら、視線を逸らさずに見ておけば良かった。だって、奏が美愛の暴挙にとても驚いた様子で怯えていたからそっちに意識が引かれて最後まで見ていられなかった。だから、亮に聞いたのにコイツと来たら美愛の名誉の為にと教えてくれない。

余程、間抜けな格好か何かで吸い込まれて行ったんだろうな?全く、惜しい事をしたよ。見ていたら、しばらくはソレで遊んでやれたのに……なんて思っていたら、師範代からゲーム内メールが送られて来た。つか、使い魔でもフルダイブ系のゲームで遊べるらしい。

多分、師匠が【鮮血の】さんと色々やったんだと思われる。兎に角、メールの内容を確認すると今の美愛がどんな風に呑まれて行ったのかを動画にして送ったモノだ。思わず、再生ボタンをタップして視聴を始めると……美愛が、ル◯ンダイブ状態で吸い込まれて行く様子が映っていた。しかも、連続で同じ動画が再生される。というか、最初こそ呑まれて行く様子だけだったのに顔までもが加工されたモノまで流れ始めるとコント風にされた映像へと変わって行った。てか、この短時間でこんな加工までやってくれるとは師範代様々である。これは、本人にも確認させなければと大々的に展開して見せれば亮に止められた。

 

「それだけは……それだけは、止めてやってくれ!!」

 

「いやいや、これは魅せるべき動画だ。拡散せねば!!」

 

「頼む!後生だから、それだけは止めてやってくれ!!」

 

「こんなネタ、早々ないぞ?これは、流行る!!」

 

「止めろおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

 

引き止める様に縋り付く亮。笑う俺。

 

「フハハハハハハ!!」

 

茶番乙。

 

 

 

 

 




始まりの街の水路ギミックは、作者の大好物です。この手のフルダイブゲームなら、先に進めば進む程、水に関するギミックが出て来ると考えるので最初の街の何かしらはワクワクしますね!!つか、水路があったらソレ関係のスキルを上げなければ先に進めないという運営からのメッセージだと思ってますからねぇ?水泳、潜水、浮遊?は絶対に必須!!

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m(_ _)m

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