絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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おひさ〜


閑話

Side:???

 

 

 

辛いーーー。

 

もう、数えるのも馬鹿らしくなるくらい私は繰り返した。あの、悲しみの連鎖を止めるべく何度も挑んで……繰り返される未来に、何度も涙した。

 

何度も何度も、みんなが幸せになれる道筋を探して繰り返す。誰もが、悲しむ事の無い未来を……誰もが、苦しむ事の無い世界を迎えるんだって我武者羅に足掻き続けたんだ。

 

最初は、何が起きているのかわからなかった。

でも、同じ時間を繰り返しているんだって気が付いた時はちょっと嬉しかったよ。

 

もしかしたら、みんなが涙したあの悲しい過去を変えられるかも知れなかったから。みんなが、より良い未来を迎えて笑顔で過ごせる日々を迎えられるんじゃ無いかと夢想した。

 

だけど、どれだけ繰り返しても……何度、より良き未来にしようとしても結果はいつも同じだった。

ううん、もっと酷い結果を迎えた世界もある。

 

ちょっとしたすれ違い……ちょっとした、勘違いだった。それが、まさかあんな結果を招くだなんて思いもしなかった。

 

あんな…………。

 

 

 

だから、もうどうしようもなくて……誰かに、助けて欲しくて手を伸ばした時もあった。でも、私の手を掴んでくれたあの人達は……尽く、私の希望を……願いを裏切って絶望に突き落とす。

 

甘い言葉と、甘い顔で私に手を差し伸べて置きながら……失望した様な顔で、残酷な言葉を叩き付ける様に突き放す。

 

だから、もう私は誰も……私自身さえも信じられなくなった。

 

誰も助けてくれない。

 

誰も信じてくれない。

 

誰も私の言葉を聞いてくれない。

 

だから、禁忌の力にまで手を伸ばしてしまった。

 

本当は、使いたくもなかったけれど……今ならわかる。どうしても、叶えたい望みがあって……理不尽な理由で、誰も助けてくれないから仕方なく手を伸ばしただけなのに……その結果は、()()()が敵に回っただけだった。

 

私を助けるって言った人も、仲の良かった友達もみんな……みんな……。

 

私はただ、みんなと笑顔で過ごしたかっただけなのに……でも、どうにもならなかった。

何度、繰り返しても……何度、言葉を重ねても……何度、助けを求めても行き着く先は悲しみの連鎖。

 

どれだけ望んで、どれだけ手を伸ばしても最後は必ずみんなが涙する結末だった。

 

なんで?

 

どうして?

 

こんな、悲しい結末に辿り着くの?

 

頑張って、頑張って、頑張れば、未来が切り開けるんじゃないの!?誰も悲しまない未来が、手に出来るんだって信じてた。

 

でも、現実はとても残酷で…私の願いは、尽く届かなかった。

 

 

どれだけ、望んでも……

 

 

どれだけ、願っても……

 

 

どれだけ……

 

 

 

どれだけ……

 

 

 

 

どれだけーーーーー

 

沈んで行く。

この暗やみに、ゆっくりと沈んで行く。

 

どれだけ、手を伸ばしても……

 

どれだけ、追いかけても……

 

辿り着けない結末(未来)。

 

もう、なんでそれを願っていたのかもわからなくなってしまった。最初は、自分一人の力でやるつもりだった。でも、届かなくて周囲に助けを求めたけど裏切られた。

 

だから、禁忌に手を伸ばして……みんなを【敵】に回しても頑張った。なのに、それでも届かなくて……『いつかは』と願ったソレは、この暗く淀んだ世界に沈んで行く。

 

 

()()は、ありとあらゆる願望の終着点。

 

 

決して、叶わぬ【願い】が集まる願望の果て。

 

【ココ】の事は、何も知らないはずなのに私は一目見てわかってしまった。否、悟らされてしまったのだろう。それが、【ココ】の特性なんだと思う。

 

 

もう、夢も希望も無い。

 

 

ただ、冷たくも熱くもないこの海に沈んで行くだけ……

 

 

 

 

 

 

 

 

…そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…私も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…消えr

 

 

「あー、はいはい。そういうのは要らないから」

 

 

唐突に、視界が開けた様に薄暗かった空間に光が差す。見上げれば、天から強い光が差していた。

 

「君は君の世界に戻って下さい。たくっ、この借りは高く付くぞ?如月双夜。()()は、お前の領分だろう?全く、何だって“俺”が絶望に染まった魂を引き上げにゃならんのか……」

 

「……………………」

 

沈んで行くはずだった私の手を掴んで、呆れた様子の“ナニカ”が悪態を付く。それは、人間の様で人間では無いナニカ。姿形が、人間の様に見えるのに不形態で形が定まらない。でも、不快じゃなかった。

 

「とりあえず、掴む手を間違ってんじゃねぇよ高町なのは。お前が掴むべき手は、欲望に染まったバカ共の手では無いからな?もうちょっと、【人】を見てから行動しろよ?つっても、戻っちまえばココでの出来事は忘れちまうんだけどさ……」

 

そして、私は訳が分からないままその淀みから引き上げられた。薄暗く、淀んでいたあの暗闇から真っ白な光の世界に引き摺り出されて目を細める。

 

「じゃ、ココとはオサラバしようぜ?」

 

そう言って、その“ナニカ”は日本刀の様なモノを何も無い空間から取り出した。

真紅の鞘に納められたそれには、綺麗な赤白の組紐によって蝶々結びにされている。その組紐を抜き取って、自らに襷掛けした“ナニカ”は刀を引き抜いた。

 

すると、引き抜かれた刀身が純白に輝き出す。

 

「つっても、絶望する限りココに戻ろうとする力が働くだろうからここは俺の【宝具】でも使っておこうかな?じゃ、自分のあるべき世界に戻れ!真名解放!【縁切り】いいいぃぃぃ!!!」

 

(※対人用宝具【縁切り】。見た目は日本刀。一尺から二尺未満の脇差程度の長さ。取扱い注意!ありとあらゆる【縁】を切り捨てるヤバい代物。双夜が持つ専用武具【死】に匹敵する。組紐の方は【縁結び】で、人と人の【縁】を繋げる宝具)

 

 

“ナニカ”が、振り下ろした純白の刃に世界が切り拓かれる。瞬間、自身に纏わり付いていた“重し”をも切り放して私を天へと浮かび上がらせた。

 

思わず、またあの世界に戻れるのだと嬉しくなって……解放してくれた“ナニカ”に振り返る。彼は、こちらを見上げ手を振っていた。何となく、笑っている様に見えた。顔も何も、不形態で見えないっていうのに笑っている様に見える。

 

「もう、迷うなよ?」

 

『ーーーーー』

 

何かを言おうとして、声を出そうとしたのに何の音も出ない。

 

「いいっていいってわかってるから。如月双夜によろしく」

 

言って、彼は私をあの暗闇の世界から送り出してくれた。そして、私は光の渦に呑み込まれ意識を失う。

 

 

 

 




お久しぶりです。なんとか、戻って…戻って?とりあえず、リハビリ投稿です。短いですが、要の人物をぶっ込んでみました。
というか、重要人物ですよね…高町なのはって(笑) 如月双夜と何度か会った後、痛みと悲しみの連鎖を終わらすべく頑張ったなのはさんが願望の果て…絶望の奈落に堕ちてた所からのスタートです。
因みに、助けに来たのは如月双夜(仮)です(笑) 多分、この物語で一番暗躍している人ですね。いや、如月双夜の物語で一番暗躍している人かもしれません。

次の投稿は、まだ未定ですがちょくちょく上げて行けたら良いなぁって思ってます。
では、また今後ともよろしくお願いします。

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m(_ _)m

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