絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
双夜の仕事、終ー了!!
踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!
アリサ
双夜を引き取って、二年が過ぎた頃……双夜は、遺跡に通じる道を閉じて、世界の調整&修正を終わらせたと言った。
これで、アリシアは一人の人間としての人生を手に入れたという事になる。アリシアが、ちゃんと何を選んでも良い様にその辺りは自由にしたとの事。
それが、どんな“道”なのかはわからないけど……双夜が築いた“道”が、最悪なはずもない事は私が保証する。そりゃ、苦しい事や辛い事もいっぱいあるかもしれないけれど、それはアリシアが幸福へ繋がる“道”だと私はわかっていた。
そうそう、ここ最近で起きた事を話しておこう。
なのは達は、中学卒業と同時に次元世界の中心ミッドチルダに移住した。そして、本格的に時空管理局務めを始めている。夜鏡は、なのは達と同様ミッドチルダに渡り、時空管理局の広告塔の《エースオブエース》になったらしい。
凍真先輩は、すずかに食われたあげく……強制的に月村家へ婿入りした。すずかの執念が、あの婚約を成し遂げたと言って良いだろう。本当に凄まじい、猛烈アタックと執念だったと双夜は語った。それを忍さんがいるお茶会で、事細かく説明するものだからすずかが拗ねてしまうという場面もあったけど……まあ、それはそれで楽しい思い出だ。
そして、凍真先輩だが……今はミッドチルダにいるらしい。
どういう経緯かは知らないけれど、時空管理局でアルバイトをしているという事だった。
錬月先輩も、凍真先輩と一緒にミッドチルダに行ったという話だ。時空管理局で、凍真先輩と同じ様にアルバイトをしているとのこと。
そして、不知火翼だが……今は、海鳴市の高校に通っている。私達とは、別の公立高校へだ。でも、交流はしている。
だけど、時空管理局とは距離を置いて様子見しているそうだ。何故かはわからないけど、彼女は彼女でなのは達とは別の道を歩むとこの間会った時に言っていた。
これが、この二年間で変わってしまった事だ。
最後になるが、双夜は……今、とんでもない書類の山と格闘している。朝起きて、双夜の部屋に来た時には既に書類の山が部屋に溢れかえっていたのだ。
まさか、この身を持って書類の雪崩に埋もれるなんて体験をする事になろうとは思いもしなかった。
「な、なんなのよ!?これはっ!!」
「書類」
出入口からは、双夜の姿を確認できないが部屋の奥から返答が帰って来る。しかも、単的な名詞のみ。
「こんな、書類の山!昨日は、無かったでしょう!?」
「今朝、届いた。使い魔の報告書……」
それにしたって、限度というものがある。
こんな……部屋いっぱいになる報告書、聞いたことがない。
「調整&修正が終るの待ってて貰ってた。大体、二年分でほぼ全次元世界分だから、この程度で済んだのはむしろ幸運。今、ザッと【真実の瞳】で見て読む報告書を選定していた所だ……ぶっちゃけ、全く関係ない世界と“モノ”が無かった世界の報告書に目を通すなんて時間の無駄だからな」
「……………………」
なんて、便利な能力なのだろうか……ただ、視界に納めるだけで全ての情報を読む瞳。そんな能力があれば、会社経営なんて片手間にできるだろう。必要な情報だけを知り、必要無い情報をカットするだけで良いのだから。
「因みに、会社経営とかになると使い方が全然違うんだけどな……必要云々ではなく、内部情報と外部情報。経済情報を読み取って、最善の選択を迫られる。でも、最善の選択は人間関係が壊れやすくなるから……二次・三次の選択の方が良かったりするんだよね……」
「ーーーーー」
こちらの思考を、先読みされた。
思考を誘導するような発言、無かったはずなのに……私を視ることなく、正確に思考を先読みされてしまう。
一体、何を選んで先読みしたのだろうか!?
「書類の山」
「……………………」
今回は、連想ゲームだった。
【真実の瞳】のアシストがあるとは言え、様々な方法でこちらの思考を先読みしてくる双夜は、普通の人には得体の知れない生き物に見えるのだろう。たまに、私のパパがその瞳の力を頼って来るけど、軽くあしらわれている。
頼ってとは言っても、経済関係の話で頼っている訳じゃない。うっかりママを怒らせて、何が原因なのかを聞いているのだ。オブラートにボカして、解り辛く説明を受けているパパがたまに双夜の部屋にいる。
ママ恐いと冗談半分で言っているから、そんなに大喧嘩をしている訳じゃ無いんだろうけど……本当に大丈夫なのか心配だ。希に双夜は、ストレートに答えを言うのでパパが疑心暗鬼になっていることがある。あれはもう、職業病だ。
因みに、ママも双夜の部屋に良くいる……むしろ、常連組。
ママがいる場合は、双夜が女装している事が大半だ。
ただ、お茶をしている事もあれば……双夜を着飾っていることもある。興が乗ると、メイド達を巻き込んでファッションショーをやっていることも。その際、双夜が本気で女装していて、全力で女の子をやっているのを見た。
私が双夜に気が付いたのは、話し掛けられてからなので20分程わからなかったことになる。
いや、本当に度肝を抜かれてしまった。
「んん!?」
双夜が、見ていた書類を二度見している。何か、引っ掛かる事でも書かれていたのだろうか?
「…………【鮮血の】……これ、流出してないか?」
双夜が何もない空間を撫でる様に手を振ると、空中ディスプレイが展開される。何度か、そのディスプレイを叩いて大きな画面を展開した。ディスプレイの中央、たくさんのウィンドに囲まれたそれに何かの文字が表れる。
「うわっ……通信拒否とか……」
そう呟いた双夜は、今度はコンソールを呼び出してカタカタと文字を打ち込み始めた。そして、「送信!」と言って終了する。その数十秒後、大きなウィンドが展開され鮮やかな赤い髪で金色の瞳の少年が画面いっぱいに出現した。
『誰だ!?僕の【時空消滅弾】盗んだ奴は!?今すぐ、見付け出してブチ殺せ!!』
「知るか!つーか、落ち着け……」
『落ち着け!?ふざけるなよ!僕の技術が、流出したんだぞ!?今すぐ、盗んだボケェを見付け出してブチ殺すんだ!!依頼料が足りないなら、上乗せするから!!』
物凄く必死に訴える少年が、「殺せ!殺せ!」と喧しく喚き散らす。
『今すぐ、全軍を召集して……ああ!?んなもん、放置だ!放置!!後回しにさせろ!!「おーい……」世界の破滅!?そんなもんは、丸めてドブに捨ててしまえ!僕の技術が流出しているんだぞ!?【風紀委員】に知れたら、マジで叱られる!いや、叱られる程度なら良い。下手すれば、プチとか……プチッ!とかされるんだぞ!?「【鮮血の】~?」木端微塵のゲル状分解されちゃうんだぞ!?バレる前に、技術を回収しないと……「あ、後ろに【風紀委員】が!」マジすいませんでしたあああぁぁぁ!!!!!!』
双夜のその一言に、画面に写っていた少年はジャンピング一回転半バク転捻りを行い綺麗に着地しつつ土下座を実行。
凄い……あんな土下座、始めて見た。
『って、いないじゃないか!?ちょ、お前……嘘付くなよ!』
「でも、落ち着いただろう?」
『落ち着けるかぁ!!お前が送って来たメールに付属されてた設計図見たけど、あれは間違いなく僕の技術だ!!そりゃ、ちょっとデカイかなぁ~?とか、プログラムがちょっとバクっているかなぁ~?みたいな事は思ったけど……ちゃんと動いていて、結果的に次元が無くなっていたんだろう!?』
「まあ、報告書には……そう書かれているけど……」
右手に持っていた報告書を眺めながら双夜は答える。
『よし!戦争の準備だ!蔵を開けろぉ!!!』
「だから、この世界に攻め込んだら時空管理局と対決する事になるだろうが!!」
『潰す!!』
「いや、だから……【風紀委員】にメールするぞ?」
『……フッ、落ち着いたぜ☆』(・`ω・)b+
赤い髪の少年は、キリッとした顔で真顔になっていた。
その【風紀委員】というのは、双夜達に取ってどんな存在なのだろうか?
「兎に角、それの回収と破棄はこっちに任せてくれないか?必要なら、《ルール・ブレイカー》でなんとかするからさ」
『だったら、部隊を派遣するよ。それに関わった者、巻き込まれた者、全員抹殺だ!』
「さて、【風紀委員】のアドレスは……」
『すいません!調子こきました!!』
「自分が決めた理念を無視すんなや……」
『σ(・ω・`?)……………………………………………………ああ!』
「えっと……通報しないと……」
『わ、忘れてないよ!!いや、本当に!!』
いや……今のは、本気で忘れてた顔だった。
双夜に足枷をはめた人物が、それを忘れているなんてふざけた話である。その、恐怖の【風紀委員】さんに通報しても良いレベルだ。
「その自分は良いけど、他人はダメ!って、鬼ルール止めない?終いには、潰すよ?【風紀委員】と……」
『そんなつもりは、一切ない!!でも、【風紀委員】には言わないで欲しい!』
『何をですか?』
画面の奥にスーツ姿の青年が現れる。一瞬、スーツ姿のウーマンかと思ったけれど、声で男性である事が判明した。
ただ、動きが女性に近いのである。
『僕の技術が流出した事をだよ!!』
「俺じゃねぇよ……後ろ後ろ」
『え!?』
赤い髪の少年が、振り返った瞬間……画面が、真っ赤に染まった。まさか、人間が破裂する瞬間を……双夜が体を張って半分隠したけど……見る事になるなんて、最悪の気分だ。
『双夜さんも、この件に関わっているのですか?』
「いえ、全く!ってか、現在その事を報告してました!!」
ビシッ!と敬礼して、双夜が答えると青年は一回頷いて足元に視線を向けた。双夜が、胸を押さえてホッとしている。
『それでは、ハルさんもう少しお話しを聞きたいので指導室まで来ていただけますか?』
『ヒイィイィィィ……!!』
『双夜。流出物については、貴方に一任します』
「了解であります!」
双夜の返答を聞いて、通信は切れてしまった。
画面が真っ黒になった瞬間、双夜が腰を抜かしたかの様にその場でヘタリ込んでしまう。余程、怖かったに違いない。
双夜の元へ行って、頭を撫でてやる。
「あ、アリちゃママ……」
『あ、そうでした。忘れてましたが……………………何をしているのですか?』
再度、ウィンドが開き先程の青年が画面に写る。
そして、私を見て状況を確認してから双夜に冷たい視線を向けて目を細めた。
「あ、アリちゃ《ママ》はーーー」
『《ママ》?《ママぁ》!?《ママ》ッスか!?双夜の《ママ》っ!!ギャハハハ!!何やってんの!?その辺の女の子引っ掛けて《ママ》!?アハハハハハハハハハハハ!!もしかして、人生のやり直しでもしてるんでちゅか!?アハバギャアアァァァー!!』
双夜が、私を庇おうとして《ママ》と言った瞬間、頭から血をダラダラ流した赤い髪の少年が出現し、画面の中で腹を抱えて大笑を始めた。その様子を見てカチン!と来たが、【風紀委員】さんが裏拳で馬鹿笑いをしているクズをもう一度木端微塵にした。
『そうでしたか……失礼しました。このクズに代わり謝罪申し上げます。双夜、先程言い忘れていましたが……』
「……一般人の前で、木端微塵は止めといた方が……」
『ーーー重ね重ね、申し訳ございません。双夜、フォローをお願いします。後、できるなら全データの回収と全兵器の回収を……残さない用にお願いします。《ルール・ブレイカー》だけでは、何かと不安が残りますので……徹底的に破棄してくださいね?頼みましたよ……』
「わかった。使い魔達にも通達しておく……あ。【風紀委員】、僕のトラウマなんだけど……【魂の改竄】みたいなんだ。何か知らない?」
【風紀委員】さんが、少し驚いた様に目を見開いてすぐに細めた。その様子から、意外なモノを見たかの様な雰囲気が感じ取れる。
『…………もう、気がついたのですね。素晴らしい観察眼です!ですが、理由は私の方からはちょっと……』
「ああ、やっぱり【魔導兵器】絡みかぁ……」
『Excellent! そこまで、見抜いていましたか……いえ、もしくは憶測の段階でしょう。あの方々が、貴方を欲する理由がわかるというものです』
「持ち上げるなよ、【風紀委員】……」
『いえいえ、心からの賛美ですよ』
「あ。【鮮血の】が、匍匐前進で……」
『おやおや、何処に逃げようというのですか?』
『うわあわぁーーー!』
赤い髪の少年は、悲鳴を上げながらその場を逃げ出した。
それを見送って、青年は一度こちらを振り返る。
『では、またお会いできる日を楽しみにしておきますね?……ふふふ……』
ゆら~と、逃げて行った赤い髪の少年を追って青年は画面からいなくなってしまった。
「……………………」
「……………………」
「個性的な人達なのね……双夜の友達って……」
「アイツ等は、友達じゃないよ……雇い主ってヤツだ」
雇い主……ね。それにしては、仲が良さそうに見えたけれど……本当の所はわからない。
「全データ&兵器回収かぁ……魔法なら、《ルール・ブレイカー》で確実なのに……科学系の兵器は、何通りかあるからなぁ……下手に根本を砕くと、科学その物が使い物にならなくなるし…………一方的な管制通信!【全データ&兵器の回収と破棄が依頼されました。徹底的に探し出して回収&破棄をお願いします!】……と」
本当に面倒臭そうに、双夜は使い魔達に連絡事項を告げるだけ告げるとさっさと通信を止めてしまった。
その後、使い魔達からの通信やメールは一切無し。
理由を聞いたら、『見棄てられた世界でも、いつ誰が見ているとも知れないから足が付かない様に』なんだそうだ。
一方的な通信のみで、返答等は求めないのが神々に見付からないコツなんだってさ。
双夜達が、神様達に見付からない様に隠密行動するのは当たり前の話だし……見付かったら見付かったで、今度は囮として散々引っ掻き回すのが双夜のヤるべき事らしい。
「面倒……………………はっ!?もしかして、僕もミッドチルダ行きになるのか!?超面倒臭くなった……」
その場で、横になってゴロゴロし始める双夜。
本気で、面倒らしい。まあ、流出した全データと兵器を回収しなければならないというのは、どれ程の労力になるかは流出量と拡散状況で変わってくるから。それを思えば、双夜が面倒そうにしているのを見て大体予想を付ける。
かなりの広範囲で、大量に量産された後……って処かしら?
「【時空消滅弾】……弾と言いながら、エネルギー砲なんだけど……撃ったら、小規模次元断層が発生して世界を呑み込む危険な兵器……戦艦にでも組み込まれたのかなぁ……」
アルカンシェルみたいにと呟く双夜は、とても疲れた様な顔をしていた。
「お嬢様……」
いつの間にか、背後に鮫島が立っていた。
振り返って確認する。
「先程、夜鏡様がお越しになられまして……」
「夜鏡が?」
「はい。双夜様にお話があると……」
「双夜は、年中忙しいのよ!馬鹿には、はやてとラブラブしていなさいとでも言っておきなさい!!」
そう……馬鹿は今、はやてと付き合っていた。
その上、最近は私達の事を【嫁】とは言わないで……高町・月村・バニングス・テスタロッサと呼んでいる。
「良いよ、アリちゃママ……後で、連絡するから。ありがとう、おじいちゃん!」
「双夜?」
「いえいえ、私は当然の事をしているだけです……」
そう言って鮫島は、満面の笑みを浮かべて去って行った。
………………………………
……………………
…………
「よう!久しぶりだな……今日こそ、お前をぶちのめしてやる!!覚悟しろ!!」
「通算15923戦15923勝0敗の僕に、いつ勝てるんだろうね…君は。もしかして、負けるのを楽しんでいるのかい?」
「んな訳あるか!!」
二年前。双夜にギタンギタンにされたあの馬鹿は、事ある毎に勝負を挑んで負け続けた。過去を改竄する前の勝敗を含めて、通算15923回に負け込んでいる。
《エースオブエース》と呼ばれても、双夜に負けるが故か……はやてとの結婚も延び延びであった。
ここら辺で、勝利してはやてと結婚したい馬鹿に取っては双夜は最大の障害だ。まあ、以前はやてに聞いた話しでは……それが、大きな助けになっているとの事。
自分の部隊を持つまでは、結婚の事を棚上げしてはやては仕事に打ち込みたいらしい。
哀れ夜鏡。
「戦術の幅にしても、戦闘の経験にしても劣っている君に勝ち目なんてあるのかい?」
「うっせぇー!お前と殺り合わないと、強くなってんのかわからないんだよ!!」
神様特典が、馬鹿の経験や戦術に悪影響を及ぼし、自分がちゃんと成長しているのか本当にわからないらしい。
だが、双夜と戦う場合……《神殺し》の常時スキル【神殺し】が神様特典を無効かするので、自分の成長度合いがちゃんとわかるらしいのだ。ただ、馬鹿が実感する訳ではない。
双夜が、馬鹿の成長度合いを確認して、双夜が馬鹿に伝えて貰うという方式だ。
ぶっちゃけ、双夜の足を引っ張る行為である。
それで一度、双夜がキレて馬鹿を病院送りにしたことがあった。【神】を殺す為の技術で、常時神速の高速戦闘で、戦闘が始まって数秒後の病院行きは馬鹿にとんでもないショックを与える。それにより、馬鹿が一時期戦えなくなるという……第一次バトルショックが、一週間程起きた。
最長は、1ヶ月。その周期は、バラバラだ。
前回の第二三次BSでは、最短の3日だったが……どういう理由で、期間が決まるのかは本人でさえわかっていない。
因みに、双夜は基本的に戦術も技術も使わない戦い方を心掛けていると言っていた。希にうっかりで、技術が出るらしいのだが……それ以外では、基礎武術のみで押しきっているらしい。それでも、馬鹿が双夜に勝つ処かクリーンヒットさせる事すらないので、馬鹿がどれだけ弱いのか良くわかる。
双夜に言わせると、神様特典込みでも素人に毛が生えたくらいの動きなんだそうだ。
まあ、戦えない訳じゃ無いけど技や極意を使う程でもない。
同じ格闘家なら、楽に倒せるレベル。
相手が戦争屋なら、即行で逃げろ!とか言っていた。
戦争屋の意味がわからなかったので聞いてみたら、プロフェッショナルの事だと言われる。どう足掻いても殺しのプロには勝てないから、遠距離からチマチマ攻撃して仕留めろと馬鹿に助言していたのを覚えていた。
「ブベシッ!」
物思いにフケッている間に、シャチホコみたいになっている馬鹿がいた。双夜を見れば、かすり傷一つ負っていないのでホッとする。まあ、心配するだけ無駄かも知れないけど。
「はーい!15925勝」
既に、二戦目だったみたいだ。
「ま……まだまだぁ!!」
「にゃははは。ちょこっと、白皇一閃!!」
「グギャッ!!!」
神速の一撃が、まるで走って来たトラックに跳ねられたかのように馬鹿を吹き飛ばして行く。そして、馬鹿の着地地点に双夜がいて……落ちて来た馬鹿を、逆の方向へと蹴り抜いた。馬鹿がまた、顔面でスライディングしていく。
なんで、あの馬鹿は受け身を取らないのだろうか……全くもって、不思議である。
「ほらほら。さっさと立って構えろよ、馬鹿!」
「う、うるさい!馬鹿馬鹿言うな!!」
「つーか、前回からあまり成長が見られないんだが……何もしてないって事は無いよな?」
「ちゃんと、トレーニングしてるわ!!」
「僕の言ったメニューで?」
「……………………」
馬鹿の目が、段々双夜から逸れて行く。別のメニューをやっていたというのがバレバレだった。
「もう一回、病院に行く?それとも、なのはさんの特別メニューする?」
「……どっちも、嫌です……」
なのはの特別メニューは、見せて貰ったけど……魔法が使えない人が見たら、鬼メニューだった。
整列している生徒達に、逃げてみて!と言いながらディバインバスター。一撃目で、四散した生徒達を今度は大量のシューターで追い回して各個撃破。最後は、スターライトブレイカーで一網打尽……って、鬼畜な訓練を見せられた。
「グベェー……!!」
双夜の掌底で、アッパーカットされた馬鹿が浮き上がる。
すかさず、肘を腹に入れて回し蹴りで馬鹿を蹴り飛ばす。
更には、追い討ちにピンクのシューターを七つ放った。
地面に落ちる寸前で、七つのシューターが馬鹿を射抜いて終了。馬鹿は、頭を地面に突き立てられてもがいていた。
「ディバインバスター!」
馬鹿が動けないのを良い事に、双夜が砲撃魔法で諸々凪ぎ払う。
「うん。なのはと良い勝負だわ……」
何となく、なのはの特別メニューの訓練と双夜の馬鹿強化訓練が被る。接近戦と遠中距離戦……やっている事は違うのに、大まかに見ると同じ事をしているように見えた。
その後も、双夜の一方的な蹂躙が続き……双夜が、【剣】を手にしたのを見て馬鹿が逃げ出した。
「おやおや、何処に逃げようと言うのかなぁ?」
斬と一凪ぎ。馬鹿が、双夜の放った剣閃を転がり回りながら回避。結界の中とは言え、庭にある噴水や花壇が切り刻まれて行くのは見ていて楽しいものではなかった。
「卑怯だぞ!?正々堂々とステゴロで戦いやがれ!!」
「え?良いの?」
「…………いや、あの……本気では、殺らないで欲しいかな?」
正々堂々って事は、手加減無しという意味で双夜が解釈している。前回の瞬殺も、『正々堂々、勝負しやがれ!』が原因だったし……馬鹿もその事を思い出したのだろう。
しかし、剣を投げ捨てた双夜が腕をグルグル回して楽しそうにしている。馬鹿が、段々青くなっていった。
そして、私は人間の限界を見る事になる。
どんなに殴っても、どんなに蹴飛ばしても、ある一定以上は飛ばないし浮き上がらない。
「ーーーーー」
そして、馬鹿は撃沈した。
ピクリとも動かないし、何の反応もしなくなる。
双夜が、回復法術を掛けて終了した。
その後、気が付いた馬鹿と双夜が戦術云々を話している。
ただ、馬鹿の様子が少しおかしい。まあ、号泣しているだけなんだけど。ちょっと、聞き耳を立ててみた。
「神様特典で、強くなっていると誤認されてもなぁ……お前は、基礎部分が抜けてるから弱者に変わりは無いし……」
「……い、今更、基礎なんて……」
「ぶっちゃけ、プロの前じゃあそこそこ戦える魔力が大きいだけの魔導師っていう評価にしかならんからなぁ……」
「で、でも、今は……」
「今は、エースオブエースなんですぅ……とでも言うのかい?魔力ランクだけで、実力が無くても出世できるシステムの中で……重宝されているからって、調子こいてんじゃねぇよ!」
「…………」
魔力ランクにしても、実力にしても双夜に全く勝てない馬鹿が泣く。そんな馬鹿を見て、私が思う事は以前見た馬鹿の生前の姿。ハッキリ言って、キモいだけの容姿。
うっかり、今の馬鹿と被って吐き気を及ぼした。
そして、堪忍袋の緒がキレたのか馬鹿が不意討ち気味に双夜に拳を向ける。が、あっさり顔面を蹴り抜かれて沈んだ。
BJを展開していなかった馬鹿は、頭からダクダクと血を流して気を失っている。双夜がもう一度、回復法術を掛けてバインドで空中に固定した。そのまま、生き地獄が始まる。
内臓破裂を含む、問答無用の連撃が開始されたのだ。
例え、体が木端微塵になったとしても双夜であるなら後遺症すらなく回復させることができるが故のお仕置きである。
双夜が所属している組織では、当たり前に行われていると双夜が言っていた。
ーーあ、馬鹿の下半身が、木端微塵に……エグい。
色々邪魔されて、二年も掛かってしまった……(泣)
ジャンピング土下座は、ちょっとやってみたかった。
でも、良く良く考えたら、やっていてもおかしく無いことに気がつき……まあ、良いか。と自己完結。
そして、【風紀委員】の話しで冷静になる【鮮血の】w
でも、【風紀委員】が現れて木端微塵にwそんなモノを書いていて、『ああ、懐かしいなぁ……』とか思ってしまったw
基本的に不老不死でなければ、【次元の果て】ではやっていけない。あんな感じの日々が、毎日繰り返されていて《旧・神族》の悪さにストレス発散の場を求めるキチガイ達。
出撃すれば、最後……敵を殲滅するまで、ストレスをブチ撒ける。それが、【次元の果てから】という物語であった。
(笑)
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
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