絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

63 / 592
踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!


四三話

野分

 

 

 

私は今、ミッドチルダのとある喫茶店にいた。

なのはとの待ち合わせの為に、ここにいた訳なのだが……何故か、目の前にはすずかと凍真先輩と夜鏡がいて殺気を撒き散らしている。主に殺気を撒き散らしているのは凍真先輩で、夜鏡は顔を真っ青にしつつも根性で凍真先輩を睨んでいるという状況が出来上がっていた。

なんで、こんなことになってしまったかというと、凍真先輩とすずかがミッドチルダでデートをしているところに夜鏡がチョッカイを掛けて凍真先輩がキレてしまった……と言ったところだ。

凍真先輩は、静かに怒るタイプなので本気で怒らせると恐いタイプだったりする。今も、表面上は笑顔で……でも、目が笑っていない。それに対して、夜鏡は無言で凍真先輩を必死に睨んでいる。

 

 

「……………………」

 

 

カップを手に取り、口元に運ぶ。

冷めてしまった紅茶を一口飲んで、溜め息を吐いた。

なのは、速く来ないかなぁ……と視線をあらぬ方向に向けて……ポロッとカップを落としてしまいそうになる。

 

 

「ーーーーー」

 

 

サッと視線をすずか達に戻し、何も見なかった事にした。

ここで、あの《神殺し》に絡んでもなんの得にもならないことはわかりきっているのだが、《神殺し》の相手がちょっと……いや、本気でヤバイ系の人だった。

関わりたくないと言って良いなら、一生涯関わりたくない人種の……俗に、マッドサイエンティストとか呼ばれる紫色の髪の人とにこやかにお茶しているのだ。

 

 

ーーっていうか、マッドにしろ、《神殺し》にしろ……どうして、ここにいるのよ!?……え?まさか、【原作】ブレイクなの!?

 

 

「お待たせー♪野分ちゃん!……あれ?凍真先輩?」

 

 

「お待たせ、野分…………すずか?」

 

 

「え……あ、なのは……それに、フェイト?」

 

 

なのはに呼び出されたはずなのに、何故かフェイトもいた。

それ程久しぶりではないけれど、このメンバーで会うのはそこそこ久しぶりだ。

 

 

「それで?私に用って?」

 

 

「あ、その前に……あ、いたいた。おーい!双夜くーん!」

 

 

「え!?」

 

 

なのはが、《神殺し》に向かってブンブン腕を振っている。ちょっと、待って!なにか、とんでもない事が目の前で進行している気がした。

チラッと凍真先輩達を見ると、目をひん剥いて硬直している様子が伺える。ああ、二人も知らなかったんだなぁ……と安心して、安心した事に頭を抱えてしまった。

 

 

「あ、待ち人来たる、か……行くぞ!」

 

 

「ん?ああ、そうだね……」

 

 

《神殺し》と問題の人物が立ち上がり、こちらへと近づいてくる。ここまで来ると、凍真先輩や夜鏡もこの呼び出しをしたのが《神殺し》であることに気が付いた。

直接連絡では、私達が来ない可能性を加味しての呼び出し方法だったみたいだ。

 

 

「よぉ!」

 

 

「「「あんた、なんばしよっとか!?」」」

 

 

ガン!と机を両手で叩き付けて、速攻でたたみにはいる。

だけど、それは私だけではなく凍真先輩達もだった。

だが、このマッドの紹介をさせる前になのは達をこの場から遠避ける必要がある。この《神殺し》の口を封じ込める為にも私達は協力せざるを得ないだろう。

キッ!と凍真先輩と夜鏡に視線を向けると、二人もこちらに視線を向けていて、視線が交差した所で小さく頷いた。

 

 

「《沈黙の音(サイレンス)》!」

 

 

こちらが口を開く前に、言葉を封じられてしまった。

まさかの先手である。私達は、無言のまま身振り手振りで《神殺し》を止めようとしたけどヤツは止まらなかった。

 

 

「こちら、広域次元犯罪者のジェイル・スカリエッティさん。僕の使い魔達に捕まった哀れな犯罪者さん……で、こちら時空管理局の執務官フェイト・テスタロッサさんと航空武装隊のエース・ストライカー高町なのは教導官だよ!」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「ーーーーー」

 

 

心の中で呻きながら、頭を抱え悶絶する私と馬鹿と先輩。

なのは達は、目の前にいる超有名な次元犯罪者に硬直。

言葉を失って、《神殺し》を仰視していた。

 

 

「どうやら、本当にそちらの子達は私の事をご存知の様だ……」

 

 

ニヤニヤと、薄ら笑いをしているジェイル・スカリエッティに私達が補足されてしまう。

 

 

ーー関わりたくないのに、興味を持たれた!「興味」を持たれたぁよぉぉぉ!?

 

 

「「えええっーーーー!??」」

 

 

なのはとフェイトが、遅い驚愕の悲鳴を上げる。

 

 

「ほほぉ……君がFのざ「フェイトちゃんだよ?」……フェイト・テスタロッサか……」

 

 

ーーあれ?今、《神殺し》に訂正された瞬間……真顔にならなかった?

 

 

ほんの僅かな時間、ジェイル・スカリエッティに恐怖に近い感情が表れた様に見えた気がした。

 

 

「あ、彼ね……ウチの使い魔に、ギタンギッタンにされてたんだよぉー♪秘密の研究所を襲撃されて、命からがら逃げ出したらぁ……目の前に、数千体の使い魔(襲撃中)に囲まれててさあ……もう、大笑いだったらしいよ?」

 

 

「あんた……どんだけ、戦力保有してんのよ!?」

 

 

「探敵用が約数兆。戦闘用ビーストなら数千万体で……人形(ヒトガタ)なら、百万いるよぉ?」

 

 

「どんな、過剰戦力なんだよ!?」

 

 

「えー?【神】を殺すなら、これくらいは必要なんだよー♪」

 

 

「ああ、前提が違いましたね……」

 

 

「………………………………はっ!時空管理局執務官、フェイト・テスタロッサです!広域次元犯罪者ジェイル・スカリエッティ、あなたを逮捕します!!」

 

 

「フフフ……出来るものなら、やってみるといい……私は、逃げも隠れもしないからね……」

 

 

「てか、逃げ切れなかったんだよ……この人」

 

 

ものすごーく、爽やかな笑顔で《神殺し》がジェイル・スカリエッティの肩に手を置いた。

そして、「ねぇねぇ、逃げてみる?逃げてみる?また、追い掛けっこする?」とか煽り始める。

ジェイル・スカリエッティが、段々青くなっている所を見ると余程酷い追い掛けっこが行われたのは明白だった。

 

 

「そんだけの過剰戦力なら、そうなるよな……」

 

 

「ドォクタァー、こちらも食べて良いでぇすかぁー?」

 

 

唐突に、自らの存在をアピールするかのように会話に割り込んで来たのは、所々包帯を巻いたクアットロだった。

メニュー片手に、何かを指差している。

 

 

「ん?ああ、構わないよ……」

 

 

「クアットロ、ズルイぞ!ドクター、私もこのお酒を試してみたいのですが……」

 

 

更に、腕を吊り下げたトーレが割り込んで来る。

 

 

「あ……えっと……双夜くん……」

 

 

ジェイル・スカリエッティが、懇願するように《神殺し》を見上げる。

 

 

「ああ?そんな安酒飲むくらいなら、【船】にあった神酒飲みゃ良いじゃんか!」

 

 

「世界三つ分の金額になった上品な酒は勿体無い!それなら、こちらの方が断然良い……」

 

 

「貧乏性だなぁ……」

 

 

世界三つ分の金額?もしかして、【王家の船】の樹に実ると言われている、果実を使ったアレの事じゃぁ……ゴクリ。

思わず、生唾を飲み込んでしまった。

ってか、クアットロにトーレ……ドゥーエまでいるんですけど。辺りを見回すと、ウーノやセッテ、チンクもいた。

私達は、気が付かない内に囲まれているみたいだ。

しかし、どこかで見たような……えっと、闇の書事件で見た《神殺し》の使い魔の方々もいるようなので、ちょっと安心する。

 

 

「え……あれ?」

 

 

「ん?何、フェイトちゃん?」

 

 

「なんで……仲が良いの?」

 

 

「仲が良いのは、良いことだろ?」

 

 

「え?あ、うん……ち、違うよ!?そうじゃなくて、ジェイル・スカリエッティは凶悪犯罪者なんだよ!?なんで、仲良くしてるの!?」

 

 

「凶悪犯罪?でも、逃げてないよ?」

 

 

《神殺し》の言葉には、裏がある。

『逃げないよ?』ではなく、『逃げれる訳ないだろ?』……だろう。多分、目に見える範囲だけじゃない。かなりの広範囲に、使い魔が配置してあるとみた。

 

 

「えっと、そうじゃなくてね?悪い事をした人は、捕まえないといけないんだ……」

 

 

「大丈夫だよ。逃げないから♪」

 

 

それも、違うだろう。『逃げないから』ではなく『逃がすつもりはない』じゃ無いのか!?

 

 

「目に見える範囲内にしかいないけど……ここにいるのは、全部戦闘用の使い魔だから……♪」

 

 

「「「「「……………………」」」」」

 

 

スカリエッティ達の反応を見る限り、ここにいる使い魔の実力を知っているのだろう。

既に戦って、割りとアッサリ叩き潰されたとみた。

その上での、放し飼いか……そんな風に感じた。

ヤツは、持っていた鞄から分厚いファイルを取り出すとフェイトにそれを渡す。なんとなく、そのファイルにはジェイル・スカリエッティの犯罪履歴が書かれているような気がした。

 

 

「はい、時空管理局最高評議会の犯歴。スカさんが、彼等に雇われていた何て言うから調べるの苦労したんだよ♪」

 

 

「って、そっちかっ!!」

 

 

「もう、調べられたのかい!?」

 

 

「ちょっと、時間かかったけど……これくらいなら、二日もあれば十分だよ?ああ、スカさんの犯歴も入っているよ?」

 

 

「アカン……コイツ、最強過ぎるだろう!!」

 

 

凍真先輩が、頭を抱えてテーブルに突っ伏してしまった。

夜鏡も似たようなモノで、ヤツの暴走を止められそうにない。更に、ジェイル・スカリエッティが燃料を投下する。

 

 

「元々、僕はその最高評議会に造られた存在でね。彼等の要望に応えていただけなのだよ……」

 

 

フェイトが、慌ててファイルを読み漁っている傍らでなのはがレイジングハートを持ち出し握り締めている。

なんていうか……恐い。いや、ここに居たくない。

許されるなら、今すぐこの場を離れて地球に帰りたかった。

 

 

「とりあえず、裏取りもしてあるから時空管理局の法で裁いて……次は、最高評議会をプチッと潰そうよ♪」

 

 

「え……えっと……ええっ!?」

 

 

「大丈夫、大丈夫♪既に手は、打ってあるから♪」

 

 

「「「〔何しやがった!?〕」」」⬅念話

 

 

「え?ああ、最高評議会の居場所を探っているだけだよ!大丈夫、大丈夫♪……まあ、だからここにはこの程度の戦力しか残ってない訳だけど……」

 

 

ヤツがそう言った瞬間、地上管理局の塔がある方向で大爆発が起きた。

 

 

「あははは…………」

 

 

既に『手は打ってある』って、そういうことか……。

頭が痛くて……だけど、もう直る見込みはないらしい。

夜鏡も、凍真先輩もどうにでもなれっ!って顔をしている。

 

 

「膿っていうのは、見付けたら即行で排除する必要があるんだよ。それに、今の最高評議会は精神を病んでいる。そんな奴等が、ずっと最高評議会なんて行っているのはおかしいだろう?」

 

 

「これが、最高評議会の今の姿だよ……」

 

 

ジェイル・スカリエッティが、映像で最高評議会の今の姿を投影画面に提示した。そこには、アニメ同様の脳みそが入ったカプセルが三つ並んでいる。

 

 

「これが、管理局の最高評議会。人としての肉体を失って尚、自分達が管理局を……しいては、人々を導かねばならないと……いう妄想に固執する老人達だよ」

 

 

「肉体を持たない、ただの脳みそに『人間』が理解出来る訳がないだろう?そもそも、人間だった者が脳みそだけになると……色々な不都合が、発生するんだ。脳髄って、記憶や肉体の管理をする機能しかないんだよ?人格や精神ってのは、肉体に宿るものだ……それを排除したら何が残ると思う?」

 

 

「知識と経験……では、無いのかね?」

 

 

「まあ、そうなんだが……それは、最初の数年だけだ……その後は、肉体の無くなった経験が積み重なって……本人の気が付かない内に知識が歪んで行くんだ……脳髄そのモノが、肉体になる訳だから。それ専用の精神が再構築される……」

 

 

「……問題があるのかい?」

 

 

「あるよ。要するに、人々は人間ではないモノに導かれているんだ。しかも、一番ヤっちゃぁイケない方法で……脳髄だけにして、それに先導させるって馬鹿ですか!?《旧・神族》だって、人間の脳髄だけを売り買いしていても、その脳髄の為に肉体を用意するんだよ?肉体を持たないソレは、人間ではないという認識なんだ。ぶっちゃけ、得体の知れない存在に導かれているようなモノさ……」

 

 

「脳髄を売り買い……?」

 

 

「あ、そっちはどうでも良い。人の営みを忘れた存在に、人を理解することは出来ないって話だよ」

 

 

「……人の営み……」

 

 

「そ。要約するなら、そういう事なんだよ。人間っていうのは、人と関わって……人としての営みを……無駄だったとしてもやる必要があるんだ。でないと、人は人で無くなってしまう。僕だって、こうして人間と関わっているからこそ人間らしく振る舞えるんだよ?それを辞めた馬鹿に、人間なんて語られたくないね!」

 

 

そう、嫌悪感を隠そうともしない《神殺し》をジェイル・スカリエッティが興味深そうに見ている。

 

 

「人間らしく?とは、どういう事なんだい?」

 

 

ああ、やっぱり……と顔を覆い、頭を抱える。

 

 

「言って無かったか?僕は、超高エネルギーで構築された質量体だよ。俗に高次元精神生命体と呼ばれる不老不死の怪物さ……」

 

 

「ほぉう……高エネルギー質量体か!素晴らしい!是非とも、調べてみたい存在だ!!」

 

 

「あ、それ……無理。君の技術力……っていうか、学科が違う。機械工学じゃなく、エネルギー工学と精神学&魂学方面の知識を持たないと考察もできないから……」

 

 

「エネルギー工学は、一応カジッてはいるが……精神学やその【魂学】というモノは、ちょっとわからない。クックックッ……この私に、わからない知識があるとは……興味深い……」

 

 

なんだか、話しがとんでもない方向に進んでいる様な気がする。

 

 

「そのエネルギー工学だが、ロストロギアを解析して得たモノだろう?ぶっちゃけ、間違ったエネルギー工学では至れないからな?」

 

 

「……間違っているのかい?それは、それで興味深くあるが……」

 

 

「ハッキリ言って、人間が認識できる範囲と僕等が認識できる範囲が違うんだよ。それに、間違っているのではないものもあるし……足りてない理論や係数など様々な部分で、抜けてたり……致命的なのもあるし……大変だね?」

 

 

こっちは、もう着いていけない領域の話になってしまっていた。ああ、帰りたい……という感情のみが、私の中を渦巻いていた。

 

 

「………………時間が足りないって事か……不老不死になる方法はあるのかい?」

 

 

「無いよ。そんなモノがあるなら、こっちが教えて欲しいよ!そしたら、群がってくるアホ共を蹴散らせるっていうのに……」

 

 

「フム……ならば、仕方がない……プロジェクトFの出番だね!!」

 

 

「え?自分を量産する気?」

 

 

「必要であるならば……ねえ?」

 

 

また、無茶な結論に至っているし……ほら、私怒ってますという顔で二人を睨んでいるフェイトがいた。ファイルを読む手を一旦止めて、フェイトが二人を睨んでいる。

PFに並々ならぬ思いが、フェイトにはあるのだろう。

クローンとして産み出されたからなのか、これ以上悲しみを作らない為なのかは私にはわからない。

その話を、フェイトの口から聞いた訳じゃないから……だけど、エリオの事もあるから余計に怒っている事はわかっていた。PFは、フェイトにとって最も業が深い技術だろう。

 

 

「大量生産しても、至れる可能性は零に等しいよ?」

 

 

「何故だい!?」

 

 

「あ、そうそう。八神はやては、使い魔に連れられて地上管理局に行ったから……今、さっきの爆発の真っ只中だよ?頑張って、助けて上げないと……」

 

 

「え?ちょ……」

 

 

「なんだと!?はやて、今行くからなっ!!」

 

 

唐突に告白された事実に馬鹿が反応、椅子を弾き飛ばして地上管理局の方へと走って行ってしまった。

ジェイル・スカリエッティは、別の話題に変えられて完全に置いてけぼり状態。何かを掴もうと持ち上げたのか、手が何も掴めないまま空中をさ迷っていた。

馬鹿の姿を見送った後、しばらくして私達のデハイスにとある一本の連絡が入る。

その連絡は、緊急出動要請のモノだった。

 

 

「……このタイミングでの緊急出動要請……何したの!?」

 

 

「結構、のんびりしてるよね。襲撃直後、すぐに発令しておけば……近隣にいる不特定多数の局員に声を掛けなくて済んだのに……哀れ」

 

 

「どういうこと???」

 

 

「緊急を要するんだよ。僕の近衛使い魔、約五千体が地上管理局内部にワッ!と現れて大混乱(笑)!手に負えなくなって、近隣にいる局員に声を掛け撒くっているのさ……でも、もう遅い……ほら、こっちにも連絡が来たよ♪」

 

 

『最高評議会を発見しました!』

 

 

「ね?」

 

 

『なんや、これ!?』

 

 

『管理局の実質的なトップです!貴女達の最高上司ですね!』

 

 

『この脳ミソが!?』

 

 

はやての声が、《神殺し》の通信の方から聞こえている。

つまり、【原作組】が最高評議会の居城にいるってことだ。

 

 

「何、やってるんだ!?お前……」

 

 

「いやいや、犯罪者が隠れているっていうのに、指くわえて見ている訳に行かないでしょう?フェイトちゃんに追加の仕事だよ♪」

 

 

私達の座るテーブルの上に、ドサドサッ!!と分厚い書類の山が積み上げられる。

 

 

「……………………」

 

 

「ちょ、双夜くん!今、管理局を襲撃してるって言った!?」 

 

 

「うん。……ああ、大丈夫だよ。避難勧告及び避難誘導は最優先でやらせているし……負傷者も死亡者も出てない。ぶっちゃけ、ほぼ無血で局員を無効化してるんじゃないかなぁ?」

 

 

なのはが、その発言に困惑している。

《神殺し》は、自信満々で言い切っているし……何より、使い魔達が無血で無効化をしていると信じ切っていた。

 

 

「で、でも!管理局には、精鋭が揃っているんだよ!?」

 

 

その精鋭を育てたなのはとしては、局員と使い魔が拮抗もしくは使い魔捕縛のイメージがあるのだろう。しかし、《神殺し》の使い魔は平均男性の約10倍の身体能力があるとか言って無かったか……。

私には、局員に《神殺し》の使い魔を止められる程の精鋭はいないだろうと予測する。

 

 

「えっと……状態異常系の魔法使うよ?うちの使い魔……あー、麻痺とか睡眠とか……」

 

 

ーーあ、詰んだ。

 

 

この世界の魔法に、状態異常系の魔法は存在しない。

魔力ダメージで、ノックアウトするか……あったとしても、レアスキルの電撃変換資質による感電くらいなモノだ。

 

 

「あ!これ、管理局の最高評議会が犯した犯罪の山々ね?」 

 

 

ポン!とジェイル・スカリエッティの肩に手を置いた《神殺し》が、ニッコリ爽やかにとんでもない事を言った。

 

 

「で、コレが証拠品だよ!」

 

 

「「「ーーーーー」」」

 

 

なのは、フェイトが無言で固まる。

 

 

ーーいや、うん。その流れは、予想できなかった。

 

 

私自身、《神殺し》のとんでもない行動力に言葉を失ってしまっている。

呻くことすらできないなんて……貴重な体験だ。

 

 

「うわぁ……三期終了かぁ……」

 

 

「これ以上、邪魔されたくないからね……僕の仕事の!」

 

 

「……それを言われると、何も言い返せない……」

 

 

先輩の言う通り、私達は文句の一つも言えなかった。

そして、《神殺し》はニッコリジェイル・スカリエッティに微笑みかけ、トドメを刺す。

 

 

「ああ、先程の質問の答えだけど……君、これから忙しくなるでしょ?だから、そんな事をしている暇がないんだよ♪」

 

 

「フム……ならば……」

 

 

「逃げられるとでも?」

 

 

ニヤリと邪悪な笑みを浮かべる《神殺し》。周囲にいる使い魔だろう、ゾッとするような殺気がこちら側に向けられる。

 

 

「いや、最高評議会の犯罪を全て暴露してからやるとも……」

 

 

ジェイル・スカリエッティとは思えない、平和的な解決法が打ち出された。

 

 

ーーいや、本当に何をしたんだ!?

 

 

「管理局の監視が付くよ?」

 

 

「フフフ……それは、何とかするさ……」

 

 

ジェイル・スカリエッティがそういうと、本当に何とかしそうで恐い。《神殺し》が、つまらなさそうに「ふーん」とか言っている。次の瞬間には、爽やかな笑顔を浮かべてジェイル・スカリエッティに笑いかけた。

 

 

「そうか。じゃ、頑張ってくれ。フレールくん、スカさんの監視……よろしくね?」

 

 

「ーーーーーおおぅ……ジーザス……」

 

 

今度こそ、ジェイル・スカリエッティにトドメが差された。

ジェイル・スカリエッティが、頭を抱えてテーブルに突っ伏してしまう。

その『フレールくん』とやらは、余程優秀と見える。

ボーっと《神殺し》を見ていると、蜥蜴のデフォルメされたヌイグルミの様な使い魔がポム!と音を立て一匹出現した。

「はい」とジェイル・スカリエッティに、ヌイグルミの様な使い魔が手渡される。その光景に思わず、吹き出してしまった。だって、あのマッドサイエンティストが、ヌイグルミを抱いているのだ笑えないハズが無かった。

 

 

「じゃ、至れたら【鮮血の】に会わせてあげるね?」

 

 

「……ずっと、気になっていたのだけど……その【鮮血の】って、なんの事なの?」

 

 

「【魂】ですら捕まえる科学技術を作ったキチガイ科学者」

 

 

《神殺し》に【キチガイ】と称されるとは……とんでもない、科学者らしい。それを、ジェイル・スカリエッティと会わせるだと!?何が起きるかわかったモノじゃない。

 

 

「止めて!それこそ、世界が滅びるわ!!」

 

 

「そうか?ジェイル・スカリエッティなんぞより、うち……いや、【鮮血の】の方が頭逝ってるぞ?【組織】事態もイカれた【組織】だしな……」

 

 

今、「うちの」と言いかけて言い直したみたいだ。

多分、同一視されるのを避けたと思われる。

でも、それは今更の話だと思う。その【鮮血の】さんとこの《神殺し》は、私の中で同レベルの逝っちゃった人認識だ。

むしろ、《神殺し》の方が逝っている…………と、この時は思っていました。話題の【鮮血の】さんが現れるまでは……。

 

 

「呼んだ?」

 

 

「「「ーーえ?」」」

 

 

そこには、血を連想させるような鮮やかな赤い髪の少年が《神殺し》の隣に座っていた。一瞬、頭から血を流しているのかと思う程に赤い……成る程、【鮮血の】っていうのはここから来ていたのかと思う。そして、私はその綺麗な黄金の瞳と、人懐っこい笑顔にドキッとした。

 

 

 

 

 

 




如月双夜とジェイル・スカリェッティのツーショット。
目撃しちゃった野分は、御愁傷様w絶対に見たくなかっただろうツーショット。野分が、可哀想過ぎるw
使い魔達の情報収集能力と【真実の瞳】コンボはアカン!
更に『戦闘用の使い魔』は、通常の使い魔よりも性能が高いです。身体能力的には、通常使い魔の三倍にあたります。
通常の使い魔が、人間の成人男性平均身体能力の約10倍なので……戦闘用は、平均成人男性の身体能力の約30倍になるのかw♪ もう、絶対勝てないレベルwwww
仕事を終わらせる為に、ここまでする如月双夜。ってか、誰か双夜に【原作】教えてやれよ。と、思うのは作者だけかな?

そして、何の準備もしてないのに【鮮血の小悪魔】出現。
TAKE1終了かぁ……(泣)

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。