絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

67 / 592
踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!


四五話

双夜 

 

 

 

目が覚めると、見覚えのある光景が目に映った。

白い布の様なものが、天井を覆い隠し視界外へと広がっている。いや、布というよりレースとかカーテンとかいう物だ。

それを、ベットに寝転がりながら見上げていた。

 

 

「……………………」

 

 

ああ、うん。現実逃避をしたところで、状況が改善する訳でもないので諦めて目を閉じた。

そして、状況を確認する。

凍真を諌めようとしていたら……世界が突然、突風の様な衝撃と眩しい光で満たされ、すぐに真っ暗になってしまった。

その後、第一管理世界ミッドチルダだった次元から出たら……数百機の艦隊がいて、【時空消滅弾】を乱射された結果がRETAKEである。

 

………ごめん、嘘です。

 

ミッドチルダから出て、原因を理解した。

なのは、さんやフェイトちゃん、凍真や馬鹿、八神はやてとその家族。ミッドチルダにいたほぼ全員を消滅された俺が……ブチギレちゃいまして、【破壊神最終奥義魔法】を使った結果。全次元を消滅させました。

(´>ω・)ゞ テヘペロ

 

 

「TAKE2!!」

 

 

小声で呟いて、使い魔・フレールくんを呼び出す。

海鳴市全域に四散させ、索適を開始すると同時に因果律にアクセスして世界運営システムを呼び出した。

 

 

「…………あれぇ?」

 

 

二年掛けて調整を終えたはずのソレは、不思議に思う程に軽傷で微調整が必要そうではあるが問題になりそうにならない結果に落ち着いていた。もっと、大きな歪みになっているだろうと予想していただけに肩透かしをくらった気分だ。

大きな溜め息を吐いて、フレールくん達が見る風景を確認しつつ、なにがどうなったのかを考察する。

 

 

「戦略的に見れば、チャンスではあったんだよなぁ……」

 

 

全次元世界が、【鮮血の】の専用武器《妖刀・水月華》の起こした事件の事で、ミッドチルダに注目していた。

しかも、あの大惨事だ。それに乗じて、攻撃を仕掛けようとしたのは【凌辱系転生者】で間違いないだろう。

あの状況の中で、ミッドチルダに一撃を見舞い……【彼等】が名乗りを上げる……っていう戦略だ。

だけど、ミッドチルダは時空間に消滅してしまった。

きっと、【時空消滅弾】を撃った張本人達もその結果に驚いた事だろう。まさかのたった一撃で、ミッドチルダを含む星系が蒸発した訳だから。

 

 

「造ったヤツが撃った訳じゃ無いんだろうなぁ……下端か、使用方法を知らない……もしくは、説明書を読まなかった馬鹿によって……エネルギー充填率を間違えた結果かな?」

 

 

モソモソとベットから降りて、ベットを背に膝を抱え座る。

戦艦系アニメを見ていた馬鹿が、『エネルギー充填120%!ファイヤー!!』とかやったのだろうと予測。

そして、結果を見た仲間達は……計画そのモノが消失した事を理解して自暴自棄&暴走。全次元世界に、八つ当たりよろしく何もかもを滅ぼそうとした結末が……【時空消滅弾】の乱射だった訳だ。

 

 

「ちゃんと、研修しろよ……スカさんしかり……【時空消滅弾】造ったヤツしかりか……」

 

 

どちらも、計画がずさん過ぎる。

あれで、思い通りに行くなら訓練や軍師なんて職業いらない。と、まあ……考察はこの辺りで終了して、段々腹が煮えくり返って来たので……ここいらで、怒りを発散させておこうと思う。

 

 

「リンカーコア生成。シンクロ・イン!!」

 

 

超広域無差別念話スタンバイ……追加、イメージ爆弾セット。種類ゴキゴキパニック……イメージ、装填。

 

 

「フッ……【転生者】&【原作魔導師組】覚悟しろ!!」

 

 

目を閉じ、そのイメージを叩き付けるように念話を爆発拡張広域拡散する魔力に乗せた。

 

 

〔ふざけんなあぁーーーーー!!!!〕

 

 

まさか、仲間(?)らしい【鮮血の】に俺が積み上げた苦労を蹴散らされたあげく、RETAKEとかやっていられない。

 

 

〔【鮮血の小悪魔】が、俺の仲間!?人の仕事をおじゃんにしやがったアイツが俺の!?んな訳あるかあぁーーーーー!!!〕

 

 

アイツ等は、間違いなく俺の足を引っ張る【敵】だ。

それを仲間扱いとか……禍焔凍真は、俺をブチキレさせたいらしい。

 

 

〔アイツ等は、俺の【敵】だっ!!足を引っ張る、俺の【宿敵】だっ!!!あんな奴等と仲間扱いされるぐらいなら、世界滅ぼして回った方が断然楽で楽しいねっ!!〕

 

 

魔王だった頃を夢想する。アイツ等にさえ捕まらなかったら、今もそしてこれからも何も考えずに力を振るい八つ当たりの人生を謳歌しておたはずなんだ。

 

 

〔くらぇえぇーー!!ゴキゴキパニックッッッ!!!!〕

 

 

念話にイメージを乗せて、もう一度爆発させた魔力で拡散させた。煮えくり返っていたソレが治まり溜飲も下がる。

「ハァハァ……」と荒い息を吐き、グッタリと頭を垂れた。

そうやって、息を整えていると割りと近くで誰かの叫び声が聞こえてくる。その悲痛の叫びを聞いて、ニヤリと口の端を吊り上げた。使い魔を通して、各々の悲鳴や頭を抱えて転げ回る姿を声を見て聞く。報復完了の虚しさを覚えながら、それでもニヤニヤとソレを見て溜飲を下げるのだった。

しばらくして、各地から抗議の念話が発せられ始める。

それらを軽く無視しつつ、リンカーコアを排出してブレイク。証拠隠滅というヤツだ。これで俺は、非魔導師になったので調べられても犯人からは除外される。

そして、使われたリンカーコアも平行世界1の神崎のモノ。

リンカーコア生成技術がバレたとしても、特定されなければ俺を捕まえるなんて事は出来ないって訳だ。

 

ーーお前には、まだまだ利用価値がある。

 

とは言え、犯罪に弟子の魔力波長を使う訳にはいかないので、悪戯専用とするしかないだろう。

 

 

「……………………」

 

 

まあ、悪戯話は良いんだ。追い詰められても、ぶっちゃけ……G摘まんで投げれば良いだけだから。相手が、Gの驚異を知っていて……嫌悪しているなら、最高の効果が期待できる一種の兵器だ。煮えくり返っていた腸が、一端落ち着いたので再度今回の落ち度を考察する。

 

 

「ロック・ウォーは、良いんだよ。アイツは、ただのスパイで未経験者の前衛だから。だけど、【鮮血の】はダメだ。アイツは、本物の《神殺し》で……“経験者”じゃ無いか……」

 

 

最早、頭を抱えるしかない俺は、膝を抱えたまま体を横に転がした。ほぼ、全力で運が奈落の底どころか奈落の底をブチ抜いて虚無に繋がっているんじゃないか?とも、言われる彼等《神殺し》経験者の破滅運。そこにいるだけで、周り……否、世界の生存運をマイナスにする悪魔。

【破滅の使者】【滅びの権化】そんな奴が、何の対策も無しに世界に侵入すればどうなるかわかるだろう?

しかも、アイツ等は『呪われた存在』だ。

誰がどんな風に呪われているのか、詳細はわからないが……その『呪い』は、生まれて来るであろう子供に問題を与える呪い……と言えばわかるだろう。

生まれて来る子供や子供の将来、もしくは未来に関係する何が呪われている。【鮮血の小悪魔】ならば、本人も呪われているが周囲も呪われてしまう。つまり、うつる呪いだ。

本人と側にいる全ての者が、その『呪い』により色々な事が破滅する。要するに、【鮮血の小悪魔】の元に友人や仲間が集まらない様にされているという訳だ。

そしてその『呪い』には、法則があって……アイツに近しい者であればある程、『呪い』は強く重いモノへと変化し周囲に散布される。

 

 

「くそっ!何事もなく、追い出せたと思ったのに……」

 

 

アイツが、転送システムで帰ったのを見送った後……全力で安心していた。これなら、何とかなるだろうと目安もあったし……なのに、その後で戻って来たあげくよりによって《妖刀・水月華》をどこかに忘れて来た!?……なんて、最悪だ。

《妖刀・水月華》……人工的に造られた妖刀であることは間違いない。だけど、様々な魔改造を施された妖刀。

妖刀自体が意思を持ち、自身が選んだ持ち手以外に触れられることを嫌う。少しでも、他の者が触ろうモノなら……己を手にした者の命を吸い取り、その命を使用して肉体を操り周囲の人間を殺して回る。

そんな、凶悪な妖刀だ。

普通なら、妖刀自体を折ってしまえば話は簡単なのだが……あの妖刀には、自動再生能力が付与されていて早々簡単には折れない様になっている。折っても、直ぐ修復されてしまう。

何も知らないミッドチルダの魔導師達は、妖刀をロストロギア認識はしたものの……封印すれば、大丈夫だろうと封印して……だが、あれには自我がある上に魔改造で付与されたシステムで勝手に封印を解除してしまう。

そして、封印が解除された妖刀を手に取った魔導師達は命を食われ肉体を操られたのだ。妖刀に操られている肉体は、一撃で滅殺しなければならない。なのに非殺傷設定で攻撃したり、バインドで拘束して近付いたりとやってはいけない方法を取っていた。そのせいで、被害は拡大し続ける。

結果、死者800人。負傷者5000人以上となった訳だ。

 

 

「最悪だ……最も、最悪の結末だ……」

 

 

その上、あの馬鹿と来たら……己の手に妖刀が戻って来るなり、全ての責任を俺に押し付けてこの世界から別の平行異世界へと逃げて行きやがった。

 

 

「《旧・神族》もだけど……【組織】の奴等も滅びてしまえ!!」

 

 

ブツブツと愚痴っていると、フレールくんの視界に見覚えのあるいないはずの女の子の姿が映っているのに気が付いた。

 

 

「…………ユーリ・エーベルヴァイン?」

 

 

俺の記憶が確かなら、彼女はこの平行世界に来た当初いなかったはずだ。慌てて他のウィンドを見ると、リインフォース・アインスやアリシア・テスタロッサの姿も確認できた。

 

 

「え?……どういうーーー?」

 

 

いや、過去に意識だけを送って改竄するパターンは今回が初めてだから、この様な状況が作られてしまったのかもしれない。人の精神に関しては、【悠久】の専門書を解読すれば良いが……世界改変系の事柄なら、【永久(トワ)】に連絡するべきだろう。メールを送っても、【悠久】と似た様な専門書を送って来られるだけだ。

 

 

「……………………」

 

 

【悠久】の専門書だけではなく、更に【永久】の専門書まで解読しなければならないとか拷問を通り越して悪夢と化すだろう。下手をすれば、俺の持っているシステムツールを停止させる事にもなりかねない。“船”にアクセスできなくなれば、世界のシステムを調整する事も容易では無くなる。

 

 

「うん。気にしないでおこう……後でも、十分だろうしなっ!!」

 

 

バッサリと諦める。下手に突っ込み過ぎると、訳がわからなくなるのは解り切っていた。【悠久】の専門書の事もある。

それにもっと、気にしなければならない事もあった。

間接的に視た訳だけど、アリシア・テスタロッサに至っては本当に生き返っている様に見受けられた。

つまり、俺の改定が済んで《旧・神族》をブチ抜いて過去から戻って来た辺りに該当するらしい。それならば、ある程度は納得が行く。セーブなんてした覚え無いけれど、改定済みなら後は世界の調整を終えれば良いだけだ。

 

 

「あ、俺がいる……」

 

 

「んん!?」

 

 

振り返ると、『俺』がいた。

 

 

「ああ、うん。何となく理解した。ここ、別の平行世界か……?」

 

 

「お前、何度目の俺?」

 

 

「……平行世界を渡るって事なら……まだ、二度目かな?」

 

 

「ああ、あったあった。良くわからなくて、【永久】にメール送るかで悩んでいた頃だろう?でも、自分に会って必要無くなった後……結局、【永久】に連絡送るんだよな……」

 

 

「…………なら、送っておこう」

 

 

ウィンドを開き、【永久】のアドレスを引き出す。

 

 

「後にしてくれね?今送ったら、俺のとゴッチャになるから」

 

 

「…………だな。了解……あ、お前は何度目なんだ?」

 

 

「……大体、1590度目?」

 

 

「ーーーーーOH、JESUS…………」

 

 

気になったから聞いたけど、聞いたことを後悔する結果になってしまった。

 

 

「《神殺し》が、『神よ……』はマズくないか?」

 

 

「殺さねぇし!《神殺し》なんか、しないし!」

 

 

「や、うん。そうだけどさ……俺って、【神】助けて回る存在だから願っても意味無くないか?」

 

 

「ただ、言葉と音感が気に入っているだけだけど……」

 

 

「……深い意味は無かったか……」

 

 

「誰かに突っ込まれた?」

 

 

「神崎に……な?」

 

 

「んん!?神崎って……平行1の?」

 

 

「そ、その神崎。長い付き合いになるから(笑)」

 

 

「長い???」

 

 

未来の俺が、言っている意味がわからない。

でも、まあ……やる事は一緒なので、いずれ神崎と再会するのだろうと理解して今は忘れる事にする。

 

 

「とりあえず、平行2の世界に戻ったら?」

 

 

「うへぇ……また、最初からかぁ……」

 

 

「ああ、そう言えば知らないんだよな……この時はまだ……」

 

 

「?何が?」

 

 

「改定した後に、行けるんだよ。世界が消滅した瞬間、ルール・ブレイカー使って割り込み掛けると、全部最初からじゃなくて改定した後に戻れるんだ……」

 

 

「…………うわぁ……便利な話聞いた♪」

 

 

「面倒なら、ヤると良い……まあ、その改定が気にくわないなら最初からやり直しすれば良いし……」

 

 

「ふーん。なら、ルール・ブレイカーで戻れば良いんだな?」 

 

 

虹色の剣を取り出し、数回振り回して停まった。

 

 

「あれ?じゃあ、ブチギレとゴキパニをもう一回やる必要があるのか……面倒臭いなあ……」

 

 

「にゃはははは!そういう結論になるのか……」

 

 

「とばっちり、悪かったな!」

 

 

「良いよ。俺には、効かなかったし……」

 

 

「じゃ、いつかまた!」

 

 

「おう!いつか、またな……」

 

 

それだけ告げて、俺は空間に開けた孔に《ルール・ブレイカー》を突き刺して平行2の世界を目指す。

行くべきは、改定を終らせた直後。アリシア・テスタロッサを生き返らせてU-Dと翠屋へ向かうところへ、目標を定め《ルール・ブレイカー》を発動させる。

そのまま、俺は孔に飛び込んだ。

 

 

 

 

「……………………ま、実際には……世界を救うだけなら、1000も渡らないけどな(笑)」

 

 

誰に言うでもなく、誰に聞かせる様でもなく彼は呟く。

邪悪にニヤニヤと笑いながら、過去の自分を見送った。

 

 

 

 

………………………………

 

 

 

 

 

 

…………………

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

気が付くと、目の前には扉があって俺がノブに手を掛けているところだった。

 

 

「???どうしました?」

 

 

背後に振り替えれば、U-Dが首を傾げて俺を見ている。

 

 

「いや、何でも無い……」

 

 

カラ~ンとベルを鳴らしながら、翠屋の中へと進む。

「いらっしゃいませ~」と、野分が営業スマイルで振り返り、段々顔を嫌そうに歪めていった。

その顔を見て、俺は少し不安になり始める。

何故なら、前回の世界は【鮮血の】馬鹿によって失われた訳だけど……この世界は、《ルール・ブレイカー》で割り込みを掛けた世界だ。

何がどうなっているかなんて、わからないのに【転生者】に会うのは失敗だったかもしれない。

 

 

「貴方……ルシフェリオン!」

 

 

世界が変化する。

どうやら、野分が結界を展開した様だった。

 

 

「どうなってるの!?」

 

 

「ああ、その様子だと……改変された後に戻って来たみたいだな……」

 

 

「ミッドにいたはずなのに、気が付いたら14歳で春で自宅だったわよ!!何がどうなったのか、説明しなさい!!」

 

 

ザックリと、現在の四季を確認する。

結果は、夏だった。つまり、四ヶ月程の誤差があるらしい。

 

 

「世界が消滅した。それだけだよ……」

 

 

「世界が……消滅、した?」

 

 

「その結果、ループしたんだ。僕と会った事のある【転生者】全員が、過去の自分に上書きされたと見るべきなんだろうな……でも、良かったじゃないか」

 

 

「どこが、良かったって言うの!?」

 

 

「下手をしていれば、お前9歳の春先からやり直しだったんだぞ?」

 

 

「…………無印から?何、その拷問……」

 

 

ポカ~ンというより、茫然自失的な無表情で俺を見ている野分。今、置かれている状況が飲み込めないまま過ごして、原因が出て来たので詰め寄り、事実を教えられて力が抜けたのかその場でヘタリと座り込んでしまった。

 

 

「ほら、良かっただろう?」

 

 

「そ、そうね……ちょっとだけ、得した気分だわ……」

 

 

野分は、自分の胸に手を押し付けてホッとしたように大きく息を吐き出した。

 

 

「でも、わからないわ。どうして、そうなったのか……あの地獄絵図は覚えてるけど、その後どうなったのか教えてくれるかしら?」

 

 

手を差し出して、彼女の手を掴む。グイっと引っ張って、彼女を立ち上がらせ……近くの椅子に座らせた。

 

 

「【凌辱系転生者】が、【時空消滅弾】を使って攻撃してきた。一撃でミッドチルダのある星系が消しとんで、今に至る……と、言ったところだろう……」

 

 

自分がブチギレて、【破壊神最終奥義魔法】を使った事は告げないでおく。ただ単に、面倒そうなので。

 

 

「そう……だったのね……」

 

 

どうやら、多少の誤差はあるものの大丈夫の様だ。

ユーリも別段、おかしな所は無いみたいだ……んん?精神状態に『催眠状態』の項目がある。

正常であるなら、なんの項目も出て来ないはずだ。

振り返り、野分の精神状態を確認する。

だが、野分の精神状態には追加項目は無かった。

ホンの少しだけ、【真実の瞳】の力を強める。

上書きされる前の精神状態を、確認しようとした訳だが……完全に上書きされていて問題無さそうだ。

 

 

「野分、結界を解くなよ?」

 

 

「え?……どうして?」

 

 

「フレールくん、野分と共に……良いか、野分。何があっても、絶対に何もするな!絶対にだ。約束しろ……」

 

 

「…………わ、わかったわ……」

 

 

困惑気味の野分をそのままに、近くにいたフレールくんを呼ぶ。フレールくんが野分の肩に降り立ち、そのまま野分と共に空気に融けて行く。少し、心配ではあるが……フレールくんがいれば何とかなるだろう。

 

 

「フレールくん、野分を頼んだぞ?…………さて、ユーリ?」

 

 

「はい?なんでしょうか?」

 

 

「お前さ、誰に催眠術掛けられた?」

 

 

その質問を口にした瞬間、俺の意識は暗転した。

後で聞いた話だが、ユーリは俺の質問後目から意志の光が消えて魄翼で俺を潰したらしい。

問答無用の瞬間殺害だったと涙目の野分から聞いた。

当然の如く、野分はその強行に悲鳴を上げて直ぐにデバイスを構えたらしい。だけど、フレールくん達によって取り押さえられてユーリが元に戻るまで動けなくされていたとか。

 

 

「良くやった。よーしよし♪」

 

 

「何が、『良くやった』よ!?あんた、死んだのよ!?」

 

 

フレールくん達を誉めていると、泣きながら叫ぶ野分が俺の服を掴んで前後に振り回す。

 

 

「ちょ、ちょっと待てって!いやいや、フレールくんはちゃんと仕事をしたよ?下手をすれば、野分まで死んでたかもしれないんだから。ちゃんと、野分を護ったんだ。誉められて、当然なんだよ……」

 

 

「だからって、あんたはそれで良いわけ!?」

 

 

「僕は、覚悟した上でやったんだ。大丈夫だよ……」

 

 

最悪、俺が死亡状態で野分が殺されてしまった場合……野分という人物(魂)が、永遠に消滅してしまうかもしれない。

俺が意識を保っていたならば、その魂を回収して再度やり直しした時にもう一度『生きていた』扱いで復活可能だ。

できるだけ、こちらの戦力は温存したい。

まあ、野分の場合は放置していても、なのはママ達と戦技教導隊で訓練しているから問題はない。追加でたまに、チローや恭にぃと剣術の試合もしているみたいなので、俺が教える事は何も無い【転生者】だった。

 

 

「ほ、本当に大丈夫なの?」

 

 

「伊達や酔狂で、不老不死な訳じゃないよ……ってか、他の【原作組】は大丈夫なのか?まさかとは思うけど……ユーリみたくなってないだろうなぁ……」

 

 

ユーリは現在、掛けられていた暗示を【真実の瞳】で砕いて【紫天の書】を召喚後、肉体を放棄した。

なんでも、駆体の再起動をして初期化後『綺麗になった体』で俺といたいらしい。

 

 

「どうかしら……でも、変化している可能性はあるのでしょう?……原因は、私達の知らない【転生者】……でしょうね」

 

 

「だな。前回の並行世界でも、【転生者】が増える事はあった訳だし……可能性は、否定できない」

 

 

「それにしても、厄介だわ。下手に聞こうモノなら、殺されるんでしょう?」

 

 

野分は、悔しそうに下唇を噛んでいる。

【敵】は、催眠術で【原作組】の精神を操っていて、記憶とか色々と封鎖しているらしい。正気に戻ったユーリの話では、二人の男に犯された記憶が思い出せるとか言っていた。

 

 

「マテリアルDって、なんだ?」

 

 

「ああ、ディアーチェの事ね……ゲーム版のーーー」

 

 

「あ、それなら『神崎』に聞いたことがあるから大丈夫だ」

 

 

確か、ディアーチェ・レヴィ・シュテルの三人とユーリでセットのキャラクターだったと記憶している。ゲーム版のキャラクターで、ユニゾンした八神はやてをもっと見たいという要望で造られたとか言っていた事を思い出す。

 

 

「そう。それに、私の容姿ってシュテルそのモノなのよね……きっと、ユーリが聞いたっていう『シュテル』は……」

 

 

「君なんだろうね……」

 

 

「うぅっ……私も被害者になる訳ね……」

 

 

「……確かめる?」

 

 

「……………………どうやって?」

 

 

はい。と、『はりがた』を野分の手に握らせた。

それを確認した瞬間、野分から表情が消えて殺気に似た闘気を向けられる。グリッ!と、頬に押し付けられるデバイスの先がググッと刺さり始めた所で「冗談です!」とソレを回収した。

 

 

「ってか、なんてモノを持っているのよ!?そもそも、女性の裸が苦手なんでしょう!?」

 

 

「あー、フレールくんに言って……近くのそういうお店から、ちょこっと借りただけだよ……」

 

 

「…………近くのって、泥棒じゃない!!」

 

 

「だって、チローの寝室からは発見出来なかったんだもん……恭にぃも、持って無かったし……」

 

 

「…………何故かしら、あんたと話してると……とっても不思議な気分になってくるわ……」

 

 

自分の親兄弟が、そういういかがわしいモノを所有していなかった事への安堵と、俺の行動力がもたらす様々な感情が彼女の精神を引っ掻き回しているらしい。

 

 

「催眠術に掛かっているかいないかは、僕の【真実の瞳】で確認できるから……みんなに会って、直接確認すれば大丈夫だよ。……それよりも僕は、凍真達の方が心配かな?」

 

 

「……どうして?」

 

 

「すずかと付き合っているんだろう?凍真は……」

 

 

「ハッ!い、今すぐ、連絡してみるわ!!」

 

 

野分が慌てて、凍真達への通信を開こうとした。

それを見ていて、俺はあることを思い出す。

 

 

「あ……忘れてた……」

 

 

思い立ったが吉日。

即準備して、野分を横目に魔力を練って行く。

リンカーコア生成、データ抽出神崎大悟。

リンカーコア……シンクロ、イン!!

超広域無差別念話スタンバイ……追加、イメージ爆弾セット。種類ゴキゴキパニック……イメージ、装填。

目を閉じ、そのイメージを叩き付けるように念話を爆発拡張広域拡散する魔力に乗せた。

 

 

〔ふざけんなあぁーーーーー!!!!〕

 

 

 

 

 

 

 




はい。ループしました(笑)TAKE2です!!
でもって、未来に混線しました(笑)自分自身に会って、世界が消滅しないのは双夜が裏方の存在で零の次元から来た存在だからです。トバッチリは、仕方がありません(笑)

物語後半……際どい所を攻めてみました。
ヤバイかもしれない(笑)ギリギリR-15超(?)にw
ダメかもしれない……。

そして、主人公また死亡w 不老不死でなかったら、もう終わってますwってか、死亡しているから不老不死って訳でも無いのか?……不老のみだったかなぁ……?あ、いや……コイツの本体は精神生命体だから不老不死で合ってるのか。
自動蘇生魔法が、掛かって発動している時点で不老不死じゃないかも知れないけど(笑)
でも、魄翼で、挟まれたら普通に死にそうだ。
いや、本当にどうしたものか……。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。