絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

68 / 592
踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!

未来混線フラグが、序章全部だった件。
(爆笑中)


四六話

Re;

 

 

 

「で?お前は、俺達に何の怨みがあるんだ?」

 

 

目の前で、凍真達が青い顔で座っているのをニヤニヤと見ている。野分に至っては、テーブルに突っ伏していた。

未だに、ゴキパニのイメージが抜けきらないらしい。

ついでに言えば、リンディちゃんとプレシアちゃんからもクレームのメールが、レイジングハート経由で届いていたりする。【原作組魔導師】達も現在は、ダウン中らしい。

思いの外、拡大した被害状況に満足感を得た俺は、とても機嫌が良かった。

 

 

「さて……クラールヴィント、お願いね?」

《Ja.》

 

 

僅か数メートル程の封鎖結界を展開して、周囲の眼と耳を潰す。既に管理局の方には、野分を通して通達済みだ。

事前に話をしてあったので、誰も驚いてはいない。

ザッと【転生者】達を見回す。

凍真、錬月、馬鹿、野分、翼が席に着いていた。

 

 

「一応、確認するけど……ここにいるメンバー以外の【転生者】に会った。もしくは、見掛けたって奴はいるか?」

 

 

「いや……俺達に心当たりはない」

 

 

【真実の瞳】を通して、精神状態を確認したが変な追加項目は見当たらない。【真実の瞳】も反応してないので、嘘でも無い様だ。

 

 

「今日、集まって貰ったのは……君達の【敵】が、この町に紛れ込んでいる可能性があるからだ」

 

 

「【敵】?」

 

 

「『凌辱系転生者』だよ……僕が確認したのは、ユーリだけだけど……彼女、催眠状態で……その事を話題に上げたら、アッサリ殺されたよ。にゃははは!」

 

 

「「「……………………」」」

 

 

凍真達は、そそくさとテーブルから離れて円陣を組み、ボソボソと俺に関してを相談している。耳を澄ませば、『殺されて笑ってる』とか……『不死身って精神を病むって本当なんだ……』とか……色々、言いたい放題言っていた。

それを無視して、俺は話を続ける。

 

 

「彼女達には、催眠状態である事を聞けない。聞けば、催眠スイッチが入って周囲の人間を皆殺しにするだろう」

 

 

「皆殺しって……【真実の瞳】で、解除できないの?」

 

 

「できるよ?でも、何もわからないまま解除したら……知らない男性に凌辱されて、更には殺人まで犯していたとなると……記憶封鎖が解けた瞬間……さてはて、どうなる事やら……」

 

 

「…………それは、マズイわね……どうにか、できないの?」

 

 

翼が、頭を抱えて呻く。

解決法は、あるにはあるのだ。

ただ、犠牲がある方法で……である。

 

 

「とりあえず、野分も被害者らしいんだけど……翼、確認して貰えないかな?」

 

 

「……………………何を?」

 

 

「処女mムグ……」

 

 

全て言い切る前に、顔を真っ赤にした野分が俺の口を押さえてしまった。

翼を見ると、呆れた様子で顔を手で覆っている。

 

 

「貴方、それ言い切ってたらセクハラになっているわよ?」

 

 

「……ん、知ってる。でも、言わないとわからないだろう?」

 

 

「良いわ。調べてあげる……だから……」

 

 

翼の視線が、男共に向けられる。

たぶん、変な事しない様に見張っていろという事だろう。

 

 

「大丈夫だよ。覗いたら、仮想現実で暴動化したハーレムを数セット体験して貰うから……」

 

 

「「「絶対、覗きません!《神殺し》に誓って!!」」」

 

 

「……だって♪」

 

 

「貴方、どんなトラウマ植え付けたのよ?」

 

 

「タイムセールに群がるおばちゃんとハーレムを合体させてみただけだよ♪」

 

 

翼が「ゲッ!?」とか言っていたので、こちらが伝えたかったイメージは明確に伝わったらしい。

その後野分と翼は、結界の外へ出て行った。

 

 

「さて、ユーリは現在……駆体の再起動をしているところだ。乙女の証が元に戻るかは不明だが、『綺麗な体』になって戻って来ると名言されている」

 

 

「すずかも、【敵】の手に落ちていると?」

 

 

「【原作組】は、間違い無いだろう……」

 

 

「俺のはやてを……許せねぇ!!」

 

 

馬鹿が、手を握り締めて怒りを露にする。

凍真は……外見は普通だけど、物凄い怒気が滲み出ているので怒りに震えていると理解できた。

 

 

「で?その【凌辱系転生者】とやらは、何処に潜伏してやがるんだ?もう、わかっているんだろう?」

 

 

「ん?ああ。名前も居場所もわかっているよ……一人は、ヴェルハルド・ウォーレン。もう一人は、天鳳院皇帝だそうだ。あ、追加情報。皇帝と書いて、ツァーリと読むとのこと……語源は、ロシア語らしい……」

 

 

「いらんやろ!?そんな情報なんか……」

 

 

錬月の的確なツッコミに、「うん」と頷いてしまった。

 

 

「っていうより……コーチって、スッゲー便利……」

 

 

馬鹿の賛辞を聞き流して、作戦を練って行く。

特典まではわからなかったが、この二人のどちらかが催眠術系の能力者である事は間違いない。

 

 

「なあ……捨て石になる気ない?」

 

 

「捨て石って……偵察してこいって事か?」

 

 

「相手の特典が知りたい。一度、接敵して相手の特典を把握してから……虐殺しようか」

 

 

「「「ーーーーー」」」

 

 

三人が、口をパクパクしてテーブルに突っ伏した。

自分達以上にヤバイ事を口走る俺を見て、段々冷静になって来たのだろう。まあ、元々そのつもりだったし……冷静になってくれる分には、こっちも助かるので問題ない。

 

 

「まあ、大体は予測が付いているんだけど……明確にしておきたいってのも事実なんだよ。それに、二人組っていうのが気になる。ぶっちゃけ、こう言う事って独り占めにしたい事柄じゃないか? 」

 

 

「つまり……一人は非戦闘員で、もう一人が護衛の戦闘員って事か?」

 

 

「そう考えれば、『先走り』をしている【敵】の行動にも説明が付くんだよ……」

 

 

「「「先走り?」」」

 

 

「どう考えても、今いる二人組は『先走った』奴等じゃないか?我慢できなくて、凌辱していると考えた方が自然なんだよ。【彼等】の目的は、【原作組】を手に入れる事だけど……今は、準備期間中で……更に、自分達の存在を知られてはマズイ状況だ……下手すれば、準備が整う前に潰される可能性があるんだよ?」

 

 

成る程……と、三人は頷いた。

本来であるならば、今は準備期間中である事は間違いない。この間に戦力を整えて、時空管理局を潰す算段をしているはずなんだ。そして、全次元世界を巻き込んで覇権争いをさせた上で、【時空消滅弾】による次元消滅を戦術に加えさせれば彼奴等の勝ちだ。

それを待っている間、彼等は手に入れた【原作組】で暇潰しをする予定なのだろう。全く、クソ下らない目的である。

 

 

「格闘馬鹿。ちょっと、先行して奴等の特典確認してこい!」 

 

 

「夜鏡皇也だ。覚えろよ!!…………別に、倒してしまっても構わんのだろう?」

 

 

「「ちょ、おまっ……!?」」

 

 

「なら、コウヤ。できそうにないと思ったら、こっちで回収してやるから……思いっきり殺ってこい。ってか、何色めき立っているんだ?」

 

 

「え……だって、死亡フラグ……」

 

 

錬月が、コウヤを指差して口をパクパク動かしている。

表現的には、言葉がないとか言葉を失っているだが、何をそんなに驚いているのやら……俺には、全くわからない。

とりあえず、コウヤが先行してくれるのでサーチャーや使い魔をフルで使い相手の特典確認を急ぐ。

その後、再度作戦を練り直してからもう一度アタック。

生きて確保できるなら、パーフェクト。

別段、殺してしまっても……まあ、問題はないだろう。

ただ、奴等のアジトがわかれば……今後、楽になるなぁ程度の話である。

 

 

「敵の資金源がわかれば、それを叩いて終了……なんだが……中々どうして、尻尾も掴めないよ……」

 

 

候補が、あるにはある。

しかし、いずれも世界の発展に食い込んでる一般的な商社だ。疑いがあるからって、潰す訳にもいかないだろう。

経済的打撃が、大き過ぎるのである。

もしかしたら、その中のいずれかが【転生者】の転生先で……当人は何も知らないまま、覇権を手にしたい誰かに利用されているだけかも知れないのだ。

他にも、思い当たる事柄は余多。情報が不足している分、未だ特定には至っていないのが現状だった。

 

 

「じゃ、よろしくな?コウヤ……」

 

 

「おう!任せておけ、サクッと倒して来るからよ!」

 

 

コウヤは、場所を告げる前に結界を出て何処かへ行ってしまった。お約束と言えばお約束だが、そのせっかちなところが彼のダメなところでもある。とりあえず、コウヤにはフレールくん(護衛)を付けてあるので、それ経由で場所を伝えれば大丈夫だろう。

 

 

「確認してきたわよ……」

 

 

そこへ、野分達が戻って来た。

翼の後ろで、顔を真っ赤にした野分がモジモジしているけれど全力で無視する。とりあえず、できるだけオブラートに包んでボカした感じで聞かないと、何処かへ走り去ってしまいそうだ。

 

 

「野分の問題は?」

〔翼。できるだけ、オブラートに……〕

 

 

〔今更!?〕

 

 

〔今にも逃げ出しそうな野分見たら、わかるよ……〕

 

 

「……一応、私のも確認して貰ったわ……」

 

 

「何故?」

 

 

「どういう意味かしら?(ギロッ)」

 

 

「あ!や、何でもないです……(察し)」

 

 

見ただけでは、わからなかったのだろう。

そりゃそうだ。普通に生きていたのなら、何がソレを表すのか判断できる訳がない。比較対象を得て、ソレがどういうモノなのかを理解した……という事だと理解する。

 

 

「結論だけを言うわ……『大人』だったわ……」

 

 

野分の顔色が、翼の発言を得て爆発的に赤くなる。

それはもう、ボン!と音を立ててギューンと下から上へ何らかのパラメーターみたくだ。って言うか、それオブラート云々関係ない。

ボカしも何も無しで、ストレートに言い切りやがった。

 

 

「で、君は子供だった訳か……」

 

 

「五月蝿いわよ!」

 

 

「まあ、良いや。さっき、馬鹿を【敵陣】に先行させた」

 

 

「……どういう話題変更よ?って、【敵】の居場所がわかったの!?」

 

 

空中ディスプレイを展開して、翼達に呈示して見せる。

まだ、コウヤは接敵していないみたいだが……【敵】の根城には、たどり着いているようだった。

 

 

「マンション……」

 

 

「となり町の……よね。無印時代にフェイトが暮らしていたマンションじゃない……」

 

 

「……そうなのか?」

 

 

「僕には、判断付かへん。知っとるんは、皇也くらいや!」

 

 

「だな……俺達、そこら辺は全く知らないんだ……」

 

 

様子を伺っているようで、中へは入ろうとしないコウヤに翼達が苛立ち始めた。あんまり放置していると、自分達も現場に行くとか言い出しそうだ。

 

 

「はあ。……コウヤ、聞こえるか?」

 

 

『え、あ。はい!』

 

 

「こちらで、相手の出方を確認するから準備しろ……」

 

 

『りょ、了解!』

 

 

何体かの使い魔を動かして、マンションの入り口から【敵】の部屋までのルートを徹底的に調べ上げる。

床、壁、天上と、罠や魔法の反応を確認。

しかし、これといった罠や魔法の反応は無かった。

 

 

「部屋までのルートに、罠らしき反応は無し。感知系の魔法も無しだ!センサーの類いも見当たらない。行け!」

 

 

『了解!』

 

 

「……貴方って、本当に反則よね……」

 

 

「敵の動向とか、覗きたい放題だからね……」

 

 

そんな事を話ながら、一応中に敵がいるか確認の為に部屋の中を覗く。薄暗い部屋の中へと、フレールくん(透明)を潜入させ、奥へと進めつつ周囲を確認して行った。

コウヤは、その間にも部屋に近付きつつある。

風呂、トイレ、リビングとフレールくんに調べさせて、ついにベットルームへと入り込んだ。

 

 

「げっ!!」

 

 

「え?…………り、リンディさん!?」

 

 

「何ですって!?」

 

 

野分と翼が、俺を押し退けて画面を独占する。

凍真と錬月も、席を立ち己のデバイスを取り出して握り締めて怒りを露にしていた。

 

 

「行くか?」

 

 

「おう!」

 

 

「ダメだ!今回は、情報収集の為の潜入で決戦じゃない!」

 

 

「だけどっ!!」

 

 

戦況を知る為に、野分達とは別のウィンドを展開する。

見れば、コウヤが【敵】の部屋にたどり着いていた。

 

 

「後方支援!コウヤに、全力ブースト。良いか?」

 

 

『こんなところまで、届くのかよ!?』

 

 

「使い魔が、中継するさ。結界、展開っ!!」

 

 

『おぉっ!?スゲー……』

 

 

大体、一キロ程をスッポリ覆う結界を展開する。

当然、結界に気が付いた【敵】が一テンポ遅れてデバイスを取り出した。直ぐにセットアップして、獲物を構える。

 

 

「敵にも気付かれた!素早く、行け!!」

 

 

『おう!グレイブ!!』

 

 

コウヤが、玄関の扉をブチ破って中に入り込む。

そのまま寝室へと誘導し……しかし、寝室の扉を破壊する前に砲撃魔法で馬鹿がマンションの外へ押し出される。

 

 

「気が付かれたって言ったろ!?」

 

 

『わ、悪い!!』

 

 

画面の数を増やす。

収集できるだけ、情報を収集する為にだ。

敵が、マンションから出てきてコウヤに向かって行く。

銀髪オッドアイのイケメン男性……20歳くらいだろうか。

確か、コイツが天鳳院皇帝(ツァーリ)だったはずだ。

つまり、残った方がヴェルハルド・ヴォーレンという敵なのだろう。

 

 

『良く、ここがわかったなぁ?夜鏡皇也』

 

 

『俺の名前……調査済みって事かよ!』

 

 

『はっ!テメェ等、【転生者】は全員最優先で調べさせて貰ったからなっ!神様特典に関しても、全部なっ!!』

 

 

ツァーリは、見下す様にコウヤを見下ろしている。

コウヤは、それを気にも止めずツァーリを睨み、ほぼ一瞬で懐に飛び込んだ。

 

 

「え?何、今の……」

 

 

「足の裏に、敵には見えないくらいのプロテクションを展開して、瞬動術を折り込んだ移動方だ。上手く行けば、油断しきった敵の懐に一瞬で移動が可能だ」

 

 

「あんたの仕込みか!?」

 

 

野分の驚きに、俺がデバイスの使い方と称して叩き込んだ技が炸裂する。バリアジャケットの上から、コウヤが発動率は低いけれど『鎧通し』を実行。だが、相手の表情からそれが不発に終わった事を理解する。

 

 

「チッ……トレーニングをサボってるから失敗するんだ!」

 

 

『ウグッ……』

 

 

発動していれば、戦況の流れを掴める程には有利になっていたはずだ。しかし、失敗したのでは仕方がない。

コウヤは、直ぐ様敵から離れ射撃系の魔法で相手を牽制しつつ様子を伺っている。

だが、相手も黙ってヤられてはいない。

砲撃や射撃魔法を駆使して、コウヤを追い詰めて行く。

 

 

『ああ、クソッ!』

 

 

「馬鹿、落ち着け!悔やんでも仕方ないだろう?頭を切り替えて次の最善策を選択するんだ!」

 

 

『……ウッス!』

 

 

射撃魔法で、相手の動きを誘導しようも先程の突撃を警戒しているのか乗って来ない。その表情からは、かなり焦りを含んだ苦々しいモノしか読み取れなかった。

 

 

「実力が拮抗しているのか?それとも、何かの策があるのか……何にせよ、動いてみない事にはわからないか…………うん。もう一度、マンション内に入れるか?もう一人の戦力を確認してくれ……」

 

 

『……任せろ!!』

 

 

「援護する!気にせず、突っ込め!!」

 

 

『了解!』

 

 

「間接超遠距離攻撃……使い魔経由で、ディバインバスター……当たれぇ!!」

 

 

ツァーリ目掛けて、使い魔から砲撃魔法を撃ち放つ。

コウヤばかり、目で追っていたツァーリは真横からの砲撃魔法の直撃を受けて落ちて行った。その隙に、コウヤがマンション内へと突っ込んで行く。

 

 

「敵の位置をグレイブに送るぞ!!」

 

 

『……敵の位置を確認!今度こそっ!!』

 

 

コウヤが、マンション内に飛び込んだ。

今度こそって事は、『鎧通し』を成功させるつもりらしい。

そんな、気合い満々のコウヤと対峙するヴェルハルド・ヴォーレン。しかし、警戒した様子もなく棒立ちになっている。

それを見た瞬間、チリッと得体の知れない嫌な予感がした。

コウヤが、更に一歩踏み込み相手を全力で殴ろうとする。

その瞬間だった。相手の顔にコウヤの拳が、入ったと思った瞬間にコウヤのバリアジャケットが消滅してデバイスが腕輪に戻ってしまったのだ。だが、コウヤの勢いは削がれる事なく敵の顔を撃ち抜いて行く。

 

 

「強制回収!転送!!」

 

 

コウヤを転移魔法で回収する。その直ぐ後を、殺傷設定の砲撃魔法が部屋を貫通して行った。誰もが言葉を失ったまま、ウィンドを食い入るように見詰めている。

 

 

「スッゲー……コンマ何秒の世界や……」

 

 

「魔法……を、無効化したのか!?」

 

 

様々な感想が、彼等の口から漏れてくる。

テーブルから、少し離れた場所にコウヤが転移してきた。

バリアジャケットが、解除された状態で目を白黒させたコウヤが自分の腕にはめているデバイスを凝視している。

 

 

「…………お疲れさん……」

 

 

「あ、ああ……って、何でっ!?」

 

 

「もう少し、遅かったら……死んでたからな……」

 

 

「……え?ま、マジ!?」

 

 

コウヤを呼んで、先程の突撃後の記録を見せてやった。

俺の転送直後、殺傷設定の砲撃が部屋を貫通していく様が映像を通してコウヤにあの時の戦況を教えてくれる。

 

 

「おぉうっ!?死んでる、死んでるよぉおぉ……」

 

 

それを見たコウヤが、顔を真っ青にして頭を抱えながらブツブツと呟いていた。

 

 

「これ、どういう事よ……コイツの特典は、魔法無効化って事なの!?」

 

 

「魔法を無効化するではなく、魔力そのモノを無効化したんだよ。だから、バリアジャケットが解除されてデバイスに戻ったんだ……でなければ、その後の砲撃魔法が部屋を貫通して行くってのはおかしい……」

 

 

「それだけの情報で、魔力無効化だって見抜くのか……お前、怖いなぁ……」

 

 

翼の質問に答えたら、凍真が怯えた様子で俺を見る。

魔法無効化であるなら、ヴェルハルド・ヴォーレンに触れた瞬間に砲撃魔法自体が消滅していなければおかしい。

ただ、それだけの事なのに怯えられる意味がわからない。

 

 

「ああ。後、こっちの……ツァーリ?は、魅了の魔眼持ちだ」

 

 

「へぇ……って、ええっ!?」

 

 

「どうしてわかったの!?」

 

 

「【真実の瞳】効果だよ。それから、高い魔力だ……」

 

 

「『おぉっ……』」

 

 

「じゃ、じゃあ、コイツの他の能力は!?」

 

 

「魔力無効化によって、ダメになっているんじゃないか?」

 

 

「『ああ!成る程……馬鹿(なんだな)(だ)なのね』」

 

 

容赦ない奴等だった。

 

 

「ツァーリは、魅了の魔眼、高い魔力……それから、デバイスじゃないか?あれだけの魔力を、余す事なく使い切っているみたいだから……多分、そうだろう。ぶっちゃけ、戦い方から見て高い魔力イコール俺最強的思考の持ち主だ……」

 

 

「昔の皇也みたいな訳だな」

 

 

「馬鹿みたいなモノか……」

 

 

「馬鹿みたいな奴なのね……」

 

 

「止めろよ!?馬鹿馬鹿言うなぁ!」

 

 

馬鹿が耳を塞いで、喚いている。

だが、自業自得なので何も言わないでおく。

 

 

「それで、どうするの?」

 

 

「実弾使って、殺すしか無いだろ?」

 

 

「『ちょ、おまっ……!?』」

 

 

「はい。錬月……」

 

 

「って、ニコヤカに実弾の入ったマガジン渡すなや!?」

 

 

「えー……っと、そんなコントしてる場合じゃ無かった」

 

 

全員が、首を傾げて俺を見ている。

未だに俺達は、結界の中にいるので外の様子はコイツ等に伝わってはいない。しかし、考えて欲しい。

奴等の手の内には、リンディ・ハラウオンがいたのだ。

ならば、彼女の権力を使って武装隊を動かすのは簡単であり……指名手配だって出せるだろう。

つまり、この場にいる俺と翼……それから、野分を除いた錬月、凍真、皇也は指名手配を受けている可能性がある訳だ。

 

 

「翼、野分をお前の所で匿えないか?野分は、デバイスを一時的に俺に貸してくれ……」

 

 

「ちょ、ちょっと、待って。どういうこと?」

 

 

「錬月、凍真、皇也は、指名手配されている可能性があるって事だよ……後、野分はルシフェリオンに俺の使い魔にもルシフェリオンを使える様に許可を出して置いてくれ!」

 

 

「え?ええっ!?」

 

 

「ま、待ってぇな……つまり、家にも帰れへんって事なんか!?」

 

 

「結界の外は、武装隊だらけだぞ?なのは、さん達もいるようだし……僕も、雲隠れするんで探さないでね?」

 

 

使い魔を一体呼び出して、野分に変身してもらう。

野分の許可を貰って、ルシフェリオンは使い魔に預けた。

それから、直ぐに野分と翼を妖精魔法で翼の自宅に送る。

野分に変身させた使い魔を、魔力ダメージでノックアウトして気を失わせた。

 

 

「お前……なんつー工作を……」

 

 

「仕方ないだろう!?最善策を考えて、敵を撃破するまでの話だよ!!僕の存在は、リンディちゃんとプレシアちゃん達くらいしか思い出してないから記憶の齟齬で誤魔化せるし……完全に姿をくらませるのなら、単独の方が良いだろう?それから、潜伏先は使い魔に一任してあるから……そいつ等の指示に従ってね?」

 

 

「使い魔の数が多いと、そんなことも可能なのか……便利だな……」

 

 

凍真の冷静な分析をそこそこに聞きつつ、三人を別の次元世界へと飛ばす。翼は、自宅に送ってやった。ふぅ……と額の汗を拭いて、自分は影の中へと沈み込む。

その後、結界を破壊された様に見せ掛けながら消して、敵の動向を探る。驚いた事に、武装隊の中に天鳳院皇帝の姿があった。倒れていた野分(使い魔)になのは、さん達が駆け寄るのを遠くから監察している。

少しだけ、口の端をつり上げているところを見る限り、三人が逃げた事を気にもしていない様子だった。

 

 

「こりゃ、完全に後手に回っているなぁ……はぁ……」

 

 

凍真達が、気が付いていなかった事を含め……敵はかなり慎重に事を進めていた事がわかる。テーブルの影に隠れながら、俺は夜を待つ事にした。

 

 

 

 

 




偵察回。
TAKE1とTAKE2の明確な違いと、被害状況の確認。
それらを織り込んでみました(笑)被害者にリンディさんを組み込んだのは、お試し的なモノ。【若い原作組】が弄べない間は、あんな感じで【熟女な原作組】で繋いでいるみたいな『凌辱組』を描いてみましたが……どうなんでしょう?
まあ、リンディさんやプレシアちゃんは(若ければ)美人さんなんだけどねぇ?

双夜が、踏み台を踏み台として使っているのも(笑)だけどw
自分で行けば、サクッと倒せたかもしれないのに『転生者』を使う理由は……成長を促している?もしくは、別の理由が?

指名手配となったのは、【転生者(男)】って区分。
だから、あの場にいなかった錬月・凍真も込みになってましたw『凌辱組』には、不要の存在だから仕方ない。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。