絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四七話

Re;

 

 

あれから、一週間程過ぎてしまう。

今、俺……俺達は翼の家の敷地内に隠れ家を作って隠れていた。ただし、地上より上にモノを作るとバレるので、地下にそこそこ広い空間を設けて過ごしている。

当然、トイレや風呂といった生活に必要不可欠なモノも作ってある訳で……凍真や錬月が、汚水が上に流れて下水へと排水されるのをとても不思議がっていた。

 

 

「もう、一週間か……なぁ、まだ動かない方が良いのか?」

 

 

「もう少し、我慢してくれ……相手の仲間の場所がわかるまでは、我慢するって約束だろう?」

 

 

コウヤの本日何度目かの「まだぁ~?」を適当にあしらって、デバイスを休止モード状態にしている錬月と凍真が無言で俺が持ち込んだ使い魔の目を通して状況を確認できるシステムを操作している。

見ているのは、すずか、さんを含める【原作組】だ。

 

 

「でも、アイツ等はその仲間にも秘密で動いているんでしょう?仲間の居場所なんてわかるの?」

 

 

「使い魔経由で、全次元世界に裏ルートを使ってあるモノを散布しておいたからね。動くとしたら、そろそろじゃないかな?」

 

 

「あ!動いた!!」

 

 

コウヤと野分が、錬月の元へと駆け寄り画面を食い入るように見始めた。俺も、状況を確認すべく端からそれを覗く。

 

 

「電光フレールくん、逆探よろしく!」

 

 

画面の向こう側では、仲間からの連絡に慌てた二人の男がいそいそと衣服を着込んでいる。

そして、着終えた所で片方が通信に答えた。

その後のやり取りは、お叱りというより最初からお前等を殺す的な会話が繰り広げられ、一方的に通信を切られるという状態だ。男達が、茫然と切られた画面を眺めている。

 

 

「どう?今ので、大丈夫なの?」

 

 

「ああ。フレールくんから、敵のアジトとリーダーを補足したって連絡が来ているよ……」

 

 

「すごいわね……あんな、短時間で……」

 

 

「なら、動いても良いんだな……」

 

 

「その為に、訓練してきたんだろう?」

 

 

「……魔力を抜いて実剣として使えるとか……まさか、こんなことが可能やとは思わんかったけどな」

 

 

凍真の瞳に、炎が灯る。

恋人を良いように弄ばれた上に、今すぐにでも飛んで行きたいのを我慢し続けた男の心に怒りの焔が燃え上がっていた。

錬月もそんな凍真に触発されて、拳と拳を胸の前でぶつけ合っている。コウヤは、腕輪に手を置いて外へ続く階段の前に陣取っていた。

 

 

「魔力無効化の奴は、凍真と錬月が……変態踏み台は、コウヤが殺れ。今度は、しくじるなよ?」

 

 

「おう!今度こそ、ブチ倒す!!」

 

 

「総力戦だ。僕の使い魔も来てるから、後退なんか考えずに進め!その為の布陣なんだからな!!」

 

 

この一週間、この隠れ家が見付からずに済んだのはその使い魔達のお陰でもある。俺のリンカーコア精製魔法により、凍真達のリンカーコアを複製して使い魔に持たせ、蜘蛛の子を散らす様に町中へと拡散させた結果でもある。

それにより、この場所を特定できずに敵側は手を拱いていた訳だ。この状況の中で、敵側が執れる行動は……逃げるか、町全体を結界で覆いブレイカー魔法で消し飛ばすかの二つだった訳だが……彼等は、この町に留まるだけでブレイカー魔法までは使わなかった。

まさか、それが仇になるとは思わなかったらしい。

こちら側の裏工作により、仲間からの一方的な『殺す』宣言によって彼等の『後退』という選択は断たれた。

そして、包囲網は確実に狭まっている。

 

 

「全軍に告ぐ。リンカーコアを放棄しろ!」

 

 

「それじゃあ、行きましょう!」

 

 

ユーリが立ち上がって、バリアジャケットを展開する。

凍真、錬月、コウヤも我先にと、バリアジャケットを展開してこのアジトから出て行った。

俺自身もレイジングハートで、バリアジャケットを展開する。野分と翼に振り返り、野分に使い魔がフレールくん経由で送って来たルシフェリオンを投げ渡した。

 

 

「さあ、絶望を払いに行こうか?」

 

 

「ええっ!行きましょう!!」

 

 

「私も協力するわ!!」

 

 

額に青筋を浮かべた翼が、アジトの外へと走り出て行く。

その後を、野分、俺、ユーリの順で出撃した。

 

 

「超広域結界!!」

 

 

魔力反応のある全ての魔導師を巻き込んで、広域範囲の結界を構築する。当然、敵側の魔導師をも巻き込んでいるので問題はないが魔力無効化のスキルを持った奴だけが省かれてしまう。

だが、そっちは使い魔達によって別の隔離空間へと閉じ込められた事を確認しているので問題ない。

 

 

「凍真、錬月……任せたぞ……」

 

 

願う様に、あっちの敵を任せて俺達は【原作組】と皇帝様をブチの召しに行く。それと同時に、別次元では使い魔達がアイツ等の仲間のアジトを襲撃している頃合いだ。今日を持って、全てを終わらせる気で俺達は行動を開始した。

 

 

「ブラストぉワン!!」

《Buster Fast!!》

 

 

先ずは、自分の周囲を護るビットを2機と16機のSビット&Bビットを展開する。そして、レイジングハートを前へ倒すことでビット達に敵へ向かうように指示した。

 

 

《Sonic Move!!》

 

 

バルディッシュが、ビットのスピードを強化して一般の魔導師の目には止まらない攻撃を開始する。

転送魔法で、次から次に現れる武装隊と接敵。それを、Sビットのみで迎撃して行く。あっという間に、武装隊が全滅して俺はレイジングハートを敵陣(原作組)側へと向け、カションカションとカートリッジを二発ロード。

そして、砲撃魔法を野分達が飛び交う戦場に叩き込んだ。

 

 

『こらぁ!危ないじゃないのっ!!』

 

 

『私達にまで、当てる気ですか!?』

 

 

クレーム通信が届くが、気にしない。

その間に、Sビットで執張にヴィータを狙って止まって反撃しようとしたところをBビットで落とす。一撃では落ちないだろうから、Bビットの砲撃魔法を連係させて何度も至近距離からディバインバスターを叩き込んだ。

その後、シャマル先生を見付けたので《リヴゥフロー》で子供化。混乱している所を、ディバインバスターフルロード(カートリッジ)で討ち取る。

ザフィーラも似たような方法で撃沈。

後方支援を失ったなのは、さん達は、ファランクスシフトやディバインバスターで応戦するもブラスターツーでSビット&Bビットを増やして対応したら、ほぼ一方的に撃ち負け状態へと追い込まれて行った。

 

 

「じゃあ、SLB行ってみようか?」

 

 

戦場全域から、魔力を集束させて行く。

野分達から、「止めて!」とか「ちょっと!」とか制止する声が聞こえたけれど、そんな事で止まる俺ではない。

最終的に集束速度を上げて、SLBを完成させた。

 

 

「スターライトォ……ブレイカーァアァァァァ!!!!」

 

 

36機のSビット&Bビットから、集束されたピンクの魔力が撃ち出される。それと同時に、空に木霊する俺の笑い声。

 

終幕の時だ!

 

 

 

 

双夜 Feed Out。

 

 

 

……………………

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

皇也

 

 

 

「この距離、貰ったぁ!!」

 

 

俺はなのは達を、双夜さんに任せて隠れていた天鳳院皇帝を視界に納めていた。相手も、俺に気が付いたのか慌ててその場から逃げ出して行く。

だがしかし、それをわざと逃がしてやるには惜しい距離である。新しく習得した、技術を試したくてウズウズしているっていうのに以前の様に遊んでやる義理もない。

瞬動術を使い、最高のタイミングでノリにノッた一撃を皇帝なんて生意気な名前のクソ馬鹿野郎に叩き込む。

一応、『鎧通し』が発動したモノの、急所を外れて殺し切れなかった。

だが、前回の様にその手段に執着して後悔したりしない。

同じく『鎧通し』を左のフックで叩き込み、再度右のストレートで急所を狙う。

だが、ワザワザそれを食らってくれる敵はいない。

双夜さんが言っていた通り、奴はその場から逃げ出そうとした。だけど、そこから更に瞬動術で間合いを殺し掌底を奴の眉間に叩き込んだ。

それにて、奴は脳震盪を起こし倒れる。

その瞬間を、見逃さない。

キュピーン!と目を輝かせる双夜さんをイメージしながら、奴のマウントポジションを取って拳を振り上げた。

 

 

「チャーンスっ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラヒャッハーーー!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!」

 

 

相手が、動かなくなるまで全力で拳を叩き込む。

相手が、命乞いをしても……相手が、助けを求めても……誰かに邪魔されても、全力全開で殴りきる。皇帝を名乗る馬鹿の帰り血が、頬に掛かったりもしたけれど気にもしないで殴った。殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って、気が付いた時には……顔も目もグチャグチャになっていた。

 

 

「あ、やべ……」

 

 

そう思って、奴から離れようとした瞬間。

世界がピンク色に染まって、俺は意識を失った。

 

 

 

 

皇也 Feed Out,

 

 

 

……………………

 

 

 

…………

 

 

 

凍真

 

 

隔離空間へと入った俺達は、目の前でふんぞり返っているヴェルハルド・ヴォーレンと対峙していた。

 

 

「お前か?禍焔凍真とやらは……クックックッ。良い体してたぜ?すずかはよぉ……いやぁ、彼氏がいるって聞いた時は切れかけたけど……処女じゃねぇ方が、良くこなれてて気持ち良かったぜ?ありがとう……な?ヒャッヒャッヒャッ!!」

 

 

「テメェ!!」

 

 

「止めろ、錬月……」

 

 

飛び出そうとしていた錬月を止めて、奴から視線を外すまいと睨む。

 

 

「でも、凍真……」

 

 

何故か、錬月が泣きそうな顔で俺を見ていた。

そんな錬月が、俺を冷静にさせてくれる。余り感情が顔に出ない俺の代わりをするかのように、錬月が怒ったり泣いたりしてくれるので俺的には大助かりだ。

まあ、それを気が付かせてくれたのはあのチビッ子な訳だけど……。

 

 

「お前の言い分はわかった。だが、魅了の魔眼で操られたすずかは、本当に良かったのか?俺の名前を呼びながらお前に抱かれて……本当に?」

 

 

「ああ?なんで、知って……!?」

 

 

「はっ!お前ごときに、教えてやる義理はない。死ね……」

 

 

「おいおい、まさか人殺しになるつもりか?そんな事をしたら、一生を棒に降ることになるぞぉ?」

 

 

こちらを煽るように、大きな手振り身振りでご高説を聞かせてくれるヴェルハルド・ヴォーレン。

しかし、どれだけそんな奴の行動を見ても頭に血が昇ることは無かった。心臓は、ドクドクと早鐘を打って今か今かと待っているのにも関わらず、頭は冷静で奴を監察出来るほどに冴えている。

俺は、モードリリースでバリアジャケットを解除すると魔力を抜いた迦楼羅を構えた。

 

 

「おいおい、まさか本気で人殺しに?ヒャッヒャッヒャッ!!馬鹿なのかよ、お前……」

 

 

「馬鹿は、お前だ!!」

 

 

「チッ!いでよ、自動人形!!」

 

 

数十体の人形が、召喚魔法陣から出現する。

それを見て、錬月が告げた。

 

 

「コイツらは、月村家が保有しているノエルさん等と同じ自動人形や!ただし、戦闘用って事は氷村遊と取引きしたな!?」

 

 

「ああ!月村忍をくれてやったら、嬉々として横流ししてくれたよ!ヒャッヒャッヒャッ!例え、すずかを救えたとしても……月村忍までは、救えまい。残念だったなぁ?」

 

 

「このっ!クズめぇ!!」

 

 

まさか、すずかだけでなく忍さんまで……っ!

 

 

「別に問題ないだろう?この世界は、アニメの世界なんだ……俺達、【転生者】が何をしても許される世界……なら、楽しまないと損だろう?」

 

 

「ふざけるなっ!何をしても許されるだと?そんな話がある訳無いだろう!!」

 

 

そう言った瞬間、奴から表情が消えて無表情になる。

 

 

「…………………………だったら……何をしても許されない世界だというなら、滅びてしまえ!!俺達は、そんな普通の世界なんて認めない!全て滅ぼして、俺も死んでやる!!ヒャッヒャッヒャッーーー!!」

 

 

「もう良い。黙れ……錬月!」

 

 

「露払いは、僕の仕事ってねぇ!閻鬼!剛鬼!」

 

 

錬月は、両手に銃を持って自動人形の群れに突っ込んで行く。その後ろから、ナイスバディの美女が現れて、自動人形をいとも簡単に鉄屑へと変えて行く。

 

 

「クソッ!なんだ、そりゃ!?」

 

 

ヴェルハルド・ヴォーレンは、錬月の式神に潰された人形の剣を拾って構えた。だが、それは素人以下の構えで……殆ど、鍛練をしたことも無さそうに見える。

一気に片付けようと、一歩前に出た時……チビッ子の注意事項が思い出された。

 

 

『例え、素人に見えてもどんな牙を隠し持っているかはわからない。だから、油断は大敵だよ?』

 

 

そうだ。相手が、こちらの油断を誘っている可能性をも考えて行動する。それが、本物の戦士だとチビッ子は言っていた。警戒は最大限に、どんな状況にも対応できる様に思考はクリーンに視界は広く、敵を監察しつつ斬る。

にわか瞬動術で間合いを殺し、迦楼羅を振るう。

ギリギリで、相手の剣が俺の刃を弾き、そのまま鍔迫り合いに持ち込まれる。

 

 

『相手と鍔迫り合いになるって事は、自分と似たり寄ったりの実力があるって事だ。警戒は怠るなよ?動きが止まっちゃうから、別の手が使えるなら仕掛けられるとすればその時だ』

 

 

何かされる前に、相手の剣を押し返して大きく距離を取った。それで、気が付く。俺がいた場所に、魔方陣と何かの腕が現れていた。その腕を見る限り、自動人形のそれらしい。

もし、あれに足を掴まれていたらと考えてゾッとする。

 

 

「チッ!良く気が付いたなぁ?捕まえて、ボコボコにしてやる予定だったのに……」

 

 

再度、迦楼羅を構える。

思い出されるのは、この一週間の修行の日々。

あのチビッ子に、無茶ばかり言われて色々とヤらされた悪夢の日々である。デバイスを刀剣状態で固定して、バリアジャケットを解除。そのまま、デバイスを休止状態にしろとか……魔力ではなく、霊力で魔法を再現しろとか散々無茶を言われさせられた。

霊力は、式神をコントロールしやすいように付け加えて貰っただけだと言っているのに……大地に眠っていた魑魅魍魎を呼び出して、俺を含む転生組を襲わせるとか。

 

 

『魔力で、喚ぶんじゃない。霊力で、喚ぶんだ!!』

 

 

「……わかってるよっ!!」

 

 

魔力にリミッターを……デバイスを通してではなく、自力で掛ける。そして、霊力をリンカーコアとは別のルートで繋げて……喚ぶ!!

 

 

「四方を守護せし聖獣よ、我が声に応え来たれ!西方守護、白虎召喚っ!」

 

 

その呼び掛けと共に、御札を前に投げた。

白ッポイ魔法陣が展開されて、白虎がその魔法陣から飛び出して来る。巨大な虎が、ヴェルハルド・ヴォーレン目掛けて飛び掛かって行く。奴は気にした様子もなく、ふんぞり返ったまま白虎のパンチを受けた。

 

 

「べほぉ!?」

 

 

白虎は、消滅することなく奴を殴り飛ばした。

成功だ!!と思うと同時に、瞬動術で間合いを詰める。

振り上げた剣を振り下ろす。少し大振りになってしまったが、何とか敵がいる間に振り下ろせた。

だが、奴は自動人形を盾にしてその場から離脱する。

 

 

「くっ!」

 

 

自動人形を切り捨てて、再度奴を追う。

あのチビッ子に、教えて貰った通りにしなかったばっかりに、チャンスを無駄にしてしまった。

勝利条件が揃った時に、人間は良く油断すると耳にタコができるほど言われていたのにまさかの大失敗だ。

 

 

「はっ!悪いが、逃げさせて貰うぞ!」

 

 

「仲間からも狙われているんだろう?逃げても、殺されるだけじゃ無いのか!?」

 

 

「……っ!?何でっ!!」

 

 

白虎を相手の後ろ側へと走らせながら、奴を誘導するように刀剣を振るう。だが、奴の方が一枚上手で中々思った通りに動いてくれない。

 

 

『戦術は、長丁場になることを前提で組むべし!相手も考えて動くから、早々簡単には行かないよ?』

 

 

焦るな、焦るな……と、自分に言い聞かせながら少ない霊力で白虎を動かし、地面を泥濘へと変化させて更に罠を強化していく。

 

 

『余裕があるなら、罠は複数造っておくと便利だよ?一つだけに絞ると、バレて逆に利用される可能性があるからね?』

 

 

相手との距離を、開けたり縮めたりして誘う。

とりあえず、あのチビッ子の助言通りに複数の泥濘を作り、白虎を何処からでも飛び掛かれる位置に誘導した。

 

 

「四方を守護せし聖獣よ、我が声に応え来たれ!東方守護、青龍召喚!」

 

 

御札を投げ捨てて、更に相手との距離を縮める。

本当なら、玄武を召喚して雨を降らせ泥濘を増やしたかったが、これ以上の霊力の消費は死活問題に成りそうだった。

青龍に空制権を確保させて、風と雷で相手を牽制しつつ俺の刀剣で動きを誘導しようとする。

 

 

「何、狙っているかは知らねーが……動きが鈍くなって来ているぜ?ヒャッヒャッヒャッ!!」

 

 

「くっ!!」

 

 

言われた通りだった。

目の前にいる、憎き敵を倒したいのに霊力と体力が段々底を尽きそうになっている。悔しかった、諦めたく無いのに手を伸ばしても届かない領域がある事が憎かった。

何で、こんな大事な時に俺は失敗ばかりするのか……わからない。ただ、助けたい人がいて助けられるだけの作戦を与えられて、それでも届かない現実が恨めしい。

 

 

『あ、そうそう。気休め程度のモノだけど……御守り程度には、役に立つと思うよ?』

 

 

そう言って、チビッ子は俺に御守りをくれた。

だけど、悪い。もう、駄目みたいだ……。

無駄だとわかっているけど、リンカーコアのリミッターを解除して最後の悪足掻きをする。

 

 

「ヒャッヒャッヒャッ!馬鹿が!!魔力は、俺には効かねぇよぉ!!」

 

 

「うるせぇーー!!こんなところで、負けてたまるものかぁーー!!!!」

 

 

ザンッ!と、剣を振り抜いた。鮮血が舞う。

ああ、殺られたんだな……と諦めかけて、悲鳴を聞いた。

 

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!?何で?何で、何で、何でぇ!?」

 

 

ヴェルハルド・ヴォーレンの頬の傷から、かなりの出血が見られる。思わぬ事に、うっかり呆気に取られてしまった。

 

 

「痛い!痛いっ!!よ、よくもっ!よくもよくもよくもっ!!俺の顔に傷をっ!!!」

 

 

振り上げられた剣に、はっ!となった俺は慌ててバックステップを踏む。迦楼羅を構えて、不思議な事に気が付いた。

霊力が、回復しているのだ。

しかも、驚くようなスピードで。

 

 

「え?……ええっ!?」

 

 

チビッ子から貰った御守りが、うっすらと輝いている。

良くわからないが、何らかの回復アイテムだったらしい。

何にせよ、霊力が回復したのなら……アイツを……あの敵を、ブチのめすだけだ。

 

 

「おぉおぉぉぉ!!」

 

 

もう、何も考えずに刀剣を振るう。

迷いも……作戦も……関係なく、ただ剣を振るう。

ゴチャゴチャ、考え過ぎていた様な気がする。

何も考えず、剣を振るいながらチャンスが来たら相手を追い込んでしまえば良いと、罠をおまけ程度に優先順位を下げて戦う。剣を振るい、にわか仕込みの体術も使って奴を追いかけて行く。

 

 

「く、クソォッ!出ろ!自動人形ぉ!!」

 

 

「切り捨てろ!迦楼羅!!」

 

 

霊力を刃に乗せて、切り払った。

瞬間、霊力の刃が大地を駆け奴を吹き飛ばす。

奴が降り立ったのは、泥濘の上だった。

 

 

「うわぁ!?なんだコレッ!?」

 

 

「青龍!雷光招来!!」

 

 

泥濘目掛けて、雷光が落ちる。

ヴェルハルド・ヴォーレンは、絶叫を上げた後ゆっくりと泥濘へ倒れ込んで動かなくなってしまった。

それでも、急いで奴の元に駆け寄り、両腕をコードを束ねる為に使うプラスチック状の紐で固定する。チビッ子が言っていた通り、後ろ手に手首の部分と親指の部分をギュッ!と纏めた。

 

 

「…………っはぁ!」

 

 

何とか生け捕りにできたが、本当にギリギリの戦いだった。

なんか、色々チビッ子が手を回していてくれたような感じだったけど……勝ちは勝ちだ。素直に喜んでおこう。

そう思って、錬月の方を見たら……錬月と二体の式神が、三國志無双(ゲーム)で見るような、敵を吹き飛ばし蹴散らす姿が見えた。

俺が、ギリギリの戦いをしていたというのに、あんな風に遊ばれたんじゃぁ腹の底から怒りが煮えくり返って来るというものである。

 

 

「四方を守護せし聖獣よ、我が声に応え来たれ!北方守護、玄武召喚!南方守護、朱雀召喚!!」

 

 

無理だろうなぁ……と、思いながらやったそれは、何故か上手く機能して四体同時召喚に成功した。

 

 

「あっはっはっはっ。錬月をブチのめせ!!」

 

 

四体の獣達は、楽しそうにはしゃぐ錬月に向かっていく。

それに気が付いた錬月は、悲鳴を上げながら慌てて逃げ出していった。ざまぁみろ!

 

 

 

凍真 Feed Out,

 

 

 

 




皇也が調子にノッて無茶を殺りましたw
相手の顔と証拠物件である『魅了の魔眼』を潰しちゃった♪
「あ、ヤベ……」とか言っちゃってる辺り、彼は踏み台を卒業できそうに無いですよねw
思いの外、ショボくなったイメージ……うん。書き直したい……orz ちょっと、考えよう……。

自動人形云々は、凍真がすずかを攻略したから出て来たモノですね。まあ、相手がゲス繋がりで良かった?
後、霊力を回復させるようなアイテムは渡してないよw

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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