絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
色々な意味で、時間稼ぎに持って来い。
たまーに連投。
そこら辺は、ストック次第(笑)
そして、今回は練習回。
本当に描きたい描写が、だい第三者してん視点から見た『世界』&『物語』。こういう風に描きたいなぁ……ずっと←グダグダにならない程度で……。
Side ???
その日、彼等にとある指令が下った。
先日、彼等が壊滅させたある施設を再度探索してこいというもの。その理由が、施設内を巡回していた《サーチャー》に生きている人間が映っていたからだった。
そもそも、何故そんなことをしていたのかというと……その施設には彼等が必要とするものがあったからだ。
例え、労力を割いたとしてもそれをするだけの価値がそれらにはある。
そんなに価値がある物なら、持ち出せば良いという意見もあった訳だが……ソレは、ちょっとやそっとでは持ち出せない。
それほど、膨大な数だったのだ。
だから、サーチャーで監視をしていた訳である
それに運良く(?)、人影が映し出されていたのは行幸と言わざるを得ない。
そして、実動部隊に指令が下る。
その指令を聞いたとき、彼等は『ついてない』と思った。
なぜなら、この後は彼等の生きる目的である『お楽しみ』が待っている。
だというのに、それを「おあずけ」して探索任務に行かなければならない。
ーー憂鬱だ。
本当に、運がない。
指令を持ってきた伝令に、彼等はブーイングをしてから武器を確認した。
アサルトライフル。
彼等の標準装備だ。
攻撃力が高い。
それが、彼等がアサルトライフルを好んだ理由だった。
第97管理外世界『地球』で手に入れた質量武装。
それを撃ちたいが為に、実動部隊に志願した者もいる。
彼等にとってアサルトライフルが、撃てるなら多少の障害なぞ『お楽しみ』前の『スパイス』程度のモノだ。
撃って撃って、人間を文字通り蜂の巣にする。
先日の、血と硝煙の匂いが忘れられない。
そんな奴等は、この部隊にゴロゴロいる。
サーチャーに映っていたバカ共には悪いが、残虐で残酷な八つ当たりをさせてもらおう。
「クックックッ……」
彼の口許が、笑みの形に歪む。
思わず、笑ってしまう程の愉悦が込み上げてきた様だ。
彼は、先日の『魔法至上主義』をかかげる権力者共を虐殺した時のことを思い出していた。
リンカーコアを封じられ、魔法が使えなくなった事を理解した時の奴等の顔と来たら最高だと彼は思う。
アサルトライフルから吐き出される銃弾に、成す術なく蜂の巣にされる魔導師のエリート達。慌てふためき、逃げ惑う事しかできずに無力さに打ちのめされて死んでいく。
またある者は、敵が振るった小さなナイフで胸を刺され、呆然とナイフを見詰めたまま息を引き取った。
また、別の者は簡単に殺される自身や仲間達が信じられなかったのか「これは、悪い夢だ……」と繰り返し命が尽きるまで呟いていた奴もいる。誰もが、「こんなはずじゃなかった」と口にして死んでいったのだった。
周囲の男達は、暗い雰囲気で全員がニヤニヤと笑っている。
これから始まる虐殺に、踊る心を抑えきれないのだ。
「へっへっへっ……イッツ、ショータイム……」
愉しそうに、仲間の一人が言った。
「ぎゃはははは!!良いね良いね、俺達は泣く子も黙るラ○ィン・コ○ィンだぜ!!」
「違いないっ!!」
彼等は、オペレーターの指示に従い転送装置に入って行く。
そして、転送が開始され、時空管理局の転送ルームにジャンプアウトした。
すぐさま、先見部隊が転送ルームと廊下を制圧下に置いていく。その後に、次の部隊の者が転送ルームから出て来た。
ライフルのセーフティを外して、銃口を前に部屋部屋を調べ制圧して移動する。
「異常なし!」
「こっちも、異常なしだ……本当にいるのか?」
「もしかしたら、少数精鋭かもな……」
「おい!リンカーコア封じの奴はいるんだろな?」
「ちゃんといるよ。魔術回廊封じもな……」
「へっ。エリート様のあわてふためく顔が楽しみだぜ!!」
【リンカーコア封じ】と【魔術回廊封じ】とは、それぞれの機能を完全停止させるレアスキルの持ち主の事である。
彼等が、そこにいると彼等を中心に数十㎞で魔法や魔術が使えなくなるのだ。
バリアジャケットすら、展開できなくなってしまう。
すなわち、『魔法至上主義』をかかげる時空管理局では、絶対的に勝てないことが確定していると言うことだ。
「おい!!こっちに、新しい足跡があるぞ?」
「へっへっへっ。ようやくかよ……!」
「良くやった!!さあ、狩の時間だ!!」
そして、彼等は非常階段の扉の前にやってくる。
血の足跡は、二人分で非常階段へと消えて行っていた。
そこから推測できるのは、上の階へ対象が移動しているということだ。
「ちっ!!面倒な……」
「おいおい、せっかくの狩りだぜ?愉しそもうぜ!!」
「…………女だったら、良いなぁ……」
「だな。押し倒して、たっぷり遊んでやろうぜ!ぎゃはははは!!」
彼等は笑いながら、中を確認し仲間の一人が非常階段に足を踏み入れるのを見ていた。
「…………?」
しかし、その仲間はそれ以上入ろうとはしない。
良く見ていれば、その仲間の首が消えていることに気が付けただろうが……彼等は、気が付かなかった。
「おい!さっさと行けよ!」
もたついている仲間の背中を、ドンと肘打ちする。
すると、そいつはゆっくりと前のめりに倒れて行った。
次の瞬間には、盛大に血が噴き出す。
「へ?」
訳がわからず、肘打ちをした彼が覗き込むようにそいつを見た。それでようやく、仲間の首が消えていることに気が付く。いつの間に、首を落とされたのか彼にはわからない。
「はぁ!?」
固まっていると、頭の後頭部に衝撃を受けた。
そこまでが、彼の覚えている事だ。
◆◆◆ーーーーー◆◆◆
「ーーーーー」
彼は今声を潜めて、とある部屋に身を隠していた。
そこは、元々どこかの部署だった部屋だ。
人影はないが、机があり……書類などが散乱している。
何故、こんなことになったのか彼にはわからない。
わかっているのは、この任務が簡単な探索任務だったという事だけだ。これが終われば、彼等は『お楽しみ』に参加して思いっきりこの世界を堪能するはずだった。
なのに…「こんなの、聞いていない」と悲痛な声で呟く。
『外』では、銃声が鳴り響いている。
最初は、たくさんあったその銃声も今や数人分に減り『外』の戦況を重々語ってくれていた。
彼の仲間が、苦戦を強いられている。
相手は、それだけの存在だということだ。
「く、くそっ!!あ、あんなの反則だぁ!!」
後方にいた彼は、あの黒い獣が倒されるところを何度も見ていた。だが、あの黒い獣はすぐに復活してくる。
アサルトライフルの銃弾も効いているかわからなかった。
殺しても殺しても、復活してくる黒い獣。
一時的に動かなくなるだけで、身体を再構築が終わると近場の仲間と合流、敵に向かって突撃してくるのだ。
それに彼等が気が付いたのは、既に何人か殺られた後だった。
一向に衰えない攻撃と減らない敵。
アサルトライフルの弾は、無限ではない。
いつか、弾切れになってしまう。
そして、その危機は確実に近づいていた。
「くそっ!!弾切れだっ!!」
ついに、その時が来てしまった。
「こっちもだっ!!仕方ねぇ、撤退だ!!」
まだ弾丸が残っている者達が殿となり、彼等は転送ルームに向かって退避していく。
しかし、後数メートルというところで行き行かなくなってしまった。
反対方向から、別の黒い獣達が出て来たからである。
そのせいで、彼等は退避すらできなくなってしまう。
仕方なく彼等は、近くの部屋に籠り籠城するはめとなった。
だが、補給はないし来ない。
入り口を破壊されたら、後は蹂躙されるだけだった。
「なんだよ……何なんだよ、これはっ!?」
「くそっ!くそっ!!」
「こんなところで、終わってたまるかよっ!!『お楽しみ』が待っているんだぞ!?」
状況は、最悪の状態だった。
部屋の外には、黒い殺戮者が包囲している。
彼等の武器は、アサルトライフルが数丁。
そして、弾丸は残り僅か。
どう考えても、誰が見ても詰んでいる。
「や、ヤバイっ!!おい!壁になるもん持って来い!!破られるぞっ!!」
黒い獣が、入り口の扉に穴を開け始めたのを見て彼等の一人がその辺りの机などをバリケードに入り口を固めて行く。
それに協力するように、他の仲間達も色々なモノを入り口近くに配置した。
「な、なぁ……デバイスは持って来て無いのか!?」
「あ、ああ!?んなもん、持って来たところで使えねぇだろうが!?」
「いや、こいつを殺せば……」
彼等の視線が、一点に集中する。
【リンカーコア封じ】のレアスキル保持者が、怯えたように自分を見詰める仲間達を見ていた。
「ま、待てよ!!俺が死んだら、計画が……」
慌てて、彼は弁明を始める。
「……でもよ、あの黒い獣は消えなかった。ヴォルケンリッターでさえ、お前がいるだけで消滅しちまったのに……だ!」
「そ、それは……」
彼は、言葉に詰まってしまう。
「つまり、お前のレアスキルでは黒い獣は止まらない。今は、俺達の邪魔になってしまっている」
「ほ、他の転生者ならともかく、俺のレアスキルは魔導師にとっては致命的だ!!俺を殺したら、奴等の思う通りだぞ!?」
「だが、黒い獣を操っている奴が攻めて来ても同じだろ?それに、後二人もいるじゃねぇか!!」
「そ、それは……でがっ!!」
彼は反論しようとして、口から血を吐き出した。
見れば、反論しようとしていた男の胸から黒い刃が生えている。男は、呆然とした顔で自分の胸から生えている刃を見詰めながら事切れた。
男の仲間達も驚愕の表情で、彼の胸から生える黒い刃を見詰めている。
何が起きているのか、理解が追い付かないのだ。
そうこうしているうちに、その黒い刃から黒い霧が溢れ出て獣の姿へと変化していく。
それでようやく、それが敵からの攻撃であることに行き当たった。
次の瞬間、入り口とバリケードが蒼い光に包まれ消滅する。
それにより、外から黒い獣達が雪崩れ込んできた。
「う、嘘だろ!?」
「う、うわああぁぁぁ!!」
成す術なく、彼等は駆逐された。
一切の手加減なく、何の躊躇すらなく惨殺されていく。
生き残ったのは、息を潜めてロッカーに隠れていた男だけだった。しかし、それも時間の問題だ。
何故ならば、相手は生体反応を追って攻撃してくる怪物。
言うまでもなく、彼は補足されていた。
彼が生きているのは、ただ単純に指揮者の気紛れだ。
『聞こえているかい?』
突然、呼び掛けられて男はビクッと肩を跳ねさせた。
「ーーーーー」
キョロキョロとロッカー内を見回すが、声の主は構わず話を進める。
『君達が、言っていた「お楽しみ」って何の事?』
「お、お前は……誰だ!?」
声を振り絞って、男は質問を質問で返す。
『……敵だよ。君達の敵だ』
「…………敵」
『とりあえず、質問に答えてくれるかなぁ?』
「…………」
『君達の目的は?仲間の数は?まだ、いるんだろ?』
「…………」
『答えたくないなら、答えなくてもいいさ。さて……残っているのは、君だけなんだが……どんな死に方が良い?』
「……し、死にたくない!!」
男は、なりふり構わず命乞いをした。
『おいおい、まさか殺される覚悟も無かったのかい?異なことを……君達は、この施設の人々を殺したのだろう?なら、殺される覚悟もあるはずだ。人を殺すってことは、誰かに殺されるって事でもある訳だからね?』
「……お、俺はオリ主だ!!し、死ぬ訳がない!!」
『……オリシュとは、何だ?』
「お、オリジナル主人公……お、お前だって、転生者だろう!?」
言われて、双夜は「はて?」と首を傾げた。
◆ ◆
彼等は、【転生者】と呼ばれる集団だ。
所謂、一度死んだ事があり赤子からやり直した存在ということだ。
本来であるならば、輪廻転生……生前の記憶を一度リセットして、新生児となり生まれ人生をまっとうする……訳なのだが、彼等は生前の記憶を持ったまま転生している。
記憶を持ったままなのは、彼等が一度死んで……輪廻転生ではなく、精神世界から【干渉者】の手を経て直接現世へと転生した。【干渉者】……この場合は、『神』だろうか?
その【干渉者】の説明によって、彼等は漫画やアニメの世界へ転生した気でいる。きっと、精神世界でアニメの世界に転生させてやる的なやり取りがあったのではないかと推測された。
当然、転生者の中にはオタクやスペシャリストと呼ばれる人種がいる。世界観の説明を受ければ、ある程度どんな世界に転生するかは理解するだろう。
もしかしたら、最も望んだ世界があるかもしれない。
当然、そんな世界に転生する事になったら……ハッピーエンドを目指して、【原作】介入を考える者がいるかもしれない。また、自分の欲望を成就指せるために強行手段にでる者がいるかもしれない。
他にも、様々な人種の【転生者】が送り込まれて行く。
【原作】を知らない者。
【原作】を知っているけど介入する気の無い者。
【原作】を知っていて、全力介入する気の者。
【原作】関係なく遊ぶ気満々の者。
色々な人種の【転生者】が、様々な思惑と意気込みを持って転生して来る。だが、その意気込みはすぐに絶望のどん底に叩き落とされることになった。
生まれて漸く、一人で行動できるようになった日……彼等は、その世界が第97管理外世界とは全く異なる世界だと知る。魔法文明の無い管理外世界で、絶対的に【原作】に関われ無い事実を突きつけられるのだ。
あの瞬間の絶望感は、忘れたくても忘れられないだろう。
【原作】を知らない者や関係なく遊ぶ者には、あまり問題無いだろうけれど。それを知っていて、介入する気だった者達からしてみれば詐欺に近い転生と認識された。
そんな状況に落とされた【転生者】はというと……絶望感の中で、生きていくことを余儀なくされる。
たとえば……。
絶望して世界を呪いながら生きる者。
【原作】介入を諦めて生きる者。
いつか、【原作】に介入できると信じる者。
数十年後、その『果て』で彼等は管理世界への切符を手に入れた。そう、手に入れたのだ。彼等は、管理世界へ至る術を手に入れた。
喜び勇んで、第97管理外世界に行った。
【原作】に介入する為に。
そして、既に介入を果たした【転生者】を見た。
良く考えれば当たり前だ。『自分』以外にも、【転生者】がいるのは切符を手にした時点で理解していたのだから。
だけど、それ以上に【原作】介入の事で頭がいっぱいでソレに気が付けなかった。
彼等は【転生】後、最大の絶望を得てしまう。
それでも、諦め切れなかった者達が第1管理世界ミッドチルダへ行き、管理局に入社したりして【原作】介入できる状況を造ったり、別の形ででも介入を果たしたかった者が【次元犯罪者】となったりする。
そういった者達は、【神様特典】と呼ばれるモノをフルに使う。管理局入りをした者なら、有名人な管理局員に……次元犯罪者になった者なら、高レベルで名の知れた犯罪者に。
【神様特典】とは、神様によって融通された能力である。
【転生】をする前に、神様に願って【特典】を得るのだ。
因みに、貰えなかった者達もいる。
貰えなかった者達に関して……彼等は、天寿を全うして死んだ者達だ。天寿を全うしているのに、なぜ【転生】なのかというと……天国や地獄が人工爆発の影響により、現在も満員状態で増設するにも時間がかかるからだ。
そう、説明された者もいたらしい。
『らしい』というのも、その際の記憶があやふやなのだ。
サクッと説明、即転生だったらしい。
そこに、質問する時間も権利もなかったと語った。
つまり、普通の死をへて転生した者は特典を持たない。
そして、普通でない死を体験した者は特典を持っている。
なんとも、理不尽な話であった。
◆ ◆
『主人公……転生?何を言っているのかわからないが、人生は物語ではないよ?』
「ーーーーー」
『まあ、いいや。言ってることも、理解不能だし……』
そして、男の意識は消えた。
痛みも苦しみもなく、一瞬で男の命は刈り取られる。
20人から及ぶ、部隊は僅か30分程で全滅した。
彼等が進めたのは、転送ルームから非常階段入り口まで。
エレベータが使えないとは言え、転送ルーム周辺を探索しただけで全滅。
戦果としては、異例の事態である。
「……そして、人形の使い魔(親衛隊)が集まって来る訳で彼等は更なる窮地に貶められる。さてはて、彼等はこの施設を取り返せるだろうか!?」
敵から視点と、第三者視点がゴッチャに?
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