絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中!!
お気に入り149~151を行ったり来たり。
んー……出入りが激しいなぁ……みたいな感想を得た。
嬉しい事は嬉しいので、素直に喜んで凹んでますw
双夜
その日、俺はすずかに連れられて翼の家に来ていた。
前回の戦いで使用した、地下の秘密基地の解体を目的として来ていた訳だが……翼の何気ない一言が、すずかの耳に入りそのまま拡散してしまったのである。
そして、今目の前には駆け付けた【原作組】と【転生者組】、更には【イレギュラー】が集まっていた。
「で、どういう事か……説明してもらおか?」
「どうもこうも……そのままだが……」
「つまり、お前は仕事が終わったら……俺達の記憶どころか、全ての記録からも消えるって事で間違い無いんだな?」
今回の平行渡りは、元に戻っていた(泣)世界の調整と修正。
それから、『時空消滅弾』のデータ回収と現物の破棄さえし終えれば、この世界ともお別れである。
再度、調整し直さないといけないとわかった時はマジで泣きを見たが……まあ、何とかなりそうだ。
問題は、『時空消滅弾』のデータと現物である。
何処まで拡散しているかはわからないが、全て処理し終えてしまえば強制的に世界から排出されるはずだ。っていう話を、翼の方からされた事が現在の状況である。
「……それで、何時ぐらいになるのかしら?」
「僕が、この世界から排除される時の事?とりあえず、調整と修正が終わるのが先か……『時空消滅弾』のデータ&現物の破棄終了が先か……両方が終われば、すぐ?」
「……前は、二年程でしたわね?データ回収と現物の破棄はどれくらい掛かるんですの?」
「さあ?そっちは、何処まで拡散しているかにもよる……」
「じゃあ、直ぐに消えちゃうって訳じゃ無いのね?」
「一年半は問題ないと思われ……」
だが、それは目安であって確約できるものではない。
前平行世界では、調整が終了した瞬間から排除され始めていたみたいだから……余り、断言する事はできないだろう。
邪魔さえなく、睡眠無しで順当に行けば一年。
もしくは、一年半は確実に調整と修正に掛かる。
【イレギュラー】であるユーリが、おかしな事をしなければ全然問題ない。この平行世界TAKE1時には、コウヤの妨害により二年掛かった。だが今回は、コウヤにさえ構わなければ大丈夫であることは学習済みだ。
そういえば、スカさんがまた使い魔に捕まったと報告に上がっていた。最高評議会の犯歴や、諸々の事情とかをTAKE1時に集めたモノと比較するようには言っておいた。だが……前回よりも早くに捕まるとは、戦力落ちたんじゃないか?
こちらに護送して、色々話を聞くみたいな事も聞いているからフェイトちゃん達と会わせて様子を見る事にする。
〔凍真……スカさんが、また捕まったらしい……〕
「え!?」
〔ちょ、それ、本当か!?〕
〔うん。使い魔、マジ優秀(笑)〕
「あ、あのっ!!」
「ん?」
ユーリ・エーベルヴァインが、俺達の会話に割り込んで来た。全員の視線が、彼女に集中する。
彼女は、顔を真っ赤にしてあわあわと慌てながら、言葉を紡いで行くその様を俺はボォーと見ていた。
「あの、その、わ、私も連れていってください!!」
「……………………どこへ?」
「え?あ、その、双夜さんと、一緒に旅したいです!」
「……………………はぁ!?」
『『ええっ!?』』
その場にいた全員が、ユーリの発言に驚きの声を上げた。
俺と共に、平行世界をまたにかけたいと聞こえたが……【真実の瞳】からの情報にもあるけれど……ユーリを連れていく気は無かった。だって俺には、ユニゾンデバイスのリインフォース・ツヴァイがいるし……似たような機能のユーリを得る必要性を感じない。だから、断ろうと思っていたのだが……。
ユーリの発言の後、直ぐに『蒼天の書』が勝手に出現してツヴァイが出てきた。
「私からも、お願いがあります!私、はやてちゃんの元にいたいです!!」
「……………………」
まあ、余り外に出してやれる訳じゃないし……俺とユニゾン出来る訳でもないから、ツヴァイとしてはそっちの方が良いのかも知れない。しかし、すずかママが現れた時に思っていたことがある。順当に行けば、【八神はやて】当人にツヴァイを返してやれるのでは無いか……と。だから、上書きされていないこの八神に渡す気は無かった。
「上手くすれば、お前の“はやてちゃん”に会えるかも知れないんだぞ?俺的には、その可能性に賭けたかったんだが……」
「そっか。私みたいに、上書きされてしまうはやてもいる訳よね?なら、その【はやて】に渡した方が双夜的には良いのね……」
「まあ、本人がこの【はやて】で良いって言うならそれでも構わないが……どうする?」
「私のはやてちゃんに……会えるかも知れないですか?」
「そ。タイミングを見計らって、君は【八神はやて】に返す予定ではあったんだ。しかし、当人ではない【八神はやて】に渡されても良いのかい?」
「……………………」
出来るだけ、改造をしてない理由もそこら辺にあるので、ツヴァイには『大人モード』以外の魔法を覚えさせてはいない。【八神はやて】には、そのままの『蒼天の書』を返してやりたいからの配慮である。
「まあ、100万歩譲ってユーリの受け入れは構わないが「100歩……」ツヴァイは、この【八神はやて】で良いのか?」
「……………………」
ジィーと、この世界の八神はやてを見詰めるツヴァイ。
迷っている……というのが、誰の目にも明らかだった。
このままだと、ツヴァイ以外の人間が答えを出してしまうぞ……と言おうとしたら、本当に八神はやてが答えてしまう。
「ええよ。自分の【主】に会える可能性があるんやろ?やったら、その可能性に賭けた方がええ。その方が、この子の為にもなるやろ」
「上書きの条件も大体把握できて来ているから、条件の合う【八神はやて】に返す予定だ。今、わかっているのは……処女ではない事。絶望的状況。レイプされそうな時……に上書きされる可能性が大ってところかなぁ……」
まだ他にも、事細かな条件がありそうだが……今、わかっているのはそれだけしかない。
ただ、それに【転生者】がどう関わって来るかである。
もしかしたら、関わって無いのかも知れないが……統計を取るにしても、情報が不足していた。
「レイプ……ね」
「心当たりは、あるだろう?」
「ええ。誰かさん達に、忘れられてたけど……」
「「「すいません……」」」
錬月、凍真、皇也が、同時に謝る。
八神はやてに注視しすぎて、うっかり忘れで上書き落ちのアリちゃママがジロッと三人を睨む。
しかし、前にアリちゃママは『双夜に会えたから良いけどねー♪』とか言って俺を抱き締めたのだが。
それは、言わない方が良いだろう。
「じゃあ、ユーリは僕と来るんだね?」
「はい!!」
「……ふと思ったんだが、普通の契約で平行世界を渡れるのか?」
凍真が、疑問そうに聞いてくる。
ユーリに『お兄ちゃん』とか、呼ばれていたが……止めたりしないのだろうか?
「普通の契約じゃあ、無理だろうな……ツヴァイに聞いてみたら?なあ……」
「……キスされました!」
『『キスゥ~!?』』
顔を赤くしたツヴァイが、頬を押さえながら告白する。
それに対して、全員の疑問声が重なった。
まあ、間違いでも無いので何も言わない。
本来は、印を魂に付けて我等が世界……この場合は、セフィロトはユグドラシルに死後召喚する為の目印だ。主に、“内側”の優秀な人材をスカウトする時に使うのである。
二三話に出てきたディスティア(♂)とか、彼も“内側”からスカウトされた一人だ。昔、青い顔でロック・ウォー(♂)にキスされて召喚されたとガタガタブルブル震えながら言っていたのを覚えている。うっかり、思い出したとかでトイレに駆け込んでいた。たまに、夢にすら見るとかでカウンセリング通いをしている。未だにだ!唇にでもされたのかと勘繰りたくなるから笑えない。絵面的には、…………ヤバイな。
ただ、印を付けるだけだから接吻で無くても良いはずだ。
「従来は、スカウトする際に使うんだよ。俺達、“外”の存在が内側の優秀な人材を引き抜く際、その魂に目印を付ける目的でね。だから、内側で恋人云々ができてもキスだけは避けるとか良くあった話だよ?(今はON,OFF可。それ以前の話)昔は、別の方法だったんだけど時間が掛かる上に面倒な手続きだったんで簡易化したらそうなった」
元々は、肌に直接血で文字を書いて印を付けたりしていたのだが、今は簡単にできる方法が編み出されたという訳だ。
誰の趣味かは、知らない。【鮮血の】でない事は確かなので、女の子にモテない淋しい独り身の奴だろう。
数人、候補が頭に浮かんだ。独り身で、幼女(100歳の老人ですら幼女認識)好きな奴とか……根が真面目だけど、女難の気がある奴とか……面白半分で、【鮮血の】の格納庫を吹き飛ばした“軍”の奴等とか色々である。
「そして、寿命が尽きた死後、スカウトされた奴の魂をユグドラシルに強制召喚。肉体を与えて、小中高大を行き直し……魔法と武術を叩き込んで、見習いからスタート。経験を積んで、一人前になるまで先輩と行動を共にして……たまに、付いていけずにドロップアウトする奴もいるけど……まあ、そういう奴は【外れ者】になったり、事務系になったり、人手不足な所に送られて行くよ?で、一人前になったら、一人で仕事を任せられたりするから凄く大変。因みに、この中でスカウトできそうな奴はいないね。まあ、僕の目に止まるような人材は今までもいなかったかな?僕は、ユグドラシルの中でも一番審査がキツいらしいから、早々スカウトはしないんだけどね……」
「へぇ……スカウトねぇ……」
「なんか色々ちゃうけど、管理局みたいなもんなんやね……」
八神の言葉にカチン☆!と来た。
管理局!?あんなブラック企業と一緒にされたくない。
「同じじゃない!……ユグドラシルは、子供を働かせたりはしないよ?労働基準法もしっかりしているし……何より、ブラック企業じゃないからね!?休みだって、普通に取れるし……様々な保証もされてる。どっかのブラックな組織さんよりかは、真っ当な組織なはずだよ?まあ、キチガイの巣窟ではあるけど……そうだなぁ、明確な違いと言うなら……あ!月経休暇なんてあるよ?」
「月経休暇?」
すずかが、聞き慣れない言葉に反応。
「うん。女性限定の休暇だね……月経が重い人は、休暇を取る事ができるんだよ……」
貧血で、仕事中に倒れられたら逆に迷惑なのでできた制度である。実際、仕事中に貧血で倒れて敵を逃がしちゃって被害が拡大した事があったらしく、女性限定でその期間休暇が与えられるのである。もしくは、期間中は軽めの仕事に切り替わったりするらしい。
その反面、有給は男性の方が多かったり……残業や重加仕事は不老不死でも熟練者(キチガイ)が担当するとか……精神生命体(休まなくても大丈夫)がやったりとか色々である。
「ああ……ええなぁ……」
「そこら辺、あの組織は充実しているから管理局みたいに休みが取れないぃとか、休みが無くなったぁ……みたいな事は無い!!それに、腐敗させない降格システムもあるし……」
「降格システム?」
「【真実の瞳】を使った、仕事内容による降格だよ。普通、余程のヘマをしない限り降格なんてしないだろう?でも、ユグドラシルでは人員の腐敗化を防ぐ為に降格システムがあるんだ。階級が昇格すれば、給料アップや色々な権限を与えられる。まあ、この辺は何処も一緒。でも、人間って奴は特権やらなんやらを持つと……胡座をかいて、段々腐敗していくだろ?特にスカウト組では、良くある事だから……」
「…………せやね……」
「だから、それを防ぐ為に仕事内容によっては降格させられるんだ。ノルマもあるし……階級を維持するのも楽じゃない。まあ、超実力主義とか言われるのもその辺りが原因かな?」
「……画期的なシステムやなぁ……」
「【真実の瞳】が無いと出来ないんだけどな……」
全員が、『へぇ……』と溜め息と共に感心している。
あの組織は、キチガイの巣窟ではあるけど……そっち方面は、かなり気を使っている組織でもあるのだ。
不老不死であるが故、月経になるまでの期間も長いし……なった後の期間は短いけど、大体は一週間程休める。
嘘を吐いて、なんでも無い時に休暇を取った馬鹿がいたらしいけど……その後で、月経期間内休めず有休も許可されず酷い目にあった……という話を【鮮血の】から聞いた事があった。実際は、月経じゃない事がバレていてわざと許可を出さなかったという事だった訳だが……当人は二度と嘘を吐か無くなったので、調度良いお仕置きにはなったそうだ。
「少し気になったんだが、【真実の瞳】を持っているのはお前だけじゃないのか!?」
凍真の最もな質問。
まあ、普通に気になる所だろう。
「僕を含めて数人いる。その内の、二人は降格システムに常駐しているよ……一応、数は少ないかな?」
「それ、量産できるスキルなんか?」
『量産』と来たか……その言葉は適切じゃない。
もう少し、考慮した発言を錬月には心掛けて欲しいところだ。
「【真実の瞳】は、《旧・神の血族》が持っていたと言われるスキルだからな……その系譜なら、持っているだろうし……素質はあるんじゃないか?系譜云々で言えば、僕を含めあの組織の経営陣は全員がそうだし……」
別名【神の眼】とも言われるスキルだ。
同一存在である彼等なら、神格を得れば覚醒するだろう。
「ああ。血族って言っても、神の血を引くって訳じゃない。《神殺し》に成った時に、色々と付加価値っていうか……神格を得たら、覚醒しちゃった的な話だから……」
『???』
それがきっと、彼等が俺を求める理由の一つ。
あの組織は、基本的にキチガイの巣窟であるが故に『同一だけど歪んだ魂』の仲間を引き込もうと躍起である。
「……俺は、同一じゃないんだけどなぁ…………」
歪んでもいない真っ当な魂だ。
自力で、人外化した身としては系譜違いなんだけど……だからこそ、《神殺しの異端児》な訳で……って言っても納得はしないだろう。アイツ等は、そんな奴等ばっかりだから一緒には居たくないんだ。
問題は山程。解決は、見送り状態。
解決できるかは、不明。全くもって、ヤっていられない。
一番良い方法としては、彼等が俺を諦めてくれる事だけど……本当、ままならないモノである。
「まあ、嘆いていても仕方が無い。『蒼天の書』は、今まで通り俺が預かるとして……『紫天の書』は、俺と共に平行世界へ。レイジングハートとバルディッシュは、こちら側の技術盛りだくさんで魔改造済みなので返還は不可能。クラールヴィントは、魔改造無しでアレンジ術式を読み込ませて使用。ま、可もなく不可もなく状態の現状維持……と」
「レイジングハートとバルディッシュは、魔改造してあるのか?パッと見た感じ、然程変わらないように見えるが……」
「処理速度とフレーム……それから、追加武装がオーバーしてる。ほとんど、量子コンピューター並だ。追加武装は、SビットとBビットだが……破壊された時の事も考えて、5万機準備済みだな?」
「量子Cに、五万機のビット……キチガイか!?」
ただ単に、俺のキャパテシィのリミッターを外せば五万ビットくらい楽々コントロールできるが……一体、どんなチートだよと神崎に散々言われたので自嘲。一度だけ、神崎が五万ビットの一斉射撃を受けていたが……速効で、魔力切れを起こしていた。
結果だけを上げるなら、防御だけで手いっぱい。
反撃できない上に、全部を防ぐと魔力が持たないとか頭おかしいとか言われる。しかも、一回の攻撃でSLBが1000発撃てるなんて言った日には、『サテライトキャノンか!?ファンネルにサテライトキャノンを組み込んだのか!?』と訳のわからない事を言っていた。
「あ、いや……サテライトキャノンはわかるんだよ。【鮮血の】が造ってたから。ファンネル……も、理解はできるかな?」
「は?サテライトキャノン!?なんの話だ!?」
「ガン○ムか!?なんで、ガン○ムの話なんかに……」
『『???』』
「いや、以前……五万機のビットをコントロールして、一斉掃射をしたことがあって……ついでに、SLBを1000発程叩き込んだら……それを受けた転生者が、『サテライトキャノンか!?ファンネルにサテライトキャノンを組み込んだのか!?』とか言ってたから……」
見上げれば、【転生者組】の顔色が余りよろしくない。
【原作組】と【イレギュラー】は、首を傾げて頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。【原作組】がわからなくて、【転生者組】が理解しているってところを見る限り……その『ガンダム』は、アニメか何かの創作作品と見た。
俺的には、ゲームじゃなかったんだ……それだけの事しか、感想はない。
「ま、【鮮血の】の話は良いんだ……今頃、ス○ロボの世界でヒャッハーしてるはずだから。さて、元々の目的である秘密基地を解体しに行きますか!」
気分を取り直して、立ち上がるとすずかとアリちゃママが立ち上がった。他の方々も順次立ち上がる。
「な、なんだよ……」
振り返り、後を付いて来ていた者達に問う。
「あ……秘密基地ってどんなかなぁ?って思って……」
その問いには、フェイトちゃんが答えた。
執務官としてなのか、一応見てみたいらしい。
「……………………」
無言で了承し、俺はテクテクと秘密基地がある場所に向かう。一同は、屋敷から中庭を通って林の中へ。林のちょっと入った所に、小さな鳥居と祠があった。
その祠を、「よっこいせ!」の掛け声と共に右側から押して左へとスライドさせる。現れたのは、地下へ続く階段。
「こんな所に……しかも、手の込んだ……」
「人の心理を巧みに使った隠れ家だ。流石に、神社やお寺を吹き飛ばせないだろう?」
「うっ……確かに……」
誰もが、鳥居があれば神社や寺系統の祠だと思うだろうし……どんな無法者でも、そっち方面の施設や建物を破壊したりはしない。余程、何かしらの目的を持っていない限りは。
「ねぇ……これ、残せないかしら?」
「……無理だね。僕の魔法技術は、準・ロストロギアだよ?例え、平和利用されていたって危険なモノでしかないんだ。知らない奴等にとっては……」
「そうかも知れないけど……勿体ないわ……」
秘密基地の存続を翼が訴える。
しかし、これを残すとなると技術が流出してしまう事になってしまう。流石に、それを了承する訳にはいかなかった。
「残念だが、諦めてくれ……まあ、従来のモノと入れ換える事は可能だ。現代技術で、再現できるだけやってみるかい?」
「できるの!?」
「ただ、余り快適な空間では無くなってしまうかも……」
「…………なら、いらないわ」
この秘密基地には、様々な浄化作用のある魔法技術が使ってあるが故に、現代技術に入れ換えるとジメーとした薄暗い地下室へと変貌してしまう。今は、俺の魔法科学技術で地上にある家とほぼ同じくらいの快適さを誇る地下室になってはいるが、現代技術でこれを再現するのは難しい。
「そう。じゃ、解体するよ?」
中には入らず、入り口に手をかざす。
次の瞬間、入り口があったはずの場所がただの地面となり、俺の手の平には長方形の箱が乗っていた。
「インスタント・ハウス回収完了!」
『『ええっ!?』』
【転生組】を除いた全員が、俺の手の上に乗っている箱を見て驚愕の声を上げる。
「ふふん。これが、僕の魔法技術だ!最早、準・ロストロギアなのは間違いない(笑)」
インスタント・ハウス。
その名の通り、設置すれば即家にでも秘密基地にでも変化する魔法の箱である。必要に応じて、様々な箱があるが……今回は、秘密基地用の箱だった。
「どうだ?時空管理局。これが、準・ロストロギアである事は間違いなさそうだろう?でも、残念。回収はさせないよ!」
言って、俺の影から出てきた手に渡した。
「な、なんや、今の!?」
「お前、影の中に何飼っとんねん!?」
「……魔国領の住人。別名……悪魔、魔獣、魔族、魔神、魔王等々……」
「なんで、そんなモノを……影の中なんぞに……」
「何でって?そりゃ、僕が第357代目の魔王だからに決まっているからじゃないか!!」
『『ええっ!?』』
その場にいた全員が、声を揃えて驚きの声を上げる。
耳を塞いで流し、356代目の魔王を呼んで説明させた後、全力で殴って影の中へと無理矢理引っ込ませた。
「なんで、そんな扱いなんだ!?」
「良いんだよ!アレが、表にいる方が問題なんだから!!」
「しかも、半裸の女性だったし……」
「鼻血が……」
「どっかのキチガイ共が、天界の天使を堕天させて魔王の席にい据えたのが……彼女だ」
「ヤバイ……たっーーー」
鼻と股間を押さえた馬鹿が、前屈みでその場から立ち去ろうとしている。それを止めたのは、錬月だった。
「っていうか、お前は大丈夫なのか?」
「まあ、何故か大丈夫なんだなぁ…………半裸なのに」
人間の女性はダメだけど、人外の女性の裸体は全然問題なく見れる。悪魔とか、天使とか、エルフとかも全然大丈夫だ。どういう理由で、そんな改竄をしたのかは不明だが。
「ま、良いや。解体も終わったし、帰ろ!アリちゃママ!」
「あれ?ユーリとキスするんじゃ無かったのか?」
すずかとの仲を散々、弄り倒した凍真がここぞとばかりに反撃してきた。ツヴァイが、おかしな言い方をするから凍真が変な勘違いをしているが、ユーリにキスをしてもどうしようもないだろう。
そういう前に、錬月によって羽交い締めにされる。
「よっしゃー!!捕まえたでぇ!!」
「俺もまぜろー!!」
コウヤが、俺の腰辺りにしがみついて持ち上げた。
『鎧通し』乗せて、コウヤをゲシゲシ蹴る。
少しずつ、力を入れていくのがコツだ。
コウヤの顔色が、段々悪くなって行くのがわかる。
しかし、止める気は無かった。
「ちょ、コーチ……段々、響いて来てるんですが……」
「なら、離せっ!!」
「凍真!」
「任せろ!」
「「「さあ!ユーリ、公開処刑だ!!」」」
「はい!」
凍真達に押さえ込まれ、ユーリに無理矢理接吻を強要された。全く、なんて意味のない事を……と憤りながら、三人をバインドで拘束して一発ずつ『鎧通し』を乗せた拳骨を脳天に叩き込む。頭を押さえながら、三人がのたうち回るのを流してユーリに向き直った。
「とりあえず、ユーリ……」
「は、はい!」
頬を赤く染め、ユーリが緊張した顔で俺を見る。
だがしかし、なのは,さん達が望むような桃色空間を形成するような状況にはならない。
「残念なお知らせだ。今の行為では、契約に至っていない…………紫天の書を出して貰えるかな?」
「え?」
「「「何ぃ!?って、そっちかっ!?」」」
頭に疑問符を出しながら、ユーリは紫天の書を召喚。
紫天の書を借りて、それを唇に当てた。
直ぐ様、魔法陣が浮き上がり消える。
「はい。契約、完了だ……」
「「「なんて、色気もないっ!!」」」
「うるさい!勘違いしたのは、お前達だろう!?」
色々と嘆く三人を足蹴にしつつ、【原作組】のガッカリ感は目に見えて明らかだった。
一体、何を期待していたのやら……。
紫天の書ゲット回。ユーリ・エーベルヴァイン(イレギュラー)と一緒に平行世界行きが決定しましたw
キスとかしてるけど……契約なので、恋愛とかではないです!!それだけは、全力全開で間違いありません!!!ってか、公開処刑ww
本当は、凍真の修行中エピソードを書こうかな……と思っていたんだけど、地味に「死線を超えればええんえ?」とか「何度も死亡体験」とか……残酷過ぎる修行とか、色々と考える事がありまして没にしました。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
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