絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!


リセットぉ!
リセットおぉっ!!
人間関係、リィセェットォオオォォォ!!!

本当は、〇〇くーん!再誕っ!!になるはずが……あるぇ……?
全ては、ストーリーくじ引きが悪いんだ!!



五三話#

双夜

 

 

「……………………」

 

気が付けば、宇宙空間の様な場所にいた。

周囲を見回して、自分が何処にいるのかを確認する。

すると、建設途中で放置された巨大なリングと刺々しい形の小惑星(?)を発見。半分以上が、周囲の暗闇と同化させていて大きさの規模がわからない。光源は……と探していると問題の建造物から、表面でなのか……内部からなのかは不明だがチカチカと光が見えた。

最初は、見えなかった事から建造物内部からと判断。

使い魔を数体呼んで、様子を見に行かせる。

その間に、こっちも行動を開始した。

 

「状況確認。因果律に干渉!アカシックレコードに接続!閲覧者如月双夜……観測権限!!」

 

因果律経由で、アカシックレコードに接続。

観測権限を使って、世界の記録を閲覧。

地球の安否を確認。

過去の状況を精細。

高町なのは所在確認捜索。

フェイト・テスタロッサ所在確認捜索。

八神はやて所在確認捜索。

転生者の所在確認捜索。

 

「…………高町なのは……確認できず。フェイト・テスタロッサも同様。八神はやても確認できず……か……アリサとすずかも確認できず。あれ?誰もいないの!?翠屋……確認できず……高町家が存在しない?」

 

ある地点までの生存は確認できるので、生まれていないという訳ではないらしい。しかし、それ以降の生存は確認できなかった。何処かの時間軸で、死亡したか……魔導師として大成しなかった可能性がある。まあ、第97管理外世界地球へ行って、確認していないから何とも言えないが……それが、今回の歪みと取って間違いないだろう。

その時、先程放った使い魔から情報が送られて来た。

通信画面を開き、使い魔が送って来る状況を確認する。

映し出された画像から判断するに、何者かから襲撃を受けている様だが、あの建造物は時空管理局本局で間違いない様だ。

 

「リンカーコアは……もしもの時の為に使わない方が良いか……ふぅ。転移」

 

使い魔が、施設内に侵入してくれたおかげで転移することが可能になった。その為、いつまでも宇宙空間(?)にいたくなかった俺は襲撃中の時空管理局に転移する。

転移して、周囲を確認したが……誰もいない。

避難したのか……それとも、襲撃者に殺されたのかはわからないが……人っ子一人、見掛けなかった。

フレールくんを更に追加して、局内を探索させる。

先に放った使い魔は、まだ襲撃者を捉え切れていない様だし……そちらの使い魔でも、局員を見掛ける事は無かった。

 

「どうなっているんだ!?何故、局員がいない!?」

 

探索を続けつつ、リンディ・ハラオウンやクロノ・ハラオウンを探す。だが、他の局員と共に確認ができない。

 

「チッ!ビースト!!」

 

手足が短い分、自身が探索に向いていない事はわかったのでビーストを召喚し、探索を優先させて放つ。

局員を見付けても、何もしない事を厳命しての探索開始である。しかし、幾ら時間を掛けても人が見当たらなかった。

 

「…………どうなって……!?」

 

先行させた使い魔が、襲撃者の姿を漸く捉える。

だが、それは見覚えのある人物の姿だった。

八神はやて。かつて、失われた世界でツヴァイとユニゾンした姿で局員を……本局施設を破壊している、張本人である。

パッと見た感じ、年齢的には大体9歳くらいのままで夜天の書を傍らに、正気を失った様な目で局員を攻撃……または、リンカーコアを吸収しているように見えた。

 

「八神はやて?いないんじゃ無かったのか!?」

 

八神はやての空間攻撃により、映像が一時的に切断された。音声は通常通り……しかし、爆音やらなんやらで聞こえない。八神はやてが、空間攻撃の最中に何かを叫んでいる。

読唇術でも、読みきれなかった。

 

「チッ。何がどうなってんだ!?」

 

使い魔達を回収して、転移魔法で八神はやての目の前に転移する。当然、劣化術式と《R・B》による封印を解いての転移だ。転移終了と同時に攻撃されたので、防御障壁を展開してソレを防ぐ。

 

「八神はやて!!何をしている!?」

 

「……の……を……返せぇ!!!」

 

叫びと共に大量の剣が展開され、八神はやての振る腕と同時に約半分程が発射される。それを弾いたり回避したりして、八神はやてとの距離を詰めて行く。

 

「八神はやて!!」

 

「私の……を返せぇ!!!」

 

あと一歩のところで、俺の伸ばした手は八神はやてに届かなかった。膨れ上がった魔力と魔法で、俺と八神はやてとの距離が開く。また、聞こえなかった。

【真実の瞳】からは、『闇の書』や『八神はやて/闇の書/管制人格』という情報が流れて来る。

 

「管制人格!?」

 

八神はやてが、闇の書の管制人格になっているって事!?

だが、俺の知っている八神はやては人間だったはずだ。

なのに何故、こんな状況が出来上がっている!?……と混乱する頭で考える。威嚇用魔法と、攪乱系の魔法を駆使して八神はやての行動を阻害しつつ、状況の確認と因果律経由で地球側のアカシックレコードを閲覧していく。

 

「つーか、一時離脱すりゃ良いだろ!?」

 

自分に言い聞かせる様に、提案してみる。

だが、ここから離脱すると八神はやてを再度補足できないような気がして……結局、八神はやてと対峙しつつの閲覧となった。閲覧して、わかった事は……ギル・グレアム含む、数十人の局員がシグナム達を八神はやての目の前で撃破した後、闇の書諸とも八神はやてを凍結封印したという事だけだ。それが今、本局を襲撃して局員を殺し回っている訳だが……状況結論だけを擦り合わせるなら、家族を管理局に殺された八神はやてが本局に復讐している様に取れる。

だが、八神はやてが闇の書の管制人格とはどういう事なのだろうか?その経緯と、凍結封印されたはずなのに復活している意味がわからない。

《真実の瞳》からは、八神はやての精神状態の情報が流れて来るが管制人格となった経緯まではわからなかった。

これはもう一度、アカシックレコードを閲覧する必要があるようだ。だが、今の状況では……封印後の八神はやてを探し出し、その経緯を閲覧する事はできないだろう。

地球側の記録でわかる範囲は、凍結封印された八神はやてを次元航行艦に乗せる所までだけで……それ以降は行方不明状態だ。居場所がわかっているなら未だしも、次元航行艦に乗せられて運ばれて行った以上……地球側の記録だけでは、凍結封印された八神はやてを追う事はできない。

 

「《真実の瞳》……解放!」

 

《真実の瞳》の能力を一部解放する。

余り、ヤりたくは無い方法だけど……この場合は、仕方がないだろう。

《真実の瞳》に問いた。

今、この時の正確な月日を……地球歴で確認。

大体、2010年7月と情報が《真実の瞳》から流れて来る。ザックリ計算で、【原作組】は14歳だとわかった。

つまり、【原作組】がちゃんと存在していたならば、やっぱりその近くに転移していたらしい。ただ今回は、【原作組】が目の前にいる変わり果てた八神はやてだけなのだろう。

だから、俺は次元の宇宙に放り出され……暴走中の八神はやての元に合流したという事だ。

次に確認するのは、八神はやてがこうなってしまった理由。

《真実の瞳》にそれを問うと、いきなり許容量がオーバーしてしまった。理由は不明だが、八神はやてがこうなってしまう理由が天文学的数値に至ったらしい。

 

「《真実の瞳》リミッターオン!」

 

《真実の瞳》を元に戻して、やるべき事とその方法を考える。それは、直ぐに思い至った。つまり、八神はやての暴走を止めて、色々とお話ししないとイケないらしい。

色々と面倒だなぁ……と考えて、直ぐに最も簡潔に済ませる方法を思い付く。方針が決まった以上、それを現実させる為に虹色に輝く剣を取り出す。

 

「さあ!正気を取り戻そうか、八神はやて!!」

 

視界全域に、大量の剣が召喚されて俺目掛けて撃ち出される。向かって来る刃の前に、その身を飛び込ませて八神はやてとの距離を詰めて行く。だが、俺のこの身は基本的に囮役なので、本命の《R・B》は空間転移で闇の書本体の元へ飛んで行った。転移終了直後、闇の書に虹色に輝く剣が突き刺さる。

 

「機能一時停止!《ルール・ブレイカー》!!」

 

その叫びと共に、闇の書が強制停止させられる。

結果、八神はやてはビクンと一回跳ねる様に痙攣するとゆっくりと倒れて行く。それを宿地で、移動して抱き止めた。

 

「ほい。一丁上がり!」

 

虹色に輝く剣が突き刺さった闇の書を手にして、八神はやてと共に地球の月村家の庭の奥に転移する。

あのまま、本局の瓦礫の中でも良かったのだが……いつ局員が出て来て、攻撃を仕掛けて来るかもわからない場所に居続ける訳にも行かなかったからである。

 

「……と」

 

虹色に輝く小剣をジャキッ!と持てるだけ持ち出して、闇の書にどんどん突き刺して行く。

無限転生機能停止。無限再生機能停止。闇の書内の紫天の書存在確認できず。ナハトヴァール一時機能停止。

等々、闇の書に組み込まれている機能の大半を強制停止状態に持ち込んで……面倒臭くなったので、そのまま改善改造してみた。

しかし、八神はやてを分離させる事ができなくて……どうしようも無いので適当に、夜天の書のシステムを弄くり回す。

その内、守護騎士システムの破損を修理してしまったらしく、八神はやてを中心に守護者達が出現した。

 

「貴様っ!何者だ!?」

 

シグナムとヴィータが、武器を構えてザフィーラとシャマルが八神はやてを連れて離れる。警戒心剥き出しで、こちらを威嚇する彼等を横目に作業を続行。

 

「クソッ!管制人格が、出て来ないんだけど……どうなってんだ!?守護騎士システムは、直ったのに……」

 

「貴様!闇の書に、何をしている!?」

 

「うっさいなぁ!バインド!!」

 

エネルギー反転フィールドを含むバインド(再現魔法)で、全員を拘束する。そのままシグナム達を放置して、虹色に輝く剣を抜き去り夜天の書を解放した。

夜天の書をシグナムに押し付けて、八神はやての元に近付く。シャマルとザフィーラの警戒心が、跳ね上がるけど気にしない。

 

「くっ……はっ!」

 

「クソッ!なんで!?」

 

シグナムとヴィータが、バインドを破壊しようとカートリッジを使ったりして躍起になるが……全く、壊れる気配がない。

 

「はやてちゃんに、触らないで!!」

 

八神はやてに手を伸ばした所で、シャマル先生に止められる。見上げれば、少し怒った様な顔で俺を睨んでいた。

 

「触るなと言われても……じゃあ、質問に答えてくれるか?」

 

「質問……だと!?」

 

「八神はやてが、闇の書の管制人格になっているみたいなんだが……なんでか、わかるか?」

 

「はやてちゃんが……」

 

「闇の書の……」

 

「管制人格……!?」

 

「ウソつくなっ!!はやてが、闇の書の管制人格な訳ねぇだろう!?」

 

やっぱり、守護騎士ではこの現象を説明できないらしい。

憶測でなら、色々と思い付く事はある。

 

「凍結封印されてたみたいだからなぁ……幾つか、思い当たる事はあるが……闇の書の管制人格と完全に融合したか?……闇の書の管制人格の魔力が尽きて、八神はやての中で気を失っているとか……思い当たる事は、色々あるんだよな……」

 

『……………………』

 

四人が、俺の憶測に押し黙る。

気を失ったままの八神はやての様子も気になるし……こうなったら、無理矢理叩き起こしてみるか!とシグナムに押し付けた夜天の書に視線を向けた。

 

「闇の書……っていうか、暴走していた初期構造を元に戻したから、夜天の書なんだが……魔力供給してみるか……」

 

「夜天の書?」

 

「……………………リンカーコア生成!」

 

掌の上に、リンカーコアが出現して輝きを増して行く。

 

『……………………』

 

「開け……」

 

生成したリンカーコアが、数回り大きくなって羽の様な附属物が増えて行く。それをシグナムの目の前に提示した。

 

「ほら、蒐集しろ!シグナム……」

 

「え?いや、だがしかし……」

 

「構わない。これも、リンカーコアの一種であることに変わりない……リンカーコア生成技術を見るのは初めてか?」

 

「え……あ……ああ……」

 

「なら、戸惑うのも仕方ないか……とりあえず、八神はやてを目覚めさせるのが先だ。管制人格と融合している以上、これが一番手っ取り早い……はずだ」

 

「……………………わかった……闇の書、蒐集!」

 

本が開き、俺が生成したリンカーコアから魔力が夜天の書に蒐集されていく。割りと早いテンポで、ページが埋まって行った。

 

「まだ、終わらないのか……」

 

「一応、666ページ分を計算して魔力を込めたからな……全部埋まったら、これも消えるよ」

 

「……………………マジか!?」

 

「マジだ。ぶっちゃけ、闇の書に興味なし。むしろ、今の八神はやての状態の方が気になるわ……」

 

「……………………」

 

守護騎士達が、呆れたように顔を見合わせている。

まだまだ、書のページが埋まり切るまで時間がかかりそうだった。

 

「八神はやてが、凍結封印されてたらしいんだが……お前らは、何か覚えてるか?」

 

「主はやてが、凍結封印だと?」

 

「そんな事は……」

 

「そういえば、凍結封印前に管理局局員(?)に撃破されてたんだっけ?お前らは……なら、知らないのも仕方ないか……」

 

『……………………』

 

守護騎士達は、自分の力無さにうだなれていた。

俺は気にせず、八神はやての頬を突ついていたが……無反応過ぎてつまらない。

 

「……お前は、局員じゃないのか!?」

 

「ってか……この界位へは、今日初めて来た所だな」

 

「かいい?」

 

「世界のくらい……と書いて、『界位』だ。俺がいた世界は、遥か高位の高次元世界だな。高次元って、わかるか?」

 

「…………一応。だが、お前が高次元の存在だとは……到底、思えんが……」

 

「ほおぉう……」

 

カチン!と来たので、魔力を少しずつ解放していく。

14,5%程で、守護騎士全員から『わかった!もういい!!』の言葉を引き出す事に成功した。

その後、色々話合った結果……月村家を襲撃して、匿って貰おうと画策した訳だが……襲撃した月村家はもぬけの殻だった。それが、更なる混乱を俺にもたらしてしまう。

ザッと屋敷内を見て回ったが、地下室でエネルギー切れのまま動かなくなっていたファリンとノエルさんがいたぐらいで、すずかや忍の姿は確認できなかった。

 

「いや、本当にこの世界……どうなってんの?」

 

まあ、歪みの結果の世界なんだということは理解できた訳なんだが……ちょっと、余りにも酷くないか?

 

「わからないわ。本当にここが、すずかちゃんの家なのかしら?」

 

「ああ。そのはずだ……しかし、没落したって様子じゃないから……別の要因か……?」

 

フレールくんを呼び出して、町の様子を探る為に放つ。

もしかしたら、【転生者】によって良いように改編された世界なのかも知れないからだ。

 

「情報は、これで集まって来るだろうが……八神はやての様子はどうだ?」

 

「依然、お眠りのままだ……」

 

シグナムが、悲しげな顔ではやての状態を教えてくれる。

来た道を戻り、すずかの部屋に入って夜天の魔導書を見ると、まだ未蒐集ページが半分くらい残っていた。

 

「まだ、掛かりそうだな……」

 

「……スゲー……マジ、スゲー……」

 

ヴィータが、さっきと同じ事を呟いている。

襲撃した歴代の魔導師でも、ここまでページを埋めた者はいないらしい。ヴィータが、ギネス記録だ!とか騒いでいたが……はて?ギネスとは、なんぞ?

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

翌日、結論からいうと八神はやては、目を覚ました。

ただ、俺が望んだ八神はやてと目を覚ました【八神はやて】は別人だったとだけ言っておく。

 

「シグナムにヴィータ……ザフィーラもっ!生きとったんやなぁ!!シャマル、見てみぃ!シグナム達、生きとるでぇ!!」

 

「まさかの上書きか……最悪だ……」

 

両膝を突き、そのままorzの体制へと移行する。

これでは、八神はやての身に何が起こったのか聞く事もできない。ほぼ、自力で【八神はやて】の身に何が起こったのか調べなければならないようだ。

 

「双夜、見てみぃ!シグナム達、生きとるんやでぇ!!」

 

「違うよ!ここは、あんたがいた世界の平行上に存在する無限の可能性を持つ平行世界の一つだよ!!」

 

「ふふふ。悔しいからゆうて、ウソゆうたらアカンよ?」

 

「そういえば、精神病んでたんだ……この人……」

 

「どういう事だ?何故、主が貴様の事を知っている!?」

 

そして、再度警戒心が復活した守護騎士達に疑われるが、八神はやてがそんな守護騎士達を叱ってうやむやになった。

いや、うやむやにしたかった訳では無いので、現状確認を放置して問題を先送りしないで欲しい。

前々回の世界で、あれだけの事があったのにすずかが上書きされなかったから油断していた。

 

「とりあえず、シグナム……ちょっと……」

 

シグナムを呼び出して、俺の事と【八神はやて】の症状についてコンコンと話して聞かせた。もう、八神はやてがあんな事になった以上、こちらの任務を隠す必要も無くなったからである。最初は、今一理解できていなかったみたいだが……色々と話している内に、なんとか納得させることに成功した。

 

「つまり、主はやての精神とお前は未来から来たんだな?」

 

「うん。その通りだ……」

 

「そして、未来では我らが消滅していて……主はやては、精神を病んでいると……?」

 

「うん。そう……」

 

「それでお前は、原因の調査と……できれば、問題の解決に尽力している……と言うことか……」

 

「漸く、理解していただけましたか……」

 

「にわかに、信じることはできんが……今の、主はやての様子を見る限りでは、信じざるを得ないだろう……」

 

全く、神崎みたいに【原作】や【二次創作】知識があるならまだしも、大まかな起点を知るだけの俺ではこういう事に対応できなくて困る。頭を抱えて困っていると、シュンという音と共に青色の本が出現した。そして、ツヴァイが実体化して勢いよく八神はやてに飛び付く。

 

「はやてちゃん!!」

 

「ああ!リイン!!」

 

「あー……感動の再会中申し訳ないんだが……更なる混乱をもたらすのは止めてくれないか?考えが、纏まらないんだけど……」

 

人の話を聞かず、八神はやてとツヴァイは涙を流して再会を喜んでいた。それを見た、シグナム以外の守護騎士達が色めき立っているけど……もう、突っ込む気力も無い。

次から次へと起こる事柄に、段々面倒になって来た。これなら、前回の世界に留まっていた方が良かったと後悔する。

海鳴市のド真ん中に、巨大な城を構え踏み台が住んでいた世界だった。『王様になりたい』等と願った結果らしいが、最終的に城を維持するだけのお金が手に入らずに困っていたのである。その上、【原作】にも介入していたから金策が滞っていて、もう少しで城から追い出されそうになっていた馬鹿がいた。

対応としては、手加減したSLBで城を消し飛ばして……その馬鹿を一般家庭に放り込んでやったが、今度は片付けにもお金が必要だと言われ世知辛い世の中に涙していたのを覚えている。あの世界に居残っていた方が、もしかしたら良かったのかもしれない。とは言え、そんな終わってしまった事を愚痴愚痴言っていても仕方がないので、先に町へと放ったフレールくんの視覚情報を優先した。

空中ディスプレイを開けると、フレールくんが海鳴市立図書館で何故か外に出ているアルカリアと新聞を読んでいる。

まあ、上質な情報を得られるのであるなら必要に応じて他の使い魔召喚を許可しているのでその都合だろうと判断。

気にもせずに、フレールくんの目を通して見る新聞の情報を読み進めて行く。

それは、五年前の12月終わり……海鳴大学病院で、“大規模な神隠し”があったという記事だ。大学病院に入院していた患者と、医師や看護士全員が行方不明になったという。

結構、大規模な事件だ。

当時の警察が、それ相応の人員を総動員して捜索に当たったが、現在進行形で迷宮入りした事件だった。

別の使い魔が見ていたのは、月村忍が鋭利な業物で惨殺されていたという記事。時間軸としては、『神隠し事件』から約半年後。翌年の半ばに起きた殺人事件だったもよう。

遺体の状態から、月村忍は何者かに追われ逃げ惑う中で少しずつ切り刻まれて行った様な感じだったらしい。

最終的には、足の腱を切られて動けなくなった所で、更に切り刻まれての出血性ショック死だと新聞には書かれている。

怨恨の線が、極めて濃いとありながら未だに犯人は捕まっていないらしい。

 

「すずかは、どうなったんだ?」

 

それについては、アルカリアがある記事を発見。

見逃しそうな程、小さな枠組みでの行方不明者捜索の願い出だ。月村すずかとアリサ・バニングス、両名の捜索願いだった。時期は……海鳴大学病院で、神隠し事件があった頃合いである。

 

『マスター!こちらを!!』

 

もう一人の使い魔が、五年前の四月頃に出された行方不明者の記事を発見。そこには、『高町なのは』の名前が記載されていた。

 

「あー……うん。なんか、厄介な事になっているんだなぁ……」 

 

俺が、【原作】に関われない事を理解しての嫌がらせらしい。関われない理由としては、俺が任務を終えると平行世界を移動してしまうからである。

一つの世界に入り浸れるのであれば、全力で関わって物語をハッピーエンドにして日々を謳歌するが……【組織】が取り決めた方針もあるから、破ったら【風紀委員】が現れて【鮮血の】二の舞だろう。

出来るなら、俺の間に別の誰かが入って緩衝剤に成ってくれれば良いのだが……そんな都合の良い存在が【転生者】以外でいる訳無い。

 

「双夜、聞いとるんかぁ!?」

 

「うわぁ!?……って、考え事してるから邪魔しないでよ!」

 

「ええやん。私と双夜の仲やろ?」

 

「どんな仲だ!?ママ達の友達なだけだろう!?僕には他人だし、ただの知り合いだよ!!」

 

「そ、……そんなっ……寂しい事、言わんといてぇなぁ!!」

 

ガバァ!と、力一杯抱き付いてくる八神はやてが鬱陶しい。

全力で、自分から抱き付く八神はやてを引き剥がして組伏せた所である事を思い付いた。

この八神はやて……使えないだろうか?

 

【魔法少女リリカルはやて】?始まります。

 

「あ、結構良いかも……」

 

とは思ったものの……どうやってそれを説明し、どうやって理解させるかが問題だった。

精神を病み、正常な判断ができるとも思えない彼女に、もう一度過去からやり直せとは……どういう依頼だ。

それ以前に、ちゃんとそれを理解できるかわからなかった。

試しに、話してみる。

最初は、オチャラかしていたけど……ここが、月村家で新聞の情報を伝えると段々青くなり、最終的に現実逃避を始めてしまった。一度に詰め込め過ぎたか……と考えたが、現実は無情である事を理解させた方が良いのでこのまま放置する。

しばらくして、八神はやてから反応があった。

 

「………………………………ホンマに、平行世界なんか?」

 

「そこに、姿見があるから見りゃあ良いじゃん……」

 

光源を幾つか出し、姿見(鏡)を光で指し示す。

八神はやては恐る恐る姿見に近付き、「ああ……」と溜め息と共に幼くなってしまった自身の姿を確認した。

 

「……………………ホンマに、平行世界で過去におるんやなぁ……」 

 

 

 

 

 




《R・B》……ルール・ブレイカーの略。が、とっても便利。
問答無用で、闇の書を強制停止とか……正気じゃないw

順番的になのはママが、作者的には良かったんだけど……何故かはやてになってしまった。上書き条件上、なのはがそれを満たす可能性は……ほぼ、皆無かも……w
余程、状況的に内情的に最悪な状態でなければ、彼女が上書きされるのは不可能でしょう。性格的にも……在り方にも……不屈の精神がある限り、上書きは無いと思われ。

お城の話は、【原作】そっちのけで崩壊した物語として考えていたモノ。でも、あまりにもしょうもなかったのでカット!小話程度のモノとした。

八神家の皆が、双夜の思考の邪魔をしているって状況w
もはや、踏み台に迫る勢いでww
ついでに、ツヴァイも邪魔しに出てきましたw
もう、何がなんやらwwwwwwww

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!

-追記-

前回の世界で、あれだけの事があったのにすずかが上書きされなかったから油断していた。

『前回』では無いので『前々回』に修正しました。
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