絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!

とある読者の方が言っておられたのですが、文章に『読みやすい』『読みにくい』の波があるらしいのです。
作者には、今一わからなかったのでちょこっと読者の方々に教えていただきたいなぁ……と考え、活動報告の方に【アンケート】1を立ち上げました。大まかにで結構ですので、何話が読みやすい。何話が読みにくいを書いていただけますか?


七ニ話

双夜

 

 

『……………………』

 

二匹の猫が、目の前の光景に言葉を失い固唾を飲んで状況を見守っている中、俺……如月双夜はニヤニヤしながら野菜を刻んでいた。目の前にあるのは土鍋で、タップリと入れた水が魔法の炎でグツグツと煮たっている。

 

「ふふふ。今日は、ねこ鍋だぜ☆!!」

 

〔ひぃっ!?〕

 

俺の呟きに、ビクッ!?と反応するリーゼ姉妹。

現状、彼女達の目の前には猫の生首が七ツ並んでいて……それを挟んで、俺が鍋の準備をしているという状況だ。

俺の背後には、骨の山があって一部散乱している。

それらもあって、彼女達の恐怖はうなぎ登りの状態だった。

野菜をザックザック切り分けて、鍋の中へと投下していく。

当然ではあるが、誰かさん達の視線もガッツリ俺の動きに合わせてヒョイヒョイと動いていた。

 

〔あ、アリア……こ、この国に……わた、猫を食べる習慣ってあったの!?〕

 

〔な、無いわよ!?そんな、習慣っ!!〕

 

ロッテの疑問念話に、逆ギレ気味のアリアが答える。

彼女達の念話は、捕まえた時から傍受されてみんなに共有されている状態が続いていた。それを聞いているディアーチェ達は、何とか笑いを抑えているようだけど……それも時間の問題だ。とはいえ、彼等にはバーベキュー(通常の)をさせてあるので、多少大笑いをしても問題はなかった。

そして、新たに別の猫の胴体を捌いていく。皮を剥ぎ取り、内蔵を取り出し、鼻歌を歌いながら肉を削いで……盛り皿の上に並べて行った。その盛り皿をヒョイと持って、ちょっと離れた場所で騒いでいる神崎達の元へと運ぶ。

 

「師匠、猫を捌けたんですね……」

 

「まあ、な。他にも、狸や猪……熊も捌けるぞ!」

 

「マジッスか……」

 

皿に盛り付けた肉を、リーゼ姉妹からは見えない場所に置いて注意しておく。

 

「この肉は、焼くなよ?」

 

「そんなモノ、焼くか!?」

 

ディアーチェのツッコミを受け取って、土鍋の元へと戻って行く。当然、バーベキューをしている奴等は猫の肉に大喜びしている風を装っているのでリーゼ姉妹達には、猫の肉でバーベキューしているモノノケがいるという風にその目には写っているだろう。

 

〔あ、アイツ等……わ、私達の同胞を……あ、あああ、あんな、たたた楽しそそそうに……〕

 

〔ーーーーー〕

 

「さてと……次は、メインディシュだな……クックックッ」

 

〔ヒィッ!?〕

 

〔い、嫌よ……ま、まだ、し、死にたくないっ!!〕

 

リーゼ姉妹には、麻痺の魔法が掛かっていて身体が殆ど動かない。それもあって、彼女達は絶望的表情で俺を見上げている訳である。

 

「と、その前に包丁を洗って来ないと……」

 

そう言って、包丁とまな板を持ってその場を離れた。

 

〔ーーーーーホッ……〕

 

〔あ、安心している場合じゃないわ!今の内に逃げないと!〕 

 

〔う、うん!……………………でも、どうやってさ!?〕

 

〔……………………ロッテ、動けそうにない!?〕

 

〔……っ!……くっ!!…………動けない……っ!〕

 

ロッテが、逃げ出そうともがいていたが……早々に諦めてしまう。アリアの方も、身動ぎしていたが寝返りすらできない。

そのもどかしさが焦りを生み、何時もと違う状況に更なる混乱に陥って行くのだが……二人は、それに気が付けない。

誰も彼もが、一思いに殺れば良いのに……と思うだろうけど、これはリーゼ姉妹をイジメる為に作った状況なので、出来るだけジワジワと彼女達に恐怖を感じさせてからネタバラしをしなければ意味がない。それを聞いた時、神崎がとても嫌そうな……呆れた顔をしていたけど、『踏み台だった頃のネタで弄り倒しても良いの?』と聞いたら……両手を上げて喜び、リーゼ姉妹を生け贄として差し出して来たので『神崎弄り』は棚上げされた。

 

〔ーーーっく!……ハァハァ……アリア、動けそう!?〕

 

〔ーーーっ!ダメだ!動けないっ!!〕

 

〔…………え!?ーーーヒィッ!?〕

 

〔ロッテ!?ちょ!?〕

 

神社の影に隠れて、様子を伺っていると何の拍子に転がったのか……猫の生首が、リーゼ姉妹の目の前へと転がって彼女達に声に成らない悲鳴を上げさせている。

 

〔ーーーーーーーーーーっ!!!!!〕

 

〔ーーーーーーーーーーぁ!!!!!〕

 

大口を開けて、『ギャー!?』な顔をしている二匹を見ていると笑いが込み上げて来た。神崎達のいる方に視線を向けると、ディアーチェが笑いの海に沈んで行くのが見える。彼女達の映像は、使い魔の目を通してディアーチェ達の元にも流されていた。

 

〔だ、だだ、だだだだだ、断面がぁっ!!!!!!〕

 

〔ロ、ロッテッ!?〕⬅位置的に見えない。

 

水の魔法で、水を生み出した俺はその水で包丁とまな板を洗う。それから、一呼吸置いて鍋の元へと戻った。

 

「ありゃ?転がっちゃったか?」

 

そう言って、猫の生首をヒョイと持つと元の場所に戻して洗って来たまな板と包丁をリーゼ姉妹の目の前に置く。

その上で、リーゼ姉妹へと手を伸ばした。

 

〔いやああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!〕

 

〔こ、ここ、来ないでぇええぇぇぇ!!!〕

 

「双夜ぁー!ちょっと、良いですかぁ?」

 

「んあ?なーにぃー?」

 

伸ばしていた手を引いて、バーベキュー組の方へと移動する。リーゼ姉妹が、あからさまに安堵の表情を見せていた。

 

〔ハアハアハアハア……た、たた、た、助かった…………〕

 

〔ロ、ロッテッ!ロッテェッ!!〕

 

ユーリが俺を呼んだのは、前もって打ち合わせしていた事柄だ。俺がリーゼ姉妹に手を伸ばしたら、みんなで俺を呼ぶようにと言い含めてあるのである。

まあ、そう何度も何度も呼んでいればバレる可能性もあるので、次は次の段階へと至った所で呼んで貰う事になっていた。とは言え、リーゼ姉妹の命が失われるまでの工程は、それほど多くはない。ぶっちゃけ、血抜きしたら終わりである。

それまでの準備であっても、それほど多くも無いのでネタバラしは近かった。だからと言って、彼女達の恐怖を煽らずにはいられない。ならば、趣向を凝らしてヤれば良いのだという結論に至った。

 

「あらヨット!」

 

嫌がらせその1、ユーリから受け取った串(ステンレス)を投擲する。この辺の匙加減は、あの【組織】で何度も体験した事によってお手のモノであった。

投擲された、串はリーゼ姉妹の目の前に突き刺さる。

 

〔ぎぃやああああぁぁぁぁーーーーー!!!!!〕

 

〔ロ、ロッテ!?〕

 

〔は、鼻っ!鼻先っ!!か、かか、カスッたぁ!!〕

 

〔ちょ、ロ、ロッテェ!!!!〕

 

突然の凶器到来に、リーゼ姉妹が目をひん剥いて念話で悲鳴を叫んでいた。別に《沈黙》の魔法で、声を封印している訳では無いので、全力で叫んだり人語を喋ればそれで終了にしても良いのだけれど……何故か二匹は、決して人語を話そうとはしない。

 

「ありゃ?それで、終了だと思ったのに……」

 

「フッフッフッ、秘密基地にあったビデオテープにバラエティー番組の録画されていたのがあったんですよ」

 

「それが?」

 

「その後に、人体の神秘を科学的に調べ……最終的に、ホルマリン浸けにする画像があった訳です……ってか、アレなんの番組ですか!?」

 

「アレは、【鮮血の】が実際にやったヤツだな。そもそも、あのインスタント・ハウスは【鮮血の】のおさがりだ」

 

「……鮮血のって、誰ですか?」

 

「マッドサイエンティストと言えばわかるか?」

 

「あー……ジェイル・スカリエッティみたいなもんですか……」

 

「確か、【鮮血の】は昭和(?)後期に生まれたはずだから……その辺りの番組集をコレクトしていたんだろう?」

 

「師匠とは、違うんですねぇ……」

 

「まあ、アイツの世界は第二次世界大戦で日本が勝利をおさめた世界らしいんだが……」

 

「はぁ!?マジッスか……ってか、どうやって!?」

 

「さあ?知らん。興味もない!」

 

「あ、双夜。次は、これです!」

 

ユーリから手渡されたのは、何故か片手用の斧だった。

それを見て、ディアーチェがいる方を見るとニヤニヤしながら秘密基地に備え付けてあった武器庫の武器を漁っている。

因みに、神崎の四次元ポケットは空っぽだった。

前は、伝説上の武器がわんさかと入っていた訳だが……俺の召喚で、能力だけしか引き継がれ無かったらしい。

それがわかった当初、神崎は酷く落ち込んでいたけれど……今は、気にもしていない様だった。

現段階で、肉体的アドバンテージがチートでステータスがフルカウント状態なのも後押ししているらしい。

そこそこの訓練で、前回の世界で習得していた剣技や体術が簡単に再現出来たのが嬉しかったらしく……今は、俺の教える瞬動術や鎧通しを嬉々として訓練している。

順調に、バトルジャンキーの道をひた走っているようだ。

 

「おらぁ!!」

 

掛け声と共に、片手用の斧を適当に投げる。

適当にと言っても、投げる時のフォームがって意味で軌道と力加減の方は絶妙な絶技が使われていた。斧は、綺麗なアーチを描きリーゼ姉妹の間に落ちて地面に刺さる。

 

〔ひいいぃぃぃーーーーっ!!!!!!〕

 

〔い、今、ビュッてっ!ビュッてぇ!!!!!〕

 

〔背中にーーーーー!!〕

 

〔お、おにゃかっ!おにゃかにぃっ!!!!〕

 

スレスレのスリルに、リーゼ姉妹がジタバタと動けない身体を動かして、その恐怖を表現しているが身動ぎできる程度な上に手足も満足に動かせない。

 

〔ああーーーーーーーーーーーーー!!!!!〕

 

〔にゃあああーーーーーーーーーーーー!!!!!〕

 

そんな状況に、ストレスがマッハに成りつつあるようだ。

そこで、ユーリが大量の刃が入った箱を持ち上げる。

そして、おもむろにそれを持って土鍋のある方へと走って行く。妖精魔法で、重力制御魔法を展開。刃の落ちる軌道の確保と計算を開始した。

 

「ユーリ、走ると危ないよぉ?」

 

〔ヒィッ!?く、来るなぁ!来るなあぁぁ!?〕

 

「大丈夫でっーーーきゃっ!!」

 

〔ちょ、まえ、前見て走ーーぎぃやゃあああーー!!!?〕

 

注意をして、ユーリの気を引いた所で足を引っ掻ける。

当然、ユーリの意識がこちらに向いた瞬間に足を引っ掻ければ、箱を放り投げながら転けるのは当たり前な訳で……放り投げ出された箱から、大量のナイフや刃がリーゼ姉妹に降り注ぐのは当然の話だった。

 

〔ぎぃやゃあああぁぁぁーーー!!?ハアハアハアハアハア…………アハハ、アハハハハハ!!!!〕⬅壊

 

〔ロ、ロッテ!?〕

 

「…………って、チッ!」

 

〔って、ええぇ!?今、コイツ、舌打ちしなかったぁ!?〕

 

慌てた風を装って、リーゼ姉妹の元に駆け寄った俺が見たのは……ギリギリ刺さらなかった、ナイフや刃を周囲に散乱させてピクピク恐怖に痙攣している二匹だった。

それを見て、俺は舌打ちをする。

 

「何て運の良い猫だ。あのまま死んでいれば、楽だったモノを……」

 

〔も、もう、イヤァ!!こ、こんなの、耐えられないッ!!!や、殺るなら……一思いに殺ってよぉおぉぉぉッ!!!〕

 

〔あ、アリア!?〕

 

何て言いつつ、実際は自分がリーゼ姉妹に刃が刺さらないようにと《重力の道》で刃の落ちる軌道をコントロールしたのが原因だ。その後も、色々やった。

まな板の上に乗っけた時が、一番傑作だったかも知れない。でも、血抜きしなきゃと言いつつ、逆さ釣りにしてロッテ(?)の首に包丁を当てた所でイジメ終了。

神崎が、赤いヘルメットを被って『ドッキリ成功!』の看板持ち出して来た時のリーゼ姉妹の顔がとても印象的でした。

 

『ーーーーーーーーーー』

 

無表情。怒ってもいないし、悲しんでもいない完全な無表情。だから、ロッテ(?)の首に当てていた包丁をシュッ!と引いた俺は悪くない。ロッテ(?)の首から、プシュッ!と血が吹き出ていたけど気にしてもいけない。

 

「ぎぃやゃあああぁぁぁぁ!!!!??」

 

「ロ、ロッテェーーーーー!!!!??」

 

「ちょ、師匠!?」

 

「何かリアクションしろよ、リーゼ姉妹ぃ!」

 

神崎を先頭に、ディアーチェ達が俺を止めてリーゼ姉妹の治療をする。リーゼ姉妹は、リーゼ姉妹で自分達の素性がバレていた上に危害を加えた俺を警戒し始めた。

その反応を受けて、俺は更なる悪戯という名の嫌がらせを思い付いたので実行する。前回の世界で、リーゼ姉妹が逃げ出した時に考えたアイテムの一つで……ロストロギアでは無いのに、ロストロギアの反応を常時出しているアイテムだ。

ついでに、ある魔法をも組み込んであるので面白い事確実な上に、現状逃げられないというエゲツないアイテムだ。

ついこの間、仕上げる事に成功したソレをリーゼ姉妹の首に着けてやる。

 

「さて、その首輪は『呪われた』首輪だ」

 

『呪われた』という一文に、凄まじい反応を見せてくれたリーゼ姉妹だが、それだけで終らせるほど俺は優しくない。

 

「常にロストロギア反応を発している上に、《正直者の陣》という魔法が掛かっている。《正直者の陣》は、一種の結界なんだが……その結界の中にいると、問われた事に正直に答えてしまうというモノだ。例えば……ロッテ、君はこの地球に何をしに来た?」

 

「……はい。闇の書の様子を見に来ました……」

 

「ロ、ロッテ!?」

 

「無駄だよ。これが、《正直者の陣》の効果だ。聞かれた事を正直に話す……元々は、口の固い犯罪者相手の魔法だ。そうそう簡単に解除出来るなんて思わない方が良いぞ?」

 

「……お前、魔導師なのか!?」

 

「いや、《魔法使い》だ!さて、何でこんな事を……と思っているだろうから教えて置いてやる……………………今、この辺りには時空管理局の次元航行艦アースラが停泊していてな?先日から、ロストロギア反応やら魔力反応やらを調べている訳だ。今、彼等に発見されて問われたら……どうなる?」

 

「……………………あ、貴方、何がしたい訳!?」

 

「ただの、嫌がらせだが?」

 

「私達が、貴方に何かした!?」

 

「…………さあ?だけど、余り良くない感情があるのは間違いないよ?ただし、時空管理局にではなく、君達リーゼ姉妹に!だけどね……?」

 

「……私達個人に?な、何で!?」

 

「さあ?答えるとでも?まあいいや。さて、という訳で君達を鎖に繋いだりはしないから……いつでも、好きな時に幾らでも逃げ出して良いよ?あ、でーも。リンカーコアにリミッターが付いているから、次元転移も人間に変身する事も出来ないんだけどねぇ(笑)」

 

『鬼か!?』

 

「それって、アースラにも見付からずにイギリスまで行って転送ポットで本局に帰れって言っているみたいじゃない!?」

 

「みたい……ではなく、そう言っているんだよ(笑)」

 

「どんな難易度よ!?」

 

「ルナティック」

 

『馬鹿じゃないの!?』

 

「ってな訳で、今日の悪戯は終りだ。いやー、楽しかったなぁ……おーい、後片付けするぞぉー?」

 

「はーい」

 

「へーい」

 

「ほーい」

 

リーゼ姉妹を放置して、俺達は悪戯の後片付けに入った。

本物の遺体は、一匹分だけだという事をバラして残りの首の処理と穴に棄てた肉の取り扱いについて話し合う。

全部纏めて、供養する事になった。

 

「全く、師匠の悪戯は死者の冒涜すら恐れませんよね!?」

 

「ちゃんと、許可は貰っているけどな!」

 

『誰に!?』

 

「当人にだが?」

 

『止めて!聞きたくないっ!!』

 

ディアーチェ達が、手に持っていた物を放り投げて耳を塞ぐ。ガランガラン!と、色んな物の音が鳴り響いた。

 

「それにしても、どれだけ見ても本物のソックリよね……この作り物の首……」

 

「ですよねー。私も、本物だと思ってましたー」

 

「全く、こういう事には動力を惜しまないのぉ……貴様は……」

 

「師匠の半分は、悪戯心で構成されていますから仕方ありません……」

 

『あんた達も、苦労しているの(だねぇ)ね』

 

全員が猫の生首の所に集まり、生々しい生首を見てそれの評価をしているのを見て声を掛けようとした。

 

『(クワッ!)フシャー!!!!』

 

 

『っっ!!?ぎぃやああああぁぁぁぁーーーー!!!!!!!!!』

 

 

しかし、それよりも早く……作り物(?)の生首達が目を見開き口を開けて威嚇してきたのである。

唐突に、しかも作り物だと思っていたモノが威嚇をしてきたら誰だってこうなる。ソレを見た、リーゼ姉妹を含む全員が生首達の威嚇に悲鳴を上げて腰を抜かしたり、白目になって気を失ったりした。

 

「あーあ。確かに、それらは偽物だけど……僕の使い魔達なんだよね……」

 

そう、そこに『埋まって』いたのは省エネモードとなった俺の使い魔達である。省エネモードの場合、人形の使い魔は子猫の姿へと変化するのだ。そのモードで、使い魔達は今回の悪戯に参加していたのである。

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

フェイトちゃんと別れた後、俺は急いで拠点に戻って来ていた。麻袋に睡眠魔法を掛け……リーゼ姉妹を深い眠りに誘い、俺はねこ鍋の準備に入る。

ただし、捏造いっぱい(笑)だ。

使い魔を数体呼び出して、省エネモードへと変化して貰った後に土の中に身体を埋めて首だけの状態になって貰う。

要するに、死んだ振りでそのまま待機。

使い魔達も、久々の悪戯参加にノリノリで。

 

「もう少し、青みが必要かにゃ?」

 

「泡吹いていた方が良いかにゃ?」

 

等と相談しながら、地中へと埋まって行く。

その内、胴体の部分が無いのはおかしいと言い出して、頭と同じだけ使い魔を呼び出し骨にも化けて首の反対側で重なったりバラけたりしてガチねこ鍋状況を演出していく。

そして、車に引かれた本物の猫の死体を持ってきて解体し土に埋もれ一列に並んでいる他の使い魔達の間に本物の猫の生首を置いて準備終了。

発案者より、本気の使い魔達だった。

その後も、ポソポソと相談しながら本物の猫の生首を転がすタイミングだとか恐がらせるのはリーゼ姉妹だけで良いのかを練り上げて行く始末。

最終的に、一斉に威嚇する話が持ち上がると……もう、嬉々として生首役を取り合う使い魔達がいた。

人格破綻者とバトルジャンキーなコイツ等を何とかしたいのは山々だが……多分、時間が足りない。

任務がある以上、それが終わってからの話になるだろう。

そして、全ての準備が整ったので使い魔達に声を掛けてディアーチェ達を呼びに行き、リーゼ姉妹イジメの打ち合わせをしたという訳だ。

ディアーチェ達も、ドッキリ!の対象に成っていた訳だけど……使い魔達からの無言の圧力により、それを教えてあげる事はできなかった。

ドッキリ!が終わった今、俺はディアーチェからの非難を向けられている。それを、のらりくらりと交わしながら適当に話をはぐらかしていた。

 

「慰謝料を要求するわ!!」

 

「悪戯に慰謝料を求めるのか?」

 

「心的外傷を受けた訳だからねっ!!」

 

「じゃあ、本当に食べてしまおうか?」

 

「フン!やる気も無いくせに!!」

 

「ほぅほぅ……」

 

そうのたまるリーゼロッテを、瞬間的にガシッ!と掴んで手元に引き寄せるとそのままガブッ!とかじり付いた。

 

「ぎぃやゃあああぁぁぁぁ!!!!???」

 

「ろ、ロッテェーーーーー!!?」

 

そして、噛み付いたまま引き千切る勢いで引っ張る。

 

「痛たたたたたたた!!!!」

 

「や、止めてっ!!ロッテを食べないでぇ!!」

 

「あーーーー!?ちょ、ホントに千切れるぅ!!千切れるぅーーーーー!!!や、止めてぇーーーーー!!!!」

 

「ハムハムハムハム……」

 

「イヤァーーーーー!!!!」

 

チョビット血が出た所で、リーゼロッテと俺は引き剥がされた。ちょっと残念そうに、リーゼロッテを見詰めながら今度はアリアに手を伸ばしてディアーチェに止められる。

 

「ハアハアハアハア……」

 

「チッ……」

 

「双夜、こっちを食べましょう!!」

 

慌てた風なユーリが、差し出して来た小皿を受け取ってバーベキューの残り物をハムハムと食べて行く。

それでも視線は、リーゼ姉妹に固定しておくのを忘れない。

リーゼ姉妹からすれば、食えなかった事を恨めしそうに見詰める恐怖の存在……という風な印象となる事だろう。

実際、リーゼ姉妹はビクビクしながらこちらを見ていた。

視線を逸らしたら、負けると言わんばかりの勢いである。

まあ、視線を逸らしていたら……もう一回くらいは、カジッておこうと思っていたから……それを、阻止された形ではある。

 

「それで、師匠……この二人、どうするんですか?」

 

「んー?そうだなぁ……海鳴市のどこかにランダム転移させてアースラに見付からないように戻ってくるゲームとかやるか?捕まれば、闇の書の情報がハラオウンに渡るんだから……リーゼ姉妹も、本気で参加してくれそうじゃないか……」

 

「ちょっと、難易度がおかしいんだけど!?」

 

「ギル・グレアムが、時空管理局をクビになるかを賭けようぜ?じゃ、僕はクビになる方に賭けようかなぁ!!」

 

「なっ!?お、お父様の情報まで!?」

 

「デュランダルの情報も掴んでるよ?エターナル・コフィンッ!!凍結封印!!!」

 

『!?』

 

「それにしても、時空管理局の前身組織が犯した罪をあんな小さな女の子に押し付けるなんて……君達は本当に、グズだよねぇ?」

 

「な、何の話よ!?」

 

「おや?知らないのかい!?闇の書を作ったのは、君達……時空管理局の前身組織だろう?160年前の話だ。まさかとは思うけど……伝わってないのかい?無責任だなぁ。そもそも、君達の組織はそういうロストロギアを捜索して封印するのが元だろう?違うのかい?」

 

『ーーーーー』

 

「闇の書があったから、今の時空管理局があるっていうのに……その事実を忘れて、全ての責任を足の不自由な少女に押し付けて凍結封印とか……どっちが、悪質なんだか……」

 

「あ、アリア……今の、本当!?」

 

「し、知らないわよ!?」

 

リーゼ姉妹が、慌てたように相談を始めた。

だけど、相談の余裕なんて与えない。一気に畳み掛ける。

 

「あれぇ?無限書庫に証拠も何も、全部保管されていたはず…………まさか、本当に知らないのか!?」

 

『ーーーーー』

 

「じゃあ、今の話を忘れて……『全部闇の書が悪いんだ!だから、適当に選ばれて魔導書の主になってしまったあの少女がその罪を背負うのも仕方ない!だから、時空管理局も私達も悪くない!!』って言えたら……君達は、見逃してあげるよ?」

 

まあ、言ったら時空管理局を滅ぼすんだけどね。

 

「……………………」

 

「酷い話だな……」

 

「無責任だな、時空管理局……」

 

「所詮、人間の集まりだ。無力なんだよ」

 

『猛毒来たーー!!』

 

「事実だろう!?自分達の手に負えないからって、9歳の女の子に責任を押し付けて凍結封印を目論む様な人でなしの集団だぞ!?むしろ、滅びてしまえ!!」

 

「ち、違う!!」

 

「何が違う?何処が違う!?復讐にかられた、お前達の主が全ての責を9歳の女の子に押し付けて殺そうとしているのは事実じゃないか!?」

 

「そ、それは……っ!」

 

「犯罪者共めっ!!」

 

『っ!?』

 

「何が、平和を守る組織だ!?自分達が生み出した物の責任すら取る事も出来ないお前達が何を守るっていうんだ!?てめぇらが守れる平和なんて、所詮上っ面だけの欺瞞に満ちた平和だけだろうさ!!」

 

『ーーーーー』

 

「うわっ、酷っ!!」

 

「そこまで言うか、貴様は!?」

 

「じゃあ、平和……守れてるのかよ?」

 

『……………………さぁ?』

 

首を傾げるディアーチェ達を見て、思う事はただ一つ。

これで、最高評議会が無かったら……時空管理局は、本当にただの犯罪組織だという事だ。大丈夫か?この組織。

何となく、先が見えてしまった感じがするのだが……。

 

「あ、そうだ!闇の書をもう一冊作ろうよ!!それで、時空管理局に殴り込み掛けて、本局にナハトヴァール放逐するってのはどうよ!?」

 

「管理局が、崩壊する未来しか思い浮かばないんですが……」 

 

「ってか、闇の書を作ると言っても……可能なのか?」

 

「可能だよ?材料が無くても、ナハトヴァールの一体や二体……幾らでも、量産可能さ!!」

 

「フン!そんな事、出来る訳が……」

 

「……………………」

 

アリアが悪態を付くが、ロッテがとっても大人しい。

先程の事もあるので、多分出来る訳がないと高を括っていても口には出来ないらしい。だから、何か言いたそうにアリアを見ているだけで口は挟んでこなかった。

 

「ほぅほぅ……つまり、作れるもんなら作ってみろ!って事と取って良いんだな?」

 

「……で、出来るもんなら、やってみなさいよ!!」

 

「僕は、ヤると言ったらヤる奴だぞ?良いんだな?」

 

「明日!そうね……今から、24時間以内に出来てなかったら笑ってやるんだから!!」

 

『うわっ!期限を短くしやがった!!』

 

「……………………」

 

ディアーチェ達が、強気に出るリーゼアリアを卑怯者呼ばわりしているが……24時間もあれば、十分である。

こちらの技術を、盛り沢山組み込んで良いならば24時間も掛からない。秘密基地にある材料リストを見て、ザッと頭の中で設計図を組み上げてしまう。核に成りそうなモノも沢山あるし……俺が持ち込んだ物資も限界ギリギリまで突っ込んであるので、その気になれば三冊程作れる計算だった。

 

「うん。完全な闇の書じゃなくても良いなら、三冊くらいは作れるね……じゃあ、研究室に籠ってくるね?」

 

「リーゼアリアよ……止めるのなら今しかないぞ!?」

 

「今、謝れば……闇の書が増たり、時空管理局が滅びたりはしないんだぞ!?」

 

「双夜は、本気です!今すぐ、謝りましょう!!」

 

ディアーチェ達が、必死にリーゼアリアを説得しているけれど俺はもう止まるつもりも止める気も無かったので、素早く秘密基地に飛び込んで研究室へとひた走る。

そして、スライデングで滑り込み……俺を止めようと後を追うディアーチェ達を、余裕綽々で眺めながら扉を閉めて鍵をかけた。

 

 

 

 

 




リーゼ姉妹弄り回。
ループ話だと、何パターンもの弄りネタが出来るから楽しいよね!耐性の無い状態の弄りキャラ達を、再度弄れるというのは中々楽しいのだよ!!今回は、ユーリまで参加しちゃってるから面白かったはずwロッテが、壊れていたしなw
ロッテをかじる双夜が、中々に鬼ッポイ。
ついでに、嫌がらせも開始w
ロストロギア反応を常時発する首輪。
《正直者の陣》を折り込んだシステム付き。
問われた事は、全て喋っちゃいます☆♪
さあ、クロノ・ハラオウンに捕まっておいで♪ついでに、闇の書の事も喋ってギル・グレアムを貶めようぜ!
難易度ルナティックのゲームを推奨。
さあ、ゲームを始めよう♪

そして、使い魔達の悪戯が今回のメインです☆!
これを思い付いた時は、どうしてこれを夏場に思い付かなかったのかを永遠と悔しがってました(笑)最高のホラーで、渾身のギャグになっていたら良いなぁ……。

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m(_ _)m

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