絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!
次から、ちょっとだけ遅更新になります。
年末に向けて、リアルが忙しくなって来たので申し訳ありません!!
双夜
今、俺は最悪の状況に晒されていた。
目の前にいるのは、俺を恐怖のドン底に落とす事に最も長けた女性。しいては、羊の皮を被ったティラノサウルス……もとい、高町桃子がニコニコと最高の笑顔で向かい合っていた。
「ふふふ。ソウニャくんっていうのね?」
「にぁ、にゃ……」
出来る事ならば、今すぐここから逃げ出したい気持ちでいっぱいだが……彼女の元にやって来たのは俺自身だ。
やっぱり恐いから、逃げるなんて行為は色々と負けた様な気がするので恐怖に打ち勝つ為にもこうして立ち向かっているのである。出来るなら、なのはママが戻って来る前にこの場から立ち去りたいが……多分、望みは薄いだろう。
まあ、リンカーコアは抜いといたので潜んでいる魔導師とバレる可能性は低い。
問題があるとすれば、フェイトちゃんくらいのモノだ。
彼女が先に声を掛けて来る前に、何らかの方法で黙っていて貰えるように交渉しなければならない。一番良い方法としては、フレールくんを使って知らないフリをして貰うくらいだろう。その前に、外に出られたら万々歳だ。
「はい。どうぞ♪」
「あ、ありがとうにゃの……」
目の前に置かれたケーキに視線を落とし、チラッと床に沈んでいる士郎に目を向ける。先程まで、あんなに元気だった士郎は現在気を失って床に伏していた。
だが、【真実の瞳】からは気絶しているという情報は一切流れて来ないので様子見がてら気を失ったフリをしているのだろう。もしかしたら、モモちゃんが怖くて気を失ったフリをしている可能性も否定できない。
とりあえず、目の前に置かれたケーキにフォークを刺しつつ、視線を士郎に向けたままにして士郎の周囲にいたであろう女性の情報を引き出して行く。だが、これといって音信不通とか行方不明になっていそうな女性はいなかった。
理想としては、連絡が取れない行方がわからない女性がいれば良かったんだけど……残念だ。仕方がないので、名前はわからない方向で話を進めていく事にする。
モモちゃんとは、適当に話を合わせつつ今一要領の得られない事を言っていく。断片的には、『この町に来た』とか別の所から来たみたいな事を匂わせつつ、自分の父親が『高町士郎』という名前で捏造した……もとい、平行世界で撮影した写真や写真の裏に書いてある住所等を公開。
当然、平行世界のお話だけど俺を抱き上げているモノや見た事の無い女性(使い魔)と腕を組んでいるモノもある。
それを見た瞬間のモモちゃんは、とっても良い笑顔なのに寒々とした雰囲気を纏い全く笑って無い目で士郎を見下ろしていた。士郎は士郎で、そんな視線を向けられるとビクッ!と反応していたから、モモちゃんが怒っている事を気配のみで察知したもよう。面白かったので、見知らぬ女性(同じ使い魔)が士郎の頬にキスをしている写真を提示。
写真の士郎は、デレッとした顔 をしているのでモモちゃんの怒りに油を注いだ形となった。
「士郎さん?これは、何かしら?」
ヒラリと、床に沈んでいる士郎の目の前にその写真が落とされる。士郎は、その写真を手に取ると見知らぬ女性(見た目は、神崎曰くカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ似とのこと)とイチャコラしている自分を食い入るように見て真っ青になっていた。
そして、ブンブンと首を横に振り潔白であると主張し始める。それに対し、俺は爆弾を投下した。
「ママは、遊び……だった?」
「士郎さん?」
「ま、待ってくれ!本当に知らないんだ……」
「ママ……捨て、られた?」
「し~ろ~う~さ~ん?」
「いや、ほ、本当に身に覚えがないんだ!信じてくれ!!」
「チローパパ、無責任……にゃの?」
「ちょ、ちょっと、待ってくれ!本当に心当たりがないんだ!!」
狼狽える士郎を見て、般若と化したモモちゃんを見てそろそろ撤退しようか考え始めていた時、翠屋の周囲に配置してあったフレールくんからフェイト・テスタロッサが接近中であるという報告が入った。慌てて、座っていた椅子の上に立ち上がり、ピョンピョンと椅子を足場にして移動する。
そして、立ち上がろうとしていた士郎の上に飛び乗って踏み倒すとそのまま入り口へと走った。士郎に飛び乗った時に、モモちゃんが悲鳴(?)を上げて士郎を助けようと手を差し伸ばしたみたいだ。怒っていても、助けようとするとは……あの二人の仲を裂くには、中々骨が折れそうである。
扉を開けて、外へと飛び出るとなのはママ達の姿がもうすぐそこまで近付いていた。瞬間的に、人目払いの簡易結界を自身に張ってゆっくりとステルス(透明化)魔法を展開。
何とか、なのはママ達に見付かる前に翠屋から離脱する事に成功した。
全く……商店街で士郎達が、ラブラブしながら歩いていたからといって、士郎の手を取って『チローパパ♪みぃーっけ!』なんてヤるもんじゃない。割りとアッサリ、喧嘩になるかなぁ?……と思ったが、翠屋にお持ち帰りされたあげくモモちゃんを怒らせるのにアソコまでさせられるとは……手強い夫婦だった。次はもっと、巧くヤらないと……目標は、瞬間☆O☆HA☆NA☆SHI☆が行われるくらいに!!(使命感)
「……恭にぃか、美由ねぇだな…………」
恭にぃは、街中で忍とデートしているところを見計らって突撃して……士郎と間違えた設定で、高町家という巨城を外堀から掘り崩してやろうと企てる。家庭崩壊したら、なのはママに謝らないとだけど……崩壊しなきゃ良いんだよね?
なら、やり方は幾らでもあるだろう。
「クックックッ……」
一部の使い魔……フレールくん達を使って、恭にぃ達がデートをする日取りを確認させた。
……………………。
数日後、忍とデートしている恭にぃに『パパァ!』と抱き付いてみた。忍が、恭にぃを睨んで『パパァ~!?』と疑っていたけれど……恭にぃが、そこそこ慌てた風に忍を説得して納得させ俺を見る。
恭にぃは、しゃがんで視線を合わせるとモモちゃんに聞いていたのか俺が『ソウニャ』である事を知っていた。
「士郎さんの隠し子(?)なんだ?」
「それで、母さんが怒ってて……今、ギクシャクしているんだ……それで、君を探していた訳なんだが……」
「こんな小さな子に、その辺りを詳しく説明できないんじゃないかしら?」
「…………そうだな……だが、何処に住んでいるかくらいは案内できるはずだ」
「じゃあ、今日のデートはここまでかぁ……」
「すまない、忍。この埋め合わせは、必ず」
「……わかったわ。それで……って、いないわよ!?」
「なにぃ!?」
恭にぃが、忍に言われて俺が離脱した事に気が付く。
早目に気が付かれたので、恭にぃがこちらを補足して来てしまう。それにより、恭にぃとの鬼ごっこが始まった。
とりあえず、恭にぃが通れそうにない……草むらや土管の中とかを色々通って逃げる。こういう時は、どこかに隠れて気配を断ち恭にぃがいなくなるまでジッとしているのが良いんだが……忍が恭にぃの補佐をしているので、中々こちらの思い通りにならない。
そして、ノエルまで出て来て俺はついに追い詰められてしまう。ジリジリと詰め寄ってくる恭にぃに、モモちゃん的な執用さを感じる。流石、家族だと考えつつ余裕の無い状況にそろそろ本気を出す事にした。
そう覚悟を決めた時、恭にぃが飛び掛かって来る。
それを神速で回避し、恭にぃだけでなくノエルや忍の脇を通り抜けて振り返った。
「……今のは、神速!?」
「嘘!?こんなに小さいのに!?」
「お嬢様、お下がりください!!」
驚いている隙に、その場から走り去る。
しかし、恭にぃが割りと早く復帰してまた追い掛けてきた。
今度は、恭にぃも神速を使ってくる。が、壊れた膝が邪魔をしてそれ程長くは走れないもよう。その隙を突いて、分身の術を披露してその場から離脱。やり過ぎた気もしたけど、閃や神威を使った訳じゃないので問題ないと思われる。
流石に神速を使えば、親子関係であるのは明白になるだろうという考えの元だったが……誰でも使えそう(トウマがそうだったから)なので、血縁云々は無いかも知れない。
……………………。
「……美由ねぇ、遊んで!!」
「えっと……もしかして、ソウニャくん?恭ちゃんが、探してたよ?」
「神速使ったにょが……ダメだったかぁ……」
「え?神速!?」
神速を使って、美由ねぇの後ろに回り込み鞄を奪って逃走。
美由ねぇは、最初とても驚いていたけど必死な形相で追い掛けてきた。あまりにも必死なので、興味が沸いた俺は無断で鞄の中身を確認。それといって、目新しいモノもそれ程執着する様なモノもなーーー否、あった。
手帳の中に、ハートのデコレーションを施された恭にぃの写真が出てきたのである。それを手にして、美由ねぇにヒラヒラと提示してみたところ、それに気が付いた美由ねぇが驚愕の表情を浮かべ……次の瞬間には、般若顔で俺を追い掛け始めた。
「え……何々!?美由ねぇ、近親ソーカン?」
「……もう、許さないよぉっ!神速っ!!」
「おっと、神速!閃きっ!!」
「ええっ!?ちょ、それ反則じゃん!!」
「高町チローの血は、伊達ではにゃいにょだよっ!!」
「益々、お父さんの疑惑が深まって行くっ!?」
「それじゃーさらばにゃにょだー!!」
「って!?えええっ!?」
瞬動術と神速を使って、一気に美由ねぇを引き剥がした。
あっという間に美由ねぇが見えなくなったところで、ある悪戯を思い付く。急ブレーキを掛けて、反転し美由ねぇの元へと戻った。
「あ、戻って来た!?」
「ねぇねぇ、美由ねぇ!恭にぃに勝ちたくない!?」
一気に捲し立てて、美由ねぇを黙らせつつ美由ねぇの悩み処を突っついてみる。当然、美由ねぇは驚いて固まった。
「ええっ!?」
「僕の技術を一つあげるから、模擬戦で恭にぃをボコボコにしてみない?神速と合わせれば、楽勝だよ!?」
「……………………」
「その代わり、僕と会った事は内緒にして?ね?」
「…………本当に恭ちゃんをボコボコにできるの?」
「もち!ついでに、神速の極意も教えるよ?」
「ううっ……………………良いよ!恭ちゃんに勝てるならっ!!」
そういう訳で、美由ねぇに瞬動術と神速の極意を教えた。
ついでに、神速中に瞬動術で相手の背後に回り込み、意識を刈り取る暗殺技も叩き込んでみる。
結果、初手ならば最強の女剣士ができあがった。
「どう?」
「うん。良い手応えだよ!!」
「やったね!これで、恭にぃに勝てるよ!」
「……でも、何でソウニャくんには当たらないの!?」
「そりゃ、究極の極意……《神威》の使い手だからだろう?」
「《カムイ》!?」
「神速の神速が、《閃き》なら……その先が、《神威》だよ……足運びととある体術を組み合わせて作られた神速の極意。神を殺すという妄想を、現実させた技法さ……」
「神を、殺す……なんか、物凄い話だねぇ……」
「じゃあ、良き結果を願っているよ!それと、僕の事は内緒にしてよね?本当に!!」
「うんうん。任せて!必ず、恭ちゃんを撃ち取ってみせるよ!!」
こうして、美由ねぇは帰って行った。
その後、フレールくんの目を通して恭にぃがボコられる瞬間を記録する。それはもう、初手から一撃で恭にぃの意識を刈り取った美由ねぇが大喜び。まさに、踊る様に喜んでいた。
その後、数回恭にぃをボコボコにして……うっかり、僕の事を口走っていたのも記録されていたけど。流石、美由ねぇ。
こちらの思惑通りに、そのうっかりをしてくれるから大っ嫌いなんだよ。まあ、予定していた事柄なので……今後はもっと、高町家から距離を置いた方が良いだろう。
「神崎くんには、翠屋に潜入して貰います!!」
「ちょ、何でですか!?」
「大丈夫だよ!他人の空似って事にしておけば問題無いって!誰も気が付かないよ。はい、住民票を作ったので適当に近くのアパートにでも住んで通って!」
「いやいや、また踏み台が釣れるじゃないですか!!」
「えー……じゃあ、写真の使い魔を同行させるから一緒に暮らす?で、使い魔の方を翠屋に潜入させるとか?」
まあ、そんな事をしたら俺の翠屋行きが決定するのは予測ずみだ。だが、俺に変身させた使い魔を送れば良いだけなので問題無い。ただ、勘の良い士郎の事だから別人だと見破って来そうだけど。そうなった時は、そうなった時で対策を考えれば良いので、今は神崎か使い魔を翠屋に潜入させたいところである。
「何がしたいんですか!?」
「もちろん、踏み台を釣る為だよ!!」
「また、レン・K・ヴォルフラムを釣るんですか?」
「いや……他にも、いない可能性がない訳じゃないから……いたら、翠屋に来そうなんだろう?」
「有栖川達の例もありますから、全員が全員来る訳じゃないと考えられます……」
「だとしても、カガリロウハっていう転生者がいた事は確かなんだ。そいつが、身を潜めている事も気になる……その為のお前だ……期待しているぞ?」
「修行はどうするんですか!?」
「とりあえず、今は身体に慣れろ。それと、魔力操作修行は僕の監視が無くてもできるだろう?そうだな……全身強化を約30分続けられる様になったら一度戻って来い」
「あ、あれを、30分ッスか!?」
「そうだ。それが、出来るようになるまでは次の段階には進めないからなぁ……中々、大変なのだよ」
「は、はあ……わかりました。あー、トレーニングも続けるんですよね?」
「何?また、サボる予定でもあるの?」
「いえ、ありません!!」
「もうすぐ、この世界の闇の書からシグナム達が出てくるんだから……かっこ悪い姿を見せるつもりか?」
そう告げた瞬間、神崎がハッ!とした様に背筋を伸ばした。
しかし、シグナム効果も一瞬だけでまたヘナヘナと萎んでいく。どうやら、シグナムで釣る事もできないらしい。
「シグナムとまた、恋仲になれる可能性はないんッスよね?」
「……僕達が、ここに居られる期間は短いだろうからなぁ……恋仲になれたとしても、そのすぐ後に『時渡り』をしたら同じ事だろう?」
「デスヨネー……師匠に着いていく事に関しては、全く不満は無いんですが……恋愛ができないっていうのは、モチベーションに響きます……」
「不満タラタラじゃないか?」
神崎には、恋愛感情封印の処置を施した方が良いのかも知れない。しかし、それをやるとコイツの戦闘意欲が下がる恐れもあり色々と面倒だ。
「チッ!サキュバス喚んで、精力を抜くか?」
「ヒイィィィーーー!!?」
「夢魔でも喚んで、ハーレムとかどうよ?」
「あ、あの……し、師匠?」
「あ、そうだ!ちょっと、こっち来いよ……神崎(笑)」
「え!?あ、あのっ……何を!?」
という訳で、タイムセールのおばちゃん&暴動化したハーレムのVRを数十回体験して貰った結果、『ハーレム怖い……ハーレム怖い……』と呟く神崎が誕生。それを更にVRに突っ込んで、仮想現実の原作組のハーレム(シグナムを除く)を体験させたところ馬鹿が頭を抱えて部屋の隅で丸まっていた。そんな神崎を見ていると、顔が緩んで行くのがわかってしまう。これで神崎も、恋愛恋愛と中毒者みたく愚痴愚痴言わなくなるだろう。
「と……」
一旦、気持ちを落ち着けて神崎から視線を離した。
「さて、闇の書起動まで後少し……まだ見ぬ【転生者】の動向含め、こちらで把握できているのはレン・K・ヴォルフラムだけと来た……カガリロウハは、行方不明。中々に厄介だね」
期限は、未だ不明でいつこの世界から弾かれるかもわからない状況で、神崎を育成……一時的にでも、神崎を俺と契約させて『時渡り』をする事になるかも知れない。
「次は、10月か……12月か……」
今は5月の中旬なので、後5ヶ月程ある計算だ。
神崎の話からは、10月に八神はやての容態が悪化して守護騎士達が蒐集活動を始めると聞いている。
まあ、何処まで原作に添って世界が動くかはわからない。
俺達には、リンカーコアと呼ばれる機関が存在しないので蒐集対象になったりはしないだろうけど……一度は、顔見せ程度に接触する必要性がある。とは言え、リーゼ姉妹は俺が確保しているので原作そのままって事にはならないだろう。それと、本局でギル・グレアムがどう動いているかもわからない。
「さっさと、本局に帰れば良いものを……」
フレールくんを本局に潜り込ませてしまえば、情報収集が可能になるっていうのに……アースラは、未だにこの世界周辺に滞在していた。因みに、レン・K・ヴォルフラムは謹慎中。
ここは、他の使い魔を使って直接本局にフレールくんを紛れ込ませた方が良いのかも知れない。
リーゼ姉妹は、神社の境内で普通の猫の様に過ごしている。外に出ようとはしないので、多分アースラがこの世界を離れるのを待っているのだと予測された。まあ、そんな事をしても兆単位のフレールくんとの鬼ごっこが待っているだけなので気にする必要もない。また、リーゼ姉妹のトラウマとなりフレールくんに怯える日々が始まるだけだ。
「リーゼ姉妹は、僕達に捕まった時点で詰んでるからなぁ……まあ、頑張って逃げて貰うとして……」
闇の書の闇を倒すまでに、本局に戻れたら凄いところだ。
逃がす気も無ければ、帰す気も無いけれど(笑)。
これで、ギル・グレアム本人が向かえに来る様なら捕まえて色々吹き込んで本局に帰してやれば、良い感じになるかも知れない。時空管理局の闇と戦う、英雄として若者達の手本になってくれれば尚良しだ。ついでに、最高評議会も潰してくれるとスカさんとの交渉も楽になる。
毎度毎度、戦闘機人をボコって「雑魚め」なんて評価を出したあげく、こちらの技術を見せびらかせて凡人扱いするのも芸が無いというものだ。そろそろ、スカさんとの対話も変化させて行きたいところである。
「……こちらに補足されると、詰むのはリーゼ姉妹だけでは無かったか……お疲れ様ぁ……って、あははは!!おーい、リーゼ姉妹ぃー♪ちょっと、遊びにいかないかぁ?」
秘密基地から飛び出して、境内で日向ぼっこしているであろうリーゼ姉妹を探す。二人は、直ぐに見付かった。
「何よ!?また、何かするつもり!?」
「も、もう、何をされたって……お、驚いたりしないんだからっ!!」
「いやいや、そうじゃなくって……ちょっと、局員として協力してくれないかな?」
『……………………何を?』
「ジェイル・スカリエッティ、捕まえに行こうぜ!」
『……………………にゃ!?にゃんだってぇー!?』
ニコやかに告げた一言に驚くリーゼ姉妹。
とりあえず、言った事はちゃんと実行して欲しいかな?
………………………………
……………………
…………
。
。
。
。
双夜 Feed Out……。
フェイト
「ソウニャくん。ほらほら、こっちだよぉ♪」
「うにゅ?」
「双夜、こっちこっち!……なのちゃんの所になんて行っちゃダメだよぉ♪」
「にゃ、にゃ?」
双夜が、ポテポテとアリシアの方へと歩いて行く。
それを見ながら、私は双夜が家に来た時の事を思い出す。
昨日突然、双夜の使い魔を名乗る青年が気を失った双夜を抱き抱えて私が住むマンションに連れて来た。
『しばらく、私達のマスターを預かって欲しい』と母さんに願い出たのである。母さんは、最初こそ困惑していた様だったけれど快く了承。その後、双夜の使い魔と母さんは何か難しい話をしていたけど、双夜は家で預かる事になる。
難しい話をしている時、母さんが物凄く怖い顔をしていた瞬間があった。アリシアが、『どうしたの?』と聞いたら慌てた感じで誤魔化していたけど何かあったのかも知れない。
そして、双夜の目が覚めた時……双夜は、以前の格好いい双夜では無くなってしまっていた。
アリシアの言葉を借りるなら、見た目相応の子供になっていたのだ。流石に戸惑いがあったけれど、一日も経てば慣れるモノで今では双夜が可愛くて仕方がない。
アリシアも私と似たような感じらしく、事ある毎に双夜を可愛がっていた。と、ポフッと双夜が私に抱き付いて来る。
「あーあ。フェイトの所に行っちゃった……」
「良いなぁ良いなぁ……フェイトちゃん、良いなぁ………………」
なのはが、本当に羨ましそうに私を見ていたけど、何かに気が付いた様についっと視線を反らした。
きっと、あれが視界に入ってしまったのだろう。
私は、その様子に苦笑いしてしまった。
なのはも、私を見て苦笑いしているからおあいこだ。
「ねぇねぇ、なのちゃん。なのちゃんのパパさん達、大丈夫かな?」
「えっと、大丈夫じゃないかなぁ…………たぶん……」
アリシアの問いに、なのはは視線を反らしながら答える。
道場の方を見ると近隣のレスキュー隊の方々が、道場の壁に突き刺さったなのはのお兄さんとお父さんを救出しようと頑張っていた。どうして、なのはのお兄さんとお父さんがそんな事になってしまったかと言うと……私が、なのはの家族がやっている翠屋に双夜を連れて行った事が原因だ。
双夜を見たなのはのお兄さんとお父さんが、突然にニコニコしながら双夜をあの道場に連れて行って模擬戦を始めたのである。最初、双夜は嫌がっていたんだけど……『もう、怒ったのー!!』と言い出して、なのはのお兄さんとお父さんを道場の壁に突き刺した(無双した)のである。
その後、なのはが桃子さんを呼んで突き刺さっている二人を見て、消防署というところに連絡した。数十分後、駆け付けたレスキュー隊の皆さんが頑張って壁に突き刺さった二人を救出しようとしている。
「結構、時間が掛かってるね……」
「そうだね……」
「うにゃ?」
双夜が首を傾げていたので、その頭に手を乗せて左右に撫でてやる。それだけで、双夜は嬉しそうに喜んだ。
それを見ていたアリシアとなのはが、双夜の元へと集まって来て私と一緒に双夜の頭を撫で回す。双夜は、嫌になると『うにゃー!!』と叫んで逃げて行くので、撫でるのを止めるのはその時で良い。
「にゃあああ……」
「おっとっと……やり過ぎちゃったかな?」
気が付けば、双夜が目を回していた。
なのはに身を預けて、気を失ってしまっている。
仕方がないので、アルフを呼んで連れて帰って貰う事に。
「アルフ、今は忙しいから夕方に来るって!」
先日、なのは達と一緒に選んで買って貰った通信端末でアルフに連絡したアリシアが報告してくれる。私も持っているけど、双夜を寝かせていたので連絡はできなかった。
「そっか。それまで、どうしようか?」
「あ、そうだ!フェイトちゃん、一緒に魔法の練習しない?」
「フッフッフッ。それは、魔法の使えない私への当て付けかな?」
「あ……ごめんなさい……」
「あ、いや……謝って欲しい訳じゃぁ……」
「大丈夫だよ。姉さんも本気で言っている訳じゃないから……ね?姉さん」
「おやおや、熱いねぇ♪」
「熱い?」
「夏は、まだ先だよ?」
「あ、いやいや。そうじゃなくって……」
「最近、暖かくなって来たけど……夏は、今の比じゃないよ?もう、外に出たくなくなるくらい熱いかな?」
「なのちゃんは、可愛いね……私は、汚れきっちゃったよ……」
「お姉ちゃん?何処も、汚れてないよ?」
「………フェイトも綺麗なままなんだね……」
『……???』
「ううっ……ごめん、ソッとしておいて…………」
アリシアは、たまにおかしな事を言う。
たぶん、言っている意味が違っているんだとは思うんだけど……私では、良くわからない。
なのはも似た様なモノで、アリシアを見て首を傾げていた。
アリサやすずかがいれば、また違ってくるんだけど……今日は、お稽古の日なのでここにはいない。
「気持ち良さそうだね……」
なのはが、双夜の顔を覗き込みながら言った。
見れば、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っている。
ポカポカとした陽気が、気を失っていたはずの双夜を眠りの淵へと誘っていたようだった。
「私もおやすみなさーい」
スヤスヤ眠る双夜の隣に、アリシアが寝転がる。
それを見届けて、私はなのはの魔法の練習に同行した。
ユーノと合流して、タッグやコンビネーションの魔法の練習をする。最後は、〆の模擬戦をして終了とした。
なのはの家に戻ると、何故か双夜とアリシアの間でアルフが子犬モードで眠っていて、その傍らではリニスまでもお昼寝している。
「にゃはははは。みんな、眠っちゃってるね?」
「う、うん……どうしよう……」
「起こすしかないよね……可哀想だけど……」
「ーーーーーにゅあ……!?」⬅危機感知?
なのはが、手を伸ばした所で双夜が目を覚ましてモゾモゾと動き出した。丸まっていた所から抜け出し、私の隣へと来て服を掴む。
「かえゆ?」
「うん。帰ろっか?」
「わかったの……じゃ、バイバイ。にゃにょはママ……」
手をフリフリして、双夜はポテポテ玄関に向かって歩き出す。それを見送って、私達は顔を見合わせた。
「ふふふ。なのは『ママ』だって……」
「寝ボケてたんだよ……」
「良いなぁ……私も、あんな弟が欲しいの……」
「桃子さんに頼んだら?」
「うーん。そうだね、ちょっと頼んでみるの……」
「アリシア、アルフ、起きて。帰るよ?ほら、リニスも!」
「うーん……もう、朝?」
「…………フェイトぉ?」
寝ボケ眼で、起き始めたアリシア達を促して玄関へ。
門の所へ行くと、双夜がなのはのお兄さんに捕まっていて次の模擬戦がどうとか言われていた。それを見たなのはが、お兄さんを押し退けて双夜を庇い口喧嘩を始めてしまう。
「もう!ソウニャくん、嫌がっているでしょ!?」
「し、しかしだな……」
「あんまりしつこいと、お兄ちゃんの事嫌いになるよ!?」
「う…………」
「ああ、あれはなのちゃんの勝ちだね」
『うんうん』
アリシアの呟きに、アルフ達が一斉に頷く。
その光景は、私の家でも良く見るモノだった。
主にアリシアと母さんが、そんなやり取りをしている。
結局、なのははお兄さんを黙らせると『また、明日なの!』と言って私達を見送ってくれた。
我慢できませんでした(笑)
士郎と桃子を……恭也と忍を、裂きに行ってる辺り残酷差が目にしみます。
そして、美由希を魔改造。神速中に瞬動術とかなんて凶悪な組み合わせを……更に、意識を刈り取る身技とかw
鬼ですか!?
瞬動術、瞬間的に直線で素早く動く術……なので、自由度が低い上にちょっと扱い辛いから、相手の脇を抜ける際に意識を刈り取る技と合わせて使用。これなら、楽々出来るだろうと美由ねぇに教えてみた訳ですよw
翠屋に神崎を潜入云々は、ネタではありましたが今回ではありません。とりあえず、フラグ建設ですwこういうのも可能なのだよ……みたいな?
そして、あんれぇ?なお話にw
別の話を載っけた訳じゃ無いです!これで、正常なお話なんだよ!!暴走を始めた双夜を、使い魔達が頑張って止めた訳です!!ナイス使い魔!!そして、流石ワーカージャンキー!!仕事で暇潰しはしちゃダメだよ!!たまには、休みましょうね!!って事で、リーゼ姉妹には悪いけど幼児後退化していただきました。元々の設定に戻った感じです!!
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!