絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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七五話

神崎

 

 

事の起こりは、師匠が『ジェイル・スカリエッティ、捕まえに行こうぜ!』とか言い出した事が原因だ。

『……………………にゃ!?にゃんだってぇー!?』等と驚くリーゼ姉妹を他所に、唐突に出現したのは師匠が側近と呼ぶ使い魔。しかも、何故か女性をたくさん引き連れていて、そのほとんどが超が付くほどの際どい水着姿だった。

師匠は、その使い魔達に囲まれて幼児後退化。

そのまま、テスタロッサ家に預けられてしまいましたとさ。

え?何を言っているかわからない?

仕方がないが、説明して上げよう。

俺達、【転生者】は各々の目的の為に原作知識をフルに使って目的達成を目指す者が大半を締める。

だが師匠は、《旧・神族》の討伐か……【転生者】の魂の回収が、主な目的だから原作云々は二の次だ。

恋愛に至っては、どこ吹く風状態。

だからと言って良いのかはわからないが、師匠は手持ちぶさたになると使い魔曰く迷走を始めてしまうらしい。

しかも、際限無く暴走し続けてしまうという事だ。

目的のモノ……この場合は、【転生者】だが彼等が見付からないと師匠の手の行き場がない。俺がいた世界なら、【俺】という目的があったから師匠は迷走する事はなかった。

しかし今は、師匠の標的がいないから原作に八つ当たり状態になってしまっているんだそうだ。

使い魔が言うには、どうやら師匠は仕事をしていないとダメな方向に全力疾走してしまうタイプの人らしい。

放っておくと、原作を崩壊させて良くわからない未来を構築してしまう可能性があるということだった。

それならば、後で叱られるとしても幼児後退化させて、二期……もしくは目的が見付かった頃に目覚めさせた方が良いと、彼の使い魔さんは言う。

そういうことであるならば、師匠が幼児後退化していても別段問題は無いとディアーチェ達と相談した上で了承。

既に幼児後退化しちゃっている師匠は、テスタロッサ家に預ける事にした。

別に俺が、小さい子供が苦手という訳ではない。断じて。

ただ、俺は次の原作までにそこそこ戦える身体と精神を作り上げなければならなかったというだけだ。

その為には、小さな子の相手をしている暇は一切ない。

まずは、今のこの身体に慣れて……魔力を纏う強化法を習得しそれを30分は維持できるようにならなければならない。

その後で、《神殺し》流の格闘術を学び、リンカーコアを使用しない魔法を学び、今後の為の戦術を考えなければならない。そりゃあ、ユーリやディアーチェに任せてしまえば良かったのだが、それをするとリーゼ姉妹の監視が出来なくなると断られた。

だが、良く考えると師匠の探索用の使い魔がいるのでディアーチェ達の手を煩わせる事はないはずだ。

そう聞いたら、小さくなった師匠はこれまで以上に悪戯がキツそうだと言われて俺は納得してしまった。

確かに、普段の師匠を見ている限り、大人しくしろと言われて幼児(精神)師匠が大人しくしている事はないだろうと考えられる。むしろ、大暴れされて手に負えないイメージしか沸かなかった。

であるならば、師匠を誰かに預けてしまえば良いと閃く。

おあえつらえ向きな事に、師匠を引き取りたいと言っていたプレシア・テスタロッサがいた為、彼女の家に預けられる事となった。

その後は、使い魔から修行に関する説明会が行われる。

使い魔さんの説明では、習得したそれらを使って模擬戦を繰り返し戦闘経験を割り増しないと、とてもではないが前線に出られるモノではないとのこと。

そういった訓練は、使い魔の方々が指導してくれるという事なので、それらを踏まえて了承をした。

そして、今……俺は、俺を指導する為秘密基地に身を寄せている使い魔……ラヴォルフさんと師匠の様子を見ている。

師匠が、フェイトに連れられて翠屋へ連れて行かれた後……良くわからない流れと共に高町家の道場に連れ込まれ、士郎さんと恭也さんによってたかってイジメられている場面を見ていた。

 

『なんて、大人気のない……』

 

しかし、それは長く続かなかった。

師匠が、『もう、怒ったのー!!』と言った後、常時神速➡閃き➡神威の順で士郎さんと恭也さんを撃破。

道場の壁に突き刺して、その場から立ち去って行った。

その後、抗議に来たなのはさんが壁に突き刺さった二人を発見。桃子さんを呼んで来て、近隣の消防署に連絡。

派遣されたレスキュー隊が、微妙に戸惑いながら二人の救出をしているようだった。

 

「幼児後退化していても、強いッスね……師匠……」

 

「って言うか、あの人達がマスターの逆鱗に触れたのがイケないのでは?普通は、あそこまでヤりませんよ?」

 

「まあ、そうなんッスけどね!!」

 

「端から見ていると、幼児虐待ですね……」

 

「誰もが思っていても、決して言わない事を……」

 

「事実でしょう?もう、大丈夫そうですから訓練を再開しましょうか?」

 

「りょ、了解!」

 

少しドモってしまったけれど、訓練を再開すると言うラヴォルフさんについて秘密基地の外へ出る。

現在、俺がやっている訓練は魔力を纏い維持する訓練だ。

現段階で、俺が出来るのは片腕に魔力を纏う程度。

維持出来る時間は、5分程度と短かった。

 

「確かに、今は5分程度ですが……それは、神崎さんの魔力操作と経験が未熟なだけです。操作練度や経験を積めば、解消される事柄ですから気にしなくて良いです」

 

「師匠は、どうだったんですか?」

 

「あの方と比べるのはオススメしません。あの【組織】に至った時点で、現役の《神殺し》数十名を病院送りにしたあげく……内三名が意識不明の重体。死者は基本的に出ませんが、彼等曰く【堕ち神級】の怪物だったそうですよ」

 

「うへぇ……」

 

「更には、事ある毎に反抗して喧嘩のバーゲンセールをやっていた方です。問題児という点では、【組織】始まって以来ナンバー2の問題児だったそうですよ?」

 

「ナンバー2!?師匠で!?」

 

「『で』……とは?どういう意味でしょう?」

 

「あ、いえ。師匠以上の方がいたのかなぁ……と」

 

「そうですね。あそこには、トラブルメーカーと呼ばれている方が一人いらっしゃいましたから……マスターは、ナンバー2の問題児とされていました。まあ、マスターを含めると問題児は5人いらっしゃるんですけどね……」

 

「5人!?少ないッスね……」

 

「彼処で、『問題児』と呼ばれると言う事は……手に負えないって意味ですが?」

 

「あ、そっちッスか……」

 

「はい。マスターは、彼処で二番目に手に負えない問題児だったというだけです!」

 

「師匠以上の問題児さんが、とても気になります……」

 

「聖さんですね。有名な方ですよ?スカウトされた元人間ではありますが……あの方ほど、トラブルに愛されている方は存じません」

 

「トラブルに愛されている……」

 

「ええ。スカウトされた元人間で、神格や主権を保有しているのはあの方だけです……」

 

「えっと……主権?」

 

「世界の保有権です」

 

「世界の保有権!?ってことは……」

 

「はい。あなた方風にいうと……神様ですね」

 

「人間が、神様になれるんですか!?」

 

「前例(聖さん)もありますからなれますよ?まあ、ちょっとやそっとの努力や実力程度ではそんな風にはなれないでしょうけどねぇ……」

 

「……その人は、どこまでやられたんですか!?」

 

「魔力が、途切れてますよ?」

 

「ああ!?っと……集中、集中……」

 

「……数万体の魔王を屠り、数千兆の悪魔を狩って……神を助け、世界を救い、創造主を造って、世界を構築し、世界を滅ぼして、根底を覆し、天地をひっくり返した挙げ句、始まりの魔法使いを蹴落とした方と聞き及んでいます……」

 

「始まりの魔法使いって……師匠が、嘱託扱いで所属している組織の代表じゃぁ……」

 

「良く、御存知でしたね。その通りです」

 

「蹴落としたって……地位とか、そんな感じのをですか?」

 

「いえ。奈落と呼ばれる、底の無い穴に。文字通り、蹴落としたそうです。ええ、問答無用で何も告げずに……」

 

「………代表さんは、魔導兵器とか呼ばれてませんでした?」

 

「呼ばれておられますね……」

 

「大丈夫だったんですか!?」

 

「さあ。私共は、聞き及んでおりません。詳しくは、マスターにお聞きください」

 

「…………あ、師匠とその人って……」

 

「彼処での数少ない、御友人です……」

 

ちょっと、話し込んでしまったけれど俺の修行は続く。

全力でなければ、連続で訓練は続きある程度魔力を消費したら終了となる。その後は、格闘術や戦術を学び充実した一日を過ごしていた。

未だに、魔力は安定しないし操作も大雑把だ。

もっと、緻密に綿密に操作していかなければならないけど、これが現在の俺の限界だった。

 

「少し、茶色掛かった薄色の魔力ですね。属性は、土か……それに属するモノだと推測されます。詳しくは、後で調べるとして……今は、魔力を全身に纏って維持できるように頑張りましょう」

 

「ん?えっと……課題の一つが、クリアされてません?」

 

「今までは、強化系の白色が主でしたが……話し込んでいた事がうまく作用してか、純粋な魔力のみがおもだった結果のようです。ですが、それを自力でやる課題ですからクリアはしていません。自力では、出せないでしょう?」

 

「……………………なんでさ!?」

 

言われて、一応試してみたけれど強い白色の魔力しか引き出せなかった。本当に不器用なんだな……俺って。

魔力を纏う訓練をしながら、自身の純粋魔力を引き出す訓練も同時進行させる。

しかし、話し込んでいた時の様な純粋魔力は出せなかった。いや、もう……本当に、なんでさ!?

ネタを繰り返し、イメージを明確にしていく。

師匠達が使う魔法の一つに、別名イメージ魔法とも呼ばれるモノがあるらしい。イメージさえ明確であるならば、そこそこ使える魔法になるんだそうだ。だから、普段の生活内で得られるモノがあるならば、ドンドン得ていきなさいという言葉をラヴォルフさんからいただいた。

魔力切れを起こして、その日の訓練は終了する。

そして、その翌日。

 

「って、何しとん!?」

 

「早く、拭いちゃってください」

 

そう言われて、テーブルの上に溢れたお茶が布巾で拭われて行く。「ああ!」と残念そうな声を上げると、ディアーチェに変な目で見られてしまった。

俺がヤっていたのは、テーブルの上に溢れたお茶の観察と指先で弄り倒すというモノ。液体や水のイメージを、頭に叩き込もうとしていた訳だが……人目のある場所では、こんな風に変な目で見られてしまう様だ。仕方がないので、自室に籠って机の上に溢した水を弄り倒す。

自分でも思うが、端から見ればテーブルの上に水を溢して遊ぶ変な人そのモノである。ヤりたくは無いけれど、これも修行の内なのでしっかりジックリ水の特性を確認して覚えて行く。

その次に行うのは、己が内にある魔力をそのまま引き出す訓練。イメージするのは、体内を常に循環する血液。

それを、机の上に溢した水のイメージと合体させて使用。

血液が、どんな風に流れているのか……とか、どちらからどちらへ流れで行くのか……とかは、本の知識で補う。

その上で、身体の真ん中にあるフワフワポカポカしている元から指先に集まるイメージを練って行った。

それ程、多くの魔力でなくていい。本の一息程度の魔力を指先に集める様に…………「出ろ!」と、唱えてみる。

しかし、出て来たのは赤みがかった魔力の光。

 

「だから、なんでさ!?…………あれか!?血液をイメージしていたから、赤くなったのか!?」

 

その後も、純粋な魔力を引き出す訓練を続けた。

力まず、イメージは出来るだけ透明なモノで一息程度の魔力を……と、考えて引き出したら何も出ない。

気を取り直して、もう一度チャレンジ。

それでも、純粋な魔力というモノは引き出せなかった。

 

「ああ、もう!出ろ!!」

 

ヤケクソで、指先に魔力を押し出すと茶色掛かった薄い光が出て来た。あれ?これ……俺の純粋魔力じゃねえ?

 

「…………なんでさ!?」

 

もう一度、意識して魔力を出そうとすると白色か赤色で、頭に来てヤケクソになると茶色掛かった薄い光が出て来る。

訳がわからなかった。意識するとダメで、ヤケクソだと出るという条件が意味不明だ。

とりあえず、ラヴォルフさんに見せに行ったら笑われてしまった。

 

「失礼。ヤケクソになると出る……ではありません。無心で、出したから純粋魔力なんですよ」

 

「つまり、明鏡止水ッスね!!」

 

「どちらかというと、無我の境地でしょうね……」

 

「おおぉ!!無我の境地!!やるなぁ……俺っ!!」

 

「だな。それにしても、もう純粋魔力を引き出せる様になったのか……中々、順調じゃないか?ラヴォルフ……」

 

「はあ、まあ、そうなんですが……何故、幼児後退化しているはずのマスターがここにいるんでしょう?」

 

「うわぁ!?し、師匠!?」

 

「レン・K・ヴォルフラムに殺されたからだけど?」

 

『え……なんて、命知らずなっ!!』

 

「……全く、何を考えているのかサッパリな奴だよ」

 

「えっと……原作人物は、全員私のモノだ?ですかね?」

 

「それだと、ディアーチェの存在理由が不明過ぎる。ディアーチェがいるという事は、何らかの形で凍結封印かそれに近い状態になる可能性があるって事だ」

 

「あー……じゃあ、師匠が転生者じゃないとバレたとか?」

 

「さあ。邪魔者は、皆殺しって感じだったけどな……」

 

「マスター。マスターは、どうやって殺害されたんですか?」

 

「様子見(?)してたら、殺傷設定の魔力弾を転移魔法で直接心臓部分に叩き込まれた……うっかり、内側から弾けるなんて体験しちゃったよ。だから、その映像や証拠諸ともクロノ・ハラオウンのデバイスに送っておいた!」

 

『おふぅ…………』

 

つまり、アレですか……クロノは、良くわからない誰かからの匿名の情報を問答無用でデバイス内に送られたのか。

しかも、幼児が弾けるグロい内容の……まさかとは思うけど、足付いたりーーなんて、師匠の事だから付くはずもないですね。はい、存じておりました。

多分、様々な疑問を抱き首を傾げながらも……レン・K・ヴォフラムを捕まえて牢屋にブチ込む事になるだろう。

唯一の救いは、師匠本人がアースラに直接乗り込んで報復しないことだ。そんな事をした場合、間違いなく師匠は次元犯罪者の烙印を押される事になるだろうから。

 

「管理局を潰せる戦力を持つ犯罪者なんて……ぶっちゃけ、触らぬ神に祟りなし!な訳だし……」

 

「そうですね。ですが、彼処の局員なら……逆鱗に触れて来そうですけどね……」

 

「止めて!脳筋だって事は、重々承知しているからっ!」

 

「アルカンシェル撃てば、絶対勝てると思っているだろうし……なぁ……」

 

「ヤメテ!全局員が、脳筋で頭がおかしい事は十分わかっているから!!」

 

「誰が脳筋や!?……って、何をやっておるのだ?何故……双夜が戻っている!?」

 

「あ、お帰りなさい、双夜!」

 

「ああ、ユーリにディアーチェか……お帰り。楽しかったかい?……僕?レン・K・ヴォルフラムに殺されて、正気に戻っちゃったんだよ……」

 

『……………大丈夫(なんですか?)なのか?』

 

「何が?」

 

「お主、報復の為にアースラに乗り込んでおるまいな!?」

 

「ああ……クロノ・ハラオウンに情報を匿名で送っておいたよ」

 

「余計に混乱する方法ぅ!?」

 

「あー……デスヨネェー……」

 

「……なら、またここに居るんだな?」

 

「まさか。テスタロッサ家に戻るよ?」

 

『ええ!?何で!?』

 

「もちろん、今度来たらライブでアースラのメインディスプレイに中継してやろうかと思って……」

 

『悪魔がいた!!』

 

「そんな事をしたら、色々不味いんじゃないの!?」

 

「お前、一体何がしたいんだ!?」

 

「ああ!?喧嘩を売って来たのは、レン・K・ヴォルフラムだろう?なら、ちゃんと報復しておかないとバランスが悪い」

 

『バランス?』

 

時計を見ると、午後4時半を過ぎていた。

だから、リーゼ姉妹やユーリ達がこの秘密基地に帰って来たのかと納得する。

 

「ってか……リーゼ姉妹は、まだいたんだな……」

 

「いちゃ悪い!?ってか、逃げられない様にしたのはアンタだろ!?なんだよ、あのフレールとかいう使い魔は……何で、あんなにいるんだよ!?」

 

「ひぃっ!!蜥蜴が……蜥蜴があぁ!!!」

 

唐突にアリアが、頭を抱えて叫び始める。

余程、恐ろしい目にあったのか……その目は、正気ですらなく狂人のそれだった。

 

「うわぁ……」

 

「あ、アリア!?落ち着いて!大丈夫、大丈夫だから!!と、兎に角、あんなのがウロウロしてるこの世界から逃げられる訳が無いだろう!?」

 

しかし、次の瞬間には師匠の手によりフレールくんを押し付けられるアリアの姿が確認された。

 

「に゛ぎゃあああぁぁぁーーーー!!!!」

 

「あ、アリアあああぁぁぁーーー!!!」

 

「止めよ!」

 

「誰かの悲鳴を聞いてないと落ち着かなくて……」

 

「その理由は、ダメなヤツです!!」

 

「え?じゃあ、誰かをイジメてないと落ち着かなくて……」

 

「もっと、ダメなヤツです!!!」

 

「だって……」

 

「マスター。だって……じゃないです。」

 

「今、僕の周りにいるのフェイトちゃんかアリシアだよ?まあ、プレシア焚き付けてリニスを弄り倒すって選択肢もあるけどさぁ……」

 

「あー……まあ、わからないでもないですが……」

 

「神崎さん、わかるんですか!?」

 

「あ、いやいや……師匠の気持ちがではなく、フェイト・テスタロッサの性格に関しての『わかる』ですから!!」

 

「あー。性格も矯正する必要があるのかと……ビックリしました……」

 

「あははは。それは、師匠にされましたから……」

 

「え?」

 

「はい?」

 

「そいつ、本来の持ち味だよ。僕は、それを引き出しただけだ……矯正って言っても、DBとSLBでノックアウトしまくっただけだよ!!」

 

「ああ。成る程……」

 

俺本来の持ち味って……評価高いッスね。

元々の俺は……俺は………………あれ?何だっけ???

どんなに思い出そうとしても、生前の記憶が思い出される事は無かった。他のアニメやマンガ、原作や二次創作等に関する事はスラスラと出て来るのに、自分に関するほぼ全てが思い出せない。

 

「気が付いたか?」

 

「師匠……どういう事なんですか!?俺の記憶が……」

 

自分が、【転生者】であるということ以外スッポリと抜け落ちていた。それがわかった瞬間、足元がグラ付いているような気がして不安になってくる。

 

「僕の判断で、生前の記憶は切り捨てさせて貰ったよ?何故なら、僕の知る【神崎大悟】と言う人間は……この【魔法少女】の世界で会った【君】だからね。生前の君を僕は知っている訳じゃないから残していても意味がないと判断した」

 

「意味がない?」

 

「そうだ。だって、そうだろう?君は、この世界に来て変わった。なのに、生前のすれてねじれて……世間に恨み妬みをぶつけていた頃の君じゃなくなっているのに、今更それと君を比較する意味はないだろう?」

 

「…………無いですかね?」

 

「ああ、無いとも。君は、ちゃんと成長している。他の誰が、君を悪く言ったしても僕だけは君を認めよう……って、何を泣いているんだ?」

 

「え?あ……いや、その……嬉しくって……」

 

気がつけば、ポロポロと目から水が溢れ出していた。

 

「なら、笑え。湿っぽくなるじゃないか!」

 

「……っ!…………ぅはいっ!!」

 

師匠に認めて貰って、嬉しくって涙がポロリと溢れた。

グラ付いていた足元もしっかりして、今度こそ俺は本当の意味で【転生】したような気がする。

そうだ。俺はずっと、誰かに認めて欲しかったんだ。

 

ーー力を借りて、姿を借りて……孤高であったとしても、誰の目も気にする事なく強くあるその姿に憧れた。

 

ーー自由奔放に、誰にも……何にも縛られる事なく、自分のしたい事をしたい様にするその在り方に憧れた。

 

ーー絶対的力で、全てを凪ぎ払い己が道を進むそんな風に俺も成りたかったんだ。

 

でも、俺は成れなかった。……演じ切れなかった。

出来たのは……目的を忘れ、神々の甘言に乗せられ、色んな人に迷惑を掛けるだけの愚か者だけ。

思い描く、自分の中にあるギルガメッシュを演じても、それは偽物で、俺は俺の成りたかったモノには成れなかった。

最終的に原作人物達にすら嫌われて……それでも、好かれようと足掻いて手を伸ばし払われて、俺は身動きの取れない絶望に沈んで行く。あのままだったら、俺はまた世間を……世界を……恨み、妬み、歪んで行くだけだっただろう。

行着く先は、終わり無き絶望の世界のみ。

結局、俺をこんな世界に転生させた神様を恨み、妬み、すれて、捻れて……俺の第二の人生は、幕を下ろしていた可能性が大きい。

だけど、そんな俺を拾ってくれた人がいたんだ。

いや、拾ってくれた訳ではない……か。

しかも、人じゃないし……そう、考えて笑ってしまう。

笑えて……しまった。それだけで、俺はもう……生前の俺とは別人なのだろう。何故か、そんな事がわかった気がした。

忘れてしまったはずなのに、師匠がいらないと判断して切り捨てた……失われた記憶。

なのに、俺にはそれがわかってしまった。

 

「はい。神崎大悟……笑います!!」

 

こうして、俺の【絶望】は師匠によって払われた。

ただ一言で、俺の悪夢は終わり新な明日へと続いて行く。

さっきまでの気持ちと、今の心持ちが全然違うのは何故だろうか?いつか、その答えを得られたならば、俺は更なる先へ行けると信じられるだろうか。

 

「さて、そろそろテスタロッサ家に戻るが……ラヴォルフ、問題は無いよな?」

 

「はい、問題ありません」

 

「なら、任せるよ。ユーリ……その内、高町家の奴等と顔見せする事になるだろうからアミュレットは外すなよ?」

 

「はい。わかってます!」

 

「ディアーチェは、ユーリの保護者を名乗ると良い。決して、『八神はやて』の名は出すなよ?」

 

「?……なぁ。コイツと『八神はやて』には、どんな繋がりがあるんだ?」

 

「凍結封印され……その5年後に復活した闇の書そのモノが、ソイツ。ディアーチェを名乗る『元・八神はやて』だ!」

 

『へぇ……え゛!?』

 

「ってぇ……コイツが、『八神はやて』!?」

 

「5年後って事は……未来の人物なの!?」

 

「そう。つまり、凍結封印は5年程度しか持たず……更には、闇の書とその主を完全に融合させて更なる悪夢を撒き散らすだけの代物と化した訳だ。あ 」

 

「それじゃあ、闇の書を封印仕切る事は無理って事!?」

 

「お、お父様に知らせなきゃ……」

 

「まあ、それだけじゃあ無いんだけどな……」

 

『え゛!?』

 

「ここにいるディアーチェは、僕が最初に行った平行世界の『八神はやて』だ。平行世界ってのは、簡単に言うと『もしも』の世界だ。で、元々の八神はやては絶望の果てに精神が消滅してディアーチェが上書きされちゃった訳よ」

 

な、なんだってぇー!?

クロノ・ハラオウンの真似をして、心の中で叫んでみる。

割りと冷静な自分に驚きながら、ディアーチェを上から下までジックリと確認してシグナムの膨れた顔が思い浮かぶ。

瞬間、ディアーチェに向けていた視線をサッと背けて見ていない振りを決め込んだ。

 

「え、えっと……つまり、別人なのか?肉体と精神が、噛み合ってないって事?」

 

「うん。正解だ!理解が早くて助かる。で、元々の『八神はやて』は……家族を殺された恨みや憎しみで凝り固まっていて……僕が、この時間軸の未来に来た時には時空管理局を滅ぼしていたよ……」

 

「管理局を!?」

 

師匠には、バレているだろうけど気にすることなく鸚鵡返しに聞き直す。

 

「でも、管理局には魔導の精鋭がいるのよ!?」

 

「ああ、正確には……本局の施設は、アルカンシェルで消し飛んだ……だな(笑)」

 

『あー。成る程!』

 

とっても、納得の行く説明だった。

 

「そりゃそうか……いくら、闇の書が大量の魔力を蓄えられると言ったって……管理局を滅ぼせる程な訳じゃない」

 

「でも、残念ながら……そのアルカンシェルは、無駄撃ちになった訳だ。僕が、ディアーチェを掠め取ったからな……」

 

『……………………鬼か!?』

 

「良いじゃないか。今の『八神はやて』の精神は、ディアーチェなんだから……問題ないよ!!」

 

師匠の安定した鬼ップリに何故か安心しつつ、ディアーチェの在り方を考えていた。つまり、ディアーチェがここにいるって事は……。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!なら、ディアーチェがここにいるって事は……『八神はやて』が、凍結封印される上にその5年後に時空管理局本局がアルカンシェルで消し飛ぶって事じゃないですか!!」

 

「だろうね……」

 

『ちょぉーーー!!凍結封印、反対ー!!!』

 

「あー……あちらの平行世界の結末の末か?」

 

リーゼ姉妹が、二人して反対とか言い出した。

師匠が、平行世界云々言っているが意味はわからない。

 

「今すぐ、帰ってお父様に相談するからっ!」

 

「この首輪外して!ここから、逃がしてぇ!!」

 

「えー…………僕、テスタロッサ家に帰るのぉー……」

 

「ちょ!?待って!お願いだから、私達を帰してぇ!!」

 

「任せて!本局崩壊の日は、近いよ!!」

 

そんな反応をすると……師匠が、ムッチャ喜ぶぞ?

ほら、リーゼ姉妹に背を向けて超楽しそうだ。

( ≧▽∩

 

「お願い!お願いだから、私達をお父様の元に帰して!」

 

「ダメだよ。おい!神崎、管理局の黒い影の事を教えてやれよ(笑)リーゼ姉妹に!」

 

「ええぇ……部外者が語る事じゃないんですけど……」

 

「だからだよ!管理局の内情を部外者が知っていて、関係者が知らないって事実をしっかり理解させてやるが良い」

 

「ひでぇなぁ……はあ。じゃあ、管理局の闇を教えてやるよ(苦笑)。耳かっぽじって、ヨーク聞きやがれ!!」

 

てな訳で、リーゼ姉妹に管理局の闇……しいては、最高評議会についてをツトツトと語ってみせた。補足説明は、師匠が映像付きで見せてくれてリーゼ姉妹は真っ青を通り越して真っ白に燃え尽きている。割りと芸達者だったので、最高評議会とジェイル・スカリエッティとの関係やレジアス・ゲイズとの関わりを事細かに語り聞かせてしまった。

 

「因みに、この話を漏らすと……管理局の精鋭が、君達を口封じに来ます!君達の関係者諸々、皆殺しになるんだよ……」

 

つい、師匠と似た様な捏造を含めてしまったが……まあ、問題ないだろう。

 

「神崎も殺るようになったなぁ……」

 

「えへへ。そうですかね……」

 

『鬱だ。死にたい……』

 

ヘナヘナとその場にヘタリ込み、ガーンという擬音が聞こえて来そうな程落ち込んだリーゼ姉妹は部屋の隅で今度は『帰りたくない』と言い出した。

それを聞いた俺は、師匠がリーゼ姉妹に『帰れ』と言い出すのだろうと思っていたが……流石にそこまでは、天の邪鬼ではなかった様だ。しかし、次の言葉を聞いた瞬間……俺は、師匠がひねくれ者である事を確信する。

 

「帰りたくない……か。なら、ギル・グレアムが迎えに来るまでいると良い。お前達を捕縛して早一ヶ月半だ……そろそろ、この近辺に出没し始める頃合いだろう」

 

『……っ!!』

 

「音信不通になった使い魔を探しに……ですか?まあ、あり得ますけど……」

 

「音信不通処か……この神社周辺だけは、リンカーコアを使用した魔法が使いにくい状態にしてあるからな。外に向けての念話も通りにくいし……」

 

「あー……俺、リンカーコア無いんでわからなかったッス!」

 

「ギル・グレアムの顔は、管理局のデータベースから拝借した画像データで確認済みだからフレールくんに探させているところだ。出没したら、即確保するぞ?」

 

「お父様が、そんな簡単に捕まる訳が……」

 

「こっちには、リーゼ姉妹っていう切り札もあるしなっ!!」

 

「超簡単に捕まえれそうデスヨネ!!」

 

何となく、こう言え的な圧力があったので師匠に合わせてみた。その結果、リーゼ姉妹が泣き出してしまう。

師匠は、そんな二匹の猫を満足そうにニヤニヤとしばらく眺めていたが、『ソロソロ時間がなくなってきた』と言い出し秘密基地からテスタロッサ家に戻って行ってしまった。

 

「ああ……私、どうしたら良いの?お父様ぁ……」

 

「と、蜥蜴……蜥蜴の大群がぁ…………」

 

頭を抱えた二匹の猫が、自分達の置かれた状況に答えが出せず混乱したまま日々を過ごして行く。

闇の書は、既に起動しているので今は『事』が起こるのを待っている状況だが……闇の書の完成を目論む、仮面の男が出てこない闇の書事件がどんな展開を見せるか楽しみでもある。

 

「うっかり、リーゼ姉妹の役割を言い忘れてしまっていたからなぁ……まあ、劇場版の事もあるし……いてもいなくても、大丈夫だろう……」⬅割りと適当。

 

俺は、リーゼ姉妹を見ながらそんな事を呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 




使い魔達が、ナイスアシスト!
これで、双夜の暴走が止まる!その為の幼児後退化でもあるのです!!それなのに、チビッ子化してるのに無双してベ○坊ネタとか!被害者は、高町家の戦闘狂達!……合掌。
それでも、【次元の果てから】の中には双夜以上の猛者が……w!?まあ、それは良いのです。
ぶっちゃけ、あの人は来ないから!

神崎が、同じネタを繰り返すのがウザい件。
でも、ギルガメッシュ顔の神崎が「なんでさ!?」って言うのはおかし過ぎるwそして、戻って来ちゃった主人公。
レン・K・ヴォルフラムが、無防備な双夜を転送魔法攻撃で殺害したけど……クロノを巻き込んで報復されてるのでノーカン?一番の被害者は、クロノのデバイスのS2U。

リーゼアリアが、トラウマを再度収得。TAKE2で初だけど良い感じに狂って面白くなってきたところw
そして、神崎くんも適当な人へと変わっていく。


そして、没ネタです。切り捨てた文面です。
本当なら、「スカさん捕まえよう!」の後、これが投稿されるはずでした。しかし、そうなると神崎の存在意味がアレなので、神崎の為に切り捨てました!
でも、もったいないのであとがきに乗っけw

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

そんなこんなで、やって来ましたジェイル・スカリエッティが潜伏する無人管理世界。そして、俺の隣でリーゼ姉妹は……目を点にしてその光景に食らいついていた。
目の前には、数億の軍隊が召喚されて今か今かと命令を待っている。しかも、人形(ヒトガタ)に至っては全員が魔導師ランクがダブルSと説明されたら誰でも目が点になるらしい。

「僕と戦争してみる?」

『しません!!』

「時空管理局巻き込んで!」

『しないって言ってる(だろう)でしょう!?』

「一日も掛けずに、滅ぼしてみせるよ?」

『ヤらないっ!絶対、ヤらないっ!!』

「探索用使い魔に至っては、兆単位いるからなぁ……逃がさないよ?……逃がさないからね?」

『ヒィイイィィィィ…………』

リーゼ姉妹を軽くイジメて、俺は一歩前に出た。
そして、声を張り上げて命令する。

「さあ、お祭りの開始だ!ジェイル・スカリエッティと戦闘機人達をいたぶってやって来い!!」

『Yes sir!!!』

それにより、始まるのは蹂躙という名の暴力。
ジェイル・スカリエッティという、希代の犯罪者は問答無用で数の暴力に曝される。何の前触れも無く、唐突に攻撃を受けて逃げる事叶わず、あっという間に捕まった。
彼の虎の子の戦力は、無惨に破られて全員が捕縛を受け入れる羽目となる。そして、彼は出会う。本物の怪物に(笑)。

「やあ、初めまして、ジェイル・スカリエッティ?どうだい、僕が造り上げた【システム・ミリオネア・アガシオ】は?君が造った戦闘機人よりも上等だろう?」

「……いや、参ったよ。まさか、この私がこの襲撃を予測出来ないとはーー」

「仕方がないよ。君は凡夫なんだから、僕の襲撃を予測出来る訳がない!」

「っ!ドクターが、凡夫ですって!?」

メガネの娘、クアットロが反論を始めた。
だけど、今俺はジェイル・スカリエッティと話をしているのであってクアットロと話をしている訳ではないので、軽く蹴って黙らせた。軽く蹴った筈なのに、クアットロは数十メートル程吹き飛ぶ。

「ありゃ?軽いなぁ……機人っていう事だったから、もっと重いモノを想像していたんだけど……」

「いやいや、戦闘機人って言っても完全な機械人間とは違いますから、体重は人間と然程変わりませんて!!」

「……………………」⬅神崎に台詞取られる。

「そうなんだ……じゃあ、全力で蹴ったらミンチになっちゃうね!ハンバーグいっぱい作れそう♪」

「オイル臭いハンバーグは、食べたくありませんです!」

「じゃあ、魚のエサにする?」

「ちょっと、何て話をしてんだ!?」

「その気になれば、人間だって食材に出来るんだよって話だよ!ともかく、スカさんをお持ち帰りにしようぜ!!」

「ちょ、ちょっと!時空管理局に引き渡すんじゃないの!?」 

「そんな事をしたら、裏から手を回されて……また、野に放たれるじゃないか!コイツを囲ってるのって、管理局の最高評議会だろう?なあ?」

「そうですよ。時空管理局を、信用すると痛い目を見ますよ」 

「ちょ、どういう事よ!?何で、コイツが管理局と繋がってるって話になるのよ!?」

「まあまあ……じゃ、遺伝子いただきまーす!」

ジェイル・スカリエッティの髪の毛を一本拝借。
そして、DNAを抜き出し視覚化して見せる。

「ちょ、師匠!何で、ジェイル・スカリエッティのDNAを抜き出したんですか!?……な、何するつもりなんです!?」

「ああ!?ジェイル・スカリエッティを量産して、管理局に送ってやるんだよ!そしたら、大変そうだよな!」

「嫌がらせか!?」

神崎の怒鳴り声を聞きながら、クアットロの髪を掴んで引き摺って行く。何か呻いていたけど、無視。
適当にジェイル・スカリエッティの隣に放置して頭を踏み付けてみた。

「師匠!?」

「このまま、踏み抜いても大丈夫?」

「ダメですよ!ってか、【クレッセント・ノヴァ】で良い子にしないんですか?」

「しても良いの?」

「どうせ、放置していると五月蝿いだけですからね……殺っちゃって下さい」⬅鬼

「あ、うん。でも、その前に……おーい!アルカリア、施設を作り直して偽造して爆散させといてぇ!!」

「はあ!?何でですか!?」

「科学系の研究者の夢って、爆死じゃないの?」

「何ですか!?それ……」

「さあ……科学者の夢?」

「わからないなら、言い出さないで下さい!!」

「まあまあ、とりあえず……人体複製!!」

全員の目の前で、ジェイル・スカリエッティのDNAから……一つの細胞を複製し、それを分裂させて急ピッチで人体錬成を行う。ちょっと、グロかったけれどあっという間にジェイル・スカリエッティの肉体が完成した。

「よっしゃ!これを使って、ジェイル・スカリエッティの死亡を捏造しようぜ!!」

「ちょ、ちょっと!ジェイル・スカリエッティを管理局に差し出さないつもりなのか!?」

「大丈夫、大丈夫!いつか、突き出すから……今は、弄らせてよ!!どうせ、危険度は低いだろう?アルカリア、ちゃんと日記に爆死が夢って書いとけよ?」

「わかっています」

「危険度が低い?」

「だって、誰かが造ったロストロギアを研究して自己満足に浸るしか能の無いただの研究者じゃん!そりゃ、ロストロギアが造れるなら危険度はうなぎ登りだけど……高々、研究して流用する程度の事しかできないんだから……危険度は低いだろう?」

「……………………」

スカさんが、呆然とした顔で俺を見上げている。
その隣で、話を聞いていたウーノが怒気を放ち始めていた。

「黙って聞いていれば、ドクターは凡夫でも能無しでもありません!!ドクターはっ!」

「五月蝿いなぁ……来い、闇の書!蒐集だ!」

「ほぅ……闇の書か。だとしたら、君も私と同じ穴のむじなではないのかね?」

「これは、僕が造った闇の書モドキだよ。守護騎士もいなければ、管制人格も入っていない……ただの大型ストレージデバイスだ!」

「…………闇の書を造ったのかい?ロストロギアを?」

「そうだよ?それが、どうしたんだ?」

「いや。どうやら、私の勘違いだった様だ。君は、私とは別の何かなんだろう……それが、本当に本物の闇の書でないならばだがね……」

戦闘機人から、リンカーコアを奪って蒐集を終了する。
使い魔達は、スカさんの死亡偽造を終えて散開し始めた。
きっとまた、全次元世界に散って情報収集にあたるのだろうと考えられる。

「とりあえず、君等には僕達と一緒に来て貰うよ?」

「何処へだい?」

「もちろんーーー」

全てを言い終える前に、俺の腕に誰かのバインドが絡み付いて来た。そして、大きな声が頭上から聞こえてくる。

「動くなっ!!時空管理局だ、無駄な抵抗は止めて投降したまえ!!」

「…………リーゼ姉妹か?」

振り返り、リーゼ姉妹をみる。
しかし、リーゼ姉妹は取れるんじゃないかと思う程首を横に振って無罪を訴えていた。

「し、知らないわよ!?」

「わ、私じゃないよ!?」

「まあ、良いや……悪いけど、君達に付き合ってはいられないんだ……じゃ、そういう事で……」

バインドを破壊して、スカさん達を回収しようとすると……哀れな局員は、攻撃魔法を俺の足元に撃ち込んできた。

「スカさん、君達の手の者かい?」

「まさか。局員に知り合いはいないはずだよ?」

「ふーん。ま、良いや。どうせ、障害にも成りはしないし……所詮、雑魚は雑魚。さっさと、消えてくれないかな?」

「何を言って!?」

「集束……すたーらいとぶれいかー!」

ほぼ、ノータイムで周辺の魔力素を集束してSLBをチャージ。そして、局員目掛けて撃ち放った。
当然、局員は俺の放ったSLBを回避仕切れずに直撃。
出現後、数秒足らずで魔力ダメージでログアウトされた。

「はい。おしまい……」

「ちょ、これは不味いんじゃないか!?」

「瞬殺か……凄まじいなぁ……」

「ちょ、ちゃんと非殺傷設定だよ!!」

「師匠ぉ……SLBをディバインバスター並みに撃たないで下さい。一応、それ……切り札扱いなんですから……」

「ええっ!?良いじゃん、デバイス無しでも撃てるようになったんだから!ちょっとくらい、大目に見てよ!!」

「集束砲撃をデバイス無しで?」

「もう、化け物で良いんじゃないか?」

「何故だろうなぁ……私達を完全無視とか……」

「チンク、目覚めたか……」

「ドクター……如何致しましょう?」

「クアットロ、行けるかい?」

「ええ。ドクムギュ……」⬅踏まれた。

「おやおや、逃げる算段かい?なら、仕方がないかな……侵食、レリック分離…………排出っと……クアットロ、どうしたんだ?ほら、抵抗しないと侵食されちゃうよ?っと、ブロック排除。精神侵食開始。にゃははは!甘い甘い、その程度の防御じゃあ僕の侵食を止められないよ(笑)」

「あ、ああ……あ、あう……ぐあ、あ、あ、ああひぃ……」

「ほい。クアットロのレリック分離完了♪回収っと!」

「あーあ。クアットロさんが、ログアウトされました……」

「させないよ!?ってか、ちゃんとレリック無しでも動けるように調整してるよ!?直ぐに、目を覚ますからね!?」

スカさんと他の戦闘機人達の目の前で行われるレリック分離が、どれ程のショックだったのかは不明だが……その後の彼等は、とても大人しかったとだけ言っておこう。とは言え、いつまでも無人管理世界にいる訳にもいかなかったので俺達は地球の秘密基地へと戻ってきた。
そして、数日後……戦闘機人達は、機人では無くなっていた。俺の世界や次元の果ての技術を使って、戦闘機人達の肉体を機械から生身へとコッソリ替えてやってみた。
最初は、違和感を感じていたみたいだけど……しばらく様子を見ていると、問題なく生活を送り始めたので気が付かれ無かったもよう。いつ、気が付くかなぁ……と、ドキドキハラハラしながら、トーレを……チンクを……セッテを……ドゥーエを……ウーノを……クアットロを……生身の人間へと戻してみた。
しかし、数日経った今でも気が付いていないらしい。
そろそろ、ネタばらしするべきなのかもしれない。
因みに、彼女達の肉体は秘密基地の奥にある施設で交換した。交換と言っても、機械的にではなく魔法科学的に魂を抜き出して、こちらのクローン技術で複製強化した肉体に魂を定着させるやり方でだ。生身化を誤魔化す為に、ナノマテリアルを使って戦闘機人風の視界を演出するのを忘れない。
結果、スカさんが産み出した戦闘機人はこの秘密基地の奥の部屋でコッソリ破棄させて貰った。後、半年もすればナノマテリアルの効果が抜けてただの人間へと戻るだろう。
他の姉妹達も、使い魔が回収して俺が人間化させて解放した。

「はてさて、どうなる事やら……にゃははは」

「……何がだい?」

「僕の悪戯は、ちょっとやそっとの事では見破られないって事だよ。まあ、それに気が付いた時はもう遅いんだけどね」

『???』




てな感じになるはずだった(笑)
でも、原作を全力全開でブレイク。神崎くんを呼んだ意味が無いので、バッサリ没にして書き直ししました。
本当はこの後、あり得ない人の乱入を予定していたのだけど止めて現在のを掲載しています。まあ、蛇足ッポクなってますが……双夜がある事に気が付くのを待っているだけなので、もうしばらくお付き合いくださいw

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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