Fate/~DC~ フェイト/~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
魔術道具に興奮したり、地脈スゲェって気付いたり、英雄を呼ぶ触媒見せられたり、凛嬢がかわいかったり、衛宮切嗣の経歴を見てワクワクしたりとこれから起こる聖杯戦争に向けてテンション上がってる鷲津翔です。
今は時臣氏が英雄を召喚するってんで与えられた部屋で二十分割、かつ十秒ごとに画面が切り替わる空中モニターが送ってくる画像を眺めてのんびり監視している。全六十機のステルスフロートサーマルカメラと妙な熱源を探知したら自動でお知らせしてくれるシステム込。今ならなんと一機で4980円(税込)で御提供させていただきます!
なんとこれ、この世界で作りました。ぶっちゃけるとオーバーテクノロジーなんてレベルじゃないんだぜ!
でも俺は信じてるんだ、後三十年くらいしたら大きいけどフロート試作品が出来るって!
「だからもうちょっと早めて二十年後くらいにしてあげようって親切心さ!」
他人がそれをお節介というのは知っている。だがしかし、俺はお節介の塊のような人間なのだから仕方があるまい。
数少ない親戚の祝い事とか全技術力とコネと金を奮発して子供がドン引きするくらいのものを上げちゃうのも仕方のない事なのさ!
過去最高で・・・家かな?ウチの娘の結婚式で盛大な家をプレゼントした。勿論娘と新郎の意見をたっぷり取り入れ、子供の成長にも対応出来るようにした素晴らしい家だ。
息子は結婚祝いに家じゃなく車を欲しがったから有名車メーカーに技術提供して試作品(アニメ的な意味の)をくれてやった。いやぁ、案外俺の知識って車でも行けるんやね・・・まぁ分かり切った事だけれども。
さーて、送られてくる画像を観察する仕事が始まるおー。
「そこな雑種。この
部屋にやってきた黄金で出来た鎧をきた金髪赤目の偉そうな男がなんか言って来た・・・葵さんと凛嬢を見送ってから世界で最初に脱皮した蛇の抜け殻で調べたんだけど、もしかしてこいつがギルガメッシュ?
前世の人の記憶的にはスッゴイカリスマ!みたいな感じだったけど・・・そうでもないなこれ。
「正直服は自分のセンスで選んだ方がいいと思うんですがそれは」
「む?よもや雑種、この我に意見を述べるつもりか」
「意見というより提案ですけどね。まぁ適当な服買ってくるんでその服着て自分で探してきてくださいな」
「・・・貴様、名は」
「アサシン、鷲津翔」
「では貴様、今すぐとって来い」
「名前聞いたんならそれで呼べや・・・つーか、まだ店開いてないからね、明日ね?」
「貴様、この我に待て、と」
「それが今の世の中だからね?その鎧でその辺うろつくなら好きにしてもいいけど?」
つーかなにこの駄々っ子、むっちゃイラつくわぁ。こんなんが王で俺が民だったら謀反起こしてるわぁ・・・
「ふん、まあよい雑種よ。貴様の宝具は如何なものか、見せてみよ」
「え?宝具?まぁいいけど」
首のドッグタグからリンゴを取り出した瞬間目の色変えて掴みかかってきたんですけど、マジで何なのこいつ。
「貴様!これをどこで手に入れた!」
「どこって、しいて言うなら貰った」
「貰っただと!貴様、これが何なのか理解していないのか!」
「いや、リンゴだろ?知恵のリンゴ。人間が全裸でフライアウェイする切っ掛けになったって奴だろ」
「・・・貴様。この我が探し求めてもなお見つけられなかったものを・・・」
「やらんぞ、こいつは有能なんだ」
「有能な事程度分かっている!・・・だからと言って何故このような奴の手に・・・」
「そのことなんだけどさ。これ、結構数あるらしいぜ?」
「・・・ソレは真か」
「イエス、ちょっと待っててくれ」
リンゴにこの世界に遺品が有ればそれを3D地球儀に表示してもらう様に指示して机の上に置く。
数秒もしない内にリンゴが輝き、真上に黄色い地球の3Dモデルを表示し、パッと見四か所に光る点が配置されている。その内の一つが日本にあるしここなのだろう。
「こ、これは・・・」
「ということで、この世界に三つあるらしい。場所覚えて聖杯戦争勝って受肉でもして探してみれば?」
「ふん、元より聖杯などこの我の物。我が蔵に再び収めるだけに参加したようなものよ・・・しかし、良い案だ。鷲津よ」
「ども。とりあえず、今日はもう眠ったらどうです?」
「ふむ、雑種共が群がる催しにしてはなかなかどうして・・・では明日、我の服を用意しておけよ」
「十一時半くらいには用意しておきますよ、なんか適当なの」
何故か高笑いしながら消えて行く彼を見送り・・・
「で、アレはマジでギルガメッシュだったのか・・・」
未だ信じられない俺です。いや、だってさ、ほらさ・・・生で見るともっと凄いのかと思ってたんだよ・・・あんなんだったらISが第二世代になった事で終わった女尊男卑後に就任したアメリカ大統領の方がカリスマあったわ。
中継で演説見てたけど思わずアメリカに住民票移して投票しようか悩んだくらいの人だったからな。それと比べれば所詮は過去の人間、という事か。
とりあえず、その辺の服屋に入って今のセンスを調べ・・・イケメンなら何着ても似合うだろうと放棄した。
白いVネックの七分?六分?くらいのシャツ。ズボンはなんか黒地になにか模様のあるスラックス。
ついでにその辺の本屋で買った漫画雑誌と観光雑誌を小脇に抱えて遠坂家に戻り霊体化を解除したギルさんに服を投げ渡してソファーに座って観光雑誌を捲る。
さーて、リアルゴルゴならどこからどこを狙うんだろうねーと思いながら観光雑誌についてた地図を机に広げて赤マーカーを片手にハァハァしてる。
「雑種、一体何を発情しておる」
「いやぁ、アサシン的にはねぇ。なんか知らんけど興奮してきた」
「・・・意味が分からぬぞ」
「暗殺者の気持ちが王に分かられて堪るかってんですか。かく言う俺も暗殺者とは程遠いけど」
「アサシンとしてのスキルもあのリンゴの恩恵か」
「んいや、あれはリンゴ入手前の修行。リンゴはどっちかっていうと知識だな、伝承通りの知恵を与える代物だからなー」
「ではもういらんのではないか?どれ、我に献上しても」
「誰かに与えて貰って嬉しいかい王様?探検家なんだろう?自分の手で掴み取ってこその宝だろう?」
「ふん、雑種如きで言うではないか」
「場所は教えたんだし、後は勝手に受肉して探してきてくれよ。俺を巻き込まずにな」
そんな話をし、漫画雑誌を適当にめくってたギルガメッシュが立ち上がり「少し現世を見物してくる」と言って出て行ってしまった。
なんというか、口調が高圧的なクリスってだけだな。クリスと言えば・・・うん、この話題はやめておこう。
遠坂庭を見下ろす道路の脇に立つ二人の男。カソックを着た男と、白いコートを羽織りフードを目深に被った男、というか俺だ。
「アサシン、では頼むぞ」
「あー、うん、俺からしてみれば杜撰な計画なんだけど・・・ま、いいか」
マスターとその師の作戦にため息を吐きながらリンゴを取り出して、真っ直ぐ上に掲げる。
リンゴを中心に黄金に輝く球体が広がり、やがて見えなくなったところで俺の前に黒い肌に黒い腰布を巻き、白い髑髏を模した面をつけた人影が現れる。
「・・・これは」
「遠坂家にある聖杯戦争の文献読んで、普通のアサシンはこんな外見してるって言うじゃないか。だから俺の宝具で幻覚として作り出した」
「なるほど、アサシンらしい宝具だな」
「いやー、マジこのリンゴ便利でねー。ぶっちゃけこれをある使い方をすれば何もせずに勝てるレベル」
「・・・では何故そうしない。裏切ってしまえばいいだろう」
「なんでか知らないけど折角お呼ばれしたんだし楽しみたいじゃん?裏切るなんて心が痛むこと、俺にはとてもとても出来やしないよ」
リンゴで他マスターに「サーヴァントを自害させよ」ってやるのは確かに簡単だけど、折角俺でも知ってそうな英雄達と戦える舞台なんだぜ?乗らないわけにはいかないだろ。
それに裏切りなんて、考えもしなかったぜ!
「というわけだ、偽アサシン君、ゴー!」
なんて言って指示すると「容易い事よ」とか言って駆けて行った。ごめんな偽アサシン君、ごめんな・・・
「そしてこれで観察してみましょー」
「・・・アサ、シン?」
「疑問に思うだろー?でもこれでアサシンらしいんですよ」
ステルスフロート監視カメラを解き放ち、空中モニターに送られてくる映像を表示する。
アサシン君がスタイリッシュにダンスしてるわ・・・スゲェな、マジでアニメだこれ。
「ま、後は流れで」
「・・・あの幻影は魔力で作られた結界が見えるのか」
「リンゴは魔力とか把握してるっぽいんで、アレ使えば俺でも魔術使えるんじゃないかな?」
「・・・凄まじい宝具だな。キャスターの適正があるのも頷ける」
「もうリンゴ単品でいいんじゃね?って感じ・・・あ、偽アサシン君お疲れ様でーす」
モニターで飛んできた剣やらなんやらが地面に着弾して土煙を上げた事を確認し、リンゴにお願いして偽アサシン君を消してもらう。
「これで作戦その一が完遂。ではその二へ移行しようかマスター」
「ああ、私の言峰教会への避難だな」
「じゃ、俺その辺にいる使い魔探して他のマスターの住居洗ってくるわ」
「くれぐれも、見つからぬようにな」
「一応気配遮断のスキルもあるし、いざとなれば宝具もある、大丈夫大丈夫」
「では、お互いすべきことを為す事としよう」
「じゃ、またあとでなマスター」
霊体化して天然ステルス状態へと変身し、森を適当にフラフラと歩く。
元々遠坂庭付近に飛ばしていたサーマルステルスフロート監視カメラからの報告を待ちながらちょっとした宝物探しの気分だ。
監視カメラからの連絡で行ってみると、なんと蝙蝠がカメラを無理矢理取り付けられていた。
しかし、電子機器で良かった。これなら俺でも逆探知できるぜヒャッハー!
「いやーまったく、散々ハッキングされてたのにこの後に及んで電子機器とは・・・逆に?逆に俺を釣ろうって?」
イイじゃないの。仮にも英雄認定された俺に喧嘩を売るとはな・・・
「という事で探してきましたアインツベルン城」
森に面した道路のガードレールに腰かけて森の奥にある城を眺める。
いやー、あの城って魔術で見えないようにされててさー、リンゴさんが勝手にナニカしてくれなかったら気付かないところだわ。その辺に捨ててあったチャリに乗ったままスルーするところだったわ。
乗り込んでもいいんだけど・・・アサシンさんはさっき脱落したってことになってるし、別サーヴァント装うか?装えてアーチャーなんだけど王様でバレバレなんじゃないかなぁ・・・
よし決めた、ただの人間装おう。リンゴ使ってサーヴァントじゃなくて人間に見える様にしてー、剣を腰にさしてー、っと、なんか、どこかから見られてる気が・・・よし、逃げるか。
逃走を決意した直後、森の奥から何かがこちらに走ってくる気配が強まったのでおもむろにチャリに跨り全力で漕ぐ。
カーブでちらっと後ろを振り返った俺が見たのは青いドレスに所々に鉄の防具をつけた金髪の女性がガードレールを飛び越えた所だった。
悪いなセイバー、これも生きる為なんでな。逃げさせてもらう!
「というわけで、セイバーは森の中の城が拠点ですた」
「つまり、アインツベルンがセイバーのマスターか」
「衛宮切嗣かもしれないですよ?」
「ふむ、その両方の可能性を追うことにしよう。報告によれば衛宮切嗣とは何でもするのだろう」
「後、聖杯戦争の資料読んでたら聖杯を用意するのがアインツベルン、みたいなこと書いてあったんですけど?」
「うむ、我が遠坂家は土地を、間桐は令呪を、アインツベルンが聖杯を各々提供する事なっている」
「して、その聖杯はどこに?」
「アインツベルンの保有するホムンクルスの中だ」
「ちょっと攫ってきます?」
「・・・そういえば、アサシンだったな君は」
「なんか酷いこと言われたんですがそれは」
「時に、璃正氏から学んでいる八極拳の方はいかがかな?」
「いやー、見事に伸び悩んでますよ。気ってなんですかね、もうホント・・・」
「しかし、地脈は理解できたのだろう?」
「地脈の力借りれてませんし、力の利用はなんとなく分かるんですけど気ってのはもう、なんだかさっぱりで」
「綺礼から聞いたが、宝具を使ってみては?」
「いや、これ使ったらなんでも分かっちゃうんで嫌なんですよ。人間なんでね、全知全能とか荷が重すぎて。宝具は俺にとっては便利な道具程度なんですよ」
「通常なら宝具とはその英雄を象徴するものなのだが・・・まあ、君に関しては常識を当てはめる方がおかしいか」
「なんで俺、ここでも同じような扱い受けなきゃいかんのよ・・・」
息子や娘が結婚する前の結婚相手に「お父さんどんな人?」って聞かれて必ず「『父親ってこんな存在』って常識は捨てといた方がいいよ」って答えてるのを知った時くらい凹むわぁ。
なんかマイルド英雄王さん。
そして馴れ馴れしいアサシン君。
に、偽アサシーン!
アインツベルン城観察日記。
聖杯戦争の聖杯とは?
次回
多分港でドンパチ