Fate/~DC~ フェイト/~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
うん、こいつを原作に巻き込むには暴走させるしかないんだ・・・使いにくいなこいつ。
※原作、またはアニメを見た後での閲覧を推奨します。相違点がございますが、脳内保管の方をよろしくお願いいたします(いまさら)
マスターの記憶を夢に見たり、英雄王さんに縛り付けられたり、タバコの自販機の前で面白がってたらリアルゴルゴさんと遭遇したり、美人二人の後を追跡したりとそろそろ聖杯戦争がはじまりそうな雰囲気にワクワクしている鷲津翔です。
スーツからジャージonアサシン装束に身を包み、フードを深く被る。顔、切嗣さんにさっき見られちゃったし。何よりノリで。
あっちでドンパチやり始めた二人は放置してあちこち散策することにした。
ひとまず一番全体を見渡せる大きなクレーンの一番上に立つ。
サーマルゴーグルを使って辺りを見渡せば何もせずに倉庫の屋根の上に一人発見。
何やら見られている気配がしたのでコンテナの方に目をやるとその上に寝そべっている人物が一人。
とりあえず人差指を口の前に添えて悪役感を出してみる。
そしてそのコンテナの上の人から目を反らしてちょうど反対側にいた人影を発見する。
というか倉庫の人だけ立っててなんか笑えてくる、戦争やってんだぞってツッコミたいけど今はやめておこう。
場所を良く覚えてサーマルゴーグルから水泳用のゴーグルに変えて準備万端。
クレーンの天辺で膝を曲げ、トウッ!と海へ向かってジャンプしてオリンピック選手もビックリの無音着水を決めて三番目に見つけた人影の元に泳いでいく。というより虱潰しだ。サーマルゴーグルの視界だけじゃわからねぇよ。
なるべく音を立てないように海から上がり、こっそりと移動を始め、のっそりとコンテナを登っていく。
コンテナの端から少しだけ頭を出して様子を窺うとこちらに背を向けて片膝立ちしている女性の姿。
リンゴを使って辺りの通信機を遮断をして、そっとポケットから取り出した発信器を背中に軽く投げ、くっつき虫みたいな外見したソレが服に引っ付いたのを確認し、フードをかぶり直して拡張領域からブレードを取り出して彼女の顔の横にそっと添える。
「動くな。お前はマスターか、あるいは違うか。どちらだ?」
俺が紳士的に声をかけたのまではいい。だがいきなり振り返って銃をこっちに向けるんじゃない。咄嗟に足で銃を蹴り上げて相手の胸にヤクザキックをして倒し、その腹に師範に教わり、そして八極拳で学んだことを生かして体重全乗せした震脚モドキを叩きこむ。
「まぁ焦らない焦らない。狙撃が生業なんだ、よく分かってるだろおねぇちゃん?」
「ケッ、カハッ・・・あなたは、いったい」
血を吐きながらこちらに聞いてくる女性。うわっ・・・俺の蹴り、強すぎ・・・?
「同業者みたいなものだろうな・・・え?ステアー?こりゃなんというか、妙な銃を」
「・・・なにが、目的」
「まぁ言っちゃうと、君だよね。マスターじゃないのにここにいて、狙撃する気満々と来た。どっかのマスターのお仲間だろ?と言うことは?」
「ッ、人質!・・・ですが残念でしたね、私に人質としての価値はありませんよ」
「それはそれで別にいいんだよ。人質として使えなかった場合、君には幸せな人生を提供してあげよう」
「・・・・・・一体何を考えているのですか」
「特に何も。人質にして、使えなかったらポイ、なんてあまりにも報われないだろう?」
悲しいことに、利用するだけ利用して後はポイ、と言うのが世界の裏では良くあることだ。
ある時は、世界最強の人間を作ろう!とかいう組織を潰しに行った時、千冬さんがその成果とされる少年をぶっ潰したんだが、完成したその彼以外はもう、俺たちが踏み込んだ時には・・・その彼には「来るのが遅い」と怒られ、まぁ子供の様に扱って育てたりもして、結果として一夏君より英雄することになった。ま、まぁ一夏君はみんなのヒーローだったからそれでいいんだけども。
そんな彼も嘆いてた。「自分は一夏さんの様に全てを救えない」と。世の中そんなもんとかそういう前に、見てる世界が違うんだからしょうがないのだと熱弁してたら千冬さんに叩き潰された。これは家庭の闇だ。
「というわけで、些細ながらも幸せに過ごして貰うぞ!俺のためにな!」
「意味が、分からない・・・」
「それが売りみたいなところ・・・セイッ!」
咄嗟にブレードの腹を顔の横に動かした直後、発砲音とブレードから伝わる衝撃を感じて狙撃されたことを理解する。
「嘘はいけないなおねぇちゃん。ちゃんと人質としての価値があるみたいじゃないか」
少しだけ狙撃された方向を見てから彼女の方に目をやるとコンテナから飛び降りている背中が見えた。マジか、これは本格的に捕縛しなきゃダメなのか・・・まぁ、発信器は後ろから近づいた時にくっ付けてあるしステルス機に追わせよう。
よし、狙撃してきた奴はもう別の場所に向かってるだろうから倉庫の上で突っ立ってる人の所にでも行くか。
そう決めて移動を始めようとした直後、雷鳴が響き「双方武器を収めよ!王の御前である!」と野太い声が響き渡った・・・魔力とか科学とか使わずにこの声量、王様ってスゲェな。
征服王だとかイスカンダルだかライダーだとか自己紹介してる・・・ドヤ顔してるだけの英雄王とはまた違う王様だな。どっちかっていうとこの王様の方が俺は好みだな。
なんかマスター同士で会話してたり、「見てるだけのサーヴァント、出てこいやぁ!」みたいなこと言ってるし・・・仕方ない、出るか。と思ったら思ったで英雄王が街頭の上に若干おこ顔で現れたり・・・
もう俺、出て行かなくていいやぁ。
「やっぱ生で見ると迫力が違うねぇ・・・ぶっちゃけ勝てる気がしねぇわ」
飛び降りたクレーンの天辺に再び登り、ハンディカメラ片手に眺めているのだが・・・空中に無数の黄金の渦が浮かび上がり、その一つ一つの中心から武器の先端が頭を出している。それだけでも十分だというのにその渦からかなりの速度で射出され爆発するんだからもう・・・宝具武器ってスゲェ。どれか一つリンゴと交換しない?
俺の時代にあんなのいたら・・・・・・いや、束さんと千冬さんなら何とか出来るかも。そう思わせる二人がおかしいんだってことは理解している。いるんだけど・・・ちょっと見てみたい気もする。千冬さんなら第三世代のISでもあの飛んでくる武器なんて吹き飛ばせるだろうし、というかあの人飛び道具無効のスキルでもついてるんじゃないかと・・・まぁ今はいないんだ、いない人に頼るものじゃない。
「俺だったらアレどうするか・・・ってかあの黒いのも厄介なんだよなぁ、掴んだ物全て宝具化ってなんだよ、原典どんな逸話だよ謎すぎるわ・・・」
英雄王と対峙する黒い騎士。いや、リンゴサルベージの前世の人の記憶では有名な騎士で、その場にいる緑色のタイツの赤と黄の槍持った人の伝承が他の話に頭出したらしいんだけども、その場合パワーバランスはどうなっているのか少し興味が出てきた。
「うん、なんだか楽しくなって気だぞぉ!やっぱり乗り込もうかな?乱入するのにクレジットは必要か?リアルなら無料!しかしタダより怖いものは無い!うーん、どうしよう」
そんな感じでグダグダやってる最中にも港はドンパチの嵐が収まり、英雄王が去って行った。
よし、荒らすか!とカメラを仕舞おうとした時だ、斬れて落ちていた街頭の支柱を掴み取って青いドレスに着替えた黒スーツの美人さんに襲い掛かった・・・どういう状況?ってか前世の人の記憶も完全じゃなくってストーリあんまり覚えてなくてキャラだけ分かってるのが現状だし、どうすりゃいいんだろうなこれ。
あ、ランサーが助けに行った。
お、ランサーが令呪使われて青いドレスのセイバーに攻撃したぞ。
ライダー観戦してるだけだし、セイバー左手負傷してるし・・・よし、行くか。
「ヒャッハー!俺も混ぜろやー・・・え?」
クレーンからダイブし、黒い騎士でも踏みつけようと思っていたのだが雄々しく叫ぶ征服王が乗る牛が引く戦車が俺を黒い騎士ごと跳ね飛ばした。
車田飛びの如く飛ばされ、地面を何度も転がる。
「よ、鎧が無ければ即死だった」
牛に跳ねられる前に咄嗟の判断でISを装着したのが功を相した・・・しかし一撃でシールドエネルギーが消し飛んだぞ。白影だからってそれ理由にならねぇぞ!
俺のすぐそばでは地面に手を突き、まるで生まれたての小鹿の様に震えている黒い騎士が消えて行った。
「・・・お主、何がしたかったのだ?」
「おま、おまえ・・・お前が突っ込んでこなきゃセイバーにでも加勢しようとしてたんだよ」
「そうだったのか・・・してお主、我が軍門に下らぬか?」
「なんでよりにもよってこんなわけのわからない奴を勧誘してるんだよ!ヤケか?ヤケになったのか!」
「いや、こういった者もある意味では必要になるぞ?」
「なんか楽しそうに会話してるところ悪いんだけど、俺は俺でやることがあってだな」
「ふむ、そうか・・・では次に見えた時に戦おうではないか!」
「征服王、牛に轢かれたこの恨み、次にぶつけてやるぞ畜生め」
そして爆笑しながら空を駆けていく・・・え?待って、なんで牛が空走るの?サンタの鹿みたいな奴?なにあの牛怖い・・・そして空を飛んで雷纏ってる牛、少し食べてみたい。
そしていつの間にか解散になったのか俺以外の人の姿は港に存在しなかった。凹むわ。
とりあえず俺はそっと発信器からの信号をステルスフロート機に追わせてみた。
空飛んでった連中は・・・俺も空飛んでりゃその内見つけるだろ。
「結果として、鷲津。君がなんのサーヴァントなのか分からない、という状況を残したわけだ」
「あれだけ見たら意味不明だからな、俺」
無事に遠坂邸に戻ってきた俺は飛び出す前にクレーンに設置していたカメラの映像を時臣氏とマスターに見せていた。軽い黒歴史気分だが別に毎日が黒歴史だった頃と比べればダメージは少ない、むしろ誇る。
「キャスターでもないだろ、これ」
「いや、何も知らないものから見れば英雄王がキャスターの様に見えるだろう」
「あんな魔術あってたまるか!科学でも出来・・・」
いや、拡張領域から直接射出すれば、ワンチャン・・・
「あのような事が出来るのか、アサシン」
「やってみなきゃ分からないけど、可能性はゼロじゃない。調整したりすれば出来る・・・かも」
「恐ろしいな、科学とは」
「まぁ未来の科学ですけどね。意味の分からない科学」
「意味が分からないのに調整が出来るのか」
「何とかやってます」
だってリンゴ知識が勝手に指動かすんだもん!そりゃ俺だってある程度は自力で出来るけどISを一から作るなんてリンゴ知識無しにはできない芸当だ。
うん、生きてて上達したのは見事に物理で殴る系だけだ。技術系は全部リンゴだしなぁ・・・
「アサシン。事後処理をするのを手伝ってくれ」
「港の被害状況も酷かったしなぁ・・・俺に出来る事なら手伝うぜ」
「では録画していた映像を」
空中モニターを出して映像を開始する。
報告書を書いているマスターの横で、俺は俺で狙撃してきた人物を画面の中で追う。
いないんだなぁこれが・・・流石本職、片手間の俺とは違って徹底してやがる・・・だが、そこまでの男が何故人質にしようとした彼女を助けた?こういう事態にそういう人材を切り捨てられる人物ではないのか・・・どういうことだ!まるで意味が分からんぞ!銃使いが二人、来るぞマスター!・・・駄目だ、俺もう疲れてるんだわこれ。
「マスター、俺寝るわ。起きたら時間によってパトロールしてくるわ」
「うむ、ご苦労」
人質予定の人の発信器を追っていたステルスフロートが止まった場所はどうやら森の中の城・・・知ってた。
寝ようとして部屋に向かったら英雄王が不機嫌面で酒飲んでたけどそんな事は無視してソファーにぶっ倒れた。
なんか王様が言ってきてるけど僕は疲れたよギルガメッシュ、なんだかとっても眠いんだ。ああ、空飛ぶ牛がお迎えに・・・・・・
鷲津、久々のイーグルダイブ。
背後からそっと近寄り刃物を突き付け謎の幸せの押し売りをする事案。
衛宮さん舞弥さん人質化計画阻止。
鷲津、静観からの暴走。そして轢かれる。
報告、黒歴史。
次回
発破解体