Fate/~DC~ フェイト/~ダサシンクリード~ 作:凡人9号
季節の変わり目、と言うことで凡人は風邪をひきました。GWなのに・・・皆さんはカラダニキヲツケテネ!
港をあちこち動き回ったり、人質確保しようとしたら阻止されたり、英雄スゲーとか見てたり、参加しようと飛び降りたら牛に轢かれたり、英雄王の空中からの武器射出を科学で再現しようという計画をしたり、そんなこんなで鷲津翔です。
朝の鍛錬をし。みんな・・・今まで知らなかっただろうけど、遠坂邸で食事用意してるのって俺なんだよね。俺自体が遠坂邸やら言峰教会を行き来したり忙しくも楽しい日々を過ごしているわけで、最近時臣氏にインスタント食品に関する情報を与えてみたら何故かテンションが上がってた。食べたがってたから食べさせてみたらドハマりしてた・・・多分、疲れてるんだろう。
「アサシン、この情報は確かかね」
「この時期に大金出す外国人はそうはいないだろうし、名前も一致してる。殺してこようか?」
衛宮切嗣さんから奪った情報にある魔術師の総本山、時計塔の教師であり、衛宮さんから盗み見た情報によるとランサーのマスターであるケイネス・エルメロイ・アーチボルトの名前が新都のホテルの名簿に記されている。
いやー、最近作られたばかりのホテルは早速パソコンが仕事用に使われていて助かるね。
「この情報を見る限り・・・フロア一つを貸し切っているのか」
「夜襲かけられても大丈夫なように色々仕掛けてるんだろうけど、無意味無意味。被害を考えずに殺すだけならビル壊しちまえば終わりだしな」
「しかし、相手はやり手の魔術師。それさえも想定の範囲内かもしれんぞ」
「その時はその時だ。一つ拠点をつぶしたってプラスに考えて行こう。とりあえず下見をしに行く」
「今夜仕掛けるのか?」
「いや分からん。下見の結果次第になるな。仕事はしっかりこなすからいつも通り過ごしてな!」
「・・・少し、性格が変わってないか?」
「・・・・・・牛に轢かれたショックだよ」
「随分業が深いと見える」
「神父らしさは出さんでいいからほっとけ」
早速スーツに袖を通してネクタイを締めサラリーマン気分で教会を出ていく。二十五歳、職業は・・・暗殺者です。趣味は機械弄りです。好きなものは家族です・・・よし、これで就活決まったな。
不審者がいないか軽くパトロールし、昼食もとった俺は今、噂のアーチボルトが泊まっている冬木ハイアットホテルに侵入した。そう、リンゴを使って他人の認識を書き換え、俺は今清掃員として侵入しているのだ!え?本人?電気でビリビリにしてロッカーの中で寝て貰っている。作業服を着ながら背格好が似ててよかったとホッとしてもいる。
入れ替わる人間がアーチボルトの泊まっている上層を担当している事が前提条件なのだから少し難しかったが、それだけが難しいだけで後はベイビー・サブミッション、実際簡単だ。
替えのシーツが大量に詰まったワゴンを押し、エレベーターで上層へと向かう。
最上階三十二階、フロアを見て回り、昼になって出かけているのか誰もいないアーチボルトの部屋に入り手早くベットメイキングし、ゴミ箱を空にしておき、素早く出ていく。最上階で使われているのは一部屋だけなのでエレベーターで降りている最中にフロアの構造や部屋の見取り図を買って来た手帳に写し、仕事を終わらせロッカーの中の本人と入れ替わり、ホテルを後にする。
行き先は勿論言峰教会。マスターへの報告だ。
「で、これが地図な訳だ」
「・・・アサ、シン?」
「アサシンですが、何か?」
「なんというか・・・地味なのだな」
「暗殺って結局の所誰かが誰かに殺された!って分かればいいから・・・」
「そうなのか」
「元々暗殺者ってそんなんだし、俺がやってた事も表に出しちゃいけない所あったしなぁ」
「代行者、の様な物か」
「代行者ってなんぞ」
「ふむ、魔なる者を滅する存在。分かりやすく言えば
「・・・マスターの感じからして物理で殴る系の?」
「その通り。教会の敵となる異端を殺すのが仕事である・・・ふむ、アサシン。少しついてきてくれ」
そういって地下へと向かっていくマスターの後をついていくのだが、マスターは地下の部屋が好みなのか、それとも好みが無いから地下の部屋でいいのか、多分後者なんだろうなーと思いつつも彼が開けた部屋に入っていく。
「代行者になる者は基本的に人を超えた実力を持つ者だ。そして正直な所、アサシン、君は既に私を超えている」
「・・・まぁそうな、今の俺は仮にも英雄スペックだしな。人間に負けてもあの世で嫁さんに稽古つけられるだろうから嫌だな」
「・・・代行者が古くから使い、最近では使用者の減った一つの武器を君に教えよう」
華麗にスルーされたわけだが、暗いままの部屋の電気をつけると壁一面に赤いT型のなんかよく分からないのがびっしりと貼り付けられている・・・え、なにこれは(ドン引き)
そしてマスターがそれの一つを手に取り、力を込めるとT字の上の部分から刃が飛び出した・・・何それ欲しい。
「これが、その古い武器。黒鍵だ。とある代行者は聖書のページを刃に換装したりもするが、私は魔力で刃を編む」
「・・・で、最近行き詰ってる俺に何故それを教えたし?」
「いやなに、もしこれの刃を気で編んだらいかようになるか。それを知りたくてな」
「まぁ最近自分の気を少しだけ何とかできるようにはなってきたけど・・・出来るのか?」
瞑想してたら「あれ?俺ってもしかして昔に気使ってたんじゃね?」って発想になって試してみたら中国拳法A⁺⁺になってた。なんでって?千冬さんとの嫁入り云々での真剣での斬り合いの時に回りがゆっくりに見える俗にいうゾーンに入った事を思い出したのだ。
その時のことを思い出してみたらなんと成長したのだ!そんな感じで右手に意識を集中して木を殴ったら真っ二つに折れた。
調子に乗った俺は璃正さんから学んだ八極拳と気を同時使用して木を殴ってみたら粉砕した。
更に気を良くして岩を殴ってみようと思ってやってみたら弾けた・・・うん言い方が悪かった、漫画みたいに岩が砕けた。
更により良くするために、人体を一つの地球に見立て、体にある気の流れを地脈のように考えることで大きな流れから少しだけ力を借りる、と言う使い方に辿り着いた。そして気付いたのだがグッバイ常人の俺、ハロー人外の俺。って事になっていた。
そんなことを思い返して凹む俺を知らんと言わんばかりに「ということで、使ってみてくれ」と黒鍵を押し付けてくるマスター・・・受け取って、集中して気を込める。
全く持ってどんな機能がどうなっているのか分からないが、確かに刃は飛び出した。しかし、マスターが出した両刃ではなく片刃・・・
「なぁマスター。これは、剣に対するイメージで変わる物なのか?」
「ふむ、興味深いな」
「・・・どうやら少し研究が必要みたいなだ、マスター」
「ああ。どうやら私は、思っていたより研究者と言うモノに向いているのかもしれん」
「興味を持って、知ろうとして行動すればそいつは既に研究者だ」
「良い言葉だな。誰の名言だ?」
「俺だ」
「・・・お前だったのか」
「俺がやった事を知った小学校の孫がそこの校長と交渉したらしくてな、ドヤ顔で語ってやったのさ」
「裏方なのではなかったのか?」
「裏方なのはこの肉体年齢の頃だ。夢で見ただろ?その時の話だ」
「ああ、なるほど。あのことが・・・そんなに有名なのか?」
「俺じゃなくて束さんの方がね。俺は彼女に劣る技術者で、彼女と一時期一緒に行動してたからそのこともな。あとは、技術的にも色々してたし」
「ふむ、その後の夢を見てみたいものだ」
「俺としてはあんまり見られたくないんだけどなぁ」
「まあそう言うな、余計に見たくなってしまう」
・・・あれ、もうこの子愉悦ってね?
コートの内側に複数の黒鍵の柄を仕込み、夜の新都。冬木ハイアットホテルの近くにある建設途中で鉄骨むき出しの建物。
「・・・高いな」
「そら、三十七階建ての屋上だからな。ここからならあっちの屋上に飛び移るのも楽だし、他に自由な建物も無かったしな」
「・・・アサシンとは一体何なのだ」
「それ、忍者に忍者って何?って聞くのと同じだぜ?」
「つまり、代行者に代行者とは何だと聞くような物、か」
「結局の所、言い始めた当人しか分からないんだなぁこれが」
「哲学的だな」
「哲学とは一体・・・」
「この問答はもうよそう。そろそろ行うとしよう」
「いや待った、なんかヤバい」
「ヤバい?」
「とても危ない状況って事」
俺の英雄としてのスキルには直感なるものは無いんだが、今ホテルに向かうのはヤバいと言い切れる。束さんが訪問してきた後の千冬さん並にヤバい。
全力で警戒してステルス機能を排除して速度に特化させたフロートカメラを数機、拡張領域から放出した直後にビルが爆音を響かせて倒壊し始めた。
「マスター!」ってドラマのワンシーン見たく叫びながら振り向いたら既にマスターがいなかった件について。うわっ・・・ウチのマスター、優秀過ぎっ!?
とかやってる間にフロートカメラが何かを見つけたのか空中モニターを二つ表示してきた。
一つはマスターと俺が港のコンテナの上で遭遇した女の人と向き合っているシーン。
一つは、衛宮さんが走っているシーン。
「よし、衛宮さんにちょっかい出しに行こう」
内容は、そうだな・・・この間あの女の人を何故守ったのか、って点だなー。
追ってる最中に衛宮さんが何かを投げたと思ったら数秒し、マスターからパスでの連絡で「逃げられた」と連絡が来た。戦争ガチ勢ってヤバい、そう思った。
まぁ、今日はプレッシャーを与えられたらいいなぁって理由でこのまま追い続けるんですけどね。
とか思ってたら街中で怪しく紫色に光るバングルを付けた青年が子供の手を引いて歩いているのを見かけてしまった。
リンゴが俺の脳内に直接警報を上げるもんだから衛宮さんよりもその青年をターゲットにして尾行することにした。
全力で息をひそめ、とあるゲームをやっていた時に束さんが「あ、これ作れる」とか言って作ったステルス迷彩のスイッチを入れ、青年が入って行った建物について入っていき、いつか見た光景を見た。
正気を失っている目をした少年少女等・・・何度見ても吐き気がする光景だ。状況は、俺が暗躍していた時と何も変わらないだろう、あの青年が最近噂の殺人鬼ならこの子達が待つ未来はどっちにしろ同じだ。
とりあえず青年は青年で楽しそうに「ここで待っててねー」なんて言って甲に赤い痣のある手で少年の頭を一撫でしてからどっか行ったし・・・全力で殺しとくか。いや、今は下準備の段階だ。とりあえずそっと子供達の服のポケットに発信器をいくつか入れておいて様子見をしよう。
とか決意した矢先、マスターからの連絡が入った。
キョロキョロとあたりを見回し、青年が建物から出て行ったことを再確認してから口を開いた。
『アサシン』
「あぁマスター、どうかしたん?(こいつ、頭の中に直接・・・!)」
『どこにいる』
「多分最近噂の殺人鬼の餌場」
『・・・餌場?』
「子供を魔術を使って攫って一か所に集めてるんだわ。建物の大きさからいって多分そろそろ子供を移すんだろう・・・しばらくここで張ってる」
『すぐに殺すのはどうだ』
「多分あいつマスター。手の甲に赤い痣確認したし、下手に殺してサーヴァントが単独行動スキルあっても困る」
『それに、残っているサーヴァントはキャスター。拠点となる工房を地脈の上に経てれば単独行動スキルがなくとも少しは持つ、か。よし、サーヴァントを確認し、情報を回せ』
「任せろ。じゃあこっちから連絡するまで待っててくれ」
パスでの通信を切り、手早く発信器を子供達に取り付け、霊体化する。
少しして戻ってきた青年は新しい子供を連れてきており、建物の奥にある扉を何個もくぐり、床下収納の様な扉を開き、地下へ子供たちを連れて入って行った。
ステルスフロート機を先に追わせ、少し間を開けてから俺も降りていく。
辿り付いたのはちょっとした重機なら通れそうな程の大きく丸い下水道・・・ステルスフロート機から送られる信号を辿っていくと、何十個もの柱が巨大な空間の天井を支える様に建っていた。これはどちらかと言うと下水道じゃなくて地下貯水池みたいな所だな。中学の時授業で習った、都市には大雨や台風の時に備えて地下に巨大な空洞を作り、そこに雨水を流すと。
頭の中でそんな雑学を思い出していると話し声が聞こえてくるのでそちらへと向かいつつボイスレコーダーのスイッチを入れておく。
「青髭の旦那ー、結構連れてきたけど、どう?」
「ええ、よくやりましたね龍之介。ご苦労様です、少し休んでおきなさい」
「えー、俺もやりたいんだけど」
「続けての作業はクオリティの低下につながるのですよ龍之介。少し休みなさい」
「分かったよ。旦那もしっかり休むんだよ?」
「私はサーヴァントですので、休憩はいらないのですよ」
「えー!旦那ズッリー!」
・・・欲を言えば子供達を助けたいんだが、確実に殺す準備も、相手の情報も全くない今の状況じゃ逃げられても厄介なことになり兼ねないので場所をしっかりとマーキングしてから帰還する。
元々十を救える一夏君みたいな正義の味方でも。一を捨てて九を助けられる弟子にした子の様な現状に嘆く様な男でもないしなぁ。
俺は八を切り捨てて二を助ける程度の力しかないんだし・・・まったく、世知辛い世の中だ。
ランサーのマスター特定しますた(^q^)
アサシン、ホテルへ潜入。
本職は手が早い。
リンゴさんのセンサーはビンビンですわ。
鷲津、救出見送り。
次回
英雄王、接触