Dragon×strife   作:くるみわりナックル

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 どうも、くるみわりナックルです!
 原作までの大きな流れは回収出来たので、今回から原作突入です。
 細かい所や、過去の話なんかは、原作を進める中でちょこちょこ小出しに出来たら……
と希望を抱いています。
 ではでは、今回も、よろしくどうぞー!


龍を宿す者

 あの日、あの夜、霧咲真一がリアス・グレモリーの手を取ってから二年。

 見事に次の日申請した部活、オカルト研究部が誕生し、当然の如く真一がそこに引き込まれる事になった。

 文化部に属する部活なため、部活の最低限の部員数は真一を入れて三人。

 ギリギリではあるが、最低人数は満たしていた。

 そして発足したオカルト研究部は、悪魔二人、人間一人と言う何とも極端な部活になってしまった。

 

 冥界で指名手配を受けているらしいSS級はぐれ悪魔だと言う黒歌については、現状維持のままだ。

 それと言うのも、当然と言えば当然だが、リアスと朱乃が独断で上への報告を保留にしているからである。

 それと言うのも、悪魔側と人間側……リアスと真一に、それぞれそうするだけの理由があったと言う事。

 いわゆる利害の一致。

 リアスは黒歌に縁のある人物をどうにかしてあげたいため、真一は当然、身内である黒歌を差し出すつもりはないと言う意思があったためだ。

 勿論、ただそれだけと言う訳かと思えば、そうでもない。

 あの日、あの夜にリアスと朱乃が見た黒歌の真一に対する献身とも言える心は、確かにこれ以上ない程本物だった。

 そこで二人は考えたのだろう、何故はぐれ悪魔になったのか? ならざるを得ない理由があったのではないか? と……。

 その考えは正しく当たりで、しっかりとした理由があるらしい。

 しかし、その理由の原因となる人物――リアスの眷属の一人だ――が、しっかり聞く覚悟を決めなければ話す事はない。と言うのが黒歌の意見だ。

 はぐれ悪魔とは人間界で言う所の犯罪者であり、人間よりも力がある存在だ。

 そんな存在を討伐するのは当然の事……とリアスも朱乃も認識していたが、その意識を多少変える切っ掛けとなったのが、黒歌の件なのだろう。

 止むにやまれぬ事情、と言うものがこの世には数多存在し、それも考慮に入れようと言うのがリアスと朱乃の新しい考え方だ。

 最も、最後に付け加えた真一の、黒歌を連れて行くなら自分が敵に回ると言う言葉も大きかったのかもしれないが……。

 

 そして、件のリアスと朱乃は、駒王学園の二大お姉様として有名になっていた。

 あれだけ華やかな容姿をしていれば、それも当然かもしれないが……。

 必然的に、そんな二人の傍にいつも一緒にいる霧咲真一も有名人である。

 男女共に変わらぬ態度で接する真一は、人として付き合いやすい性格をしているとも言える。

 ただ、その目つきの悪さや粗雑な雰囲気から、学園の番長としてひっそりと囁かれているのはある意味仕方の無い事かもしれない。

 

 学園の番長――もとい、霧咲真一は、放課後珍しく一人で学園内を散策していた。

 目的は特にない。

 リアスと朱乃にちょっとした用事があるので、部活までの間、暫く時間を潰してきてくれと言われただけだ。

 結局やる事が思い浮かばなかった真一は、適当に学園内を散策する事にした……と言う訳だ。

 

「おん?」

 

 そして、学園内を散策している真一が見つけたのは、剣道場の更衣室。

 その壁に尻をあげた状態で張り付く男子生徒二人と、それをどうにかしてどけようと……いや、間に入ろうと躍起になっている男子生徒一人だ。

 明らかに覗きとわかる行為と雰囲気だが、真一はそれを見て、にやりと楽しそうに笑みを浮かべる。

 そして無造作且つ、大胆な足取りで三人へと近づくのだ。

 

 

 

 SIDE OUT

 

 

 

 IN 一誠

 

 俺、こと兵藤一誠は、この駒王学園の二年だ。

 ここ私立駒王学園は最近共学化したばかりの、正に男にとって楽園のような学園だ。

 かく言う俺も、夢のハーレムの為、なにより多様なおっぱいの為にこの学園に入学した口だ。

 ここで俺は、俺だけのハーレムを作ってやる! と意気込んだものの、女の影すら存在しないまま気がつけば二年。

 この学園には綺麗な子や可愛い子、おっぱいの大きい子小さい子、色んな女の子がいるのに……何で俺には誰もいないんだと嘆く毎日だ。

 女の子にモテてる有名な奴は何人かいる、さっき見かけた木場とか言うイケメン野郎もそのクチだ。

 多くの女の子から多大な興味を持たれているが、本人は毎回優雅な苦笑と共に誘いを断る程のモテっぷり、許せん。

 そしてもう一人、この学園には男子生徒で有名な人がいる。

 その人の事は嫌いじゃないんだけどな……なんてったって、師匠だし!

 

 で……現在俺は友達の元浜と松田、この二人と一緒にこの学園にいくつかあると言う覗きスポットの一つに来てるんだけど……。

 こいつらダメだ! 自分達が楽しむ事で頭が一杯で、俺に見せようとしやがらねぇ!

 何で俺がこいつらの妙にうねる腰を見せつけられなきゃならんのだ! ちょっ! どけっ、俺にも見せろ!

 腰を引っ張ってみるが、こいつらびくともしやがらねぇ! さすが煩悩の塊だぜ……。

 

 俺が二人に戦慄していると、後ろから足音。

 一瞬ビクッと体が固まるが、聞こえてきた声に、ホッとした気持ちが飛来する。

 

「よぉ、お前ら。覗きか? 精が……いや、性が出てるな」

「せ、先輩!」

「馬鹿イッセー! 声がでかい!」

 

 俺が尊敬する先輩の姿に、思わず声がでかくなっちまった。

 「誰!? 覗き!?」なんて更衣室の中から声が聞こえてきて、そのままドタドタと外まで出てくる音が聞こえる。

 あぁ……終わった、死なばもろともだぜ元浜、松田……ってあいつらいねぇ! 速すぎだろ!

 俺が二人の姿を探して、ワタワタと慌てる様子を見て、先輩――霧咲真一先輩はにやにやと笑みを浮かべているだけだ。

 先輩はたまたま俺達の姿をみて近寄ってきただけ、にも拘わらずまだここにいる。

 このままじゃあ、先輩が勘違いされちまう!

 

「こんの覗き魔めぇ! ってまたアンタなの!? ひょうど……う?」

「また兵藤!? ……って、先輩?」

 

 あぁ、遅かった……すみません先輩、こんな事に付き合わせて。

 でも先輩は明らかに勘違いされる状況に身を置いてるのに、慌てた様子一つない。

 それ所か、笑みを浮かべたまま、勢揃いする剣道部の女子達に向かって挨拶までしてる。

 

「よぉ、お前ら……ってそうか、村山は剣道部だったな」

「えっ、あっ、せ、先輩! は、はいっ! そうです! で、でも、先輩が何でこんな所に……」

 

 村山ってのは、さっき松田と元浜が注目してた女子の名前だ。

 すこーし釣り気味だが、大きい瞳が印象的な可愛い女の子で、何よりおっぱいが大きい。

 そんな村山だが、先輩を前にして一気に顔色が赤く染まる……待て、村山お前まさか……。

 

 俺が、まさかまさかな展開に驚愕し、改めて先輩に尊敬の念を抱いている中でも状況は当然進む。

 先輩は勢揃いする女子剣道部に対して、動揺した様子もなく、剣道部の壁に空いている穴を指差す。

 

「あれだあれ」

「あれって……先輩、まさか」

「なーに勘違いしてんのかしらねぇが、別に覗きなんてしやしねぇよ、もう見慣れてるしな」

「ちょっ! 先輩!」

 

 先輩にジト目で詰め寄る村山を、余裕のある笑みと共にさらりと交わす先輩。

 その先輩の言葉に、周りの女子が色めき立つ……さ、流石過ぎます先輩!

 しかし、それもすぐに過ぎ去り、じゃあ何で? という話に流れていく。

 取り敢えず応急処置だがな……って言いながら先輩がポケットから取り出したのは、ん? 木目調の……シール?

 

「取り敢えずコイツでも貼っておこうかと思ったんだが……着替え中だったとはな、わりぃな」

「い、いえ! 私達もう着替えてますし、大丈夫です! でもその、兵藤は……」

「おー、コイツか? この後人手が必要なんでな、暇そうにしてたから連れ歩いててな」

「あ、そうなんですね。でも先輩、言ってくれれば私手伝いますよ?」

「いーから、部活行って来い。また邪魔させてもらう事もあるだろうからな、そんときゃよろしく頼むぜ」

 

 いけしゃあしゃあと嘘をつく先輩に、感謝すると同時に、戦慄すら覚えた。

 あれだけ大勢の女子の前で、動揺もせず堂々と言える事なんだから、そりゃあそれがホントの事だと思うだろ……。

 しかも、女子とは言え木刀を持った剣道部……あれだけ集まれば威圧感も半端ない。

 そんな中であの態度、流石先輩だぜ……俺達三人がリスペクトしまくるだけの価値がある人物だ。

 そうとは知らず、先輩の相手をしていた村山は、嬉しそうに弾けた笑顔を振りまきながら先輩に対応する。

 待て……俺はお前のそんな顔見た事ねぇぞ、大体汚物見るような目ばっかじゃねぇか。

 

「はい! 待ってますから!」

「お手柔らかに頼むぜ」

「先輩ったら、冗談ばっかりですね。じゃ、また明日!」

「おー、放課後になー」

 

 何時も通りの雰囲気で、女子達を見送る先輩が、くるりと俺に振り返ってにやにやと笑みを浮かべる。

 思わず腰が抜けてへたりこんじまった俺の前に先輩がしゃがみ込み、如何にも楽しそうににやにやと笑っている。

 実際、口を開かない、睨まないを実践すれば、この人も十分イケメンの部類に入る。

 背もそこそこ高い上に手足も長いし、輪郭もシャープな感じでギラギラした瞳によく合ってる。

 口を開けば中々奇天烈って言うか、突拍子もない事ばっかり言う人だけど、それでもとっつきにくいような雰囲気じゃないし面倒見も悪くない。

 ぶつくさ言いながらも、何だかんだで最後まで面倒を見てくれる、そんな人だ。

 

「た、助かりました。先輩」

「おー、まぁ気にすんな。大体お前等ビクビクしすぎだ。そんなだから速攻でバレんだぞ?」

「誰も彼も先輩みたいに堂々としてられないですよ」

「それでも覗きたいなら、いざ見つかった時の為の対処法ぐらい用意しとくもんだぜ」

 

 呆れた様にやれやれと苦笑しつつ肩を竦める先輩を見て思わず、正直そんな事が堂々と出来るのは先輩くらいです、と言いそうになった言葉をすんでの所で押さえ込んだ俺は超えらい。

 まぁ、何だかんだで今みたいな事があった時助けてくれたりとか、話が合ったりとかで先輩とは仲がいい。

 それに何と言ってもこの霧咲真一先輩は、俺達と同じ様に煩悩があるにも拘わらず、女の子にも人気がある俺達の希望なんだ!

 この先輩の存在を知った時は、煩悩を持っててもいいなんて、これ程嬉しい事はない……と思わず悟りを開いちまいそうになったぜ。

 結局入学してから問題塗れの俺や、元浜と松田に自分から近づいてきて、面白そうだと色々吹き込まれてる。

 

「せんぱーい……どうやったら女の子のおっぱい揉めますかねー」

「そりゃお前、後ろからガバッとだな……」

「え、やった事あるんですか……」

 

 まるで実体験の様に普通に語る先輩に思わず聞き返すが、先輩はただ首を傾げるだけだ。

 

「あるに決まってんだろ」

 

 すげー! この人すげー!

 何がすげーってそんな事して捕まってない所がすげー! 何なのこの人!? エロの神様なの!? おっぱい神なの!?

 さすが先輩だぜ!

 

「ち、ちちちちなみに……」

「乳並み? いや、俺は男だからな、わからん」

「そんな事聞いてないですよ! 聞きたくもないし!」

「まぁ、そうだわな。で? んだよ」

「だ、誰のおっぱいを……」

 

 もう殆ど予想出来てるけど!

 先輩がそんな事して怒らない人なんて、ほぼ限られてるような気もするけど! それでも、それでも俺には確かめなければならない義務があるんだ!

 そして先輩は、至極当たり前の事を喋ってるような口調で、その名前を口にする。

 

「リアスと朱乃」

「ホラキマシタワーっ!」

 

 思わず頭を抱えるどころか興奮しすぎて体をくねらせてしまう俺だが、そこは許して欲しい。

 何故なら先輩は桃源郷の感触を知る人物なのだから、その体験を聞かせてもらって身悶えるのは至極仕方ない事だと思う。

 きっと皆も、俺の話を聞いて、優しさ……みたいなものを感じてくれたと思う。

 おっぱいはさ、何ていうか……優しくて、救われてなきゃいけないと思うんだ……。

 

「おい、おい一誠。すげぇキモい顔になってるぞ」

「……ハッ!? さ、流石先輩だぜ……まさか俺が会話だけで意識を飛ばされるとは」

 

 恐ろしい存在だぜ……霧咲真一、俺達に出来ない事をいとも平然とやってみせる。

 そこに痺れて憧れるぜ……割とマジで。

 

「あー……俺もおっぱい揉みたいっすよー」

「リアスに頼めば揉ませてくれるかもしんねぇぞ?」

「それはちょっと……多分それは先輩だから許されてるんですよ」

 

 何だかんだで、外から見てると霧咲先輩といる時のグレモリー先輩って、輝いて見えるんだよなぁ……。

 多分あれはそういう事なんだと思う……多分だけど……く、悔しくないもんね! 姫島先輩も同じ様な視線で霧咲先輩を見てたとしても全然悔しくないもんね! ホント!

 俺にはほら、明るい未来があるから!

 

「ま、なんだ。場所変えるか、ここでこんな話してたら流石に言い訳できねぇからな」

「あ、そうですね」

 

 で、結局変えた場所は旧校舎の程近くで、そこには先に逃げた元浜と松田が顔を突き合わせてた。

 取り敢えず、俺を置いていった罰としてネックをホールドした俺は何も悪くないと思う。

 顔色が悪くなってきたら先輩が止めてくれるしな。

 結局、松田と元浜、そして俺と先輩の四人で顔を突き合わせる事になったんだが……。

 明らかに、俺達三人組と先輩とで明確なまでの格差が存在する訳だよ……。

 先輩は普通にカッコイイし、その上俺達みたいに煩悩のまま笑みを浮かべても、何処かこの人なら仕方がないな……みたいな雰囲気がある。

 まぁ、○○だから……で説明がついてしまう、そんな人なんだ。

 ホント、得な人種だよな……。

 

「お前等なー、いつまでも揉みたい揉みたいって言ってるだけじゃ、何時まで経っても揉めない所かお目にもかかれねぇぞ?」

「そこをなんとか、先輩のお力で!」

「やめとけよ。先輩は自分の力でおっぱいを揉んだんだ……俺たちとは違うさ」

「言うな、虚しくなる」

 

 実際、俺達とは違うって言うのは本当の事だ。

 この人の女性遍歴はヤバい、何がヤバいかって言うと、この日本に居るにも拘わらず複数の女性と付き合いがあるって事だ。

 しかもそれは女性側も了承済み、真のハーレム! 俺の近くにこんな人がいるなんて、ホント奇跡のような存在だぜ……。

 

「先輩は複数の女性と付き合ってるんですよね?」

「あ? あー、そうだな」

「罪悪感って言うか、悪い事してるなーって思わないんですか?」

「おい……」

 

 まぁ、確かに倫理観的にどうなのかとは思うが、それでも本人に向かって聞く事じゃねぇだろ……。

 でも先輩は特に気を悪くした様子もなく、ただ単に苦笑を浮かべて肩を竦めるだけだ。

 そして、聞かれた事にはきっちりと答えを用意するのも、先輩が先輩たる所以だな。

 

「罪悪感があるかないか、な……そうだな、ないな」

「ないんですか!?」

「まぁ、そう言う所出身だからな。元々倫理観みてぇなもんは殆どねぇのさ、いい女なら抱くし、欲しいもんは欲しい。そういうもんだろ? ただまぁ、人のもん取るのは趣味じゃねぇな」

 

 自分のもんは自分のもんだからいいんだろ?

 そう言う先輩の言葉には、何か……こう、形容し難い暗い部分があった。

 松田と元浜は、ハーレム国の方ですか! 帰国子女!? とかはしゃぎ立ててるけど、俺はそうは思えない。

 そう言う国出身だとしても、そう言う国にはそう言う国なりのルールやしきたりみたいなもんがあると思う…

…でも先輩の言葉には、そんな感じのものが感じられない。

 そんなものより、もっと暗くてどろどろして吐き気を催すような……。

 

「どうした一誠? 俺の顔になんか付いてるか?」

「……あぁ、いや、すんません。何でもないです」

「そうか」

 

 短く答えて笑ってくれる先輩は、至って普通の人間だ。

 全く、俺は何考えてんだろうな……。

 人として何か大事なものが壊れてるなんて……先輩に限ってあるわけがねぇ、だって先輩はいい人だ。

 他人に気だって遣えるし、面倒見はいいし、表裏がなくてとっつきやすい。

 そんな、普通の先輩だ。

 

 先輩の言葉を切っ掛けにして、次々と浮かんでくる嫌な考えを振り払っていると、俺達の上から凛とした女性の声が降ってくる。

 この声は聞き覚えがある。

 確か……。

 

「真一? そんな所で何をやっているの?」

「おー、リアスか」

 

 そう、リアス、リアス・グレモリー先輩だ。

 真紅の髪や青い瞳が人目を惹きつける超絶美人! おっぱいも村山なんか目じゃねぇくらいデカい!

 さ、流石、実物は違うぜぇ……。

 駒王学園の二大お姉様の称号は、俺にとって神秘の塊だ。

 風に靡く髪は艶やかで柔らかそうな髪なのに、本人の顔はキリッとしたシャープな輪郭が目立つ美人。

 更に高い身長に加えて手足も長く、メロンかスイカかと言わんばかりの大きなおっぱいは、男なら一度は顔を埋めてみたいと本気で思うに違いない!

 そんなリアス先輩が笑顔と共に視線を送るのは、当然だけど、霧咲先輩だ。

 

「今、そうだな……猥談やってる」

「ちょっ!? 先輩!?」

「お前も混ざるか?」

「エェェェェェッ!?」

 

 よりにもよって誰に何言っちゃってんのこの先輩!?

 この人の行動と言動はずっと奇想天外で、理解できねぇってずっと思ってきたけど! 今回は特別びっくりだぜ!

 まさか駒王学園の二大お姉様の片割れであるグレモリー先輩を、こんなあっさり猥談に誘うとか!?

 いつもわからなかったけど、この人の神経は未だにやっぱりわからねぇ!

 しかも本人はうんこ座りで楽しそうに笑ってるし!

 

「魅力的な話だけど、そろそろ部活の時間だから。真一も早く来なさいよ? 猥談はまた今度ね」

「エェェェェェッ!?」

「おう、了解だ」

 

 こっちも!? まさかのリアス先輩も猥談に興味深々!? それなんてロマン!?

 しかもまた今度やるの!? 猥談! マジで!? 俺もそれ行きたい!

 グレモリー先輩の艶やかな唇から猥談が飛び出す所とか、超見たい!

 でも実際聞いたら、鼻血による出血多量で死ぬ自信があるね!

 ……と思ったら、元浜と松田は既に鼻血を吹き出して、ひっくり返ったカエルの様な無様を晒してた。

 お前ら……妄想力逞しすぎだろ、どんだけ鮮明に想像してんだ……。

 

 そんな中で、一人だけ動揺せず、グレモリー先輩を見送った霧咲先輩は「さて、と」と軽く呟き立ち上がる。

 こう言う軽い動作でも、先輩の身軽さと言うか動きはすごく綺麗に見える。

 運動が出来る人間、って感じがする。

 動くのを億劫にも思ってないっていうか、自分の体をしっかりとコントロール出来てるって言うか……小さな動作もいちいち綺麗に見える。

 当然、先輩は運動神経抜群だ……。

 

「呼ばれたから行ってくるわ。またな、お前ら……つっても意識があるのは一誠だけか」

「まぁ、こいつらは俺が何とかしとくんで、先輩は行ってください」

「おう、わりぃな。またどっか遊びに行こうぜ」

「はい! 是非!」

 

 にっと笑ってそう誘ってくれる先輩は、後輩の面倒見がいい先輩代表だと思う。

 それに先輩と遊びかぁ……毎回先輩と遊びに行ったら、可愛い女の子連れてきてくれるんだよなぁ……。

 しかも先輩のお手つきじゃない子で、先輩が興味がなかったり、女の子の方が先輩を友人以上に見てない子だったり……。

 多分チャンスを作ってくれてるんだろうな……そのチャンスをものに出来てないのが、正しく俺たちのクオリティ!

 …………思ってて虚しくなってきた、こいつらどうにかしてさっさと帰ろう。

 

 結局、先輩を見送った俺は、この後の出来事で人生が変わる等とは全く思っていなかった……。

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