雪ノ下雪乃が八幡に宣戦布告をしてから翌日。
由比ヶ浜は、内心穏やかではない状態で部室の前に来ていた。
あれだけの敵対心を強く示していた雪ノ下はどんな風に八幡に対してどのような態度で接するのか。
混沌渦巻く奉仕部最後の良心、由比ヶ浜が戦場に降りる。
「や、やっh(ry「冗談じゃないぞ八幡!その考えはいくらなんでも危険だ!!」えっ!?」
やっはろー!キャンセルをされ、なんだか難しいことをしゃべっている人間がいる。
「あ、そう、でそれが問題?」
八幡は椅子に座りふんぞり返りながら、先ほどの人間に問いかける。
「お前の言う、≪人類の可能性≫とやらはお前らの掲げる言葉にあるんだろ?それならなおさら証明してみせなきゃさぁ。可能性があるのならなおさらねぇ!」
いつも以上に上機嫌な八幡。
それに対して無駄に演技染みた反応を返す人物。
ふと由比ヶ浜は思い出した。
他のクラスにも頭のおかしい奴がいる。と
誰だったか忘れてしまったが一時期噂になっていた人物。
「可能性だと………?笑わせるなよ狂犬が!」
「狂犬ねぇ………、言ってくれるじゃないの」
確か、宗教染みたことを広めていた人物。
「可能性は我ら≪ビーハイブ≫にある!」
ビーハイブ
そう、これだ。現生徒会と同等になりつつあるおかしな集団。
その組織が掲げる言葉は
「争いなど争いしか生まない………!貴様もわかるだろう?」
目の前の人物は、八幡を狂気に満ちた表情を浮かべ言う。
「さぁ、我らと共に進もうではないか!」
≪世に平穏のあらんことを≫
「やっぱり、イカれてるよお前」
八幡は静かに切り捨てる。
その瞳に怒りを宿しながら。
「世に平穏のあらんことを?大層な教えだ………だけどなぁ、お前らのその平穏に導く手段はなんだ?なぁ?」
実際、ビーハイブは実力行使で布教を行う過激な集団として、学校だけでなく企業やORCA旅団にも睨まれている。
学校だけなら少し喧しい程度の存在だろうが、戦場となると別。
こいつらは、ACを駆り戦場を掻き乱す。
「所詮、武力でしか布教出来ないんだろう?ならお前らの教えは矛盾しか孕んでいない」
「人間っていうのはなぁ………、戦いの中でしか可能性を見つけられないんだよ………」
八幡はそう言うと、由比ヶ浜の隣を通り過ぎる。
「味方なんていないのさ………、それこそ敵も………」
独り言のように呟いた言葉が由比ヶ浜の耳にこびりついて離れなかった。
「………おのれ狂犬め」
部室の真ん中で、人物はわなわなと震えている。
「必ず後悔させてやるからなぁ………!」
そう言うと、彼も奉仕部を駆けて出ていった。
ポツンと一人残される由比ヶ浜。
「………なにこれ」
ただ現状理解に苦しんでいた。