やはり比企谷主任の奉仕部活動は狂っている   作:Ariha

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始動


chapter3

「とりあえず、顔合わせは終わったから今日は、解散してもいいぞ」

 

平塚先生はそういうと足早にラーメン♪ラーメン♪豚骨ラーメン♪と歌いながら部室を後にした

 

「……あれだから結婚できないんじゃ」

 

雪ノ下がボソッと呟く

それに対して八幡は苦笑しつつ同意する

 

「あら、意外ね」

 

「意外よりも残念系女子の筆頭だろうあの人は」

 

という八幡も残念系なのは変わりない

 

「ところで、平塚先生からこの部活の活動内容は聞いたのかしら?」

 

「それが聞いてないんだよねー、これまた強制連行でここに送られてきたってわけ」

 

「そう……、とりあえず説明するとこの部は、相談にきた人をサポートする部活よ」

 

相談にきた人をサポートする部活……

つまりは何でも屋ってことか

 

八幡は大まかに活動内容を理解する

 

「そこで、活動内容を誤解してほしくないのは私たちはサポートするだけで全てを手伝うわけではないわ」

 

「それは本人のためにならないからですかねー部長?」

 

「察しの良い人は好きよ」

 

「それはそれは光栄に」

 

そんな掛け合いを続けつつ、あらかた説明を受ける

 

そして、説明も終わり一息ついているところ

雪ノ下が淹れた紅茶を飲みながら八幡の噂の真意を訊ねた

 

「あなた、不良との噂があるけれど話してみたところ全然そんな感じはしないわね」

 

「あー、ゴミ虫どもがブンブンと煩くしてることか?そりゃ嘘、原因は下らないミジンコレベルのことで入学式に出られなかったせいさ」

 

「そう…………」

 

「つってもまぁ、元々レベルの低い連中のことなんざ歯牙にかけたところで時間の無駄だしな」

 

実際に八幡は何も悪いことはしていない、可もなく不可もなくそつなく生活している

もちろん彼が生活しやすいように小町が影さながら暗躍していることは言うまでもない

 

「まぁ、部長は話がわかるレベルの高い奴と話してわかった」

 

「…………そんなに人間観察が得意なら級友でも作れたのではないのかしら」

 

「いやいやぁ、そんな俺は人間できてないですよぉ?大体そんな連中とつるんだところで糞にも役に立たないわけだし」

 

「結構辛辣なのね」

 

「これが評価ってやつさ」

 

二人苦笑しつつ、ゆったりとした時間が過ぎていく

 

「そろそろ解散にしましょうか」

 

「あいあいさー」

 

窓の外には夕日が射し込みグラウンドを赤く照らしている

運動部もまばらになってきている

 

さっさと帰宅準備を済ませ、雪ノ下を待つ

 

(……雪ノ下雪乃面白い人間だ)

 

(……ずいぶんと面白い目をしている)

 

あのときの、ルーキーのような、不屈に満ちた瞳が脳裏に浮かぶ

 

(ここなら俺の探していた可能性を確かめられるかもしれん)

 

「比企谷くん?」

 

戸締まりを済ませたのか、八幡の目の前でキョトンとしている雪ノ下

 

「あぁ、すまん少し考え事をしていた」

 

「そう、なら帰りましょう」

 

「あぁ、また明日」

 

「ええ、また明日」

 

二人は反対方向に歩き出す

 

雪ノ下は微笑みを浮かべながら

 

比企谷八幡はこれから起こるであろう様々なことに愉悦を浮かべながら

 

こうして彼、彼女の物語は始まった

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