運命を切り拓くだけの簡単なお仕事   作:白鷺 葵

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2-2.BGMに幼児虐待を流すだけの簡単なお仕事

2009.7/11 夜

 巌戸台分寮/ラウンジ

 

 

 

「みんな、朗報だよ! 影時間とタルタロスを消す方法が明らかになったんだ!」

 

 

 どこか熱っぽい様子で、幾月が語る。眼鏡の反射具合がどこか狂気じみたように見えるのは、至の気のせいだろうか?

 時折専門用語を駆使しまくるわ、無駄な解説が入るわで話が脱線したが、奴の話を簡単に要約すると以下の通りだ。

 

 10年前に起きた辰巳ポートアイランドでの爆発事故は、桐条グループ先代当主・鴻悦の行っていた実験が失敗した際に起きてしまった――それは美鶴から聞かされたものだ。

 鴻悦は(どうやってかは知らないが)南条側が保管していた技術と提供したオーパーツを使い、シャドウ研究に精を出していたらしい。シャドウの持つ能力に魅せられた挙句暴走した結果が、影時間とタルタロスという負の遺産。

 しかしそれだけでは終わらなかった。自分たちが倒してきたあの大型シャドウは、10年前の爆発事故が起きた際に飛び散ってしまったものだったのだ。どういう理由で活性化して来たかは知らないが、幾月曰く「今がチャンス」なのだという。

 

 なんでも、「12体のシャドウを全滅させれば、影時間とタルタロスが消滅する」という確かな情報が手に入ったと言うのだ。

 戦いの明確な目的が決まったことで色々面々は思う所があるらしい。みな、神妙な顔つきで考え込んでいる。

 

 

「で、証拠はあんのか?」

 

「ああ。事故が起こった際に残されていたビデオがあってね。その解析を進めていたんだ」

 

「……“爆発事故が起きたか”の理由についての解析はしてなさそうだよな。アンタのその様子からじゃ」

 

 

 至が零せば、幾月は肩をすくめてため息をつく。

 

 

「残されていたデータの損傷具合が酷かったからなぁ。事故当時の全容を明らかにするためには、まだまだ時間がかかりそうだよ」

 

「なら、そのデータの解析手伝うよ。南条側の研究者と協力すれば、早く進むだろ?」

 

 

 え、と幾月が間抜けな声を零した。薄ら笑いがかすかに引きつる。レンズの奥にある渋色が、どこか困惑気に彷徨っていた。

 研究者なら予測してしかるべき申し出であり、喜ばしい申し出であるはずなのに。どういう訳か、奴はあまり嬉しそうでない気がする。

 至が訝しむように眉を顰めれば、幾月は何とも言えない様子で唸った。ううむ、と、困った様子で手を組んでいる。何故だろう、乗ってくるとばかり思っていたのだが。

 

 「嫌なの?」「とと、とんでもない! ……でも、心配には及ばないよ」――問えば、幾月は薄く笑いながら首を振った。

 声色は遠慮がちで、やんわりとした拒絶の意図が見える。蛍光灯の反射のせいか、奴の瞳をうかがうことはできない。

 

 事件の解決を願っている人間として、何か対応がおかしい気がする。早期解決を願うなら、もっと手段を択ばない手に出てもおかしくない。実際、陽向たちをS.E.E.Sに引き込むために手を尽くしていたことは明白なのだ。

 至が南条側の人間としてここにいることがなんとなく居心地悪いらしい。ついでに、協力すると言う申し出に抵抗を抱いているように見える。むしろ「お前らには踏み込んでほしくない」というオーラがちらついていた。

 渋々だが引き下がれば、幾月はあからさまに安堵したようだった。「桐条側の研究者たちを信用してほしいなぁ」なんて言っていたが、彼の瞳はどこか違う色を秘めているように見える。瞳の奥底に何が揺れているのだろう。

 

 ――よし、あとでパオフゥやたまき&タダシ、周防兄弟たちにガサ入れしてもらえないか頼んでみよう。

 

 特に前者は仕事である。依頼料金、ポケットマネーで足りるだろうか。まぁ、貯蓄は結構多めにたまっているから多分大丈夫だろう。自信ないけど。

 いざとなったら、こちらもアルバイトはしごするなり、航や圭からの仕事依頼を片づけたりすればいいのだし。伊達に苦学生だったわけではない。

 

 そういえば、自分の生活状況を話したら、全員からもれなく生活改善を進められたっけ。懐かしい記憶である。

 

 過去に想いを馳せるのもそこそこにして、ふと至はS.E.E.Sの面々を見回した。

 彼らはいろいろ考えながら、ぽつぽつと議論のような会話を始めている。

 

 

「ところで、真田先輩は“自分自身”に向き合うために色々考えたりとかしてるんですか?」

 

「いや……意識はしているんだが、なかなか難しくてな。何をどうすればいいのかすら、まだわからない」

 

 

 ゆかりの質問に、明彦がどこか焦りをにじませた表情で答えていた。どうやら彼は、一度気になったら徹底的に追いかけようとする気質があるらしい。力への執着でそれは明確になっている。

 分からないなりに向き合おうとして、でも分かるのは「どうしようもない」ことだけ。答えを出せない自分自身に対して、どうにもならないもどかしさと憤りを弄んでいるように見える。真摯に取り組むのはいいが、深刻に考えすぎではなかろうか。

 「至さんも、『深刻にならなくても大丈夫』だって言ってたじゃないスか」――お気楽担当の順平もまた、何故か落ち着かぬ様子でこちらを見た。何も考えていないお調子者の仮面の下で、彼も色々悩み始めているのだろう。影時間消滅について、何か思うことがあったのかもしれない。

 

 そういえば陽向曰く、「順平が初めて寮に来たとき、どこか浮足立っているように見えた」と言っていた気がする。

 自分たちに与えられた“特別な力”とくれば、真っ先に連想するものは『ヒーローもの』だろう。平和を守る正義の集団。

 

 ペルソナ能力に目覚めたお調子者たち――秀彦や正男、優香あたりが口にしていた気がしないでもない。

 

 “自分たちだけがこの事態を解決することが出来る”という意識がなかったと言えば嘘になる。特別意識が存在していなかったというわけではない。

 事実、セベク・スキャンダルや「雪の女王事件」での大人は“無力な存在”か“立ちはだかる敵”のどちらかであり、味方は高校2年生の学生で構成された仲間達である。

 極め付けには「ほぼ“自分たちの力”だけで事件を解決してしまった」と言っても間違いではないところだろう。あの2つの出来事が、今の自分にとってとても重要な出来事だとは自覚している。

 

 平行世界の自分はそのツケを払うことになったらしい。勿論、この世界にいる至も同じ轍を踏みかけた。

 仲間の力と自身の力。過信と慢心はしないが、勿論信頼することは忘れない。むしろ、信頼しなければ始まらないと思っている。

 

 

「山岸、話がある。……後で部屋を訪ねても構わないか?」

 

「? はい、わかりました」

 

 

 どこか思いつめたような、暗い影。深緋色の瞳が決意に燃える。

 

 美鶴の様子に影響されたのか、風花はおずおずと言った調子で頷いた。それを見た美鶴は小さく頷くと、陽向たちと話をしているゆかりにも声をかける。

 ゆかりも最初は目をぱちくりさせていたが、彼女の様子から何かを悟ったのだろう。「わかりました」―― 一切の迷いはなく、即座に頷く。

 

 どこか鬼気迫る気配を宿す少女の背中を見送りながら、至は目を伏せた。

 責任感の強い美鶴のことだ。おそらく、ゆかりとの約束を果たすため、何らかの無茶をやらかすつもりなのだろう。

 根はとても真面目で義理堅い子だから。おまけに、どこか無鉄砲な一面も漂っているように見えなくもない。

 

 戦いは新たな局面に入った。影時間を終わらせる方法がわかり、シャドウの残り数も残り7体。そろそろ折り返し地点が見えてき始めた頃だろう。

 同時に、面々の心持にも変化の兆しが見えつつある。最初に顔を合わせた時よりも、何か変わっている気がした。

 

 真剣な眼差しでいろいろ考える面々を見つめ、ふと至は思い出す。

 

 シャドウの戦いだけでなく、もうひとつの戦いが面々に迫ってきている。1学期の期末テストはもうすぐだ。

 だがしかし、面々はそのことを完全に忘れているように見えた。特に、テストで赤点予備軍だった順平は。

 

 

「シャドウとの戦いの前に、まずは期末テストがあるからね。そちらの対策も怠らないように」

 

「えー! せっかく忘れてたのに……」

 

「そうだね。少し休憩したら、昨日の続きから始めようか」

 

 

 幾月の指摘に出鼻をくじかれた様子で、順平が頭を抱えた。横にいた陽向が部屋へと駆け出す。勉強道具を取りに行くのだろう。

 彼女に続いてゆかりと風花も自室へ急ぐ。「順平くんも行きましょう」「はー……」――千影に促され、渋々と順平も立ち上がった。その表情には「勉強どころではない」とはっきり書かれている。

 順平だけではない。みな「テスト勉強しなきゃ」と言いつつ、内心は別件の事を考えている。今回の戦いについて、改めて意識しているに違いない。おそらく今日の勉強会はあまりはかどらないだろう。

 

 「テスト勉強、頑張ってくれたまえ」――そう言って、幾月はひらひら手を振った。

 

 なんてことしてくれたんだ、と、至は心の中でひっそりと舌打ちする。

 こんな時にそんな話を持ち出してくるな。おかげで、勉強に支障が出始めてる奴らがいるじゃないか。

 

 幾月からしてみれば、戦いに明け暮れる面々を少しでも励ますために、この朗報を告げたのであろう。しかし、些か時期尚早だったのでは、と思う。

 もし伝えるなら、テスト地獄が明けた後がいい。せめて今は勉強に集中させてやれよと思うのだが、そこの配慮は足りないらしい。

 ……最も、その配慮が裏目に出る可能性は無きにしも非ずであるが。今回はそうなる可能性は低かった。もう少し後で伝えてもよかったのだ。

 

 至の知り合いにいる研究者は、誰もかれも“空気が読めない”上に“配慮が欠けている”人間ばかりのようだ。幾月然り、航然り。特に後者は変な意味も含んでいるからタチが悪い。

 最近はペルソナ研究の派生で悪魔についての研究にも首を突っ込んでいるようだった。分野違いでも気になるものは気になるのだと言う。特にお気に入りで調べ始めたのが魔剣士スパーダの伝説らしい。あとは葛葉一族についてとか。

 

 

(……なんか、ロクなことにならない気がする)

 

 

 漠然とした予感が脳裏を駆ける。浮かんだ数字は4。それに駆られて、出来心でカードを引いてみた。

 

 塔、悪魔、月、運命。ついでに、何やら赤いコートを着た銀髪の偉丈夫が見えたような気がしないでもない。もしくは黒い外套を羽織り黒猫を引き連れた青年の姿か。

 どちらにしろロクなことになる気がしなかった。漠然とした予測をすることで、こんなに疲れたのは久しぶりだ。至はこめかみを抑える。

 これ以上考え込めば、精神衛生上問題が出てくるだろう。早々に思考を打ち切り、別方向へと動かす。――どうやら、自分も勉強会に集中できそうになかった。

 

 

 

 

 

 

 

【2-2.BGMに幼児虐待を流すだけの簡単なお仕事】

 

 

 

 

 

 

 

 

2009.7/13 昼

 巌戸台分寮/ラウンジ

 

 

 

 本日、陽向たちを筆頭にした学生たちは、大きな戦いへ向けて出陣した。期末テストである。

 それさえ乗り越えれば、あとは楽しい楽しい夏休みがお待ちかねだ。…………乗り越えられれば、の話だが。

 

 

(……今日からしばらく暇になるな)

 

 

 掃除と朝食・晩御飯の準備さえしてしまえば、大抵の時間はフリーになる。

 

 知り合いへの依頼は、昨日の時点であらかた終わっていた。主な内容は“事件に関する情報の行方”である。

 あとは個人的な疑問関心くらいか。どの依頼も「一筋縄ではいかないだろう」と険しい顔をされた。勿論、互いに承知の上だ。

 南条側のバックアップがあったとしても、やはり桐条のガードは堅い。身内である美鶴に対しても伏せられている部分があるから当然だろう。

 

 一応自分の側からも調べてはみるが、自分が欲しいと思うものや新しいものが手に入る可能性は薄そうだ。期待はできないと思われる。

 インターネットの巡回を軽く済ませた後、至は大きく背伸びした。このままネットを使っていろいろ遊ぶ気にもなれない。

 

 テレビだって、この時間帯だと陳腐なワイドショーが関の山だ。マスゴミによる腐ったニュース番組など見ても意味はない。

 

 

(みんな、しっかり勉強してたもんな。特に順平の成長力には目を見張るモンがあった)

 

 

 あれは絶対、“ある条件を満たせば爆発的に伸びていく”成長タイプだ。燻りやすく移ろいやすいのが弱点であるが、一度点火すれば燃え尽きるまで激しく火花を散らす。

 至の予感は正解だったらしい。テスト1週間前という短期間で、基礎問題で全滅していた順平がぎりぎり応用問題に手を付けられるまでになったのだ。テスト成績が下の下という事態はどうにか避けられるだろう。

 どうしようもないことは確かにある。性格や趣向における得手不得手、周囲の環境、能力的な限界。それでも「何もできない」人間なんていないし、存在はない。誰にだって、状況を打破し望む結果を得るための力はあるのだから。

 

 誰にだって、夢を掴む権利がある――だったか。平行世界の女記者が、こと切れる寸前に残した最期の言葉。

 

 夢を叶えると言うのが結果なら、きっと自分の考えは“彼女”に近いのであろう。

 “彼女”のことは「航とは違う意味での天然」と平行世界の自分は思っていたらしい。ついでに自分もそう思った。

 

 脱線しかけそうになった思考回路を引き戻すかのように、至の携帯が鳴り響く。着信音はもちろんサトミタダシ薬局の歌である。

 相手は『くたばれパピヨン仮面』、もといフィレモンだ。迷うことなく至は電話を切る。正直電源を落としてやりたいが、それで困るのは至自身だ。いつ連絡が届くかわからない。うかつに切れる筈がなかった。

 そんなこちらの心情を知っているから、奴は諦めずに電話をかけてくる。邪魔くさいッたらありゃしない。5回ほど抵抗した後で、至はため息をつきながら通話ボタンを押した。不機嫌さを隠さず、受話器越しにいる奴に届くくらいの舌打ちをしてやる。

 

 勿論向こうは歯牙にもかけはしなかった。気にしてすらもいなかった。ただ気さくに『君、今暇かね? ああわかってる。明らかに暇だね』と語りかけてきた。ウザい。

 電波が悪くなりましたとでも言ってブッツリ切ってやりたかったのだが、それよりもフィレモンが用件を伝える方が早かった。

 

 

『これから1週間、暇で仕方がないんだろう? 最強のペルソナ使いである君に相応しい場所(ダンジョン)を用意したんだ。是非ともベルベットルームに足を踏み入れてくれたまえ』

 

 

 『来てくれるまで何回でも電話するから、そのつもりで』――奴の言葉を最後に、電話が切れる。

 なんて嫌な脅しだろう。携帯電話の番号を変えてやろうか、と至が思った刹那、メール着信を告げる音が鳴り響く。

 送り主はフィレモン、件名は『それと』、内容は『電話番号変えてもムダだから』。……本当になんなんだコイツは。

 

 忌々しい気持ちを抑えつつ、ガリガリと頭を掻く。大きくため息をついた後で、至は重い腰を動かしたのであった。

 

 

 

 

 

$$$

 

 

 

 

 

同日 昼

 ベルベットルーム⇒聖エルミン学園(???)

 

 

 

 青い扉の先に広がる青い部屋。普段は来客用の椅子とテーブルしかないのに、今日は部屋の内装が違っていた。

 部屋の一番奥に鎮座するのは城門を連想させるかのような、アーチ形で重々しい鉄製の扉だ。そこから微かに漏れる空気は、どこかぴりぴりとしている。

 丁度、珠閒瑠を駆け回っていた時に「私の挑戦を受けてくれないか」と、フィレモンに迷宮へと引きずり込まれたことを思い出す。いつも奴は唐突であった。

 

 

(しかも、南条くんとエリーまであの部屋に呼び出したくらいだし)

 

 

 勿論、強制的である。どこまでフリーダムなんだ、普遍的無意識・秩序担当よ。

 

 今までの所業を思い浮かべながら、至は扉を睨みつける。開けようと伸ばしかけて――しかし至は手を止めた。扉の向こうから、明らかな殺気を感じた。

 悪魔がはびこっている。絶対、あそこ以上にひしめいているに違いない。開けたらしばらく戻ってこれない気がする。

 

 扉の前には時計がひとつ。タルタロスのエントランスで見かける時計と同じものだ。

 時計の上にはピンクの妖精。勿論、奴が何かを言う前に、間髪入れずヒエロスグリュペインを叩きこむ。

 そして始まる楽しい交渉。結果、回復料金半額+永久定額&アイテム料金正規価格という権利を勝ち取った。

 

 「この鬼! ひとでなしー!」――そんなトリッシュの叫びを完全に無視し、至は時計に記録を残しておいた。

 こうすることで、迷宮で万一の事があっても帰ってくることが出来るのだ。記憶と経験を蓄積した状態で、だ。何て便利なのだろう。

 

 ドアの取っ手に手をかける。がちゃ、という鈍い音が響いた。

 

 ――刹那、真っ白な光が何もかもを飲み込む!

 

 

「――っ!?」

 

 

 あまりの眩さに目を覆う。別な場所に飛ばされるような感覚。自分が立っているのか座っているのかすらわからなくなってきた。

 しかしそれは一瞬のことで、浮遊感はすぐに消え去った。ざり、と、ブーツが大地を踏みしめる音が響く。自分は、両足でしっかりと立っている。

 

 光が弱くなったのを瞼の裏越しから察知し、至は目を開ける。

 

 チチチ、と、場違いな鳥の鳴き声が響いた。どこまでも平和な、それでいて見覚えのある光景が広がる。

 聖エルミン学園の校門。空本 至がペルソナ使いとして目覚めた場所であり、最初の事件が起きた舞台だ。

 かつての日々が脳裏を駆ける。あの頃自分たちは若かった――込み上げてくる懐かしさに、思わず至は目を細めた。

 

 

『この世界は、君の記憶や経験をもとにして作り出された迷宮だ。まだまだ浅いタルタロスの敵には無い強さと歯ごたえを求めるにはうってつけだろう』

 

「そりゃどうも。“余計なお世話”って、こういうことを言うんだよな。まさしく文字通りだ」

 

『私が認めた最強のペルソナ使い、空本 至。――さぁ、君の力を見せてくれ』

 

「おいこら、微妙に会話が成立してないぞ。勝手に話を――」

 

 

 進めるな、という至の言葉は続かなかった。それを遮るような勢いで、何かが突進してくる音が迫ってきたからである。タイヤが回転する際に発せられるものだ。

 同時に耳をかすめたのは、愛くるしい猫の鳴き声。しかし至の記憶が真っ先に拾い上げたのは猫の姿ではなかった。見た目は猫であるが、明らかにそれとは程遠い凶悪な敵。

 

 思考が答えをはじき出す前に、至の身体は回避行動に移っていた。その場から飛び去りつつ振り返り、敵の姿を確認する。

 機械の猫――端的に表現するとしたら、その一言に尽きた。ペットロボットといっても差し支えないかもしれない。

 ……背中に機関銃など背負っていなければ。あるいは、万能属性魔法(メギド系列)を連発したりしなければ。

 

 脳内で猫の鳴き声が変なBGMを奏で始める。突如、何の脈絡もなく“幼児虐待”という言葉が浮かんだ。

 

 それとほぼ同時に、敵が背負った機関銃が派手に唸った。即座に至も回避する。放たれた弾丸たちは地面を穿ち、土ぼこりを飛ばしていた。

 あと少し遅ければハチの巣にされていただろう。ひやりとしたものが背筋を駆け抜け、冷たい汗がこめかみを伝う。

 

 

「――テッソ、か」

 

 

 厄介な奴が出てきたものだ。

 

 セベク・スキャンダル事件の際、あきが召喚した悪魔である。ジャックフロストとタメ張ってもいいのではと思うくらい可愛らしい外見であるが、可愛さに惹かれて近寄った数名が危ない目にあったのだ。

 勿論、外見を見て「こいつなら苦も無く勝てる。楽勝だ」と思った者も、あわや銃弾の雨あられに襲われかけた。トラウマ一歩手前の出来事に等しい。……至にとって、“航を巡る英理子と麻希のトライアングル”に勝るトラウマはないのだが。

 応戦しようとして手をかざし――しかし、何かに無理矢理押し込められるような違和感を覚えた。ペルソナの召喚ができない。例えるならそれは、外側から何か強い圧力がかけられているみたいに。

 

 

『ああ、今回は特別なルールを採用したんだ。“特定の場所”までたどり着かないと、ボス敵とは戦えない仕組みになっているから。鬼ごっこ、頑張ってくれたまえ。――なに、君なら余裕だろう?』

 

「なんつー仕組みにしてくれやがったァァァァ! 畜生、オメーは本当にロクなことしないな!!」

 

 

 不敵な笑い声は、ドップラー効果よろしく空気に溶けるようにして消えていく。完全に悪ノリの産物ではないか。

 テッソが恐ろしい勢いで機関銃を連射する。それら全てをどうにか回避しながら、至は周囲を見回した。

 

 特定の場所は、どこだ。ノーヒントで迎えとでもいうのか。だとしたらとんだ鬼畜ダンジョンである。逃げ回るにも戦うにも、体力に限界が来る方が早い。

 『そうだな。ヒントは――“この世界は、君の記憶と経験によって構築されている”ということかな』――フィレモンの言葉に、至は頭を回転させた。無論回避も忘れない。

 記憶と経験、記憶と経験。脳裏を駆けたのは、仲間たちとテッソを迎え撃った瞬間のことだ。確か、異界化した後の、どこかの野外だったはず。詳しい事は覚えていないが、とにかく野外だったことは確かだ。

 

 校舎内にある扉を開けた先。中庭のような、場所。

 

 その場所を鮮明に思い出そうとして――刹那、世界がぐにゃりと曲がった。気づけばそこは、学校の廊下。長い長い直線。曲がり角など見当たらない、変わった場所だった。

 先程まで校庭にいたはずなのに。至がそう思って首をかしげた時、背後からエンジン音が響いた。猫の鳴き声が、場違いに響き渡る。

 

 

「うげっ!?」

 

 

 背後の曲がり角から勢いよく飛び出してきたのは、やはり件のテッソであった。鳴き声は相変わらず可愛いまま、けれど弾丸を容赦なく撃ち放ってくる。

 逃げ場は直線のみ。脇道も無ければ教室もない。ただただ長い、真っ直ぐな廊下が広がっているだけだ。扉までかなり距離があるらしい。というよりもむしろ扉と言う名のゴールが一切見えなかった。

 

 

「ニャーオ!」

 

「痛い! 痛い痛い痛いって! ――クソッ、ゴールが見えるまでこの調子かよ!」

 

 

 何発の弾丸が、至の身体をかすめただろうか。

 

 ペルソナの召喚と交代が出来ないだけで、宿しているペルソナの属性耐性や能力ブースト等は効力を発揮している。現在、至が降魔しているペルソナはナルカミだ。

 ありとあらゆる属性に耐性を持つナルカミであるが、あくまでも「耐性がある」にすぎない。ダメージ自体は減るものの、殴られれば痛いという現象は変わらない。

 スザクに降魔し直せれば回復できるのに――心の中で悪態をつく。どうしようもないことはわかっているが、わかっているのと諦めるのとでは次元が違う。むしろ、わかっているから諦めきれないのだ。どうにかできないものだろうか、と。

 

 立ち止まったらアウトという、銃弾が飛び交う鬼ごっこだ。似たようなことは何度もやったことがある。

 その度に「二度とやりたくない」と願い、忘れ、再び巻き込まれて思い出すというサイクルを続けていたか。

 

 それらが走馬灯のように至の脳裏を駆ける。畜生、俺はまだ死ぬつもりはないぞ! 心の中で叫びつつ、テッソの攻撃を撒くように心がける。

 勿論、足を止めずに前へ進むことも忘れない。むしろ忘れたら蜂の巣にされた後三途の川に打ち捨てられてお終いだ。普遍的無意識どもがつまらなそうにしてる姿が浮かぶ。

 アレにバカにされるのも利用されるのも癪である。嫌いな奴にバカにされ、利用され、黙っていられる奴がどこにいよう。おまけに、何をやっても相手が得をするといったら! 反発してやりたくもなるだろう。己の持ちうる全ての力を使って。

 

 今回は、それが「フルマラソンからの戦闘」であるだけだ。持久および耐久力と、スピード勝負。

 

 このまま消耗し続ければ不利になる。とにかく、早くたどり着かないだろうか。中庭に繋がる扉――そこを開けさえすれば、こちらのターンが始まるのに!

 至は歯噛みしながらも、走る速度を上げた。銃弾の雨あられを喰らいすぎたので、そろそろスザクで回復したいところなのだが。

 

 

(――っ、見えたァ!)

 

 

 身体が悲鳴を上げかけた時だった。進行方向、前。そこには白い扉があった。テッソと戦った中庭に繋がるであろうと思しき扉が。

 しめた、と言わんばかりにラストスパート。先程までは先が見えなかったのに、扉との距離はぐんぐん縮まっていく。

 最後は殆ど跳躍だった。駆けていた勢いを衰えさせることなく、そのまま思い切り扉を蹴破る。一瞬、太陽の眩しさに目をつぶってしまいかけた。

 

 広がるのは、セベク・スキャンダルでテッソと戦うことになった中庭だ。今回の、決戦の舞台。

 押さえつけられるような息苦しさから解放された感覚を覚え、至は即座に手を挙げる。呼び出したのは、スザク。

 

 温かな光が舞い上がり、テッソによってつけられた傷が癒えていく。――よし、これで準備は万端だ。

 

 テッソが唸る。至が振り返りざまに手をかざせば、青い光幕が炸裂した。

 降り立つのはナルカミ。戦闘態勢は万全である。

 

 一瞬、テッソはたじろぐように後ずさりした。が、すぐに咆哮して機関銃の先をこちらに向ける。

 至は不敵に笑えば、ばちばちと雷が迸った! マハジオダイン――対集団用の雷属性魔法だ。

 単体用と比べて威力は低いものの、魅力なのは広範囲を巻き込める点である。

 

 小回りが利くテッソでも、流石にこの場全体が対象にされていたら逃げようがない。

 弱点である雷を叩きこまれたテッソは悲鳴を上げた。が、やはり仕留めるには至らなかったようだ。まだまだピンピンしている。

 

 

「……一筋縄じゃあいかないってか」

 

 

 至は舌打ちしつつ、テッソと対峙した。流石はフィレモン、あるいは暇を持て余した普遍的無意識の遊びだ。理不尽感が半端ない。

 しかも明らかにテッソの能力がおかしいのだ。奴と対峙した当時はマハジオしか覚えてなかったから苦戦したが、今ではマハジオダインが使える。威力だって跳ね上がったのに、一発で倒れない。大してダメージを受けた様子もなかった。

 

 鋭利な爪を輝かせながら迫るテッソを迎え撃つため、至はライフルを構えてトリガーを引く。

 陽向たちが対峙している期末テストと同じくらい、激しい戦いになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

少し離れた、近いような遠いような未来

 卵の中の世界/どこかの迷宮・5階層

 

 

 

 

「たとえばの話をしよう。自分の身内を銃撃してきた不審者が、いきなり“雇え”やら“連れて行け”って言ってきたとする。日本文化には『水に流す』という文化があることは確かだ。確かなんだが、流せるかどうかは個人の判断による。

 俺の場合はどうかって? ……どこをどうすれば流せると思う? 何をどういった思考回路をすれば、水に流してくれると思った? 無理だよね。おかしいよね。おたくらだってそうだろう。身内が突然銃撃され、襲ってきた相手がいきなり“雇え”って言って来たら、選択肢にYesはあるか?

 ないよね。常識的に考えて有り得ないよね。むしろ、お前らの場合は“己の持ちうる得物全てをフルに使ってオーバーキルする”タイプだろ。無論、相手の話なんてガン無視だ。今のお前らがそうだもんね。頭大丈夫? ああ大丈夫じゃないか。どの道どっちもイカれちゃってるんだからしょうがないんだよねきっと。

 こうなったら、頭にショック(物理)療法叩き込むくらいしなきゃ治らないかなぁ。今からでも効果あるかなぁ。少しでも効果が出る可能性があるなら、是非ともやったほうがいいと思うんだ」

 

「むしろ、精神的にもショック療法したほうが効果出るんじゃないか? どちらのショック療法が効果的なのかは、人の性格や性質による個人差があるからな。俺が魅了無効化できるのに対して、お前はしょっちゅうヤケクソ状態なってるし」

 

「否定はしない。確かに学生時代、お前がどこまでもアレだったから、とばっちりで精神攻撃と肉体攻撃受けまくったさ。メギドラオン連発とか普通にやられたし、各属性の最強魔法の雨あられを駆け抜ける羽目にもなったよ。大変だった。

 でも、やっぱり一番辛いッつーかキツかったのは、使用済みのトイレ掃除用ブラシやらつまりを直す吸盤やら向けられたことだったんだよな。周囲からいろいろ言われるのも嫌だったし、何より、雑菌だらけになった先端向けられるって嫌じゃね? 汚いし。

 しかもやる側の女子2人(麻希とエリー)は満面の笑み浮かべてたし。圭たちがいなかったら、俺って一体どうなってたんだろうなぁ。精神崩壊引き起こして人間不信にでもなってたかもしれんなぁ。ってことは、一歩間違えば――」

 

「まずいことになってたってことだよな」

 

「どう考えても精神的苦痛のせいです本当にありがとうございましたー。弁護士呼んで裁判やっても勝てるレベルです。証拠もこんなに残ってるんだから、訴えた人間が圧勝しそうです。てか、勝たなきゃおかしいね。おかしいよね。むしろ負ける展開なんて俺には一切想像できない」

 

「訴えられた側は、確実に死に至るだろう。社会的な意味で」

 

「確かにそうだな。……そっか。人を殺すのって、肉体的なものだけじゃない。精神的な意味だってそうだし、社会的な意味でも殺すことが出来るって訳だ。なるほどなー。なんで俺、そんな簡単なこと気づかなかったんだろう? 今まで何度も普遍的無意識たちにやられてたことじゃねーか。

 “人にやられて嫌なことは他人にするものじゃない”って言うけどさ、身内が理不尽に虐げられてるの見たらそんなのどうでもよくなるね。倍返しにしてやりたくなるよね。これでもかってくらい、じわじわじっくり報復してやりたくなるわ」

 

「お前凄かったもんな。自分を馬鹿にしてきた外人相手に、日本語でひたすら罵倒してやったんだっけ? “侮辱されてるのはわかるけど、何て言ってるかわからない”っていう恐怖を盛大に味あわせるってのが目的っていう」

 

「『わかってても怖い』って圭から言われた」

 

「確かにな」

 

 

 同じ顔をした双子の兄弟。

 兄の方はちらりと視線を向ける。無論、喋る口は休ませぬままに。

 

 赤い外套を羽織った銀髪の偉丈夫・黒い学生帽と外套がトレードマークな少年・少年が連れている黒猫が、青筋おっ立てながら困惑した表情を浮かべている所だった。

 前者の男性は、外国人故に日本語がさっぱりわかっていない。しかし、2人の表情からして、己がボロクソに言われていることは辛うじて察しているらしい。

 後者の少年と猫は、生まれも育ちも日本である。故に2人が何をしゃべっているか丸わかりなのだが、丸わかりの上、内容が内容であるが故に苦い顔をしていた。

 

 とられる。確実にとられる。何を? ――何かを。

 男性と少年および黒猫は、ただただ漠然とした予感を感じている。

 

 前者は「何を言われているかわからないから」、後者は「何を言われたかわかっているから」、何て言葉を返せばいいのかわからないのだ。

 それでも諦めたらダメだということを察した男性は、しきりに英語で話しかける。

 『何を言っているんだ? 俺は日本語がわからないんだよ』――彼の言葉は、当然、無視された。勿論意図的に、である。

 

 同じ顔した双子の兄弟、仕事柄世界中を飛び回っていることが多いのだ。

 

 多少日本語訛りではあるものの、きちんと聞き取ってもらえるほど会話のレベル。その基準にいるのだから、英語がわからないということは有り得ない。

 ついでに、悪意を持って語っているのは兄の方だ。弟は兄の言葉を受けたうえで、何の悪意も害意もなく、素で補足と合いの手を入れているだけに過ぎない。

 

 それを知っているのは、2人の気心が知れる2人の身内だけだった。

 あの2人――特に兄の方が「ああなったら止まらない」ということも知っている。

 しかし、身内は止めようとすら思わなかった。彼は、自分の心を代弁してくれていたから。

 

 

「……なぁ、あの2人どうにかならないか?」

 

「無理。むしろもっと言ってほしいしやってほしい」

 

 

 ちょっと泣きそうな顔で話しかけてきた黒猫の言葉を間髪入れず打ち落とす。

 それを聞いて項垂れる黒猫。奴は少年をけしかけた本人なのだから、自業自得である。

 

 遠くの方で猫の鳴き声が響いた気がした。頭の中に浮かぶ文字は幼児虐待。幼児というより青年虐待な気がするが、まぁどうでもいいか。

 むしろ今まで虐待されていたのはこちらの方だ。勝手に悪魔にされてしまうわ、友人や信頼していた大人からは裏切られるわ、出会いがしらに不審者どもから襲撃されるわ、鬼ごっこという名の精神的苦痛を受けるわ、散々だった。

 戦いも終わりに近づいて、あとは“この世界の真実”と“己がどうあるべきかの判断を下す”だけ。身内である双子の兄弟が一緒にいてくれなかったら――きっと自分は、取り返しのつかないことになっていただろう。

 

 2人は尊敬すべき先輩に当たる人であり、自分を助けてくれた人であり、この世界で唯一生き残った血縁者であり、身内だった。

 そして、最後まで自分を裏切らないでいてくれた人だった。

 

 赤い偉丈夫や黒い少年の実力は知っている。何せ、その刃や銃弾は自分に向けられたものだったから。味方になれば心強いのは当然のことだろう。

 

 しかし、今まで散々攻撃され、挑発され、仲魔や身内を馬鹿にされ、彼らをボロ雑巾のように扱われて。今更、快く迎えてもらえるなんて虫がよすぎる話ではないか。

 「仲間になったのはいいけどさー……」と言いながら、兄の方に視線を向けた。彼は自分の言いたいことを察してくれたらしい。それがそのまま冒頭に繋がっている。

 日本語訛りの英語が響く。今度は偉丈夫用のために、先程と同じ内容を英語で語っているようだった。しかも早口。反論の余地など一切挟まぬ勢いで。罵倒はすべて日本語だ。これなら罵倒に対して的確な反撃などできるはずがない。

 

 ついでに、弟の方も英語で補足や合いの手および相槌を打っている。そこに悪意は一切ない。どこまでも澄み渡った綺麗な眼差しに、偉丈夫は気圧されているようだった。

 そんな弟とは対照的に、兄はどこまでも荒んだ眼差しを向けている。あれもまた、別の観点から見れば「どこまでも澄みきった綺麗な眼差し」と言っても間違っていない。

 

 

「人の話を聞かないヤツの話を、どうして聞いてやらなきゃいけないんだ? これこそ矛盾の極みだと思うんだが……」

 

「ぶっは、ナイスだ弟! ……なぁ、今どんな気持ち? 自分がやって来たことが跳ね返ってきて、今どんな気持ち?」

 

 

 彼らの発言に、元・襲撃者たちは肩身が狭そうに項垂れた。心なしか、眼差しが先程よりも荒んできた気がする。兄の方と同じ目になりつつある。

 

 そろそろ許してやってもいいかもしれない。言いたいことは全て、彼らが代弁してくれたから。

 「もういいよ」と言えば、兄の方はちょっと物足りなさ気にため息をつきながらも頷いた。相変わらず、弟の方は首をかしげている。

 やっと解放される、とでも言わんばかりの勢いで、元・襲撃者の2人と1匹が顔を上げる。そんな彼らの様子に思わず笑いが込み上げた。

 

 

「――それじゃあ、コンゴトモヨロシク」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

「契約成立ってとこだな」

 

 

 かつての襲撃者たちと、がっちり握手を交わす。これで2人は正式な仲間だ。自分の心を代弁してくれていた双子(特に兄の方)も、肩を竦めつつ「よろしくな」と笑う。

 先程とは打って変わってフレンドリーになった兄の様子に、新たな仲間2人と1匹が目を見張る。若干笑みを引きつらせながら、それでもがっちり握手を交わした。

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