どうしてこうなった?   作:とんぱ
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今回はオリキャラが登場します。


第二十二話

「――と、以上が念の基礎的な要素となります」
「……纏・絶・練・発の四大行か」
「はい。纏で普段垂れ流しになっているオーラを肉体の周囲に留めます。基本中の基本ですが、最も大事な技能です。これが出来て初めて念能力者への道が開けます」
「私にも出来るのだろうか?」
「もちろんです。念は誰もが内に秘めている力。努力さえすればどんな人間にも使うことが出来ます。……それ故この能力は一般に拡めてはならないという暗黙の了解があります」

 もし一般人に念の知識が拡まったらとんでもない事態を引き起こすだろう。混乱するだけならまだいい。だが確実に犯罪は過激化し、念を使って様々な事件が多発してしまうだろう。
 それは殆どの念能力者が望んでいないことだ。例えブラックリストに乗るような念能力者でも無駄に念を拡めるような真似はしない。それが巡り巡って自分の首を絞める事になりかねないからだ。わざわざ自分のアドバンテージを捨てるバカはそうはいないだろう。

「そして絶。纏で作った念や肉体から漏れ出ているオーラを絶つ技術です。気配を消したりするのに便利ですし、疲労回復の効果も望めます。オーラを外に出さず内部で循環させる事で疲労や怪我が癒えやすくなるのです」
「ふむ。便利なものだな」
「隠密をするには必須の技術ですね。戦闘に置いてもかなり重要になりますよ」

 絶を応用した隠は高度な技術が必要だが戦いの中で虚を突くのに非常に有効だ。熟練した隠の使い手なら並の凝を以てしても見抜くことが出来なくなる。

「練は纏で生み出したオーラを増大させる技術です。纏よりも莫大なオーラを生み出すので潜在オーラ――これは術者が内包しているオーラ総量のことです――が多量に消費されますが、それに見合う効果を持ちます。練で増大出来るオーラ量の過多で戦闘の勝敗が決まる場合も多々あります」

 いかに技術で勝ろうとも100のオーラで10000のオーラに勝つのはまず不可能だろう。潜在オーラと顕在オーラを増やすのは念能力者にとって当然の理となる。

「そして発。生み出したオーラを自在に発する技能。これによって出来る事は千差万別。誰もが出来る発もあれば、その術者にしか出来ない発もあります」

 誰にでも出来る発とは凝や硬による攻撃や念弾にオーラの形状変化といった、威力や精度に個人差はあれど修行さえすれば誰にでも出来る念技術のこと。
 誰にでも出来ない発は私の【天使のヴェール】や【ボス属性】、ネテロの【百式観音】といった個人の思想や性格、資質等によって作り出された念能力のことだ。これは個人の才能や能力の難度によって習得出来る限界がある。これらの発も再現出来ないことはない。同じ能力を考える人間もいるだろうし、資質さえ合えば可能だろう。まあ特質系に至ってはそれもほぼ無理だろうが。

「あとは基本の四大行を使った応用技もあります。ある程度のレベルになると応用技をどれだけ自在に使えるかが勝負の決め手となるでしょう。まあ、これに関しては基本を修めてからですね」
「分かった。……ところでアイシャ。念の修行はもう始めるのか?」
「ええ、時間は1秒でも惜しいですからね。……何かあるんですか? やり残したことがあるなら待ちますけど」
「いや、そうではないが……修行をするのならアイシャの事を師匠と呼んだ方がいいのだろうか?」

 はい? し、師匠!?

「そ、そんな! 今まで通りアイシャと呼んでもらって結構ですよ!」
「だが私は君に教えを乞う身だ。ならばやはり師匠と呼ぶべきだと思うのだが。いかに親しき仲といえど、けじめはつけるべきだろう?」

 そうかもしれないけど、そんなのはご勘弁だ! 友達にそんな呼び方されるのはちょっと辛い。なんか壁があるみたいだ……。

「友達同士でそんなのはおかしいですよ。是非呼び捨てでお願いします」
「……ではせめて修行の間だけ師匠と呼ぶのはどうだろう? 修行以外の時間は今まで通りアイシャと呼ぶというのは?」
「ですがそれだとクラピカさんは私のことを常に師匠と呼ばなくてはならないじゃないですか」
「え?」
「え?」
「何それ怖い」

 ……? あ! 前世の修行時代を参考にしてしまっていた!
 あれを修行の基本にしちゃいけないよね。あんなのマゾにしか……いや、マゾでも出来ないか。

「いえ、先ほどのは失言です。とにかく、私のことはアイシャで通してください。それが念を教える条件とします」
「そ、そうか。そこまで言うのなら分かったよアイシャ。ただし、私のこともさん付けではなく呼び捨てにしてくれないか? ……友達だろう?」
「――! はい! 分かりましたクラピカ」
「今後ともよろしく頼むアイシャ」

 良かった良かった。やっぱり友達ってのはこうじゃなくっちゃ。

「それでは念の目覚め方について詳しく教えます」
「ああ。頼む」
「念に目覚める為に必要なのは己のオーラを感じ取ることから始まります」
「オーラを? それはどうやって?」
「瞑想や禅といった精神を集中出来る状態で自分の身体にあるオーラを実感します。これは才能のある者でもかなりの時間を掛けて行われます」

「瞑想や禅か。自分の身体にあるオーラを感じ取る……難しいな。時間が掛かると言うが、どれほどの時間が必要なんだ?」
「そうですね。才能のある者だと半年ほどで目覚める事も出来るでしょう」
「半年!? そんなに掛かるモノなのか……」
「はい。ですがクラピカの才能、そして集中次第ではもっと早く目覚める事も出来るでしょう。ここで大事なのは信じることです。精神を落ち着け集中し、疑わずに信じること。オーラは誰しもが持っている力なのですから」

 それが念に目覚める一番の近道だ。HBの鉛筆をベキッとへし折ることと同じように出来て当然と思うことが大事なのだ。
 かつての私は集中なんて出来なかったから目覚めるのに長い年月が掛かったが、クラピカなら恐らく私などより遥かに、そう、比べ物にならない程早く念に目覚める事が出来るだろう。もしかしたら1週間足らずで纏を習得してしまうかもしれない。

 無理やり念に目覚めさせる方法もあるけど、これは正しいやり方ではない。確かに早く目覚めることは出来るが、このやり方で目覚めるよりも本来の順序で目覚めた方がいい。
 瞑想による点――心を一つに集中し自己を見つめ目標を定める――を行うことで、より纏が力強く安定しやすくなる。纏と点は密接に繋がっている。心の持ち様は念に事細かく現れる為だ。
 座禅を組むほどまで没頭はしないが、私でも点と纏は出来るだけ欠かさないようにしている。

「では道中は出来るだけ瞑想をしてオーラを感じるようにしましょう」
「分かった。……道中? どこへ行こうというのだ? 聞く限りには念の修行はここでも出来そうだが」
「はい、行き先は……天空闘技場です」

 天空闘技場に行くのには勿論理由がある。
 あそこは様々な格闘家や喧嘩屋がやってくる。その数は1日に4千人にもなるらしい。それだけの選手がいたならばそれなりの戦闘経験も積める。……あくまでそれなりだが。
 200階からは選手全員が念能力者になる。その実力は高いとは言いにくいが、それでも念能力者には変わりない。やはりこれも念能力者との実戦の足しにはなるだろう。
 それに人間の集中力には限界がある。常に禅をしたままいる事は難しいだろう。息抜きと修行を兼ねた一石二鳥と言ったところか。

 さらにあそこにはゴンとキルアもいるはずだ。もし彼らが念を習得せずに200階まで到達していたら大変だ。キルアなら無謀な戦いを挑まないとは思うが、ゴンは何か無茶をしそうで怖い。
 出来るだけ早めに行って様子を見なくては。



 と、言うことでまたも飛行船を乗り継ぎしながら1週間空の旅。ようやく天空闘技場に到着した……。

 才能って、やっぱりあるんだなぁ。あれか? 天に選ばれた人間って奴なのか? これほどの才能に出会ったのは久しぶりだ。リィーナでも2週間は掛かったのに……。
 まさか本当に1週間で纏を身に付けるとは……く、悔しくなんてないやい! ……ちくしょう!

「これがオーラか。不思議な感覚だ」
「……すぐに馴染みますよ。慣れれば寝ていても纏を維持する事は可能です」
「な、何か機嫌が悪くないか?」

 そんなことないよ~。ちょっとやさぐれてるだけだよ~。

「すいません。私は念に目覚めるのにかなりの年月が掛かったものですから、つい……」
「そ、そうなのか。意外だな。アイシャなら私よりも早く目覚めてそうなモノだが」

 いえ、私は皆さんより長く修行しているだけなので、才能という点では遠く及ばないんだよなぁ。

「とにかく、まずはおめでとうございます。これで貴方も念能力者への一歩を踏み出しました」
「ありがとう。だがまだ先は遠いのだろう?」
「勿論です。念は奥が深い。今のあなたはようやく両の足で歩き出した幼児に過ぎません」
「道は険しそうだな。だが、必ず成し遂げてみせるさ」

 クラピカの才能ならかなりの速度で上達するとは思うが、慢心は禁物だ。
 例え念そのものを極めても、それを使った実戦経験が伴わないと意味がない。少しでもここで経験を積めればいいのだけど……。
 ここで学ぶモノがなくなったら風間流の道場にでも行こうかな? リィーナに言えば念能力者の門下生を借りる事も出来ると思うし。

「取り敢えず天空闘技場で選手登録をしましょう」
「確か200階の選手は皆念能力者だったか」
「ええ、ですがそこに行くまでも修行ですよ。まずは200階まで到達してもらいます。……条件付きでですが」
「条件?」

 そ、条件付きだ。今のクラピカの実力なら200階に到達するのは簡単だろうけど、無駄に戦わすつもりはない。これも修行の内だ。

「はい。200階に到達するまでは全ての試合で敵の攻撃を避け続け、一撃も攻撃を受けずに勝ち上がってもらいます。これはガードしても駄目です」
「……もし一度でも攻撃を受けたら?」
「その時はギブアップをしてください。あと、纏はしたままで結構ですよ。戦闘中も纏を維持する訓練になります。あ、試合時間は確か3分間だったので、最初の2分間はこちらから攻撃をしないように」
「2分間も? それはかなり厳しいな……」
「これの目的は様々な攻撃に慣れることです。念能力には一撃受けると致命的な攻撃もありますので。敵の肉体をよく観て観察し、呼吸を読み、敵意や殺意といった意を感じとり、全ての攻撃を分析し、察知して下さい」
「……分かった。やってみよう」
「頑張ってくださいね。……ちなみに2分間逃げ続けるのは禁止ですよ? きちんと相手の間合いにいるように」

 例え格下相手とはいえ、攻撃を制限された状態で相手の攻撃を全て避けるのは難しい。上の階に上がれば上がる程困難な修行になるだろう。200階に到達するのは順当にいって2~3ヶ月、遅くて半年といった所かな。
 ……今何かフラグを立てたような気がしないでもない。

「そして試合のない時間は全て念の修行にあてます」
「ああ、無論だ。そう言えばアイシャは天空闘技場には参加しないのか?」
「え? 私は以前参加した事がありますが……また参加しても得るものはお金ぐらいしかないですし……どうしようかな?」

 お金が手に入ると言っても別段欲しいとは思っていない。現在も充分にあるし、ここで稼いだところでグリードアイランドには遠く及ばない。
 でも待ってるだけなのも暇なのは確かか。私が試合している時は私の試合を見学してもらえばいいし。他人の試合を見るのもいい経験になるだろう。それに天空闘技場に来る機会なんて多分もうないしね。

「そうですね。どうせだから私も参加しましょう」
「そうか。勿論アイシャも2分間攻撃を避けるんだよな?」
「え? え、ええ、勿論ですよ」

 ……やれと言った手前断ることが出来なかった。2分間攻撃を避け続ける……果てしなく面倒だ。まあ私の避け方が参考になればそれでいいか。

「では私が試合している時は必ず見学すること。観ることもまた修行ですよ?」
「ああ、では行くとしよう」



 そして天空闘技場での修行の日々が始まった。
 最初の試合は2人とも楽々勝利。この程度の相手に苦戦しているようでは話にならない。まあ、極端に運が悪ければ最初の試合で強者とぶつかる事もあるだろうけど。

 初戦に勝利したクラピカは10階へと登った。初戦で実力を見せると一気に上に登ることがあるが、まあ時間を掛け過ぎたのが原因だろう。
 私もクラピカに合わせて10階へと登ることにした。以前200階まで到達したことがあった為、いきなり100階まで行けと言われたけど。同じ階に合わせた方が都合がいいしね。

「取り敢えず何とかなったな」
「最初からつまづかれては困りますしね。今日はまだ時間もありますし、私たちは無傷です。恐らくもう一度試合が組まれるでしょう」
「そうなのか? まあ先ほどのレベルの相手ならば問題はあるまいが」
「大差はないはずですよ。むしろ最初の試合よりも安心です。何故なら強者は10階なんて飛ばして上に行きますからね」
「……ここにいるのはさしたる連中ではないと言う事か」

 そういうこと。でもあまり口に出さない方がいいと思う。周りの視線が痛いよ。……まあ、私の発言でも充分怒るか。

「さて、次の試合が終われば今日は試合もないでしょう。その後は念の修行……の前に、1つ私用があります」
「私用? 一体何の用事があるんだ?」
「ええ、実はここにゴンとキルアもいるんですよ」
「!? 本当なのか!?」
「はい。ゾルディックに調べてもらった結果なので信頼できる情報です」
「そうか。……ゴン達がここに来たのは恐らくヒソカに勝つ修行の為かもしれないな。彼らなら200階に到達するのも……待て、それはまずいのではないか?」
「はい。200階クラスは全員が念能力者です。ゴン達が念を知らずに200階に到達していたらかなり危険です」

 まだ200階に到達してなければいいんだけど……ゴンはともかくキルアなら確実に到達出来る実力を持っている。ゴンとてあの試しの門を開いているんだ。よほどの敵と当たらなければ200階到達は可能だろう。

「……次の試合が終わったら早速探してみよう。かなり目立つ2人のことだ。見つけるのは難しいことではないだろう」
「ええ……ん? どうやら私の試合のようです。それでは行ってきますね」

 特に苦戦はなくさくっと勝利……まあ、2分は掛かったのは仕方ないけど。
 続くクラピカも難なく勝利。ただ無為に攻撃を避けるのではなく、敵の動きをよく観察しようとしているな。感心感心。

 それではゴン達を探しに行くとしようか。







 ゴンとキルアはすぐに見つかった。
 どうやら既に200階の選手になっていたようだ。
 200階選手はあまり人数も多くはないらしい。さらにはあの2人の年齢だ、目立たない訳が無い。聞き込みをしてわずか数分程度で居場所が分かった。

 そしてアイシャの危惧していた通り、ゴンはもう200階で試合をした後だった。
 結果は惨敗。粘りはしたものの、相手選手から1ポイントも奪えずに敗北してしまったらしい。その時の怪我のせいで現在は療養中だそうだが、かなりの重傷らしい……。

「……」
「アイシャ……」
「……行きましょう。ゴン達は200階です」
「ああ。……ゴン達に念を教えなかった事を後悔しているのか?」

 そこまで気にすることもないだろうに。聞いた限りでは確かに不用意に教えるべきではない力だ。まだプロハンターの資格すらない当時の私達に秘密にするのは当然のことだろう。

「……そうですね。伝える機会を潰してしまったのは私のせいです」
「ハンター試験最終日のことか? ……あまり気にするな。君のせいではない。これは他の誰でもない試合に臨んだゴンの責任だ」

 誰かに強制された訳でもない、自分の意思で臨んだ戦いで負った傷だろう。ゴンも誰かのせいにするつもりはないだろうさ。

「さて、200階についたはいいが……ゴンのいる階は何階なんだ? 受付に問い合わせてみるか」
「……いえ、その必要はありません。もう少し上の階にゴンとキルアの気配があります」
「そこまで分かるのか? すごいな、私には分からん……」
「ええ、まあ。よく知っている人の気配なら……おかげで嫌な人間がここにいるのも分かりましたよ」

 嫌な人間? アイシャが他人をここまで悪し様に言うのは珍しいな。

「一体誰のことを言ってるんだ?」
「変態です」
「そうかよく分かった」

 ヒソカがここにいるのか。
 試験の後、蜘蛛についていい事を教えようと呟き、追いかけようとする私に“9月1日にヨークシンで待つ”と言い残し去っていったアイツがここにいる……。

 何か肩透かしな気分だな……9月に会おうと言っていたが、3月の今に会いそうなんだが?
 まあいい。気になっていたことだ。早く会えることは歓迎すべきだろう。
 ……アイシャは嫌がってそうだが。まあ私とて好んで会いたくはないな。
 と、考え込んでいる間にゴン達の部屋に着いたようだ。

「はいよー」

 ノックをすると中から返事が聞こえてくる。間違いない、キルアの声だ。こんなに早く彼らと再会するとは思わなかったよ。

「失礼します」
「失礼する」

 中に入ると、そこには椅子に座ったキルアとベッドに腰掛けて包帯で包まれたゴンの2人がいた。
 2人とも驚いているな。当然か、こんな場所で私達に、特にアイシャに会うとは思いもしなかった事だろう。

『アイシャ!? それにクラピカ! どうしてここに!?』

 ……息の合うことだな。綺麗にハモったぞ?

「……お久しぶりですね2人とも」
「あんな別れ方をしておきながら、意外と早い再会だったな」
「あ、ああ。そんな事よりアイシャ! お前今までどこにいたんだよ!? 色々聞きたいことがあるから全部聞かせてもらうぞ!」
「良かった。アイシャ無事だったんだね。試験の後どこにもいなかったから心配したんだよ」

 ああ、そういえばキルアは私達とゾルディック家で再会した時にアイシャのことを気にしていたな。……素直じゃないが、意外と可愛いところもあると思ったものだ。

「私のことはまた後でお話しします。それよりも……ゴン、あなたは念というモノを知っているのですか?」
「え? アイシャも念のことを知っているの!?」
「マジで? もしかしてアイシャも念を覚えたのか?」
「! お前達ももしかして念を覚えたのか?」

 キルアの言葉。これは自分も念を覚えたことを意味しているとしか思えない。
 名前も知っているとなると、誰かに教わったのか?

「……どうやら念のことは知っている様ですね。何時覚えたのですか?」

 ……怖い。アイシャから何か寒気のような物を感じるのだが?

「えっと、その……6日程前だけど?」
「ああ、私より少し早いな。私は今日覚えたばかりだ」
「へぇ、そうなんだ。一体誰に教わったんだよ? アイシャはどうなんだ? もう覚えたのか?」
「そうですか。……それで、試合をしたのはいつです?」

 ……キルアの質問を軽く無視してゴンに問い詰めるアイシャ。だから何か怖いのだが?

「……5日前だよ……です」

 語尾が何故か敬語になっているぞゴン。冷や汗もかいているようだ。いや、何故か私もキルアもかいているが……。

「……つまり念を覚えて次の日には試合をしたと。……念は独学で?」
「う、ううん。その、ウイングさんって人が教えてくれたんだけど……」
「そのウイングという人には念の危険性を教えてもらわなかったのですか? その人は念能力者との試合を許可したのですか?」
「いや、ちゃんと教えてくれたよ! 試合も2ヶ月は我慢しろって――」
「――だったら何故待てなかったのですか!!」

 ――!?
 アイシャが……あのアイシャがここまで怒ったのを見るのは初めてだな。それだけゴンの危険な行為に憤り、そしてそれ以上にゴンのことを心配しているんだろうな。

「念について甘い認識をして! 大怪我で済んだのは運が良かっただけです! 五体が不満足に、いえ、死んでいたかもしれないんですよ!?」
「……ごめんよアイシャ」
「まあこの馬鹿も反省してるよ。アイシャに言われたこと、オレにもウイングにも言われてるしさ。許してやってくれよ」

 素直に謝るゴン。さすがに自分が悪いと思っているようだ。キルアが言うに他の人にも散々言われたみたいだしな。
 アイシャもキルアの言葉を聞いて少し落ち着いたようだ。

「……そうですね、私も強く言い過ぎました。ごめんなさいゴン」
「ううん。アイシャは悪くないよ。オレが馬鹿な事したから」

 こうして叱ってくれる存在がいるのはいいことだぞゴン。

「思い込んだら迷わないのはお前の美点だが、少しは考える事も覚えなくてはな」
「う、クラピカまで」
「何を言う。私もアイシャから念について学んだが、あんなモノに覚えたての念で挑む気にはなれないぞ?」

 あんな大岩を粉々に砕くような奴らに念初心者の私達が挑むなんて自殺行為だろう。もっと研鑽を積んでからでないとな。

「え? クラピカってアイシャに念を教えてもらったの?」
「ああ、1週間程前にアイシャと再会してな。その時に教えてもらった」
「何だって? ……アイシャは何時念について知ったんだ?」

 そう言えば私も知らないな。ハンター試験の時には既に覚えていたようだが。

「……そうですね。もう、大分前のことです。昔過ぎて細かい事は忘れてしまいました」
「そんなに幼い時から念を覚えていたのか」

 そう言えば彼女は流星街の出身だったな。もしかしたら念能力者に拾われて育てられたのかもしれないな。
 まあ、ここは詮索しないでおくのがいいだろう。誰しも知られたくない事の1つや2つはあるものだ。

「じゃあハンター試験の時も念を使ってたのか!?」
「少しだけですが。まあ、ほとんどは絶で過ごしていましたが」
「なんだよそれ~! だったらオレ達に教えてくれたら良かったじゃんかよ~!」
「ええ、申し訳ありません。私もこんなことになるならもっと早く教えておけば良かったと思っています……」

 キルアの言葉に落ち込むアイシャ。
 それを見て慌てるキルア。
 ……うむ。傍で見ている分には面白いな。
 だがそろそろフォローを入れておこう。そうでないとキルアが可哀想だ。キルアも育った環境が環境だからな。女の子に対してどう接していいか良く分からないのだろう。

「まあそう言ってやるなキルア。本来、念とは悪用を禁ずるためプロハンターになって初めて教わる資格を得るモノらしい。アイシャも軽々と教える訳にはいかなかったんだ。念の危険性を知った今なら分かるだろう?」
「……分かったよ。そういうことなら、まあ、許してやるよ」
「そうですか。それなら良かった」

 ようやく部屋の空気が良くなってきたな。
 せっかく再会したのに雰囲気が悪くなるのもなんだろう。

「それでアイシャ。アイシャは今まで何をしていたの?」
「それだよ。お前本当にあのネテロ会長からボール奪ったのかよ? 試験の後はどこに行ってたんだ?」
「そうですね。取り敢えず私のことについて話しておきましょう」







「と、言うわけです。ここに来たのもあなた達に会いに来たのとクラピカの修行を兼ねてのことです」

 ネテロとの戦いをぼかしつつ、試験後の私の近況について皆に説明した。
 さすがに全てを打ち明ける勇気は私にはない。これで彼らに避けられたらショックで寝込んでしまいそうだ。

「……つまりボールを奪ったわけじゃなく、会長が攻撃しちゃったから相手の反則負けになったんだ」
「ええ、おかげで合格出来ましたよ」

 後から思えばあれってネテロの反則負けだったんだよな。あの時は【百式観音】を喰らったことで気が動転して気づかなかったけど。今回はそれを上手く説明に使わせてもらった。

「そしてその後会長にリベンジして重傷を負ったから1ヶ月程入院してた、と」
「はい。そういうことです」

 ……まあ、間違ったことは言っていない。リベンジも重傷を負ったのも本当のことだ。

「すいませんキルア。迎えに間に合わなくて……」
「別にいーよ。まあ、理由も分かったしさ」
「あの時のキルア、アイシャがどこにもいなくて不満そうだったもんね」
「んなことねぇよ! あ、アレはアイシャが試験にどうやって合格したか聞きたかっただけだよ!」
「ははは。まあそう恥ずかしがる事もないだろう。もっと素直に――」
「うっせぇ!」
「……やれやれ」

 ふふ。こうして皆で揃って話すのは楽しいなやっぱり。
 でもレオリオさんがいないのがちょっと寂しいかな。

「ていうかよくウチの実家に行って無事だったな」
「意外と話の分かる人達でしたよ? ゼノさんとは茶飲み仲間になれましたし、シルバさんとも時々話をしましたよ。キルアをよろしく頼むと言われました」
「ジイちゃんとオヤジと? お前どんだけだよ」
「ミルキにも色々とお世話になりましたし」
「ミルキに!? ……アイシャ、アイツに何かされたりしなかっただろうな?」

 ミルキに? どちらかと言うとキキョウさんに何かされそうだったけど……。

「何もされていませんよ。こうして皆と会えたのもミルキが居場所を調べてくれたからですし」

 強いて言うなら服の着替えぐらいか。今はまた元の服装に戻してるけど、あれはもう勘弁だ……。

「……ブタくんがねぇ」
「ゾルディックには本当にお世話になりました」
「あそこでそんな思いをするとは私には想像出来ない……」
「いいなぁ。オレもキルアの家族と会って話したかったなぁ」

 あそこの住人と会って話がしたいと言えるゴンも大概だな。

「それで、アイシャは念についてどこまで知ってんだ?」
「基本と応用については全て熟知していると思いますが」

 念は奥が深い。さすがに固有の念までは知り尽くすことは出来ない。いや、応用でさえもしかしたら私の知らないモノも有るのかもしれない。
 私が開発した『廻』も応用の1つ。誰かが新しい応用技を考案している可能性もあるだろう。

「そっか……なあゴン。ウイングじゃなくてアイシャに教わるってのは――」
「駄目だよキルア。どうせそんなこと言って、ウイングさんとの約束をなかったことにするつもりでしょ?」
「ちぇっ。お堅い奴だなぁ」

 ウイングっていう人との約束? 一体何の話だろう?

「その約束というのは?」
「ゴンがウイングとの約束破って勝手に試合したもんだからさ、今後2ヶ月の間は試合禁止、念の修行はおろか念について調べるのも禁止。それを守れなかったら念を教えないって言われたんだよ。この馬鹿のせいで」
「なるほど。ウイングさんという人はとても良い指導者の様ですね。きちんと念の危険性を理解しています」

 これは一度会って話をした方がいいかな? ゴン達が世話になってるようだし、一応どんな人か確認もしたい。

「ウイングさんはどこにいるか分かりますか? ちょっとお話したいのですが」
「ん~、近くの宿だけどさ。止めとけば? ちょっとイヤな奴もいるし」
「シオンさんのこと? でもあの人は正しい事しか言っていないよ」

 シオン……? 聞いたことがある名前だな。……まさか? いや、シオンなんてどこにでもいる名前か。

「シオンとは一体誰なんだ? その人も念能力者なのか?」
「ああ、ウイングと一緒にいた奴でさ。ウイングに念を教わろうとしているオレ達に止めた方がいいとか、間違ったことをとか、ウザってぇことばかり言うんだよ」
「でもオレ達を心配して言ってくれたことでしょ? 無理やり起こすのは本当は良くないってウイングさんも言ってたことだし」
「まあ、そのシオンという人がいるにせよいないにせよ、ウイングさんに会いには行きます。クラピカはここでゴン達と話をしていて下さい」
「だったらオレが案内するよ。宿の場所分からないだろ?」

 取り敢えず会って人となりを見てみよう。ゴンが信用しているから大丈夫だろうけど。



「ここだよ。中にいるみたいだな」
「そうですね。話し声も聞こえますし」
「おーいウイングさん、中に入るぜー」
「キルア君ですか、どうぞ」
「失礼します」

 中に入るとそこにいたのはウイングさんと思わしき男性と、ゴン達と同い年くらいの子ども。そして私の知るあの子の面影を持つ人がそこにはいた。

「いらっしゃい。おや、そちらの方は?」
「初めまして。私はアイシャといいます」
「これはご丁寧に。私はウイングといいます。よろしく」
「押忍! 自分、ズシといいます!」
「ボクはシオンだ。……よろしく」

 ふむ、やはりこの男性がウイングさんか。そしてこの子がズシ君と。そしてこっちの人が……。やっぱり私の知ってるシオンに似ているな。あの子が成長したらこんな感じになるだろう。本当に本人かもしれない。

「ゴン達がお世話になった様で、どうもありがとうございます」
「いや、お前はオレ達の保護者か?」
「何を言うんですか? 私はあなたのお父さんからあなたのことをよろしくと言われたんですよ? それに私の方が年上ですしね」
「1歳しか違わねぇだろうが!」

 ははは。実は130歳以上は年上だよ。

「おや、この歳で彼女がいるとは……キルア君も隅には置けませんね」
「それよりも自分はこの女性が自分より1つしか変わらないことに驚きっす……」

 彼女? ほわい? 誰が? 誰の?

「か、彼女じゃねぇよ! こいつはただの友達だよ!」
「ただの友達……」

 友達……キルアが私のことを友達と……。

「なんでてめぇは喜んでんだよ! それはどっちの意味で喜んでんだ!?」
「こんなに狼狽えてるキルアさんを見るのは初めてっす」
「ははは。いや、私は安心しましたよ。キルア君も年頃の少年だということです」
「うっせぇよ!!」

 ツッコミが忙しそうだなキルア。

「騒々しい。結局キミ達は何の用でここに来たんだい?」
「……アンタには用はねぇよ、用があんのはウイングさんにだ」

 シオンさんの言葉に対して険のある返し方をするキルア。何か本当に嫌ってるな……。

「私に? 一体どうしたんですか?」
「用があるのは私でして。ゴン達が迷惑を掛けたことのお詫びと、ゴン達に念を教えたウイングさんと少しお話がしたくて参りました」
「……君も念を学びたいのかい?」
「いえ、私はすでに念を修めています。失礼ですが、ウイングさんの流派は? それとも念は独学でしょうか?」

 もし独学ならゴン達に念を教えるのは辞めてもらおう。彼らは今が一番大事な時期だ。生半可な知識を与えて放り出されては困る。

「いえ、心源流にて師の下で念を学びました。一応は師範代として弟子の指導を任せられている者です」
「ああ、それなら良かった。心源流の方なら安心して任せられます。ゴンとキルアをよろしくお願いします」

 どうやらとても性根の真っ直ぐな好青年のようだ。
 オーラも力強く安定しており、周りを包み込むように暖かい。信頼出来る人で安心した。それに師範代ともなれば念についても問題ないだろう。

「ええ。彼らの様な才能の持ち主を腐らせるのは私としても惜しいと思っています」
「だったら尚更ゆっくりと目覚めさせるべきだったのだ。キミともあろう者があのような外法なやり方で念を目覚めさせるなど……」

 シオンさんがウイングさんに詰め寄って抗議している。どうやら念の目覚めさせ方に文句がある様だ。まあ私も外法なやり方で念に目覚めさせるのは反対だけど。今回はまあ仕方ないとしよう。

「それは……申し訳ないとは思っています。ですがあの時目覚めさせなければ彼らは念に目覚めぬまま能力者と戦っていたかもしれない」
「だからその戦いこそを諦めさせれば良かったんだ。君なら多少強引にでも止めることが出来ただろう。彼らに才能があるのはボクにも良く分かる。だが、だからこそ正しい教えを与えなければならないのだろう? 念を軽んじた結果があれだ」
「……これだから嫌だったんだよここに来るの」

 成程、キルアが嫌がったのはこういうことか。
 言ってることは正しく、決して間違ったことじゃない。でもその言葉の中には正しさが前に出すぎて相手の事情や感情が入っていない。シオンさんがゴンやキルアを案じているのは本当だろう。けど、それで納得出来るキルアじゃないんだよな。
 キルアは感情で動くことが結構あるからな。苦手なんだろうなこういう人が。
 でも何だかシオンさんを見ていると違和感を感じる。一体なんだろうこの違和感は?

「あの、貴方も心源流の方ですか?」
「いや、ボクは風間流の門下だ。心源流ではないよ」

 やっぱりか。多分間違いない、この人は私の知ってるあのシオンだろう。
 いやぁ、懐かしいなぁ。こんなに成長して……最後に見たのはこの子が12、3歳だったから、今は26歳くらいかな? リィーナに憧れていて、小さいながらも懸命に修行していたのを覚えているよ。リィーナもシオンに才能を感じたのか指導に熱を入れてたよなぁ。

「シオンは私の古い友でして。よく共に武の研鑽を積む仲ですよ」
「フ、勘違いするなよウイング。ボクとキミは好敵手であり、決して友などと言う間柄ではない」
「また貴方はそういうことを……確かに好敵手ではありますが、お互いの師も仲睦まじいのですから、長い付き合いでもありますし私たちも――」
「巫山戯るな! そのような戯言を聞くと思っているのか!」

 顔を赤くして怒鳴るシオン。何でそこまで怒っているんだろう? そんなにリィーナとウイングさんのお師匠さんの仲が良いのが嫌なのか?
 ……ん? リィーナと仲が良い心源流の人間? それってもしかしてビスケのことかな?

「……失礼した。少し頭を冷やしてこよう」

 そうして踵を返して退出するシオン。
 うーん。カッとなりやすいところは治ってないなぁ。興奮するとどもったり緊張して慌てたりとかしてたな昔は。

「いや、申し訳ない。時々ああして怒られまして。長い付き合いですが未だに彼の怒りのツボは中々分かりません……」

 ……ん? 今、何かおかしな点が。

「やだねぇ。ああ言うヒスな男ってさ。オレの母親みたいなヒスな女も嫌だけどよ」
「はは、そう言わないでやってください。彼も悪い人ではありませんから」
「シオンさんには念の手ほどきでお世話になる事もあるっす! いい人っすよ」

 ……うん。もしかしてウイングさん。いや、キルアもズシ君も勘違いしているな。

「あの……」
「どうしましたアイシャさん?」
「いえ、その……」
「何だよアイシャ、歯切れが悪いな。はっきり言えよ」
「ええ、シオンさんの事なんですが……」
「シオンさんがどうかしたっすか?」

 これは言ってもいいことなんだろうか? もしかしたらあの子が秘密にしていることなのかも……。
 でもそんなことは……あの子はアレが残念だからなぁ。本当にただウイングさん達が勘違いしているかもしれない

「彼がどうしたんですか?」

 ……ああ! もういいや、言っちゃえ!

「シオンさん、女性ですよ」
『……………………え? ……………………いや、え?』

 ……まあ、勘違いしても仕方ないかもしれない。成長していたけど、胸は残念だったしなぁ。分けてあげたいくらいだ。正直こんなのいらないし。まだ大きくなるしなぁ。







 ああ~、私のバカバカバカ!
 どうしてあんなイヤミな言い方ばかりしちゃうのよ! はぁ、ウイングに嫌われたりしないかな……?

 あんな風に出て行って……うう、もし嫌われたらどうしよう……。
 でもウイングが悪いんだよ! わ、私と仲睦まじいなんてそんなことを言うから!
 ……なか、むつまじいウイングと私……。

 あ、いけない鼻血が……。

 落ち着いて、落ち着いて素数を数えるのよシオン。
 2・3・5・7・11・13・17・19……。

 ふぅ、落ち着いた。幼き頃にリュウショウ様に教わったこの精神安定法はとても良い効き目ね。さすがはリュウショウ様! リィーナ様の師だけのことはある!

 でも、ウイングの前にいる時のあがり症はこれでも何ともならないんだよね……。あんなセリフも言ってしまうほどテンパってしまうし……。

 “フ、勘違いするなよウイング。ボクとキミは好敵手であり、決して友などと言う間柄ではない(キリッ”じゃないよ!
 せっかくウイングが友達って言ってくれたのに……でも、友達なんて関係じゃ嫌なのは確かだし。その、やっぱり、こ、こここ、恋び、キャアアアアアア! ダメ! これ以上恥ずかしくて考えられないよぅ!

 もしウイングとそ、そんな関係になれたら、もう死んでもいい!!
 いややっぱりダメ! 死んだらウイングとの幸せな結婚生活が出来ないもの!
 子どもは何人がいいかな? 私は最低でも5人は欲しいな。ウイングも子どもが好きだろうし。ズシ君との会話を聞いていれば良く分かる。
 そう言えばズシ君には私も念について手ほどきしているんだよね。
 2人で一緒に子供の教育。こ、これは子育ての予行練習と言えるのではないかな!? そしてゴン君とキルア君も一緒に修行しながら家族の団欒を!

 ぐ! ダメだ、想像が膨らんでまた鼻血が!
 クールだ! koolになるのよ!
 23・29・31・37・41・43・47・53・59……。

 ふぅ、何とか収まった。私のこの鼻血癖も何とかならないものかな?

 でもこれもウイングが悪いのよ! ウイングが、あ、あんなにも格好良いから!!
 ああ、どうしてウイングはあんなに格好いいんだろう?
 凛々しい顔に鍛えられた肉体。健全な精神に少しずぼらな格好。よく寝癖が出来るのもシャツがはみ出ているのもチャームポイントだよね! それでいていざとなったらとても男らしい……こう、守ってくれるって感じ? 普段は優しいし、試合の時も私が女でも遠慮する事なく全力で戦ってくれるのもいい。手加減されるのは武術家の恥だものね。
 ああぁ、何もかもが素敵。ウイングが素敵すぎて生きるのが辛い……。

 はぁ、ウイングとずっと一緒に居られたらなぁ。
 でもリィーナ様から出来るだけ早く本部に戻ってくるよう連絡が入ってるし……。

 延ばせても精々1ヶ月くらいかなぁ。
 せめてそれまでにたっぷりウイング分を補充しとかなきゃ!



リィーナの直弟子シオンちゃん(26)。恋に生きる乙女(26)です。
ひんぬー担当でもある。ビスケ? あれはゴリ……ロリババァ枠だから……。







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