とある洋服屋さんの毎日   作:甘夏缶詰

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二人目のお客さん

「お邪魔するわね、皐月。いる?」

 

「はーい、いらっしゃいー。ゆうかりんー」

 

恥ずかしい言い方しないでよ、と文句を言いながら店へ入って来たのは大妖怪の風見幽香である。

 

 

風見幽香。彼女はまさに最強で最凶という評価に相応しい力の持ち主だ。

 

やれUSCだ最強嗜虐生物だ何やら言われ、幻想郷縁起にもそれ相応の評価を書かれた彼女の名を聞くだけで怯えてしまう妖怪もいるというのに、そんな妖怪と対峙しても皐月は何時もの調子となんら変わらない。

 

 

いや、それだけでなく幽香に好意的なのだ。

 

 

初めの方は何とかして皐月を虐めてやろうと奮闘していた幽香も、これでは毒素が抜かれてしまい、皐月に対してはどことなく優しくなってしまった。

 

 

「はい、お茶ですよー。本日は何をご注文でー?」

 

 

「夏服を一着。寸法は前ので構わないわよ。」

 

 

幽香もこの店の常連の為、度々オーダーメイドの服を頼んでいる。まあ、それよりもクリーニングや繕いをして貰う事の方が多いのだが。

 

 

「えー。はかったほうがいいよー?」

 

 

「いいのよ、別に。」

 

 

多少不満そうにしながらも皐月は了解し、ちょっと待つように伝えて奥へと消える。

 

皐月は能力を使って服を作っているらしい。その為出来上がりが有り得ない程に早く、十分程度で仕上げてしまう。

 

作り方が気になる所だが、彼女は服を作る所を他人に見られるのを嫌う。あのスキマ妖怪も皐月が服を作る所を見た事がないらしい。

 

まあ、彼女は彼女なりで事情があるのだろうし、それを聞くのはあまりにも野暮だと幽香は思っていたため、彼女自らそれについて触れる事はなかった。

 

店の中を物色したりすること十分。

 

皐月は可愛らしい紙袋を持って奥から現れた。

 

「はい、ゆうかりんー。夏服だよー。」

 

「有り難う。代金は・・・コレね。」

 

幽香は紙袋を受けとると、手の中から何輪もの花を出す。

 

「ありがとー。やっぱり、お花って綺麗だねー。」

 

「貴方みたいな花好きに見られると花も一層輝けるの。私としてもお礼を言いたい位よ。」

 

幽香は、代金の代わりに花を何時も皐月に見繕っていた。

 

「あ、あと。これ、あの、余ったから・・・・・」

 

そう言いながら照れ臭そうに幽香が差し出した袋には、幽香の農園で取れたであろう新鮮でみずみずしい野菜が沢山入っていた。

 

「わぁー!美味しそうな野菜ー!ありがとうー!」

 

「べ、別に・・・・・・」

 

皐月が感謝の意を伝えると、少しうつむいて嬉しそうにする幽香。

 

「良かったら、もうちょっとお茶飲んでいきなよー。今、丁度、お客さんいないしー。」

 

「いいけど・・・・・」

 

「やったー。ゆうかりん大好きー!」

 

「えっ、ちょっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 




私の中ではゆうかりんは友達が欲しいけど虐めちゃうツンデレ系の乙女。

あとゆうかりんが皐月に渡した花束の内容を活動報告にかきました。暇な方は是非。
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