とある洋服屋さんの毎日   作:甘夏缶詰

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「ごきげんよう、霊夢。」

 

「ああ、紫・・・・って、どうしたの?その腕。」

 

境内の掃除をしていた霊夢は振り返り、目に入った紫の姿に疑問を浮かべる。

 

紫の左肩から先はばっさりと無くなっていた。

 

紫に手痛い一撃を見舞う事のできる者など、幻想郷広しと言えども限られている。

 

だが、それほどの力を持つものは総じて理性的で、紫を攻撃したり怪我を負わせたりすれば、自らに不利益が回ってくる事を理解しているため、そのような行動を取る筈が無いのだ。

 

だからこそ、霊夢はその人物が誰なのかに純粋な興味を持った。

 

「相変わらず私の心配はしてくれないのね。残念。」

 

「心を読むな。そして言いたい事が分かってるならさっさと答えなさい。」

 

霊夢はわざとらしくしょげてみせる紫に呆れたように溜め息を吐くと、早く答えを言うように促す。

 

「まあ冷たい。でも良いわ、教えてあげる。貴方も知っておいた方が良いでしょう。」

 

「早く言えと言っているのよ。」

 

「そう急かさないの。そうねぇ、私、覗き見とか好きでしょう?」

 

「ええ。」

 

なかなか答えを言わない紫に苛立ちながらも、霊夢は返事を返す。

 

「だから、私ね、見ないでって言われたら見たくなっちゃうの。だから後ろからこっそり腕を出して驚かそうと思ったら・・・・ばっさりよ。隙間をどんな方法かは知らないけど、腕を引っ込める前に無理矢理閉じられたの。」

 

「だから、犯人は誰なのよ。」

 

「ふふっ、手段から犯人を考察するのも一興よ?」

 

妖しげに笑ってみせる紫。

 

「そんなの知らないわ。面倒臭い。」

 

「あら、良かれと思ってだったのに。じゃあ言うわね。犯人は・・・・・・・・・」

 

本当に興味がない様子の霊夢に残念そうにしながらも、紫は告げる。

 

「貴方も良く知ってるでしょう?人里の外れにある、洋服屋さん。そこの店主の昏櫁 皐月よ。」

 

霊夢もよく知る、お人好しの名を。

 

▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ魔理沙。あの人里の外れにある洋服屋あるでしょ?」

 

「ああ、皐月の所か。それがどうした?」

 

魔理沙は春の陽気に眠そうにしながら霊夢に返事を返す。

 

「その皐月の話なんだけど、魔理沙からみたらどんな人?」

 

「変な質問だな。お人良しだと思うぜ。金が無いやつにでも服を作ってやることもあるみたいだし。」

 

私も含めてな、と無駄に胸を張る魔理沙。その魔理沙に冷たい目を向けながら、霊夢は告げる。

 

「そう。その皐月なんだけどね、この前紫の腕を一本、切り落としたそうよ。」

 

「・・・・・は?」

 

「紫がこっそり何かを覗き見しようとしたららしいんだけど・・・・何か知らない?皐月が見せたがらないことって。」

 

状況の読めていない魔理沙に淡々と告げる霊夢。

 

「見せたがらないことは服を作ってる所だと思うが・・・・いやいやいや、な訳ないだろ。あの呑気な皐月にそんなことができるとは思えん。」

 

「そうなのよねえ。でも、本当らしいんだから仕方ないでしょ。」




何か変なことになってきた。

反省はしている、だが後悔はしていない!!
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