とある洋服屋さんの毎日   作:甘夏缶詰

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語り部代わり
隙間妖怪の見た少女の姿


 

 

皐月と紫が初めて出会ったのは、無縁塚であった。

 

 

その時皐月は人里で流行病にかかって死んだ親子の子供として、無縁塚で捨てられたばかり。幼く、齢は5に満たぬかというほどであった。

 

 

本来なら人喰い妖怪の餌食となり、すぐさま命を落としていたであろう皐月は、何故か妖怪の腕を裁縫鋏で切り落とし、嬉しそうに頬ずりしていた。

 

 

「ああ、生きているものの温もりだ。」と呟きながら。

 

 

流石に興味が湧き、紫はにこやかな笑みを浮かべながら皐月に話しかけた。

 

 

「ねえ、何をしているの?」・・・・と。

 

 

それに対して皐月は笑いながら答える。

 

 

「お母さんを探してるの。お父さんを探してるの。」

 

 

紫はその少女を見て、ショックで気が触れてしまったのだとしか思わなかった。

 

 

ショックの所為で能力に目覚め、低級妖怪を本能のままに倒す幼子も稀ではあるがいることにはいるため、特にその時は気にする必要もないだろうと考えていた。

 

どうせ暫くすれば衰弱して、死んでしまうのだからと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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紫があの少女が服屋を人里の外れで経営し始めたというのを知ったのは、とある秋のことであった。

 

新しいジャンルの服屋、ということで一時期は人里の者からも人気があったが、すぐに人間の客は少なくなり、いつしか洋服を着る妖怪たちの新しい服の拵え場所となっていた。

 

それも、人型を保てるような高等な妖怪ばかり。

 

まあ人間にしては機嫌を損ねずによくやっているものだと紫は感心したものだ。

 

店の場所は里の中に入らないのだから、少女はいつ殺されても文句は言えないというのに。

 

 

一度店に客として訪れた時には少女の人の良さに驚いた。

 

少女は紫を覚えてはいなかったようであったが、それでも昔ながらの知己のように話しやすい雰囲気を醸し出していた。

 

だが、紫は一つのことが引っかかった。

 

それは、少女が何故自分が服を作るところを見せたがらないのかということだ。

 

一度気になりだすと止まらない。ちょっとばかしからかってやろうと少女の部屋にスキマをつなげ、手だけ出して少女の肩を叩こうとしてーーーーーーーーーー

 

腕を、落とされた。

 

 

正確には腕しか出していなかったスキマを無理矢理閉じられたのだろう。肩から先がばっさりとなくなった己の体を見て、初めて紫はこう感じた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーこいつは、異常だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーそして、危険だ。    

 

 

と。

 

 

 

 

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それに気付いた紫は即急に少女についての情報を集めた。

 

 

分かったのは、偽名を使って女遊びをしていること、危険な薬を所持していること、そして、

 

 

 

 

裏から、じっくりと大きな力を持つ妖怪たちを巧妙に操り人形にしていることだった。

 

 

流石に紫であっても焦ってしまった。

 

幻想郷に大きな影響を与えることのできる勢力と幾つもの、そして、自分よりも遥かに固い信頼関係を持っているということが、どれだけの事を示すか。

 

幻想郷の、転覆。それこそ、どこかの天邪鬼が望んでいたことが現実になりうるということ。

 

 

 

 

スキマ妖怪は動く、隠密に。

 

 

少女をこの幻想の大地から葬ろうとしていることを少女に依存しているものに悟られぬように。

 

 

幻想の地の均衡を、守るために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




他人視点も書きたくなったんですよ・・・・・

更新暫く出来ずすみません。ぼちぼち更新していくので、見捨てないで下さい。


あ、あと主人公の犠牲者にしたいキャラとかいたら(言い方が悪い気もしますが)感想欄でお知らせ下さい。
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