今回から新章に突入します!
新章第一発目はタイトル通り凛たち2年生組がメイン。今まで真面目な話が連続で続いたので、今回のような日常回は割と新鮮かもしれません。
それではまたいつも通りの日常をどうぞ!
10月。
衣替えの季節となり、女の子たちがどんどん厚着になってしまい意気消沈する俺を他所に、音ノ木坂学院には新たなる風が吹き始めていた。
音ノ木坂学院講堂。
そのステージの上には、オレンジ色の髪をした小柄な少女がマイクを片手に自己紹介をしようとしていた。
「皆さんこんにちは!!本日よりこの音ノ木坂学院の生徒会長を務めさせて頂く――――――星空凛です!!」
そう、先月で穂乃果たち生徒会役員の任期が終了し、この10月から新しい生徒会役員が任命されたのだ。そして今現在行われている全校集会で、新たな生徒会役員のお披露目回が始まっているという訳。
凛が生徒会長になるなんて意外と思われるかもしれないが、以前は穂乃果が生徒会長だったため今更驚くことでもない。それにあの穂乃果だって何だかんだ言って1年間ちゃんと職務を勤めてきたんだ、凛ならきっとできるさ。
でも自分から生徒会長に立候補したのは驚いた。去年の凛はダンスのセンターになるのすらも嫌がっていたのに、自ら生徒の長となって学院を引っ張っていく決意をするとは……成長したな、凛。
でも――――――
「マイク投げんなよ……」
凛は自分の名前を高らかに叫ぶ際に、去年の穂乃果と全く同じ軌道でマイクを投げやがった。
そんないらないところまで真似しなくてもいいからな……。
~※~
「うにゃ~!!疲れたよぉ~!!」
「お疲れ様、凛ちゃん♪」
場所を移して生徒会室。凛は自分で考えたとは思えない堅苦しい文章の自己紹介文を読み、現在グロッキー状態となっていた。
机に伏せている凛を花陽が下敷きでパタパタと仰ぎ、真姫は相変わらず足を組みながら本を読んでいる。本当に大丈夫なのだろうかこの生徒会。花陽は流されやすいし、頼りになりそうなのは真姫だけ。ちなみに俺はただ遊びで生徒会室に来てるだけだから、役員でもなんでもないただのお邪魔キャラである。
「あの堅苦しい自己紹介の文章、真姫が考えたんだろ?」
「えぇ。初めは試しに凛に書かせてみたんだけど、内容は……まぁ、察して」
「なるほど」
「どうしてそこで納得するの!?凛、頑張って書いたのに!?」
「いやぁ流石にあの文章はちょっと……」
「ガーーーン!!か、かよちんまで!?」
あの花陽が一切フォローしないなんて、実際にどんな文章だったのか見てみたい気もする。だけどどうやらその文章が書かれた紙は、凛のお粗末な文章に怒りの火山が噴火した真姫に焼却処分されてしまったらしい。どんだけひでぇ文章だったんだよ……確かに凛は丁寧な言葉とか苦手そうだけどさ。
「私が生徒会に入ったからには、あなたをビシバシ鍛え直してあげるからそのつもりでね」
「なんか最近真姫ちゃんが怖いにゃ~……」
「あはは……私もいるし、一緒に頑張ろ!」
「かよち~ん!!」
凛は机を飛び越えて花陽に抱きついた。
こんな生徒会長に引っ張られて大丈夫なのか!?音ノ木坂学院!!
ちなみに生徒会の役職は凛が生徒会長、真姫が副会長、花陽が書記と会計を担当している。本来花陽はアイドル研究部の部長、真姫が副部長なのだが、それほどアイドル研究部自体に仕事はなく、生徒会と部長の兼任も認められているらしいので、花陽と真姫が危なかっしい凛をサポートすることになったのだ。
ちなみに楓に『お前、暇だったら生徒会の会計の仕事とかやってみねぇか?』と訪ねたら、今世紀最大のムカつく顔で『ハッ!』と一蹴して逃げやがった。思い出しただけでもイライラしてくるんだが……。
「とにかく!練習にも遅れちゃうし、早く仕事を片付けましょ」
「そうだね。とは言っても、今のところ仕事はこれだけだけど」
花陽が机の上に置いたのは、いわゆる投書箱というものだ。
現在、一般の生徒が学院側に意見を言う場が中々ないのが現状。だがこの投書箱を使えばその問題をズバリ解決できる!生徒が学院側への要望を紙に書いてこの投書箱に投書し、生徒会がそれを開封して要望を議論し検討するのだ。もしかしたら俺たちの願いが学院側に届くかもしれないぞ!
なんて通販番組風の解説をしたが、要はよくあるご意見ボックスみたいなものだ。
まず凛たち新生徒会最初の仕事は、この投書箱に入っている要望を仕分ける作業からだ。
穂乃果たち曰く、毎回相当な数の要望が入っていてとてもじゃないけど全部議論はできないらしい。だから要望にざっと目を通して、明らかに通りそうにもない要望はその場で破棄するのだ。
そして案の定、今回も要望の紙が大量に入っていた。
「凛、この要望の仕分け一度やってみたかったんだぁ~!面白そうだし!!」
「でもこんなに数があったとはね……仕分け作業だけとは言え、これは時間が掛かりそうだわ」
「タラタラ喋ってても時間の無駄だ。とっとと片付けようぜ」
「そうだね。練習の時間もなくなっちゃうし」
俺、生徒会役員でもないのにシレっと凛たちに混じっているけど、仕事を手伝おうとしてるんだし別にいいよな?実は俺も凛と同じく、この仕分け作業をやってみたかったりもする。この学院に対してどんな要望が来ているのか知りたいし。
「よ~し!記念すべき第一発目、いっくにゃ~!!」
凛は投書箱から二つ折となっている投書の紙を勢いよく取り出して、その内容を読み上げながら確認する。
「なになに?『購買部のパンの種類が少ないのでもっと増やしてください』」
「そ、それってもしかして……いやもしかしなくても」
「穂乃果ね」
「なんで前生徒会長が投書してんだよ!自分が生徒会長の時に議論しろ!!」
それに購買に売っているパンの種類って相当な数だと思うんだけど、アイツそれでも足りないのか……そういや最近"ラブライブ!"が終わった影響からか、休み時間でも構わずパンをパクパク食っている。こりゃあまた俺と一緒にダイエットコースだな。
「じゃあ次は私が読むね。えぇ~と、『気持ちよく日向ぼっこできる場所が欲しいです 高坂穂乃果』」
「匿名性なのになんで自分の名前書いてるのよ……」
「生徒会で署名するクセが付いてしまったんだろう。しかし投書でも戸惑いなく名前を書く辺り、間が抜けているというか、何というか……」
「おバカさんなのかな?おバカさんだったにゃ……」
しかも連投してんじゃねぇよ。たくさん投書すれば当たりやすくなるシステムとか一切ないから。そして名前を書けば知り合いよしみで要望を叶えてあげるとかいうシステムもない。
やはり毎回思うけど、穂乃果が生徒会長でよくこの学院は生き残っていられたよな。カリスマ性はあるけど、物事をコイツに任せるのは相当勇気がいる。穂乃果の"任せて!!"ほど信頼がないものはない。特に本人がドヤ顔の時は……。
俺とシスターズをバックアップしてくれた、あの成長した穂乃果をもう一度見せてくれよ!!あのネタばらしの時は本当にカッコよかったのに……。
「じゃあ俺も1つ開封してみるか。どれどれ、『学食のラーメンの種類をもっと増やして欲しいにゃ~』」
「あ、それ凛のだ!」
「あなた……」
「凛ちゃん……」
「お前も穂乃果と全然変わんねぇじゃん!!さっき穂乃果のことボロクソ言ってなかったっけ!?」
「ふーふー!」
「口笛、吹けてねぇからな」
如何にも凛らしい要望だが、仮にも生徒会に提出する投書なんだから、語尾付けで要望を送るのはやめろよな……。だから真姫の般若顔を拝む羽目になるんだよ。
「もう、さっきからいちいち手に取った要望に文句言ってるけど、それじゃあいつまで経っても終わらないわよ」
「そうだね。まだたくさん投書が残ってるし、このペースだと夜になっちゃいそう」
「だって零くんがいちいちツッコむから!」
「俺のせいにすんな!お前らが好き勝手なこと書きすぎなんだよ!!」
つうかパンとかラーメンとか、こんなところに投書してる暇があったら購買や学食のおばちゃんに直接言えばいいだろうが。おばちゃん気前いいし、穂乃果たちμ'sのメンバーだったら特別に要望を叶えてくれそうではある。
「まぁまぁ凛のことは置いておいて、よしじゃあ次行ってみよう!次は真姫ちゃんの番ね」
「サラッと流したわね……まあいいわ、じゃあ適当にこれ」
「おっ、それを選ぶとはお目が高いにゃ!」
「適当に取っただけだけど……『この学院、女の子のスカートの中が覗きにくいので、階段をもっと急にして下から覗けるようにしてください』…………」
「「…………」」
3人の目線が一気に俺の元へと集まる。
真姫と凛は鋭いジト目で俺を容赦なく貫き、花陽は引き笑いをしながらこの張り詰めた空気から1人逃げ出そうとしたいた。俺はその空気に当てられ、身体中に嫌な汗が流れ出している。
そして真姫は、無言のまま要望の書かれた紙を片手で力強く握り締め、そのままゴミ箱へと叩き込んだ。
「オイ!!ちょっとは要望の議論ぐらいしてもいいんじゃねぇか!?」
「あなたねぇ!!今まで散々穂乃果や凛のことを馬鹿にしてきて、よくそんな口が叩けるわね!?」
「そうだよ!!一番くだらないこと書いてるの零くんじゃん!!」
「くだらなくねぇよ!!俺が真心を込めて書いた要望の紙を、無言でクシャクシャにしてポイするなんて……俺がどんな思いで書いたと思ってんだ!?」
「ちなみに……どんな思い?」
「この要望を読んで、お前らの恥ずかしがる顔を見てみたいという思いだ」
「「「…………」」」
どちらかと言えば、3人共恥ずかしがるというより呆れた顔に近い表情をしている。まぁ俺と出会って1年半以上経ってるんだ、セクハラ発言程度で今更顔を赤くすることもないか。
「とにかく、この要望はなしね」
「知ってた。お前らの反応もイマイチだったし、とんだ骨折り損だったな」
「ただ自分の欲望を書いただけでしょ」
「それでも割と切実な願いなんだけど」
「なんで私、こんな人と付き合ってるのかしら……」
それは自分の思っている以上に俺のことを好きだからに決まってるじゃん!どれだけセクハラ発言されても俺を見限らないってことは、それだけ真姫も変態だってことだな。なんせ手錠を掛けた上にトイレにまで連れ込もうとしたんだから。その話をしようとすると、俺を殴り飛ばしてでも阻止してくるけど……。
「もうこの話は終わり!ほら零くん!次の投書を読んで!!」
「へいへい……」
俺の素直な欲望を綴った要望がいつの間にかスルーされていたことに悲愴を感じながら、俺はもう投げやりな気持ちで投書箱に手を突っ込む。
その時だった――――
「あ、あれ……?」
「どうしたの?」
「投書箱に手を突っ込んだら、紙が1枚だけ俺の手に吸い寄せられるように張り付いて来たんだが……」
「えぇ~紙の方から!?そんなことある訳ないにゃ~」
「いや本当なんだって!しかもこの紙、振りほどこうと思っても俺の手に張り付いたまま離れようとしないんだけど!?どうなってんだ!?」
一体投書箱の中で、俺の手と1枚の紙の間に何が起きている!?
まるで俺の手とその紙が磁力で引き合っているかのようにピタッとくっついて、引き剥がそうにも引き剥がすことができない。
その正体を確かめるため、俺は恐る恐る手に張り付いた1枚の紙と共に、自分の手を投書箱から引き抜いた。
そしてその引き抜かれた紙を見た瞬間、俺たちは戦慄する……。
「こ、この紙……ピンク色のオーラを放ってるんだけど……」
「私にも見えるよ!でも紙自体は他と同じ紙のはずだよね!?」
「紙は普通なのに、凛にもその紙からお花畑のような雰囲気を感じるよ……」
「ね、ねぇ零。その紙に要望を書いた人の正体ってまさか……」
「あぁ、このピンク色はお花畑のような穏やかなピンク色じゃない。言うなればそう、ラブホテルのような淫乱なピンク色……」
俺はピンク色の淫猥なオーラを放つ2つ折りの紙を両手で持って、恐る恐る開封してみる。
そこには、普通の要望とは思えないほどの文章量が書き記されていた。だがこの文章からは謎の狂気しか感じない……。口に出して読んではないけないと俺の脳が命令しているのだが、その淫猥なる桃色オーラは開封される時を待ってましたかのように俺をその紙に釘付けにし、俺の意識を逃さずキャッチする。
俺を捕捉するようなこのオーラは……やはりアイツの!?
そして俺は知らず知らずの間に口が動いていた。
「『この投書を読んでくれているってことは、零くんが読んでくれているってことだよね?きゃぁ~やっぱりことりと零くんは離れていても心はいつも繋がってるんだね♪そして、今度は生身のカラダ同士で繋がろうね♪もうこの投書を書いている時点でことりの下はトロトロだから、もう前戯なんて必要ないよ♪そしてここから要望なのですが、もっと制服を可愛くして欲しいです!だって今の制服だと全然零くんが襲ってくれなくて困ってます。だから年明けからでもいいので、もっと可愛く、そしてエッチな服装にしてもらえると嬉しいです♪』……って、長げぇよ!!」
しかも前半部分全く要望と関係ねぇだろ!!いや後半の要望部分も相当頭イっちゃってるけどさぁ……。
言うまでもなく、この要望を書いたのはことりだ。もう文章中で名前言ってしまっているが、どうやらこの投書は俺にしか開封できないようになっていたらしい。たかが1枚の投書からあんなオーラを醸し出せるなんて、どれだけ俺への想いを込めたんだよ……嬉しいけど愛が重すぎる!!
「花陽、この紙捨てておいてくれ。俺が捨てようとしても紙が手から離れてくれない……」
「う、うん。大変だね……」
「正直なところ、もう慣れたんだよな。こんなことりが普通のことりだと思ってしまうくらいには」
俺たちは窓の外の景色を遠い目で眺める。
1年前のアイツは天使のような笑顔をしていた。だけど今のアイツの笑顔は別の意味で明るく輝いている。特に獲物(主に俺、というか俺しかいない)を虎視眈々と付け狙い、舌舐りして今にも捕捉しに掛かってくるようなギラギラした目は、本当に身の危険を感じる。一瞬でも気を抜いたらいつの間にか性行為をしてましたぁ~なんて事態になりかねん。冗談じゃなくてマジで……。
「さて、気を取り直して次に行くか」
「ここまでまともな要望が一個もないから、そろそろ来て欲しいものだけど」
「ちょっと真姫ちゃん!凛の要望は比較的まともだったよ!?」
「比較的ね。他が論外過ぎるのよ……」
「もしかしてみんな、遊び感覚で投書していたり?」
「その可能性はあるな。俺もそうだし」
「そんな好き勝手に書かれてたら、全然投書の意味を成してないじゃない!」
確かに匿名記入で好きなように要望を書いていいとはいえ、これは明らかに自己の欲望アピールにしかなっていない。基本的には学院生活をよりよくするための改善点を挙げるべきなのだが、ここまでの投書の内容を見る限りそれを分かってない奴が多すぎる!
俺の要望はどうなんだって?あれは男子生徒のやる気が上がるから悪くないと思うんだけどなぁ。
「とりあえず次の投書はっと……『エッチな服装と言っても、スカートが短過ぎるのは厳禁です!パンツというのは見えそうで見えない方が興奮を煽られると思っています!だからスカートは極限まで短く、なおかつパンツがギリギリ見えないくらいがベストなのです!そっちの方が焦らされて興奮の限界に達した零くんが、我慢できずことりを襲ってくれそうだし♪あっ、妄想で濡れちゃったのでパンツ変えてきますね♪』」
「「「…………」」」
「これ、さっきの続きじゃねぇか……」
あの1枚ですら重たい愛だったのに、まさかの2連投。しかもさっきの続きと来たもんだ……コイツ、完全に投書箱をポストか何かと勘違いしてるな。前生徒会役員であったのにも関わらず投書箱の使い方分かってねぇのか……?
俺たちは特にこれ以上反応もせず、ことりの要望が書かれた紙を何も見なかったかのようにゴミ箱へ捨てた。そうだ何も見なかったんだ、何も……。
「次だ!!もうこうなったら片っ端から処理してやる!!」
「零くんがヤケになった!?お、落ち着いて零くん!!」
「そもそもこんな空気になったのはあなたのせいでもあるんだから、ちょっとは反省しなさいよ」
「分かってるし反省は……まぁ少しはしてる。でもこれ以上アイツらの好きにさせるのは気に食わん」
「さっきからμ'sのメンバーの投書しか見かけてないもんね……」
そこなんだよなぁ。どうしてさっきから俺ら身内の欲望に塗れた意見ばかりを聞かされなきゃならんのだ!!絵里たちや穂乃果たちもいつもこんな目に遭ってたのか?だとしたら相当精神的に苦痛な作業だぞこれは。
「もう俺はこの投書を読んだら部室へ戻る!なになに、『弓道部倉庫の扉の立て付けが悪いため、近い内に直してもらえると助かります』……こ、この要望は!?」
「弓道部ってことはもしかして……」
「海未ちゃんだにゃ!!」
海未の要望を聞き、俺たちの心にようやく安静が訪れる。
これだよ!こんなまともな要望を待ってたんだよ!!己の欲に塗れていない、純粋に学院のためを思った要望。傍から見たら普通の要望なのに、欲望の泥で地を這いつくばっていた俺たちにとっては投書してくれた海未が天使にしか見えない。
「普通の投書でこんなに感動するなんて……」
「私、今にも涙が出ちゃいそう……」
「凛、これから海未ちゃんに一生ついていくよ!!」
まさか海未もこんなところで自分の株が急上昇しているとは思うまい。ただ普通に要望を投書しただけなのに、ここまで感動されるとは海未も本望だろう。そしてこの学院の生徒(主にμ'sの一部メンツ)が如何に頭のネジがブッ飛んでいるかが分かるな。
「はぁ~……それにしても、生徒会の仕事ってこんなにも大変なんだね。凛、もうこれだけで疲れちゃったにゃ~……」
「結局要望も数えるくらいしか見てないから、この仕事もまだまだ時間が掛かりそうだね」
「そっかぁ~まだ終わってなかったんだぁ~……真姫ちゃぁ~ん!」
「なに?自分だけ休憩するとかはなしだから。早く終わらせて部室に行くわよ」
「えぇ~ちょっとくらい休憩しようよぉ~!!」
「これくらいで音をあげてたら、これからの生徒会業務ちっとも終わらなくなるわよ!」
「うぐっ!かよち~ん……」
「私も最後まで手伝うから、頑張ろ凛ちゃん!」
「かよちんまでぇ~!?」
なんだろう、この見慣れた光景は。あぁそうか、これ穂乃果、ことり、海未の関係と全く同じだ。穂乃果が音を上げ、海未が喝を入れ、ことりが優しく手伝う。前生徒会役員たちと全く同じ道を歩みつつあるなこの3人。
そして、やはり毎回思うことがある。
こんな生徒会で、この学院は大丈夫なのか!?
「ほら、続きやるわよ!」
「うにゃ~!!真姫ちゃん勘弁してよぉ~!!」
「もうちょっとだから、頑張って凛ちゃん!」
ま、なんとかなるだろ。
…………多分。
前回の最終回詐欺から復活しました(笑)
そんな訳で今回は新章の1発目でした。
前回までが5話くらい連続で真面目な回が続いたので、今回久々にのんびりと日常回を執筆したのですが、やはり生き生きとした零君やμ'sのメンバーを書けるのは楽しいですね!久しぶりにノリだけで執筆できたんじゃないかと思っています(笑)
そして前回の最終回詐欺はやってみたかっただけです。もし本気で勘違いされた方がいるならば、それは申し訳ありませんでしたということで(笑)
一発ネタとして許してもらえれば!まだまだ『新日常』で執筆したい話は山ほどあるので、それを書かずして流石に終わることなんてできません!
次回以降もいつも通りの日常を綴っていくので、また応援してくださると幸いです。
新たに高評価をくださった、
☆コウキ☆さん、宏六さん、夢見る青年さん、蒼川 健太さん
ありがとうございました!
Twitter始めてみた。
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