ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿

135 / 395
 今回は前々から予告していた、たーぼさんの小説『ラブライブ! ~奇跡と軌跡の物語~』とのコラボ小説となります!

 自分の得意分野である妹キャラ成分、ヤンデレ成分、R-17.9成分をここぞとばかりに詰め込んだので、たーぼさん側から来た読者さんも是非楽しんでもらえればと!

 ヤンデレ成分につきましては今回かなりマイルドに仕上げましたので、苦手でもお楽しみ頂けると思います。


※注意事項
・学年はこちらの小説に合わせます(拓哉くん3年、唯ちゃん1年)
・コラボ小説なので、基本的に相手方の小説とのキャラの絡みをメイン
・μ'sの出番は希薄


 それではいつもの『新日常』のように、ゆっくりまったりとしながらご覧下さい!





【特別コラボ企画】ヤンデレシスターズの遊戯

「なに?拓哉がいなくなっただぁ?」

「はい、いくら携帯で呼び掛けても出ないんです!!」

 

 

 廊下を歩いていた俺に突然後ろから話し掛けてきたのは、俺の親友である岡崎拓哉の妹、岡崎唯だった。唯は膝に手を付いて、無駄に色っぽくはぁはぁと息を切らせている。

 

 なに?もしかして襲っていいよってサインなの?こんな可愛い妹を1人で放置させておくなんて、随分危ない真似してるじゃねぇか拓哉クンよぉ~。

 

 なんて冗談はさて置き、どうやら唯は相当焦っているご様子。よっぽどの急用があるのだろうか?

 

 

「零さん、お兄ちゃんがどこへ行ったのか知りませんか?」

「さぁね」

「なんでそんなに返事が軽いんですか!?お兄ちゃんが音信不通なんですよ!?」

「ただトイレで気張ってるだけかもしれないだろ」

「お兄ちゃんはトイレなんてしません!!」

「いつの時代のアイドルだよ!!つうか拓哉は別にアイドルでもなんでもねぇし!!」

 

 

 全く、どうして俺の周りはこうもブラコンシスコンの妹たちしかいないんですかねぇ……。雪穂はまだいいとしても、亜里沙はお姉ちゃん大好きっ子だし、楓や唯は言わずもがな。1年生組のキャラが変な方向に偏っているんだよな。

 

 

「俺が教室を出る頃にはもういなかったし、部室で誰かと話し込んでいるとかそんなところだろ」

「真面目に考えてます?」

「控えめに言って、考えてない」

「零さーーーん!!」

「ぐぅぅぅ!!首絞めんな!!」

 

 

 いくら愛しのお兄ちゃんに会えないからって、お兄ちゃんの親友の首を躊躇なく締め上げるかね!?もしかしてコイツ、普段も拓哉にこういうことしてないだろうな!?自分の身の回りも相当危ないけど、この唯のブラコンっぷりを見る限り、アイツの周りも相当修羅じゃないのか……南無阿弥陀仏。

 

 

「だったら一緒にお兄ちゃんを探してください」

「お前そんなに過激な奴だったっけ!?」

「妹がお兄ちゃんを心配するのは当然ですよ!さぁ吐いてください!お兄ちゃんの居場所を!!」

「だから知らねぇっつてんだろ!!」

 

 

 拓哉が溺愛し過ぎているから唯がこんなにヤンデレちっくになるんだよ。去年まではまだ普通のブラコン妹だったのに、今年になって妙にヤンデレの兆候が見え始めた。首を締める強さも中々容赦がなかったんだが……。

 

 それにしても今日の唯、いつも以上に気性が荒いような気が……拓哉に会えないだけでここまで過激になったりはしたことないんだけど。ていうかアイツに会えないだけで毎回こんなことをされていたら、俺の方が死んじまうって。

 

 とりあえず行方が分からないものは本当に分からないので、こんな話をしていても無駄だ。とっととあしらおう。今のコイツといるのはかなり危険だと、事あるごとにヤンデレと遭遇する俺の勘がそう告げている。

 

 

「どうせあれだろ。またそこら辺で女の子でも助けてるんじゃねぇのか」

「…………は?」

 

 

 あっ、しまった!コイツに一番言ってはならない言葉を言っちまった!?

 ついつい相手をするのが面倒になって本音を漏らしてしまったよ。そう本音、拓哉は無自覚でそういうことをする奴だから、あながち間違ってはない。もちろん唯に掛ける言葉としてはこの上なく最悪だが……。

 

 

 いかん、すっごい睨まれてる……。

 こんなツリ目の唯は見たことがないぞ……それに妙に髪の毛も逆だっているし、これって相当ヤバイやつでは?ていうか、俺完全にとばっちりじゃん!!アイツが勝手にいなくなるのが悪いんだろ!?

 

 

 さて、この状況をどうしたものか。

 思わず失言を漏らしてしまったことで、唯の様子がいつもの穏やかな雰囲気から、鬼のような風貌に変貌してしまった。この唯を抑えられるのって拓哉しかいないんじゃあ……あれ、もしかして……詰んだ?

 

 さっきまでのどかな放課後を過ごしてたはずなのにおかしいな、突然魔界のモンスターにエンカウントしてしまったぞ。なるほどここは魔王城だったかぁ~それなら仕方ないなぁ~!

 

 

 ――――てな具合で現実逃避したいほど、目の前のヤンデレ気味のブラコン妹ちゃんの迫力が半端ない。

 

 

 つうか本当にどうするのこの状況!?頑張って応戦して元の優しい彼女に戻してあげる?でも拓哉みたいに男女平等に女の子を殴るなんて真似、俺にはできないんだけど!?このままやられるのを待つだけなんてイヤぁああああああああああ!!

 

 

 

 

「あれ?零君、唯?」

 

 

 

 

「雪穂!?」

「雪穂……」

 

 

 今にも唯に性的な意味ではなくマジで襲われそうになっていた俺の目の前に、救世主である雪穂が現れた。女の子に廊下の角に追い詰められている情けない男子生徒(3年生)と、髪の毛が若干逆上しているブラックオーラ全開の女子生徒(1年生)。そんな奇々怪々な状況に雪穂は目を丸くして驚いている。

 

 

「零君、何してるんです……」

「何をしていると思う?」

「とりあえず唯の迫力に圧倒されているのは分かりました」

「正解。だから助けて」

「情けないですね……」

「あぁ、自分でもそう思う……」

 

 

 失言はあったけども、俺は完全に被害者なんだよ分かる!?可愛い女の子の行方なら多少ストーカーをしてでも知りたいと思うけど、例え親友だろうと野郎の行き先なんていちいち知りたいとか思うかよ。

 

 

「ほら唯、落ち着いて。零君困ってるから」

「まあ、雪穂がそう言うのなら……」

「どうして雪穂の言うことを聞いて俺の言うことは聞かないんですかねぇ!!」

「変態野郎の言うことを聞く義理はありません」

「唯、お前サラッとそんなこというなよ。俺の繊細な心が傷ついちゃうぞ」

「可愛い女の子になら何をされても喜びますよね?」

「ひでぇなお前!もう何度も言ってるけど、Mじゃないからね!!」

 

 

 どうしてお兄ちゃんに対してはあんなに甘えん坊なのに、俺に対してはこんなに辛辣なんだよ。これは一刻も早く拓哉を見つけ出して唯のご機嫌を取らないと、ずっと彼女のストレス発散のためのサンドバッグにされてしまうぞ……。

 

 

 すると座り込んでいた俺の目の前に雪穂が歩いてきて、唐突に俺の手首を力強く握った。いや、握ったというよりかは握り締めている。ちょっ、普通に痛いんだけど!!

 

 

「さあ行きますよ零君」

「そ、それはいいけど」

「けど?」

「痛いんですけど……」

「たく兄もそうだけど、零君もすぐ可愛い女の子に靡いちゃうんですから。だから私が守ってあげますよ、一生ね……フフッ」

 

 

 ゾクッと、全身に怖気が走る。一瞬こちらに覗かせてきた笑顔に、そこはかとない黒さを感じた。一言で言えば独占欲、そんな欲望がひしひしと彼女から伝わってくる。それは決して俺の勝手な感覚ではなく、俺の手首を脈を止めるかのように握り締める彼女の力の強さが証明している。

 

 

 それにしても今日の2人、やけに俺や拓哉を求めているような、そんな気がする。それも甘えたいとか構って欲しいとかそんな可愛いものじゃなく、さっき言った真っ黒な独占欲がこの2人からドロドロと放出されている。下手に触れれば即座に切られてしまいそうな、危険な雰囲気……。

 

 

 なるほど、また俺に『妹』+『ヤンデレ』のコンボを仕掛けてきたんだな。だが俺はヤンデレ対処マイスター、もう身の回りの女の子たちが突然ヤンデレになっても驚かねぇからな。

 

 

 周りの女の子……そうだ、他の1年生のメンツはどこへ行ったんだろうか。

 

 

「そういえば楓と亜里沙は一緒じゃないのか?」

「私が教室を出る時には、もういませんでしたけど」

「え、それって……」

 

 

 俺が教室を出る時にも拓哉は既にいなかった。そして楓と亜里沙も既にいなかったという。

 あれ、まさかとは思うけど……この3人もしかして!!

 

 

「多分だが、拓哉が誰といるかが分かった気がする」

「誰ですか!?お兄ちゃんは誰と一緒にいるんですか!?どこぞの雌にちょっかいを!?」

「ぐぇっ!?だから首絞めんなって言ってんだろ!!」

「ほら零君、早くたく兄を探しに行きますよ!!」

「助けろや!!ていうかそろそろ脈を握りつぶされそうなんですけど!?」

 

 

 これ、拓哉を見つけ出す前に俺が死んじゃうのでは……?

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、拓哉くん……」

「亜里沙!?いきなり何この状況!?」

「やっと目が覚めたんですね、拓哉先輩♪」

「楓まで……」

 

 

 呑気に眠っていた先輩を可愛い笑顔で迎える、後輩の鏡とは私のことだよ!

 てなわけで、ただいま私は窓もない密室に拓哉先輩を監禁している最中なのです。どうしてそんなことをしているのかって?そりゃあ今までずっと練りに練ってきた計画を遂行するためだよ!

 

 どんな計画かって?慌てない慌てない、そんなことだから早漏って言われるんだよ♪

 

 

「色々聞きたいことがあるんだが、とりあえず亜里沙、俺の上からどいてくれないか?」

「えへへ、イヤです♪」

「いやぁ相変わらずモテモテですねぇ先輩」

「いや全く状況が掴めねえんだけど」

「でも亜里沙に抱きつかれて嬉しいでしょ?」

「…………はい」

 

 

 椅子に縛り付けられた拓哉先輩に亜里沙がよじ登って、まるで恋人かの如く抱きつく。

 私知ってるよ、拓哉先輩が案外むっつりスケベだってこと。やっぱり男の子はみんな変態さんなんだよ。亜里沙に抱きつかれて先輩の顔がみるみる赤くなってるし!

 

 

「これは楓がやったのか……?」

「そうですよ!先輩がアホ面下げてぼけぇと廊下を歩いていたので、後ろから殴って気絶させちゃいました♪」

「なんで流れ作業のように人を殴ってんの!?やってること完全に通り魔じゃねえか!?」

「まあまあ落ち着いてください。私の要求に従ってくれたらすぐに解放しますんで」

「要求?」

 

 

 そう、拓哉先輩を監禁したのも、すべては私の計画を実行に移すため。もちろん先輩が簡単に私の計画に乗ってくれるとは思わないけどね。だからこそとっておきの秘密兵器を用意してあるのだよ!!

 

 

「ただ手伝って欲しいだけですよ、お兄ちゃんの周りにいる雌豚の殲滅に……」

「は、はい……?」

「拓哉先輩もそうですけど、お兄ちゃんも大概女の子に好かれる性格ですから。私たちのクラスでもいつの間にかお兄ちゃんに助けられて、好意を持っている子が多いみたいで」

「別にいいことなんじゃないのか?零だって女の子にいい顔しようと思ってる訳じゃないだろうし」

「むしろ無自覚にフラグを立てるお兄ちゃんの方がタチ悪いですよ!!だから私は決意したんです。お兄ちゃんの女ったらしはどう足掻いても直せない。だったら周りにいる女を消し去るしかないんだって」

「なにその超理論!?そんなの俺にどうにかできる問題じゃないだろ」

 

 

 先輩は分かってないなぁ~!むしろ先輩だからこそできる、いや、先輩にしかできないことだから私はわざわざ手間を掛けてまで監禁したんだよ。それに亜里沙という先輩を懐柔させるための要因を連れてきた訳だし、これ以上私に手間を掛けさせないでね♪

 

 

「先輩がお兄ちゃんの周りの女の子を堕とす、それで一人ぼっちになって寂しがっているお兄ちゃんを私が慰めて、そのままお兄ちゃんとゴールイン!!完璧な計画ですよね?ね?」

「お前人の心をいいように……そんな恐ろしいこと考えてたのか。流石あのお姉さんの妹のことだけはあるな」

「いやぁそれほどでもありますよ!!」

「褒めてないんだが!?」

 

 

 正直あの地球外生命体のお姉ちゃんと一緒にされるのはむず痒いけど、お兄ちゃんたちをイジって精神疲労のどん底に陥れることに関しては、お姉ちゃんにも負けていないレベルだと思うよ。現に拓哉先輩も今、相当疲れているみたいだし!そうそうその顔、そんな顔が私の大好物なんだよ♪

 

 

「まあタダで協力してくれとは言いません。亜里沙!」

「うん!拓哉くんっ、楓に協力してあげてください!」

「むぐっ、む、胸が……」

「楓が約束してくれたんです。零くんの周りの女を消し去る手伝いをしてくれた暁に、拓哉くんを好きにしていいって」

「俺の意見は無視かよ……って、胸が!!胸が顔に、むぐっ!!」

「どうです?協力してくれたら、亜里沙のぱふぱふをこれから好きなだけ味わえるんですよ」

「そんなことに協力できるか!!それに今日の亜里沙、なんか様子がおかしいぞ!?」

 

 

 むぅ、意外と頑固だなぁ。流石にお兄ちゃんよりかは変態さんではないと。お兄ちゃんだったらおっぱいを押し付けておけば大体何とでもなるから♪

 

 でもね、私は拓哉先輩を確実に堕とすための秘密兵器があるんだよねぇ。亜里沙はその尖兵に過ぎなったんだよ!

 

 

「まあここまでは予想の範囲内です。でも、これを出されたら先輩も私に従わざるを得ません」

「な、なんだそのCD-ROMは?」

「ここにはですね、唯の自分磨きの映像が事細かに記録されているんですよ。この前の夜、こっそり隠し撮りしちゃいました♪」

「なんだと!?ちょっと見せろ――――い、いやなんでもない」

「アハハ!!やっぱり食いついてきた!!全然誤魔化しきれていませんよぉ~♪」

 

 

 唯も大概ブラコン気質があるけど、拓哉先輩も相当なシスコン兄貴だよねぇ~。だから唯を餌にしてぶら下げておけば、絶対に釣れると思ってたんだよ。これで私の勝利は確定だね!第三部完!!

 

 

「もし協力してくれるのならこのCD-ROM、先輩にあげてもいいですよ」

「ほ、本当に?」

「協力してくれたらですよ?お兄ちゃんの周りの雌豚たちの駆逐にね」

「そ、それは……」

 

 

 先輩は亜里沙のハグ+おっぱいの攻撃に耐えながら、歯を食いしばって私の持つCD-ROMを見つめる。

 意外や意外、割と強情なんだね。ただ単にシスコン野郎だとばかり思っていたから、そこだけは素直に見直したよ。喉から手が出るほど欲しいのは変わらないと思うけど。

 

 

 よしっ、もう面倒だから一気に攻め立ててみますか!

 

 

「もしかしたらもしかしたらですよ?唯が拓哉先輩のことを想って、自分磨きをしているかもしれませんよ?」

「お、俺のことを……」

「ですです!『お兄ちゃんお兄ちゃん♪』って、先輩のことを口に出しながら、ベッドの上で自分のパンツの中に手を入れて、指を使って女の子の大切なところをクチュクチュと弄っているのかもしれません。更に大好きなお兄ちゃんと一緒に行為に勤しんでいる妄想をして、『あぁん!お兄ちゃんイっちゃうよぉ~!!』って喘いでいる、先輩の可愛い妹の姿を拝めるかもしれませんよ♪」

 

 

 先輩は唾を飲み込みながら目を見開く。どうやら先輩の頭の中でも良からぬ妄想が捗っているみたいだね。でもそれは私の計画通り!唯を溺愛している先輩なら、妹の性事情を知っておきたいはず!

 

 そして亜里沙も顔を真っ赤に染めているところを見ると、自分と先輩のセック……いやいやまぐわるところを妄想できているみたいだね。これで亜里沙が先輩に対して更に暴走してくれれば、計画の成就はまさに目の前だよ!

 

 

「なあ楓、それってそのぉ、そのシーンは本当に収録されているのか?」

「それは分かりません!!見てみるまでのお楽しみでぇ~す♪」

「ですよねぇ……」

「正直な話、見たいですか?」

「そりゃあ見たいよ!!嫁にしてもいいと思ってるくらい可愛い妹なんだぞ!?それに俺のことを想って自分磨きだなんて、そんなの永久保存版に決まってるじゃん!!拓哉さんの心はな、もうお前からの攻撃でボロボロなんだよ!!そこに唯という癒しをブッ込んできたら、靡いてしまうに決まってんだろォオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「わっ!拓哉くんが壊れた!!」

 

 

 まさに計画通り!!このまま拓哉先輩をこちら側に引き入れれば、お兄ちゃんの周りにいる雌豚たちを先輩に任せ、あとは私がお兄ちゃんとイチャイチャラブラブなセ○クス漬け生活だよ♪

 

 

 さぁて、先輩のシスコン熱も丁度いい頃合だし、ここらでいっちょ爆弾を投下してみますか。もしそれで靡かなくても、先輩の焦る顔が見られるだけでも私は楽しいし♪

 

 

「でも残念ながら、唯の大切なところにはモザイク処理をしてありますから」

「えっ……も、モザイク?」

「その反応……はっは~ん、もしかしてもしかしなくても、無修正をご希望ですねぇ?」

「む、無修正、だと!?そんなことができるのか!?」

「も~う!先輩がっつきすぎですよぉ~。もし先輩が私に協力してくれるというのなら、唯の自分磨きを収めた無修正動画をそのままそっくりお渡ししますよ♪」

 

 

 先輩の身体はわなわなと震え、唯への欲望がこれでもかというくらいに表に出てきている。

 もう少し、もう少しで先輩が堕ちる。そうなれば私とお兄ちゃんが結ばれる日もそう遠くはないね!あぁ、もう今からでも濡れちゃいそう♪

 

 

 よぉし、あとひと押し!!

 

 

「想像してください。唯が拓哉先輩を想って、先輩にしか触らせたくないであろうところに指をじゅぷっと突っ込んで、クチュクチュとイヤラシい音を立てながら唯はこう言うんです。『お兄ちゃん、はぁ、お兄ちゃんそこはダメだよぉ~』って。まるで先輩と唯が男女の営みをしているかのように。でも実の兄弟でこんなことをしてはいけないから初めは抵抗するんです。しかし大好きなお兄ちゃんに指を入れられて、次第に身体は喜んでしまっている。『はぁん♡お兄ちゃん!拓哉お兄ちゃ~ん♡』と、どんどん艶かしい声を上げてしまうんですよ。そして結局その快感に負けてしまって『もうダメ、お兄ちゃん、お兄ちゃぁあああああああああああああああああん!!』と叫びながら、先輩のアレで果てちゃう唯の姿が……フフッ、このCD-ROMに収められているかもしれないんですよ?」

 

「あ゛ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「た、拓哉くん!?楓どうしよう!!拓哉くんが、拓哉くんがぁ……」

「落ち着いて亜里沙、先輩は今自分の欲望と必死に戦っているの。どう足掻こうが負けると思うけどね♪」

 

 

 これで私の戦いは終わった。あとは先輩を上手く使って雌豚を先輩の元へ惹きつけるだけ。まさかこんなに話がポンポン先へ進むとは思ってなかったよ。余計な手間を掛けてない分、逆に張り合いがないっていうか、まあ変態さんの対処はお兄ちゃんで慣れてるからね。

 

 

「くっ……」

 

 

 えっ、嘘でしょ、まだ堕ちないの……?私の計画では先輩の口から直接『協力する』と言わせる算段だったのに、先輩はまだ耐えようとしている。一体どうしてそんなことが……。

 

 

 すると突然、密室なはずのこの部屋の扉が開かれた。

 まさかと思ってそっちを見てみると、そこには想像通りの人が――――――

 

 

「もうそこら辺でやめておけ楓」

「お、お兄ちゃん……」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 学院内の本当に端っこにある、まるで尋問室のような窓のない密室。そこの鍵を開けて突撃してみると、今世紀最大の悪い顔をしていた楓と、椅子にぐるぐる巻きに縛り付けられている拓哉、そして拓哉の膝の上に乗り彼の様子を心配している亜里沙がいた。

 

 

「お兄ちゃん、どうしてここが……」

「いやぁ全てはコイツのおかげで――――」

「ようやく見つけたよ、お兄ちゃぁああああああああああああああん!!」

「ゆ、唯!?なんだそのテンションは!?ぶはっ!!」

「きゃぁ!!」

 

 遂に愛しのお兄ちゃんを見つけた唯は、拓哉の懐を目掛けて大きく飛びついた。しかも拓哉に寄り添っていた亜里沙を巻き込んで、椅子を倒しながらも拓哉に抱きつく。いつもの穏やかな雰囲気とは一変、この妙なテンションは楓が2人いるようだ。

 

 

「唯!?お前どうしたんだよ……」

「さっきからずっとそんなテンションなんだよ。おかげでもう少しで命を刈り取られそうだったぞ」

「そうか、なんかすまない……」

「お互いにな……」

 

 

 これが妹たちに痛めつけられる、威厳もクソもないお兄ちゃんたちの図である。どっちも妹様の権力が強いのか、それとも俺たちが尻に敷かれやすいタイプなのか……うん、どっちもかな。

 

 

「楓……まさかお兄ちゃんを1人占めてたの?」

「いやぁちょっと私の計画に協力してもらおうと思って、頑張って交渉していたんだけどぉ」

「か~え~で~!!」

「ちょっ!なんでこっちに来るの!?」

「お兄ちゃんを1人占めなんて許さない!!」

「まさか唯がここまで変貌しているなんて!?」

 

 

 ん?楓の奴、唯がこうなった理由を知っているのか?雪穂も変だし、亜里沙もさっきから頬が赤く染まったままだ。まさかコイツらが変貌した理由って、全部楓にあるのでは……。

 

 

 とりあえず椅子に縛られて横転したままの拓哉が可哀想だから、とっとと縄を外してやるか。楓と唯はお互いに格闘していてこっちに気が回っていないみたいだし。

 

 

「お前、顔赤いぞ。楓と亜里沙に一体何をされていたんだ?」

「絶対に言わねえ!!今日俺は楓に人生の汚点を作らされてしまったから……」

「やはり楓に遊ばれていたのか。でもあんな誘導尋問に引っ掛かるようでは、これからもアイツのおもちゃにされるだけだぞ」

「……ん!?ちょっと待て、零、お前、なんで知ってるんだ!?」

「いやぁすぐに突入しようと思ってたんだけどさ、様子を伺うために部屋の前で聞き耳を立てていたら、聞こえてきたお前の反応が面白いのなんのって!」

「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「安心しろ、俺なんてそれくらいの汚点、ほぼ毎日アイツに作らされているから」

「それフォローになってないよな!?底辺の争いじゃないんだから」

 

 

 恐らくというか絶対にこれから、今日のことをダシに拓哉も楓に遊ばれるだろう。これでアイツのストレス発散用サンドバッグがまた1つ増えた訳だ。アイツにとってはもうμ's全体が自分のサンドバッグと化しているんだろうけど……。

 

 

「助けてもらって悪んだけど、もうちょっと早く縄解けない?」

「それがな、コイツが俺の右手首を握り締めたまま離してくれないんだ。だから片手作業」

「ゆ、雪穂?」

「フフッ、零君もう逃しませんよ……これからはずっと私の傍に……私の部屋でもいいかも……」

「こわっ!!何さっきからブツブツ言ってんの!?」

「数十分前からこうなんだよ。見たところ、亜里沙の様子も変だし」

「拓哉くんを好きにできる、拓哉くんを好きにできる……えへへ、えへへへへへへ♪」

 

 

 妹たちの様子が全員尽く変貌していた。唯はやけにブラコンをこじらせてるし、雪穂はヤンデレの"病み"成分がMAXだし、逆に亜里沙は"デレ"成分がメーターを振り切っている。唯一まともなのは楓だけだけど、アイツをまともと言っていいのかは疑問しか残らない。

 

 

「よしっ、縄解けたぞ」

「サンキュ。それにしても、よくここが分かったな」

「ああそのことに関しては、唯の鼻のおかげだ」

「唯の、鼻?」

「『お兄ちゃんの匂いがする!!こっちです!!』って叫びながら、俺の首根っこを掴んでズルズルと引き摺ってここまで来たんだよ」

「唯がそんなに不良になっていたなんて……」

「多分楓に聞けばその理由が分かると思うけど」

 

 

 拓哉は楓と亜里沙に精神的に滅ぼされそうになっていたけど、俺は唯と雪穂に身体的に殺されそうになっていたんだ。口答えしようにも唯も雪穂も迫力満点で、こっちの意見すらも満足に発言させてくれない。相変わらず『妹』+『ブラコン』+『ヤンデレ』の組み合わせは夢のようであり恐ろしくもある。まさに紙一重だ。

 

 

「お兄ちゃん!!どういうことなの!?」

「唯!?いきなりどうした!?」

「私は必死でお兄ちゃんのことを心配してたのに、その間にお兄ちゃんは楓とずぅぅうううううううううううううううううううっとイチャイチャしていたの!?」

「イチャイチャ!?してないしてない断じてしてない!ただ俺は楓に虐められていただけだぞ!?」

「えっ、ヒドイです!!あんなに激しく暴れていたのに……」

「そこ!誤解を招く言い方はやめてもらえないかな!?そしてその話題はもうやめてくれ、俺の精神が削がれる!!」

「楓……やっぱり楓の仕業だったんだね……フフフ」

「さっきからコロコロと標的変わるよな……」

 

 

 唯の情緒が不安定になってきている……このままだとこの部屋にいる人間を全員殲滅してしまいそうな勢いだ。これは俺が空気になっている今の内にこの部屋から脱出した方がよくないか?いや、雪穂に()()()()()()()で手首を握り締められているから無理だった。

 

 

「まあまあ唯、落ち着いて!楓も唯みたいにお兄ちゃんを思ってのことだし、ね?」

「どいて亜里沙、そいつを殺せない!!」

 

 

 はいヤンデレちゃんのテンプレセリフ頂きましたぁ~。

 もはや俺はこの状況を改善するどころか唖然として見守るしかない。下手に介入すれば巻き込み事故に遭い謎テンションの妹たちに轢き殺されるのは明白、素直に事態の終息を迎えるのが正しい選択だ……と思う。

 

 

「拓哉、ちょっとあの3人に割り込んで事態を解決してきてくれないか。女の子のためにボロボロになるのがお前だろ」

「そんな固定観念はそこら辺のドブにでも捨ててくれ。第一に、面倒事は嫌いだ。零もそうだろ、もう足が完全に部屋の外に向いてるし」

「俺はな、ずっと俺に引っ付いている雪穂をなだめるのに精一杯なんだ」

「零君零君……2人の愛の証として、堅い手錠で繋ぐのもいいかもね……」

 

 

 こっちはこっちでまた恐ろしいことを考えているわ、向こうは向こうで妹大戦争が起こっているわで、俺と拓哉が完璧に放置されている感がしてならない。あれぇ~お互いに両作品の主人公なはずなのにおかしいなぁ~!

 

 

「それにしても、どこからどうなってこんなカオスな事態になったんだ……」

「それは私が答えてあげるよお兄ちゃん!」

「やっぱお前の仕業か……」

「実は私の野望を成就させるために、亜里沙にはこれを使って私の駒になってもらってたんだよねぇ」

「なんだそれ?」

 

 

 楓が取り出したのは1つの小さいビン。その中にはいかにも怪しく煮えたぎる、謎の液体が少量入っていた。

 

 そして俺、そして隣にいる拓哉も同時に察した。こんな危険な香りがするクスリを作って楓に渡しそうな奴は、この広大な世界を探しても1人しかいない。

 

 

「お姉ちゃんから渡された、この"やんやんでれでれ"のクスリを使って、亜里沙を先輩にデレデレしちゃいました♪それで先輩を懐柔しようとしていたんですけど、思いのほか強情だったのは想定外でしたよ」

「どうりでやたら亜里沙が俺に懐いてたのか……じゃあ雪穂と唯にも?」

「元は2人に使う予定は一切なかったんです。でも一回効果を確かめたくって、亜里沙に使う前に雪穂と唯を実験台にして水筒にクスリを盛ってみたんですけど、まさかここまでヤンデレとブラコンを拗らせるとは♪」

「じゃあ雪穂も唯もとばっちりじゃねえか!!謝って、俺にも謝って欲しいけどまず2人に謝ろうか!!」

「野望を成就するためなら、多少の犠牲は仕方のない話なんですよ!」

「なんかもう怒る気にもなれない……」

 

 

 ここでいつもの拓哉クンお得意のお説教タイムかと思っていたのだが、既に楓に精神をボロボロにされているせいか、そんな元気もないようだ。それに俺だってもう()()()()()()すぎて、敢えてそこに突っ込もうとも思わない。実は裏で秋葉が暗躍してましたぁなんて、今更珍しい事態でも何でもないしな。

 

 

「それで、この状態になった唯たちはいつ戻るんだ?」

「さあ?」

「さ、さあってお前!!」

「詳しい期間は聞かされていませんけど、最低でも3日は続くらしいですよ」

「3日!?それまでこの状態の唯と一緒にいなきゃいけないの!?その期間ずっと部屋に監禁されそうなんですけど!?」

「俺もこの雪穂とずっと……?」

 

 

 突然通達されたヤンデレとの生活に、俺たちはこの時点で残っていた精神力が一気に削られる。

 無事に明日を迎えられるのかどうかすらも怪しいのに、最低でも3日って……途中でミンチになっていてもおかしくはないぞ。もう命を捨てる覚悟で望むしかない。ガチのヤンデレちゃんの相手とはそういうものだ。

 

 

「そうですね、3日とは言わず、一生一緒にいましょう……一生ね」

「お兄ちゃん、もうどこにも行かないように、私の目が届くところに置いてあげるからね……」

「そ、それじゃあ私も拓哉くんを好きにしていいですか?いいですよね!?」

「まあ精々頑張ってください、お兄ちゃん方♪私も精一杯お兄ちゃん好みのヤンデレに成りきるので!」

 

 

 結論、妹たちがブラコンとヤンデレを拗らせると怖い、以上!!

 




 さてどうだったでしょうか?結局いつも通りでしたけどね(笑)

 今回のコンセプトとしては、『妹』+『ブラコン』+『ヤンデレ』という究極の組み合わせ!以前投稿したヤンデレ回がかなり好評だったので、コラボ回ではありますが思い切って採用してみました。そして『ブラコン』と平行して実は『シスコン』もコンセプトの1つだったりもしますが、零くんに関してはあまりシスコンの部分を出せませんでしたね。それ以上に拓哉くんや唯ちゃんのキャラ崩壊が凄まじかったかもしれませんが、この小説に出演している以上それは許容してもらう範囲内だと勝手に思っています(笑)

 物語としましては、前半が零くんと唯ちゃん、中盤が拓哉くんと楓ちゃん、後半に全員集合という、以前のコラボ回と同じ形式を取りました。理由としてはオリ主同士だと立場が被ってしまって、物語一貫して出演させるのが難しかったからです。

 どちらかといえば、目立っていたのはオリ主2人ではなくてオリ主の妹ちゃんたち2人のような気もしますね。物語自体もシスターズがメインだったので、本編中にもあったようにオリ主2人が放置プレイ状態になっていたかもしれません。今回は完全に2人共被害者役でしたから(笑)


 そしてこの場を借りて、たーぼさんコラボ小説ありがとうございました&お疲れ様でした!
 元々たーぼさんの小説の一周年記念として企画されたものなのですが、そんな記念すべきコラボ回の相手に私を選んでくださって嬉しい限りです!

 もう一ヶ月が経とうとしていますが、一周年おめでとうございます!


新たに高評価を入れてくださった

紺碧の剣さん

ありがとうございました!


Twitter始めてみた。次回予告、更新報告など。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。