ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は告白回の後日談――――のつもりでしたが、執筆してみると普通の日常回に。久々にギャグやほのぼの、ちょっぴりR指定要素が入り混じった回となっております。


ハーレム野郎は燃え尽き症候群

「はぁ~……」

 

 

 今の俺は――――――燃え尽きていた。

 

 

 先日のクリスマスにシスターズの3人、雪穂と亜里沙、そして楓にそれぞれ告白をし、見事結ばれることができた。どの告白も俺の想いを率直に伝えただけで、頭を悩ませてカッコいい告白文を考えていた訳でもないのに、彼女たちへの告白を終えた翌日から妙に何もやる気が起きない。やはり気付かなかっただけで結構気を張っていたのかな?これが燃え尽き症候群ってやつか……。

 

 だがしかし、俺が今にも真っ白な灰となって風に飛ばされてしまうほどのローテンションなのには、もう1つ理由がある。むしろそっちの方が燃え尽き症候群への影響が強いかもしれない。折角3人と恋人同士になれたのに、なんでこんなことになっているのかねぇ~……。

 

 

 するとふと、俺の目に赤毛のツリ目少女が映り込んだ。

 

 

「ほら零、何サボってるのよ」

「うおっ、埃はたきで頭をポンポンすんな!俺はゴミか!!」

「掃除もせずにぼぉ~っとして机に肘を付いてるだけなら、私にとってはゴミね」

「相変わらず容赦ねぇなお前……」

 

 

 何もわざわざ俺の隣にまで来て頭をポンポンと掃除しなくてもいいだろ。確かに俺の頭は掃除されるほど卑猥と下衆な思考で腐ってるけど、もうどうにもならないから諦めろ。ていうか俺の髪に埃付いてるんじゃね?――――と思ったが、どうやら机の上に埃はたきの袋が置いてあるから、まだ使ってない新品か。脅かしやがって。

 

 

 ちなみに俺は年末大掃除ということで、アイドル研究部の部室と更衣室の掃除に駆り出されている。ただでさえ寒いのにまさかの早朝から呼び出されるなんて、実妹の楓に告白する以上に苦行だぞ。

 

 しかもこの場に穂乃果、ことり、海未の3年生組はいない。理由はもちろん、残り一ヶ月を切ったセンター試験の勉強のためだ。だったら何故俺がここにいるのかって?俺はもう勉強しなくても余裕だってことくらいμ'sの面々は知っているから、『だったら零は呼び出しても問題ないんじゃね?』理論で徴兵令を食らった訳だ。こんなことなら初めから勉強に付き添ってやればよかったよ……。

 

 

「やけにテンション低いわね。早く掃除しないと終わらないわよ。あの凛ですらまともに掃除してるのに……」

「ホントだ……。あの凛が真面目に掃除とか、明日は絶対零度で凍結するぞ日本は」

 

 

 凛は部室の端でコソコソと何かやっているみたいだ。あれってちゃんと掃除してんのか?元々にこの私物が多かったこの部室だが、彼女の卒業を機にほとんど持って帰ったため、今の部室はそこそこ広くなり逆に掃除が面倒になってしまっている。そこら辺をせっせと掃除している花陽が可愛いなぁと思いつつも、俺はまだローテンションから抜け出せなかった。

 

 ちなみに絵里、希、にこの3人は更衣室の掃除をしている。もうこの学院の生徒ではないのにご苦労なことだ。どうせなら俺の分まで頑張って働いて欲しい。

 

 

「はぁ~……」

「また溜息ついてる……もしかして、1年生たちのこと?」

「よく分かったな。そうだよそうなんだよ!アイツら仲良く温泉旅行に行ってんだぞ!?恋人の俺を放っておいて温泉!?告白からまだ数日しか経ってないよ!?つまり恋人に成り立てホヤホヤだぞ!?そんな俺を放って温泉!?マジかよ!!」

 

 

 俺は立ち上がって真姫に至近距離まで詰め寄る。真姫は頬を少し赤くしつつも、俺の身体を強く押して俺を突き放した。

 

 

 そう、これがローテンションの一番の理由。クリスマスの翌日はシスターズのみんなと仲良く4人でデートしたのに、今日に限って俺はお呼ばれでない。なんというありふれた悲しみの果て。

 

 そしてちなみにばかりで申し訳なのだが、真姫たちμ'sの9人には俺たちが正式に恋人同士になったことは既に伝えてある。もちろんみんな笑顔で歓迎してくれた。まあ、そもそも9人と付き合ってること事態が異端なんだから、今更12人に増えてもなんら変わりはないだろう。

 

 

「しょうがないでしょ、商店街のくじ引きの景品が旅行券3人分だったんだから。あの子達にも積もる話がたくさんあるだろうから、ここは我慢しなさいよ」

「いやいいよ、その分アイツらが帰ってきたらたっぷりと可愛がってやるから……」

「その犯罪者の顔やめなさい。ここにいるのが私たちじゃなかったら即通報されてるわよ」

「そっちの方が神経が研ぎ澄まされて、ギアも入りなおすかもな」

「どれだけ心が空虚なのあなた……」

 

 

 何が悲しくて部室の掃除などしなきゃいかんのだ。本当だったら今頃シスターズの面々と温泉に行って、あわよくば混浴風呂であんなことやこんなことができたかもしれないのに、まさか頭を埃はたきでポンポンとゴミ扱いをされる仕打ちを受けるとは……俺の人生、どこで間違えた?

 

 

 すると、真姫の背後に何やらオレンジの髪の毛をした頭がちょろちょろと動いているのが見えた。一瞬で『あっ、凛の奴、何か企んでるな』と察したが、俺が声をかける前に、ソイツは真姫にちょっかいを掛ける。

 

 

「ねぇねぇ真姫ちゃん」

「なに凛?あなたもサボり――――って、き゛ゃぁあ゛あ゛ぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「な、なんだ!?」

 

 

 凛の方を振り向いた真姫は、その刹那硬直したあと、普段では絶対に聞くことのできない喉を潰すかのような汚い声で叫びだした。あまりにも突然の奇声に、1人真面目に掃除をしていた花陽は驚いて尻餅をつく。

 

 

「な、なに!?真姫ちゃんどうしたの!?」

「ちょっと凛!?早く……早くソレ捨てなさい!!」

「え~こんな珍しいもの捨てられないよ。ほら、こんなに足が長い蜘蛛なんて初めて見るにゃ!!」

「「き゛ゃぁあ゛あ゛ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」

 

 

 今度は花陽も一緒に奇声を上げた。まるで殺人現場で死体を見たかのような、恐怖と驚愕が混同した声。凛の手の上では確かに足の長い蜘蛛が――――って、蜘蛛の解説なんてしたら気分悪くなるだろうし、流石にやめるか。

 

 そして凛がさっきから部室の隅でコソコソと怪しい動きをしていたのは、その蜘蛛を捕まえるためだったのだろう。やっぱりサボってたじゃん!

 

 

「ちょっとどうしたの!?真姫と花陽の悲鳴が聞こえてきたけど!?」

「また零君がなんかやらかしたん?」

 

 

 すると部室に、掃除用具を取りに行っていた絵里と希が勢いよくダイナミックに入場してきた。絵里は焦燥の表情を浮かべながら、希は面白そうなことが起こりそうと言わんばかりのニヤケ顔で……。つうか、どうして毎回俺が犯人役にされるんだよ。

 

 

「あっ、絵里ちゃんと希ちゃんも見る?足の長い蜘蛛!」

「ホンマや珍しい!折角だし、写真を撮って穂乃果ちゃんたちに送ってみよ♪」

「さんせ~い!ことりちゃんと海未ちゃんはいい顔して驚きそうにゃ~♪」

「お前らクズだな……ん?え、絵里?どうした?」

「…………」

 

 

 あっ、コイツ立ったまま硬直して全く動かねぇ。絵里もGとか蜘蛛とか、家の中でうろちょろする虫は苦手そうだもんな。それに真姫も花陽も部室の隅で震えてるし、そろそろ助け舟を出してやるか。俺はそんな馬鹿騒ぎできるようなテンションじゃないっていうのに全く……。

 

 

「ほら凛、早くその蜘蛛を外に逃がしてやれ。真姫たちが硬直し過ぎて、このままじゃ銅像になっちまうぞ」

「む~しょうがない、バイバイ蜘蛛さん!」

 

 

 凛は蜘蛛を窓の外へポイッと捨てる。名残惜しそうにしているにも関わらず、案外あっさりと外へ放り投げるんだな……。

 

 

「ちょっと絵里!希!廊下に掃除用具投げ捨てて行くんじゃないわよ!!」

「ゴメンなさい、にこ。真姫と花陽の悲鳴を聞いたらつい……」

「ま、可愛い後輩のための思ってのことだろうけど」

「絵里はいいとしても、希は不気味な笑顔だったけどな」

「もう零君!余計なことは言わんでええって!!」

「多分今年最後のお前が言うなだな、これは……」

 

 

 どう考えてもお前が一番余計なこと言ってたじゃねぇか。そして案の定、俺に悪いところなぞどこにもなかったし。

 

 

 どうやら絵里と希が放ったらかしていった掃除用具を、全部にこが持ってきたようだ。部室にある箒やちりとりの数が圧倒的に足りなかったため、他所から借りてきたらしい。面倒だが、ここから部室と更衣室の掃除が本格再開か。そう思うとより一層気が滅入ってしまう。帰ろっかなもう……。

 

 

「で?悲鳴の原因は?」

「凛ちゃんが足の長い蜘蛛を私たちに見せてきたんだよ。あ~驚いたぁ……」

「全く、蜘蛛ぐらいでギャーギャー騒ぐんじゃないわよ」

「にこっち、えらく逞しいなぁ」

「そんなもの、家を掃除してたらしょっちゅう見かけるからね」

 

 

 確かに矢澤家の家事全般を任されているにこだったら、流石にGや蜘蛛ごとき何度も目にして耐性が付いてるか。背はちっこいくせに、こういう時だけやたらお姉さんキャラに見えるんだよなにこって。

 

 

「でも凛は零くんの元気を取り戻してあげようと思って、苦労して足の長い珍しい蜘蛛を捕まえたのに、零くん全然元気戻ってないじゃん!」

「お前、俺が蜘蛛ごときで元気を取り戻すと思ったか?」

「あれだけ真姫ちゃんとかよちんの悲鳴を聞いても、零くんずっと座ったままだったし。今日の零くんは冷静過ぎるにゃ」

「その前に、私たちは零の元気を取り戻すための生贄だったって訳……?」

「う~んまぁ……許して♪」

「ヒドイよ凛ちゃん!!」

 

 

 凛はウインクをして舌を出しながら謝る。ていうか謝る気ねぇだろお前……。しかも俺のテンションは一切戻ちゃいないから、真姫と花陽は無駄死にってことになるな。南~無~。

 

 

「零、アンタ元気ないの?やっぱシスターズの温泉旅行が原因?」

「はぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁああ…………」

「なんて長い溜息ついてるのよ……。それじゃあ全宇宙の生命体を笑顔にしてきた、このスーパーアイドルにこにーが元気付けてあげるわ!」

「言っておくけどにこ、学院内でいかがわしい行為は禁止よ」

「まだ何もしてないじゃないの絵里ぃ……」

 

 

 ナイス釘差しだ絵里さんや。正直今の俺は、エロ妄想すらも膨らまないほど性欲が萎みに萎みきっている。そんな時に誘惑されても靡くはずがない。今の俺は常時賢者モード、あらゆる誘惑も跳ね返す無敵モードなのだ。

 

 

 そして絵里の隣で、希がまたしてもニヤニヤと怪しい笑顔を浮かべていることに気が付いた。出来れば気が付きたくなかったが、見てしまった以上変に警戒してしまう。でもこんなローテンションでは、並大抵のイタズラでも取り乱さないがな。掛かってこいや。

 

 

「いかがわしいって、スーパーアイドルのにこがそんな痴女に見える訳?」

「見えるにゃ」

「見えるわね」

「見える……かな?」

「花陽まで!?アンタたちあとで屋上ね!!」

 

 

 むしろ何故見えないと思った?これまで俺に行ってきた数々の痴態を思い浮かべて見ろよ。そして胸に手を当ててみれば分かるはずだ――――――あっ、残念ながらコイツに胸なんてなかったわ、すまんな。

 

 それにだ、高校生のスクールアイドルって時点で卑猥な響きがするのは俺だけか?さっき言った通り今はクールテンションなので激しい妄想は出来ないが、やはり高校生でアイドルというと男共のオナネタの格好の餌だ。痴女妄想されてしまっても仕方がない部分はある。

 

 

「まあ誰にどう思われていようが、にこは零にさえいい顔が出来れば、それで満足なんだから♪」

「おう、それはありがと」

「ホントに冷めてるわね……にこが元気を分け与えてあげるから、覚悟しなさい!」

「へ……?」

「ちょっと失礼するわよ」

「お、おい!?」

「「「「「!?!?」」」」」

 

 

 突然にこが座っている俺の膝の上に跨ってきた。しかもこちらに向かい合うように対面で。これには他の5人も目を丸くして驚いている。女の子特有のふわりとした甘い匂いで、俺の身体があっという間に支配される感覚に陥った。しかも今日のにこはスカートなので、彼女のパンツと太ももの感触が俺の服の上からでも感じられる。このまま自分の脚を動かせば、彼女の股を刺激できるのでは……??

 

 

 待て待て、今の俺は何事にも冷静沈着に対処する超クールな青年なのだ。そんな見え見えのあっまあまの色仕掛けに引っかかるはずが――――――

 

 

「ご主人様、最近全然にこに構ってくれないくて寂しいにこぉ~♪」

「お、おい……」

 

 

 にこは甘い声で俺をご主人様呼びをし、指で俺の胸にハートマークを描くようになぞり続ける。しかも座高の差から必然的ににこが俺を見上げる形になるため、彼女の上目遣い攻撃がモロにクリーンヒットしやがる。極めつけに、完全に作っている表情だろうが目に涙まで溜めて、確実に俺をオトそうとしているじゃねぇか……クッソ、可愛い!!

 

 

「うっ、凛、不覚にもにこちゃんに心を打たれそうになったにゃ……」

「へぇ~、やるやんにこっち。これは絵里ちも負けてられないね♪」

「どうして張り合わなきゃいけないのよ!?」

「そ、そんなくらい……零を喜ばせることなら私だって……」

「流石にこちゃん!あっという間に男性を虜にするシチュエーションを作れるなんて!!」

 

 

 みんな三者三様の反応を見せるが、この状況を何とかしてくれそうにはないな。

 にこは俺のためにというよりかは、完全に俺の様子を見て楽しむために跨ってきたに違いない。涙目上目遣いの合間に、時折見せる小悪魔の黒い微笑みが俺の目に映っているからだ。コイツにここまで手玉に取られるのは、来世までの不覚なんですけど……。

 

 

「もしご主人様がその気ならぁ~、すぐにでもにこを乱暴にしてくれてもいいにこぉ~♪」

「ぐっ……俺は今賢者モードも同然なんだ。そんな気は起きねぇよ」

「へぇ~。でもぉ~、さっきから心臓がバクバク鳴ってるわよ♪」

「お、おいっ!?」

 

 

 ただ俺の膝に跨っていたにこが、突然俺の胸へと飛び込んできた。しかも俺を椅子に縛り付けるように身体に強く絡み付いてくる。そしてにこの慎ましやかな胸が辛うじて俺の胸元に当たった時には、何故か無駄な感動をしてしまう。しかし不覚なのは、妙に興奮してきてしまったってことだ!

 

 俺の身体は椅子と彼女で挟まれる体勢となり、逃げ出すことはできない。まあ逃げ出すつもりなんて毛頭ないが、このままでは数秒後にはにこを押し倒してR指定の展開も止むなしになるだろう。しかし今の俺はクールで通している、相手の色仕掛けに乗ってはいけない。俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者俺は賢者……よしっ!!

 

 

「やっぱりにこっちはその手で零君を元気付けようとしていたんやね。だったらウチは――――絵里ち、協力して!」

「協力……?」

「あぁ~脚が(もつ)れちゃったぁ~」

「ちょっ、希!?きゃぁっ!!」

 

 

 希の奴、明らかに棒読みの悲鳴で絵里の脚に自分の脚を引っ掛ける。そして絵里の身体をガッチリとホールドすると、部室に散乱していた人形の軍団をクッションにするように、2人一緒に後ろへと倒れた。

 

 

「絵里ちゃん希ちゃん大丈夫!?」

「いや花陽、どう見ても希の悪ふざけだから――――――!?!?」

「ど、どうしたの零君?」

「絵里、お前……」

「へ……?」

「いやその……スカート……」

「スカート……?――――えっ!?~~~~~っっ!?」

 

 

 そうだ、絵里のスカートの中が丸見えになっていたのだ!希は器用に絵里の両足を持って左右に広げている。いわゆるM字開脚というやつだ。そんな器用な転け方、ハーレムモノの主人公じゃあるまいし現実で起こり得る訳がない。希の奴、初めから絵里のスカートの中を俺に見せびらかすつもりだったな!

 

 

 それにしても、絵里の純白で綺麗な脚に似合う、天使の羽のように真っ白なパンツだ。スカートが微妙にはだけているせいで、パンツ全体が見えていないのもまた唆られる。その美しい脚線美の奥に待ち受ける女神の糸物は、その先の天国へと続く扉のようで、どこか神々しさを感じてしまうほど艶かしい。パンツと股の間から指を入れて彼女の大切なところを思いっきり掻き回してやりたいと、俺の中の欲望がふつふつと沸き上がってきた。

 

 

「絵里ちゃん……やっぱり綺麗だにゃ~……」

「スタイルもいいし、私と同じスクールアイドルには思えません!」

「そんなこと言われても恥ずかしいだけだから!!早く助けて!!」

「まあまあ絵里ち、これも零君の元気復活のためと思えば頑張れるやん♪」

「じゃああなたが見せればいいじゃない!!」

「そ、それは~……絵里ちとにこっちの役目やから……」

 

 

 絵里からの予想外の返しに思わず頬を染めてしまう希。計算高い子って、こうして計算外のことが起きて取り乱す姿が可愛かったりするんだよな。

 

 しかし今はそれよりも、さっきから腰をグイグイと前後に動かして、俺の股間を刺激し続けるにこと、希に捕まってスカートの中を御開帳している絵里に、俺の欲情が全身に染み込んできた。さっきまでの賢者モードはどこへやら、かつて感じていたゾクゾクとした興奮が熱を帯びて俺の心も身体も支配する。そう、元の俺に戻りつつあるのだ。

 

 

 女の子をメチャくちゃにしたい、もう脳ではなく本能的にそう感じている。

 でもいいんじゃないか?だってみんな俺の彼女だし、みんな俺のモノなんだから!!どうしようが俺の勝手だ!!

 

 

「にこも絵里も希も!そこで見てばかりの凛も花陽も真姫も、みんなそこに並べ!!スカートを捲くって並べぇええええええええええええええええええええええええ!!」

「あわわわわわ!どうしようかよちん、零くんが元に戻るどころか壊れちゃったにゃ!?」

「と、とにかく零君の興奮を鎮めないと……でも鎮めるためにはスカートを……うぅ」

「馬鹿みたい。私は別のところの掃除に行くから」

「逃がすかよ!!」

「きゃっ!?」

 

 

 俺は部室から出ていこうとする真姫の手首を掴み、そのまま俺の身体に抱きつかせるように引き寄せる。これで俺の身体にはにこと真姫、2人のツンデレガールたちが身を預けていることになるな。なんとも眼福な光景!これからコイツらをどうしてやろうか……ここまで俺の欲情と興奮を復活させた代償は、身体をもって償ってもらうぞ!!

 

 

「真姫ちゃんもぉ~、にこと一緒にご主人様に奉仕するにこぉ~♪」

「さっきからにこちゃんのそのテンションはなんなのよ、気持ち悪い!」

「なんですってぇえええええ!?」

 

「ちょっと希!そろそろ離してよ!!」

「ウチが零くんにスカートの中を……もっといいパンツを穿いてこればよかったかも……」

「の、希……?いつの間にか妄想の世界に旅立ってる!?」

 

 

 なんかもういつもの俺たちに戻ってきたって感じの騒ぎ具合だな。でも今は冬休み中、しかももう年末だから部活に来ている生徒もごく僅かだ。つまり多少騒いでも見つかることはない。よって俺の大勝利でこの物語は完結――――――

 

 

 

 

 するはずだった。

 

 

 

 

 部室の扉が開かれ、そこに入ってきた人影を見るまでは――――――

 

 

 

 

「神崎、冬休みだからってハメを外し過ぎだぞ」

「さ、笹原先生……お、お久しぶりですね何故学院に……?」

「教師はお前ら生徒みたいに冬休みを長くはもらえないからな。だから少しストレスが溜まっているんだが、どうすればいいと思う?」

 

 

 ここで笹原先生から全身を突き刺すような目付きで睨まれる。

 これは……これは確実に俺をサンドバッグにするつもりだ!!しかもみんな騒いでいるのに俺だけが理不尽に!!口角が少し上がっているのがその証拠。先生が私欲のために生徒を体罰したら、どうなるのか分かっているのか!?――――と、口答えできたらとっくの昔にやっている。この恐怖を前に口を開くこと自体が不可能なのだ。

 

 

 それにもちろんだが、μ'sのみんなは黙ったまま俺を助けようとしてくれない。それ以前に笹原先生の威圧を前にそれができたら、もう世界を救える勇者レベルの勇気だ。逆にそれを無謀とも呼ぶ。

 

 

「とりあえず生徒指導室へ行こうか。なぁに、あそこは暖房も完備されているし暖かいお茶もある。掃除の合間に休むにはもってこいの場所だ」

「くっそぉ……はいはい分かりました行きますよ行けばいいんですよね!!」

「お前の躾は秋葉やお母様からたっぷりするようにお達しが来ているからな。いい家族を持って良かったな、神崎」

「アイツらいつか絶対呪い殺す……」

 

 

 そして、俺は生徒指導室と言う名の拷問部屋へと連行された。

 どうしてこういつもいつも俺が女の子に手を出すその時に邪魔が入るんだよ。まあ、これが俺のいつもの日常ってことか……。

 

 

 

 

 取り残されたμ'sメンバーは――――――

 

 

「なんか色々あったけど、最終的にはいつも通りの零くんに戻ってくれて嬉しいにゃ~!」

「むぅ~、ちゃんとにこが零のテンションも性欲も元に戻してあげたかったのに」

「でも最後に邪魔が入る辺り、やっぱり零君は零君やね」

「私はただ辱めを受けただけなんだけど……」

「こんなことになるなら、ローテンションの零のままで良かった気もするわ……」

「あはは……とりあえず、お掃除……しよっか?」

 

 

 いつものテンションに戻ったのはいいけど、周りにたくさん女の子がいるにも関わらず手を出せないこのもどかしさは変わらねぇ……。

 

 ていうか、誰も俺を心配してくれないのかよ!!

 

 

 

 

 ちなみにこのあと、笹原先生にたっぷり拷問(意味深ではない)された。

 




 いつもの日常に戻ってきた気分がして、私も安心しています(笑)

 元々今回は、本編にもちょろっと話題に出てきたシスターズとのデート回を執筆しようと思っていたのですが、告白回で純愛モノに満足してしまったので、今回はギャグ+ほのぼの+ちょっぴりエロ要素を含めた、いわゆるいつもの日常回になってしまいました。またいずれシスターズとのデート回も執筆するかもしれません。多分しばらくはこのような"いつもの"が続くと思われます。そもそもオチがある話自体も久しぶりだったという(笑)


 前回の告白回で、感想数が1400件になりました!そして告白編を執筆してい期間に☆10評価をたくさん頂いたので、執筆モチベが無駄に満ち溢れています!そのモチベを保って、これからもしばらくはこの調子で投稿していけたら……いいなぁ(笑)


 最近ラブライブサンシャインの話題も活発となり、しかもあと一ヶ月後にはアニメも放送開始ということで、次回は特別編としてサンシャインから一部のキャラを登場させ、この章を締めくくろうかと思います。



新たに高評価をくださった

辛いさん、かみら@141さん、すどかんさん、仁聖和礼勇さん

ありがとうございます!


Twitter始めてみた。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia

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