ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 善子&ことりの回の後編です!
 いつものごとく南ことりワールドが炸裂!?


淫魔ノ淫靡ナ饗宴

 

「な、なによこれぇええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」

 

 

 平日の昼下がり。とある住宅から女の子の怒声混じりの叫び声が響き渡る。

 広範囲に渡って窓ガラスを振動させるパワーを持つその声さえあれば、不審者対策用の防犯ブザーなんてなくとも防犯対策はバッチリだろう。もちろん窓ガラスの耐久にダメージを与えるほどの威力なので、その衝撃波は近所迷惑以外の何者でもない。

 だが声の発生源――善子にとっては、近所に気を遣うどころか自分の身を守るだけで精一杯だった。いくら他人を心配しようともまずは自分自身のことからとはよく言ったものだが、今はまさにその構図。目の前にいる淫魔と悪魔が融合したような災厄の存在に対抗しなければ、己の保身をしなければ身も心も調教されてしまうだろう。

 

 

「こ、こんな露出……だ、騙したわね!?」

「いやぁヨハネちゃんのお肌、白くてスッベスベで綺麗だねぇ~♪」

「ウットリするなこの変態!!」

「変態だって、零くん」

「いやお前のことだから……」

 

 

 俺たちはさっきまで黒魔術やら堕天使やらのコスプレや雑貨が集まる店にいたのだが、善子はことりがファッションデザイナーであることを見込んで自分に見合う衣装を選ぶよう懇願した。そして既にことりがその手の衣装を作ってあると聞いて彼女の家にお邪魔したのだが、案の定というべきか罠であり、善子はやけに露出度の高い堕天使コスを着せられてしまったのだ。あの店にいた時からことりは何かを企んでいるような憎たらしい笑顔をしていたけど、俺の予想通り本当にエロい衣装を着せて楽しむことが目的だったとは……。

 

 ちなみに善子の格好は誰しもの想像よりもエロく、肩やヘソ、太ももの露出なんて可愛いもの、前を隠す布がもはや防壁として機能していない。言ってしまえば善子がちょっとでも動けば胸を隠している布きれがひらひらと舞うため、隠すべきはずの胸が完全に見えそうになる。そうでなくとも常時下乳が見えるくらいには露出度が高く、もはやAVの企画モノでコスプレプレイを強要させられているのではないかと思ってしまう。

 更に彼女の露出は胸だけではない。臀部も丸出しと言っても過言ではないくらい曝け出されており、コスプレというよりかは水着のパンツ。しかも限りなくヒモに近いパンツで、動こうが立ち止まっていようが思春期女子の肉付きの良いおしりは隠し通せない。辛うじて股間は最低限の牙城が形成されているが、胸や臀部の防壁が軟弱なところを見ると股間の牙城もいつ崩れ去るか分かったものではなかった。

 

 ここまでの説明で察した通り、もう全裸と言って差支えないほどのコスプレを善子は着せられてしまったのだ。

 そしてこの事態の張本人は、着せ替え人形となった善子の痴態を見てただただテンションの上がっている変態だった。近い将来ファッションデザイナーとしての道を歩む奴が、こんなアダルティな衣装を作るだけでなく無理矢理誰かに着させてほくそ笑むなんて想像もしたくねぇな……。いや、想像するどころかもう現実になっちゃってるけどさ。

 

 

「あなたがとっておきの堕天使コスを着させてくれるって言うから家に来てあげたのに、蓋を開けてみれば何よこのエロさ極まりない衣装は!!」

「えぇ~? 誰も最初から健全な衣装とは言ってなかったんだけどなぁ~♪」

「だったらその笑顔やめなさい! どうせ最初から騙す気満々だったでしょ!!」

「騙してないよ! だって堕天使コスなことには変わりないもん!」

「こんなに露出が多くて大きい羽が付いてるコスなんて、ただの民族サンバ衣装じゃない!!」

「いいの?」

「な、なにが!?」

「そんなに暴れちゃうと、色々見えちゃうよ♪」

「な゛ぁ……!!」

 

 

 見えちゃうと言うか、もう隠すべきものがほとんど晒されている衣装を着ている時点で防衛は不可能な気もするが……。

 でも善子はあくまでも抗い、ことりに牙を剥きながらも俺の目線を気にしているようだ。顔を真っ赤にしながらチラチラと俺の顔を見つめてくるため今にも羞恥心に押し潰されそうになっている。

 まあ俺としても全裸同然の女の子が目の前にいるのにその姿を見るなと言われる方が無理のある訳で、むしろ目を逸らしたらその子に魅力がないと暗に主張することにも繋がるため決して妥協はしない。だったら視姦プレイでも何でもいい、女の子の痴態はこの目で捉えて脳に焼き付けてこそなんぼのものなのだ。

 

 

「ちょっとジロジロ見ないでよこの変態! ていうか、ここ変態しかいないじゃないの……」

「今更そんな分かり切ったことを俺に言われてもな。大衆に向かって私は人間ですって豪語するようなもんだぞ?」

「くっ、味方がいない……」

「味方してやりたいけど、この状況でどうしろっていうんだ。今すぐここで脱ごうにも全裸を晒すはめになるぞ?」

「ことりとしては、ヨハネちゃんの身体のサイズを測れるから全裸になってもらってもOKだけどね!」

「全然OKじゃないわよ!! それにまたエロい衣装作ろうとしてるでしょ!? しかも私のサイズに合わせて!!」

「だってぇ、他のみんなに着させても嫌がるだろうしぃ」

「私だって嫌がってるんだけど!?」

 

 

 善子だってことりのことを少なかれ憧れのスクールアイドルとして見ていたはずだ。だがそれは数十分前の話で、今では憧れ先輩とか夢の象徴とかそんなものは関係なく、ただ自分を恥辱の底に沈める淫魔としか思っていないだろう。その証拠としてことりに対しての口調がどんどん荒くなっており、千歌たちと接する時となんら変わらなくなっている。憧れの先輩たちを前にオドオドする千歌とは違って精神力が強いのは認めるが、ことりのこんな姿を見たら誰しもコイツに夢も憧れも抱かなくなるかもしれないな……。

 

 とりあえず俺としても善子を助けてやりたいのは山々だが、こんなエロいコスプレをした彼女は早々見られないので助け舟を出すのも惜しいと思ってしまう。そもそも善子は露出度が低い服を好む傾向にあり、制服はまだしも普段着も自分の肌を守るためなのか、はたまた堕天使ヨハネとして少しでも自分の白い肌を隠したいのかは知らないが、とにかくここまで肌を見せつけている彼女は貴重なんだ。せめて写真を1枚盗撮するタイミングがあればいいのだが、善子が俺に目を光らせている以上そんな隙は生まれそうにないのが残念なところ。

 

 しかし、ことりの味方をするってのも釈然としない。コイツと一緒に犯罪の片棒を担ぐのは俺のプライドとしても許せないし、淫乱を爆発させているコイツと俺の立場が同列に扱われるだけで反吐が出る。言っておくけど、俺とことりの『変態』は似て非なるものだから。ことりの変態は場を弁えない低俗なのに対し、俺はしっかりと時と場所を選ぶ高貴な変態なのだ。だから同列に扱われたりしたら最後、変態の名に傷をつけることになるんだよ。Do you understand?

 

 

「いやぁでも善子ちゃん本当に可愛いから! ほら零くんのここだってこんなに大きく――――――な、なってない!?」

「お前は何を期待してたんだ……」

「むしろなってたらド変態よ! 元教え子の裸を見てお、お、大きくするなんて……」

「恥ずかしがるなら言わなくていいから!」

 

 

 つうか2人共、人の下半身を見ながらお話をするのはやめてくれませんかねぇ……。俺は誰かに見られて興奮するようなマゾではないとこれまで何度も言ってきてるのが分からないのかなこの子たちは。女の子に射精管理されるとか、夢を抱いたとしても絶対に実現させたくない情けない姿だ。

 

 

「女の子の裸を見ても大きくならないとか、もしかして零くん……あっち側の人!?」

「またその話題かよ!? いい加減違うって覚えろ!!」

「また……?」

「この前の夏祭りで上原にも言われたんだよ。男性好きの人ですかってな」

「…………」

「…………」

「どうしたお前ら、急に黙って――――――あっ!」

 

 

 そういや"夏祭り"ってワードは現在俺たちの界隈において禁止ワードに設定されてたんだった! 地雷を踏まないように敢えてその話題は避けていたはずなのに、まさか自爆することになるとは……。

 

 ことりも善子もさっきまでの慌ただしさが嘘のように静まり返り、良くも悪くも明るかった雰囲気が一瞬にして凍り付いた。

 また修羅場からのお説教ルートはご所望じゃないんだけど、俺の周りの女の子って妙に嫉妬深くて依存性も高いから、こうなると事態を収束させるのがかなり手間になる。しかもただでさえ俺はみんなの言うことを何でも1つ聞かなければならないという奴隷と化しているのに、またここで余計なオプションを付け加えられたらもう俺の身体が誰のモノか分かったものじゃない。風俗店じゃないんだし、あまりオプションサービスを付けても俺からの待遇は良くならねぇからな??

 

 

「今日は善子ちゃんを調教するつもりだったけど、これは零くんを躾けた方が良さそうだね……」

「そ、そうね! 誰とも構わず鼻の下を伸ばす変態野郎には、バイになるくらいの調教が必要よね!」

「急に元気になったなお前! あっ、まさかことりの矛先が俺に向いたことを喜んでやがるな……?」

「ち、違うわよ! 目の前に女の子がいればすぐに発情しちゃう、その腐敗した心を鍛え直してもらいなさいってこと! 言うなればそう、善意よ善意!」

「そうだよねぇ~ことりたち以外では勃たなくなるように改変しちゃわないとねぇ~」

「改変ってなんだよ!? もはや俺のモノの形を変えるってことか!?」

 

 

 ここに来る前に危惧していたことが現実になろうとしていた。面倒事に巻き込まれるのは日常茶飯事だが、当初は全く関係もなかった俺がいつの間にか騒動の中心に引き摺り込まれているのもいつものことだ。善子も善子で俺がことりの標的になったと分かった途端、さっきまで俺に助けを懇願してきた様子とは裏腹に手のひらを返して敵に回っている。裸同然のコスプレを着せられているというこの状況から早く脱却したいのだろう、必死過ぎて裏切りも辞してないなコイツは……。

 

 

「まずは零くんをことりたち以外では発情できなくするのが先決だよね。逆に言えば、ことりたちで満足に発情させることができれば……」

「ちょっ、どうしてこっちを見てるのよ……い、イヤだからね!!」

「まだ何も言ってないんだけど、ヨハネちゃんは何を想像してたのかなぁ~?」

「ど、どうせ私を先生に(けしか)けようと……うぅぅぅ!!」

「だってそんなにエッチな格好をしてるんだし、ここで攻めなきゃ女が廃るよ!」

「こんな格好をさせたのはアンタでしょうが!!」

 

 

 もはやことりを"アンタ"呼ばわりをし、完全に彼女を敵と見なして口調が悪くなった善子。まあ自分を脱がして全裸同然のコスプレを無理矢理着せてきた奴に敬意を払う方が難しいだろう。女の子同士だからまだ可愛いものだが、これが男女だったらレイプ紛いの現場と思われても仕方ねぇからな。

 

 

「それにコスプレっていうのはただエロ可愛く作るものじゃないんだよ。激しく動いても衣装の形を崩さずに保つ耐久性も、ファッションデザイナーの観点として重要なんだよね。だからヨハネちゃんにそのコスプレを着させることで耐久テストを行っている、という名目なんだよ!」

「今さっきはっきりと"名目"って言ったわよね!? 一寸の狂いもなく"名目"って! それに胸もおしりも隠せてないこのコスプレに、どんな耐久性能を求めてるのよ!?」

「元気だねぇヨハネちゃん。そんなに抵抗されたらことり、もっとイジメたくなっちゃうよ♪」

「ちょっと先生! 本当にこんな変態がスクールアイドルの頂点にのし上がった訳!? こんなのに負けたスクールアイドルたちに同情するわよ……」

「いや、頂点に立った時はまだまともだったんだ。まだな……」

 

 

 μ'sが初めてラブライブで優勝したのは5年前。その時のことりはまだ俺に恋する純粋な思春期乙女であり、その姿こそ天使と呼ぶにふさわしい純度を誇っていた。

 だが高校3年生となった春、彼女の家にお邪魔した時にその純白の羽が一気に黒く染まることになる。ことりが席を立った際にたまたま見つけた日記を読んでしまったのが人生の分岐点。その内容は狂気と言えるほどの愛が語られており、しかも日記を読んでいたことをことりにバレてしまったため彼女もこれまで抑えていた欲求が爆発したのだろう。それ以降はもう自分の真の性格を隠す必要もなくなったのか、皆さんも知っての通りのことりになったという訳だ。

 

 

「零くんの調教で、ことりはこんな風になっちゃったの……。エッチなことを強いられて、この身体も何度弄ばれたことか……」

「捏造すんな。自分から堕ちておいて何言ってんだコイツ……」

「そして零くんの調教はμ's全員に広まって、ことりたちは徐々に零くんの剛直でしかイけない身体に改造されちゃったの……。こうしてμ'sは零くんの性奴隷になっちゃったとさ……ハッピーエンド♪」

「ちょっ!? 最後の最後で笑顔で何言っちゃってんのアンタ!?」

「えっ、同人界隈では普通のことだよ」

「全世界の純愛モノ好きに謝りなさい!! それに奴隷になったことを喜んでるってどうかしてるわよ!!」

「…………?」

「いや首を傾げられても……」

 

 

 後にも先にも、自分を俺の性奴隷だと認めている奴はお前だけだと言ってやりたい……。だがことりはそれが普通のことだと認識して考えを改めようとはしないため、何を言っても無駄だろう。

 もちろんだけど、ことりが言ったことは嘘っぱちなので信用しないように。確かにμ'sのみんなが変態色に染まった理由の一旦は俺が背負っているが、何も俺が全ての元凶ではない。きっかけを作ったのは俺と付き合いだしてからかもしれないけど、変態になるってことはその潜在能力が最初からあったという訳だ。現に凛や亜里沙は全然そっちの色に染まってないから、俺と一緒にいたために完全なる変態になったという仮説は間違っていると思う。てかそう思わないと、調教凌辱系の同人誌に出てくる汚いオッサンとやってること変わらないからな……。

 

 

「そんなこと言っちゃって、Aqoursのみんなも零くんとヤっちゃったんでしょ? だったら文句なんて言えないんじゃない?」

「そんな訳ないでしょうが!!」

「えっ……? えぇっ!?」

「どうしてお前が驚いてんだよ……。つうか、驚かれなきゃいけないことなのかこれ」

「だってあの零くんだよ? 目を付けた女の子に何もせず別れる訳ないよ……そんなの、ことりの知ってる零くんじゃない。隠してるだけでヤっちゃったんでしょ? 教育実習を終えて浦の星を去る前に、『俺からの最後の授業だ』とか言ってみんなの初めてをその肉棒で……」

「俺たちは教師と生徒だぞ!? んなことしたら社会的に抹殺されるから!」

「今更世間の目を気にしたりするんだ……。ただでさえことりたちみんなと付き合っ――――――」

「あーあー!! とにかくこの話題はこれで終わり!!」

 

 

 あぶねぇあぶねぇ……。ことりの奴、ナチュラルに俺がμ's全員と付き合っていることを暴露しそうになってなかったか……? 確かに世間の目に対抗する気概を持ってみんなに告白したのだが、自分からその事実を漏らす必要は一切ない。それなのにAqours全員に手を出すなんて何を考えているのかと思われるかもしれないけど、まあその辺りのいざこざに関しては現在どう手を打とうか考えてる最中だから。

 

 そして幸いにも、善子には悟られていないみたいで安心した。いつもは中二語録を解き放ち周りを寄せ付けない雰囲気を醸し出す彼女だが、意外と他人の些細な様子の変化に気付けるほど察しはいい。だからこそ下手に俺とμ'sの関係を漏らしたくはなかったので、とりあえずはバレなくて一安心だ。今のところAqoursのみんなにこの事実は知られていない……と思う。

 

 

「話を戻すと、ヨハネちゃんの着ている衣装の耐久性テストをするってお話だったんだけど……着心地はいかが?」

「戻ってほしくなかったんだけど……。それに、こんな露出の高いコスプレなんてもはや服を着てる感じなんてしないわよ」

「まあ全裸同然と言えば同然だしな」

「だ、だから変な妄想をするのはやめなさいって言ってるでしょ!?」

「目の前で肌色全開のコスプレを見せつけられて、賢者でいられる方が変態だろ!?」

「まぁまぁ2人共落ち着いて。要するに、こうしちゃえばお互いに分かり合えるってことだよ。えいっ♪」

「ひゃっ!?」

「な゛っ、うわぁっ!?」

 

 

 ことりは素早く善子の背後に回り込み、間髪入れず彼女の背中を勢いよく押した。

 そうなれば当然善子の身体は前のめりとなって倒れる訳で、その先には俺がいる訳で……。

 

 ベッドに座り込んでいた俺は善子を抱きしめる形で仰向けに倒れた。ことりのベッドが柔らかかったおかげで痛みを伴う衝撃はなかったものの、眼前にほぼ生まれたまま状態の善子と見つめ合っている状態なことに精神的な衝撃を受ける。全裸っぽいなぁと思いながら遠くから見つめていたさっきとは違い、善子に押し倒された状態になった今だからこそ分かるそのエロさ。四つん這いとなって俺に跨っているせいか、彼女のそこそこの大きさの胸でも重力に従って垂れているのが最も俺の性的欲求をくすぐられる。しかも通常時でも下乳が見えるほど露出が多いコスプレなんだから、下から見上げる形となったらもうその胸がどのように見えるのかはお察しのこと。胸を守る布なんてないようなものであり、彼女のおっぱいの全てが俺の目に焼き付けられていた。

 

 

「…………っ!!」

「な、なにジロジロ見てるのよ……」

「…………」

「ちょっ、黙ってないで、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよね!」

「綺麗だ……」

「は、はぁ!? こ、この変態変態変態!!」

「いて、いてて! はっきり言えって言ったのはお前だろ!?」

 

 

 顔を真っ赤にした善子は俺の胸倉を掴みながら上下に揺らす。だがそんなことをされたとしても、俺の率直な感想は変わることはない。透き通るような白い肌と僅かな面積を誇る黒地の衣装が綺麗なコントラストを顕現させており、その演出が彼女の胸の艶と張りをより際立たせている。

 しかも下半身で大切なところを覆うものがほぼヒモになっているせいか、ここまでの一連の騒動で多少ズレかかっていた。見えるか見えないかの絶妙な紐パンのポジショニングに、最高で最悪の焦らしプレイを体感させられている。Aqoursには果南や花丸と言ったドエロな身体付きをした子が多い中、善子もその子たちに負けないくらい欲情を煽る身体付きをしていた。やっぱり田舎の女の子は都会っ子と比べてその成長っぷりが一回り違うと察した瞬間だ。

 

 更に言ってしまうと、善子は俺の胸倉を掴んで俺の身体を激しく揺らしているが、その動きのせいで自分の胸が激しく暴れていることに気付いていない。覆って隠す布地がほぼないので胸を支える布地もないのはもちろんのこと、もはや桃色の先端が丸見えになるくらいには胸が大きく揺れていた。

 

 したがって俺は彼女の胸も下半身も気になるため、もう目がいくつあっても足りない状況なのだ。

 

 

「なぁ、触っても……いいか?」

「え……ど、どこを?」

「全部」

「そ、そんなのダメに決まってるじゃない……」

「じゃあ胸だけ」

「そ、それもダメ……」

「だったら触るのは一瞬だけでいい」

「う、うぅ……」

 

 

 頼み込む立場なのに、何故かこっちが優勢になっている謎の構図。これも必死に頼み込めばいつか言うことを聞いてくれる彼女だからこそできる芸道だ。それに俺だって目の前で暴れるおっぱいを見せつけられ、平常心を保っていられるはずがない。もはや自分の欲望を満たすためだけに彼女へ投げつけるような懇願をしていた。

 

 

 しかし、そう願った展開にならないのが俺の人生の常である。

 部屋のドアが開く微量な音が聞こえたためそちらに目を向けてみると、そこにはドアの隙間からこちらを覗き見る頬を染めた理事長、言うなればことりの母親、更に言うなれば親鳥がいた。ほぼ全裸同然の女の子に押し倒されているこの状況を見たら誰しも……マ、マズい!!

 

 

「あ、あまりにも騒がしかったから注意しに来たんだけど……お昼からお盛んねぇ」

「そうなんだよお母さん! 零くんはことりのことを差し置いて、高校生の女の子を選んじゃったんだ……。やっぱり若さには勝てないんだね……」

「何言ってんだこのチキン親子!!」

「いいのよ別に。零くんが誰としていようがしっかり娘のことも愛してくれれば……ね?」

「ね? じゃねぇよこの親鳥! ほら善子も、いつまでも俺に跨ってないで早く離れろ……って、えっ?」

 

 

 さっきからやたら黙っていたから気になって声をかけてみたら、コイツ気絶してやがる……!! 恐らく親鳥の登場で今まで抑えてきた羞恥心が抑えきれなくなって爆発したのだろうが、その恰好で気絶されると無性に触りたくなってくるんだけど……。

 

 つうか、善子も善子で俺に負けないくらい不運な目に遭ってるよなぁ。自分を完璧な堕天使にコーディネートしてくれると期待してことりの家に来たのに、全裸同然のコスプレを着せられた挙句こうして親鳥にまでその姿を晒すはめになったんだから。しかもことりと親鳥は初対面だし、そりゃ気絶しても仕方ねぇわ……南無阿弥陀仏。

 

 

「ことり、子供は2人がいいなぁ~。上がお兄ちゃんで下が妹にしよっか!」

「生まれてくる子の性別操作できんのかお前……」

「それじゃあ私は目の前でおばあちゃんになる様子を見届ければいいのね。それも実の娘と娘の後輩の子に、生命が宿る瞬間を同時に見られるなんて……♪」

「もうお母さん、流石に公開プレイは恥ずかしいよぉ~」

「そんなこと言っちゃって、いつも隠す気ないくせに!」

「あっ、バレちゃってたんだぁ♪」

「もうヤダこの家族……」

 

 

 善子もドンマイ、俺もドンマイ。

 この機会を経て、Aqoursの面子を金輪際コイツらに関わらせないようにしようと心から誓った。

 




 いやぁやっぱりことりが出演すると雰囲気がガラリと変わるので、若干シリアスだった梨子編や夏祭り編と比べたら落差が半端ない……
まあこっちの雰囲気の方が皆さんにとってはお馴染みかもしれません(笑)


 次回はまだ未定です。ポケモンをやってたので考えてないのです()

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