ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 合同合宿編、16話目
 今回は遂に虹ヶ咲のメンバーが全員終結します。とは言ってもまだ未登場の子が4人もいるので、その子たちの紹介だけになった気がしなくもないですが……


レインボー・ぱらだいす

 

 南ことりです。

 1つ、ご報告があります。

 

 実は、遂に――――――携帯電話へのハッキング装置を手に入れたのです!!

 これを使えば携帯のカメラも遠隔操作で動かすことができるので、零くんを24時間ずっと監視することができるようになったんだよ! しかも零くんが携帯で何を見たのか調べたのか撮ったのか、その全てが筒抜けになる。つまり、ことりは零くんと一心同体になるってことだよね? 身体は何回か一緒になったことがあるけど、心や精神まで一緒になれるなんて興奮しちゃうよ♪

 

 

「フフフ……」

 

 

「ねぇ海未ちゃん、ことりちゃんが怪しい顔をしながらパソコンを弄ってるんだけど……」

「さっき秋葉さんからプレゼントを貰ったと喜んでいましたから、多分それをパソコンで起動しているのでしょう。あの様子のことりに触れない方が良さそうですね……」

「でも、あんなに嬉しそうなことりちゃん久しぶりに見たよ。その理由は聞きたくはないけど……」

「巻き込まれないうちにこの場を立ち去りましょうか……」

「そ、そうだね……」

 

 

「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ちょっとこっち来て! みんなも!!」

 

「「はい……」」

 

 

 穂乃果ちゃんも海未ちゃんも、苦い顔をしてるけど何かあったのかな? でも今から零くんの携帯をハッキングしてプライベートを探ろう会を発足させるから、みんな笑顔になれるよね! えっ、やってることが非道過ぎるだろって? ことりたちと零くんの愛に処女膜1つ分の障害も必要ないんだよ!

 

 そして私は穂乃果ちゃんと海未ちゃんだけではなく、大広間に集まっていた他のμ'sメンバーとAqoursメンバーを全員集めた。これでみんな、零くんのことをもっとも~っと良く知ることができるね。うん、いいことをするって気持ちいい♪

 

 よし、早速盗聴から入ってみよっかな?

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 ゾクッと、背中に悪寒が走った。

 数十分前に心霊スポットのような場所にずっといたためか、霊に憑りつかれたんじゃないかと心配になってくる。でもこの悪寒はこの世のものでない存在以上の恐怖を感じた。言うなればこう、病み成分にどっぷり浸かった女の子にこっそり監視されているとか、そんな感じだ。まあウチの子たちに限ってそんなことはしないだろうけどね。ホントか……?

 

 そんな怪しい感覚に神経を尖らせながら旅館の廊下を歩いていると、金髪の女の子とすれ違った。いくら可愛い女の子とすれ違ったからと言って、いつも邪なことを考えている訳じゃない。だけどその子はどこかで見覚えがあるような、そんな感じだ。だから俺は自然とその子のことを目で追い、すれ違って少し歩いた後にわざわざ振り返ってその子の姿を見ようとした。

 

 だが――――

 

 

「な゛っ……」

 

「フフッ」

 

 

 俺が振り返るよりも先に、金髪っ子の方がこちらを振り向いていた。そのため振り向いた俺とバッチリ目が合ってしまう。

 しかもその子は何の躊躇いもなくこちらに近づいてくる。むしろ最初から俺に話しかけるつもりだったかのような、一切の迷いがない行動。明らかに年上の男にジロジロ見られたら気持ち悪がるのが普通なのに、この子は全く動じてない。

 

 ま、まさか、最近は男が女性を見るだけでも痴漢行為と見なされるから、コイツはそれを狙ってんのか?? まだ高校生っぽいのにいっちょ前に化粧をしているところを見ると如何にもギャルっぽい。まさに痴漢冤罪で小遣い稼ぎをしてそうな風貌だ。この子が『この人、痴漢です』と叫んだら、例えそれが嘘だとしても世間は俺を疑うだろう。ホントに、男が生活しにくい社会になったよな……。

 

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫だって! 愛さんからは別に何もしないから」

「は……?」

 

 

 目の前のギャルっ子は右手を軽く振りながら、意外にも気さくに話しかけてきた。口角を上げた生意気な笑顔で近づいてきたので、てっきり冤罪を吹っ掛けられると思ったぞ。特に見た目がギャルっぽいから、痴漢冤罪で脅されてこの子の財布になるんじゃないかと無駄に警戒してしまった。

 

 だけど本人はそんなつもりは一切ないらしい。

 だったらどうして俺に話しかけてきた? それにこの子、やっぱりどこかで見たような気が……。そして以前にも何回かこんな疑問を抱いたことがあるが、その時は決まって()()()()()()()()()()()()()()()と出会った時だった。

 

 そう考えると、この子もやっぱり―――――

 

 

「お前、もしかして虹ヶ咲のスクールアイドルか?」

「ピンポンピンポーン! 流石にもう慣れたって感じだね、私たちとの再会は」

「再会? お前に会ったのはこれが初めてだろ」

「ふ~ん。やっぱり聞いてた通り、何も知らないんだ」

「またそれか……」

 

 

 だから知らないって言ってんだから、そろそろ教えてくれてもいいだろ? とかお願いしてもコイツらは絶対に答えてくれないのが困りものだ。恐らくグループ一丸となって秘密を守っているのだろうが、話すつもりがないならそれらしいことを言って俺を揺さぶるのはやめて欲しいよ。秘密にするならする、漏らすなら漏らすで統一してくんねぇかなぁ。

 

 そして、目の前の金髪ギャルの女の子はやはり虹ヶ咲のスクールアイドルだった。代表でインタビューを受けていた歩夢以外の子の顔はあまり覚えていなかったのだが、こうして近くで見るとやっぱオーラがあるな。ギャル系の女の子とあまり交流を持ったことはないが、ちょっと背伸びをした大人の女性のような雰囲気は嫌いじゃないぞ。

 

 

「私は宮下愛(みやしたあい)。よろしくね、神崎零さん」

「当然のごとく俺の名前は知ってる訳ね……。もう驚かねぇよ?」

「こっちも歩夢たちから零さんのことは聞いてるから、むしろ冷めた反応をしてくれると話が早いよ。また一から説明するのは面倒だしね」

「話が早い? どういうことだ?」

「ちょっとこっち来て!」

「お、おいっ!」

「心配しなくても、痴漢冤罪なんて非効率的で時間の掛かることしないって。お金が欲しいなら上目遣いで媚びれば、大抵の男は奢ってくれるから♪」

「お前、いいキャラしてんな……」

 

 

 悔しいことに、コイツの容姿があればそこら辺のオッサンに軽く付き合うだけで金くらいいくらでも手に入るだろう。奢ってもらった後は適当なところでオッサンを撒き、そのままとんずらする。完璧にして非道な作戦だよ全く。

 

 宮下愛。

 さっきからさんざん言っているが、見た目はこの上なくギャル系だ。髪は肩に掛かるか掛からないかほどに短く、絵里よりも明るい金髪。目は大きくぱっちりしており、琥珀色の瞳が一際輝いている。そしてスタイルは抜群であり、身体は細いくせに胸やおしりは大きく、男にとってはまさに核兵器並みの肢体を誇る。ギャル系でスタイルも良く、更に雰囲気も派手なので近くにいると眩しくて目がチカチカしそうだ。

 

 そんな美少女ギャルちゃんは俺の手首を掴み旅館内を先導する。正直こんな光景をμ'sやAqoursに見られたら呆れられたり問い詰められそうだが、幸いにも周りに女の子の人影はなかった。

 つうか、どうして虹ヶ咲のメンバーがこんなところにいるんだよ……。まさか俺たちが合宿に来ていることを知って便乗してきたとか? アイツらはどうも俺の行動を読めるらしいので、密かに後を追ってきてもおかしくはない。行動が読めなかったら、歩夢たちが定期的にいいタイミングで俺の目の前に登場しないからな。

 

 そして引っ張られながら歩いているうちに、いつの間にか"松の間"の廊下を歩いていることに気が付いた。高級旅館にありがちな松竹梅で区分けされた場所なのだが、当然ながら"松の間"が一番宿泊費が高くて内装も豪華だ。だけど"松の間"に泊まっている客は俺たち以外の誰もいなかったはずなのに、何故コイツは俺をここに……? ギャルっ子に誘われると援交に巻き込まれたとしか思えないので、どうせヤるなら綺麗な部屋でヤりたいってことなのか? いや、ラブホじゃねぇんだし流石に違うか……。

 

 しばらくして、宮下愛は足を止める。目の前には俺たちの部屋と同じくらいの立派な扉。高級感溢れる木製の扉だが、一回り大きいのはこの部屋が大部屋だからだろう。おいおい、まさかヤリサーの乱交パーティに参加しろなんて言うんじゃねぇだろうな?? 人を見た目で判断するのは非情に申し訳ないと分かってはいるけど、やっぱり宮下の見た目からするとそう思えちゃうんだよ許してくれ。

 

 

「だから警戒しなくてもいいって! むしろエッチなことより凄い光景が待ってるから楽しみにしててよ」

「え、エッチって、初対面の男によくそんなこと言えるな……まさかビッチ?」

「いやいや、愛さんは意外と純情乙女だよ? それに零さんだってあたしのことを初対面だって思ってるなら、ビッチって言葉は酷くない?」

「俺は世間一般の意見を述べただけだ」

「零さんは世間に意見に飲み込まれるような小さな男だったんだね、ぐすん……」

「嘘泣きはいいから、とっとと部屋に入れろ」

「あれ? 意外と乗り気?」

「こんなところを他の子たちに見られたくないんだ。つうか、どうせ俺が誰と来てるかってくらい知ってるだろ……」

「そうだね。じゃ、入ろっか!」

 

 

 宮下が大部屋の戸を開く。

 すると、女の子特有の甘い匂いが優しく漂ってきた。

 

 

「みんな、宣言通り連れてきたよ!」

「え……えぇ゛っ!?」

 

 

 目の前に広がっていたのは、宮下の言う通り想像を絶する光景だった。

 松の間の部屋は広いのが基本だが、その広い部屋が狭く見えるほどの女の子、女の子、女の子。しかもその中には見知った顔や見知らぬ顔の子が入り混じっており、特に見知った顔のラインナップを察した瞬間にこの子たちがどのような集まりなのかすぐに分かった。以前テレビでやっていたスクフェス特集を見た時に、事前投票ランキングのコーナーで暫定1位のグループとして出演していたあの子たちだ。

 

 

「歩夢も、かすみもみんないるってことは、全員虹ヶ咲のスクールアイドルなのか……?」

「そうですよ! みんなでスクフェスに向けての強化合宿に来ているんです!」

 

 

 歩夢が笑顔で答える。

 ただでさえ宮下愛に出会ったことですら驚いたのに、まさか虹ヶ咲のスクールアイドルが全員集合している現場に連れられるとはこれっぽっちも予想していなかった。なるほど、だからさっき部屋に入る時にやたらいい香りがしたのか。そりゃこれだけの美少女が集まってりゃ、脳が溶けそうなくらい甘い匂いだって素で放出できるだろう。なんか驚きと相まって状況理解が全然追い付いてないぞ……。

 

 

「とりあえず座ってください零さん! ほら、かすみんの隣に!」

「ズルいですよかすみさん! 私だって張り切って隣を開けておいたんですから!」

「なるほど。普段は真面目なせつ菜がやたら私たちを寄せ付けないと思ったら、自分の隣の席を開けておきたかったからか……」

 

 

 かすみもせつ菜も元気そうで、なんか安心したよ。

 そしてその子たちを冷静に分析しているのは、宮下愛以上にプロポーションが抜群の女の子だ。子供っぽさが残る他の子たちに比べると断然大人の色気を醸し出しており、もはや華奢なアイドル体型というよりかは見せつけるためのモデル体型と言った方がいいだろう。黒のタンクトップの上に首・鎖骨・肩のデコルテラインを惜しげもなく見せつけている。エロい、この子を表すにはその一言で十分だ。

 

 

「そういや自己紹介がまだだったね。私は朝香果林(あさかかりん)、改めてよろしく!」

「神崎零だ……って、改めて?」

「あっ、つい。やっぱり本物を目の前にしちゃうと緊張するな……」

「いつも凛然としている果林さんがここまで女々しく……。さすがは零さんですね」

「しずく。俺、何もしてないんだけど……」

「何言ってるんですか! むしろ色々されすぎて感謝してるくらいですよ!」

「俺がお前らに……?」

 

 

 虹ヶ咲の子たちと出会うたびに整理している情報だが、またここでまとめてみよう。

 まずコイツらは明らかに俺のことを前から知っている。それは出会う前から名前を知っていたり、以前に出会ったことのあるような様子や口振りを見れば分かることだ。だが俺自身、コイツらの記憶はない。歩夢たちが嘘を言っているようには見えないし、ただ単に俺が忘れているだけ? う~ん……。

 そして、どうやらコイツらは俺に多大なる敬意を払っているということだ。聞けば過去に俺が彼女たちに何か感謝されることをしたっぽいのだが、例のごとく全く覚えていない。そもそもここまで慕われるほど女の子に手を貸したっていうなら、そんなオイシイ記憶を忘れるはずがない。こんな可愛い子たちに言い寄られる楽園のような状況を、自分がみすみす忘却してしまうなんてことはあり得ないんだ。

 

 これまでの情報からこの子たちの正体を推測すると――――――誰だコイツら?? ってことになるな。

 

 

 色々推理して頭が落ち着いたのか、ようやく部屋の空気に慣れてきた。

 その時、俺の浴衣の裾が軽く引っ張られる感触がしたので後ろを振り向く。

 すると、そばかすが特徴的な三つ編みの女の子が目を輝かせて俺を見つめていた。見た目的に外国の子だろうか、ライトグリーンの瞳がそれをよく体現している。おっとりそうな雰囲気だが、特に目を引くのが胸、双丘、おっぱい。見ただけでバストサイズが測定できる俺の無駄な能力からすると、この子の胸は希を軽々超えるほど大きい。雰囲気はおとなしそうなのに、胸だけは自己主張が激しいとかもう訳分かんねぇな……。

 

 

「神崎零さん、夢かと思ってたけど実在してたんだ……」

「実在って、ツチノコじゃねぇんだから……」

「あっ、自己紹介が遅れました! エマ・ヴェルデです!」

「やっぱり外国の子だったのか」

「はいっ! スイスから留学に来ました!」

 

 

 なんだろう、この子の笑顔は『安らぎ』って言葉がピッタリくる。どれだけ心が荒んでいようとも、この子の微笑み1つで淀みがすっきり掃除されそうだ。この笑顔こそまさしくスクールアイドルって感じだな。

 

 そして海外からの留学生っていうと、この子は俺と過去に会ったことがないのか? 歩夢たちが俺と出会ったと言っているのが一体いつのことなのかが分からないので、もう俺の推測でしかないけど……。まあそのことは追々考えるか。今はどうして俺がここに呼ばれたのか、それだけが真っ先に知りたい。ただ単に俺が好きなコイツらだからこそ、特に理由もなくこの部屋に拉致監禁したと考えられなくもないが……。全然交流がないのにここまで好意を持たれていると、それはそれで怖いんだよな。

 

 

「あ、あの……」

「ん? えっ、何その顔……?」

 

 

 またしても浴衣の裾が引っ張られたので振り向いてみると、そこには絵に書いたような立体感のない笑顔の少女がいた。比喩でも何でもなく、本当にスケッチブックに顔が書かれている。そのせいで彼女の素顔が全く見えないのだが、顔を見られたくないほど緊張してるのだろうか……? 声色的には落ち着いてるようだが、逆に言えば感情が籠ってない。表情が見えないのも相まって不思議な少女だ。

 

 ちなみに髪はそこそこ濃いピンク色で、身体はにこやルビィ以上に華奢だ。出るところは全く出ていないのが逆に男のロリコン性を湧き立たせる。

 

 

「天王寺璃奈です。久しぶりに顔を見られて嬉しい」

「そ、そっか。つうかそんなボードで顔を隠してたら前見えねぇだろ」

「見えてますよちゃんと。このボードには巧妙なトリックが仕組まれているのです」

「ん~?」

 

 

 単純に考えればボードに描かれている顔の目に小さな穴が空いている、と思うのが自然だ。だから俺はボードに顔を近付けて、穴の存在を確かめてみる。

 だが、意外や意外そんな穴なんて存在しなかった。もしかしたらマジックミラーのようになっていて、彼女側だけこちらを見られるように仕組んであるとか? どちらにせよ、ボードをずっと手で持ってる体勢は疲れそうだな……。

 

 そもそも顔を隠したままライブなんてできんのか? と思ったが、虹ヶ咲のライブ映像を見た時に、ボードに描かれている顔をお面として被っている子がいたことを思い出した。アイドルと言えば年齢や体重を誤魔化すのが一般的だと思ったが、時代は顔を隠すまでに至ったか。まあ最近はバーチャルキャラでのライブ配信が流行ってるし、あながち珍しくないのかもな。

 

 

「わっ、わっ、近い……」

「悪い。別に変な意味はなかったんだけど」

「違いますよ。璃奈ちゃんは照れてるんです、愛しの零さんにあんなに顔を接近されちゃって」

「あ、歩夢さん。それは言わない約束……」

「照れてる? 顔隠してんのに分からねぇだろ」

「分かりますよ。璃奈ちゃんのボード、その名も『璃奈ちゃんボード』を見れば」

「ネーミングそのまんまじゃん……って、あっ、いつの間にか顔変わってる!?」

 

 

 どのタイミングでボードを入れ替えたのか分からないが、ボードに描かれている表情が"照れ"になっていた。見た目は子供の落書きに近い感じなのだが、赤面具合など細かなところまで描かれているところを見ると割とボードの表情に魂を込めているらしい。1枚1枚手書きで表情を描いているのだとしたら、自分の顔を隠すのにどれだけ本気になってんだよって話だ。でもそういった不思議ちゃん系って結構話題になるから、虹ヶ咲的にも彼女の存在自体がPRになっていいのかもしれない。

 

 

 これまで会った子たちを含め、俺は遂に虹ヶ咲の子たち9人全員と邂逅した。どの子もμ'sやAqoursに負けず劣らず魅力的な子ばかりで、高校時代の野心があれば速攻で手を出していたところだろう。しかもただ魅力があるだけでなく、彼女たちからは何やら意志の強いオーラのようなものを感じる。寸分の狂いもなく目標に向かって突き進む力強さが自己紹介の時点から滲み出ていた。実際に俺と出会って間もないのに、やたらと会話が盛り上がるのがその証拠。まるで俺と話せる時を長年ずっと待ち続け、今この瞬間に願いが叶ったかのような……。だからこそ緊張はするものの年上の男である俺を一切警戒していない。Aqoursと出会った時はほとんどの子が警戒心MAXだったけど、虹ヶ咲の子たちは最初からウェルカムムードだった。

 

 やっぱりコイツらは俺と何かしら関係があって、どんな理由かは知らないが俺を追い求めていたとしか思えない。

 

 

 全員の自己紹介が済み場が賑やかになってきたところで、せつ菜が手を叩いて一呼吸入れた。

 

 

「さて、今日は零さんの他にもスペシャルゲストをお招きしています」

「は? 一体何を始めようってんだ」

「この方です!」

 

 

 せつ菜は俺の問いかけを無視して、みんなの注目を部屋の窓に向ける。

 すると、上の階から突如として長身の女性が飛び降りてきた。そして俺たちの部屋のベランダに綺麗に着地すると、艶やかな黒髪を靡かせながらこちらを振り向く――――――って、コイツ……!!

 

 

「秋葉じゃねぇか!!」

「こんばんは零くん。このメンツの中で顔を合わせるのは初めてだね」

「お前、やっぱりコイツらと一枚噛んでたんだな……」

「まあまあ言いたいことはたくさんあるだろうけど、とりあえず落ち着いて。今晩は歴史の授業をしてあげるから。そう、零君の歴史のね」

「はぁ?」

 

 

 この時はまだ知らなかった。

 俺の過去、そして俺の裏で何が起こっていたのかを……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 虹ヶ咲メンバーの全員集合がメインだったのですが、私的には最初のことりの行動が脳内にチラついてなりません。やはり彼女は狂人であったか……

 ここで虹ヶ咲の子たちが全員揃ったので、皆さん今一度彼女たちの容姿を公式サイトで確認してもらえればと思います。やっぱり小説内で容姿を完璧に説明するのは無理があるので、キャラの確認だけは皆さんに丸投げさせてください(笑) みんなμ'sやAqoursに負けず劣らず可愛いですよ!

 次回はがっつり謎解き回です。合宿編も終わりに近づいてきたので、シリアスが多くなってしまうのは許してください()


新たに☆10評価をくださった

Doraguniruさん

ありがとうございます!

まだ評価を付けてくださっていない方、是非☆10評価を付けていってください!
小説執筆のやる気と糧になります!




リクエスト小説の件ですが、もう少しリクエストが溜まったら第二回を実施しようと思っています。
リクエストは私のマイページから飛んでもらうか、以下からご応募ください!

【募集箱】
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=181617&uid=81126






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