ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿
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 スクフェス編もいよいよ大詰め。μ'sもAqoursも虹ヶ咲も、それぞれの想いを胸にスクフェスの決勝戦に臨みます。

 もちろん、零君も自分の想いを伝える覚悟を決める時――――


決戦Triangle

 

 やっぱり、女の子が輝いている姿を見るのはいい。スクフェスに参加している目的は各グループごとで違うだろうが、どんな目的にせよ優勝を目指していることに変わりはない。そういった意味では、どのグループも共通の目標を持っていると言ってもいい。だからこそ、1枠しかない優勝を巡って各々(しのぎ)を削っているのだ。

 そしてスクールアイドル同士はライバルであり、お互いがお互いを高め合っている。1つのライブによって高まった熱気が次のライブへと引き継がれ、更に大きな熱気となってまた次のライブへ移る。大会の形式上はグループ同士の対決なのだが、会場の盛り上がりが連鎖していく様を見るとみんなで1つのライブを形成しているようだ。観客も自分たちの推しのグループのライブを観に来ているはずなのに、どのグループも等しく盛り上がっているので会場により一体感が生まれている。みんなで叶える物語とはよく言ったもんだな。

 

 決勝ライブは2段階に分かれており、1段階目は決勝に進出したグループ全員が、2段階目はその中から審査員と観客投票による上位3グループが2回目のライブを行う。2回のライブを勝ち抜かなければ優勝できないためハードルは物凄く高いが、それだけの難関を突破したからこそ優勝に価値がある。俺の知り合いのスクールアイドルたちも、ここで優勝を掴み取ることで各々の目的を達成できるくらいだ。どのグループを応援するとは断定できないけど、頂点を目指して自分たちの輝きを誰よりも強く魅せて欲しいものだよ。

 

 ちなみに、現時点では決勝の1段階目が終了している。トリはA-RISEが華麗に飾り、これまでのグループが盛り上げてきた熱気を見事に爆発させた。そのせいで投票結果開示前の休憩時間にも関わらず、会場の雰囲気は未だ冷めていない。むしろこれからの本当の決勝戦に向け、更なる興奮を胎動させているようだ。

 

 

「はぁ~さっきから叫びっぱなしで疲れちゃったよ。初めて大きなライブ会場に来たけど、テレビで観るよりもすっごく興奮するね!」

「これだけのライブを間近で観られるなんて、私も柄にもなく騒いじゃいました。お兄様にはしたない姿を見せちゃいましたね……」

「別にいいんじゃないか。だってライブ会場は叫んだり騒いだりするもんだろ? 観客の雰囲気も半端ないし、テンションが上がらない方がおかしいって」

 

 

 俺の隣でライブを観ていたここあとこころも大興奮で、2人のテンションに釣られて興奮を煽られたくらいだ。2人は大型ライブを生で観るのは初めてらしく、それ故にこれまで味わったことのない感情に胸が滾ったのだろう。いつもはやんちゃなここあを諭す穏やかキャラのこころが、ここまで歓楽している様子を見れば彼女たちが如何にライブを楽しんでいたか分かってもらえると思う。応援や歓声に体力を使い過ぎて、最終ライブまでそのテンションを維持していられるか心配になってくるな。

 

 

「やっぱりμ'sは凄かったね~! あんなにキラキラしてるおねーちゃんを生で観られるなんて、もう最高の1日だよ!」

「煌びやかな舞台こそお姉様が立つステージ……いや、むしろお姉様がステージを輝かせていたまでありますね!」

「お前ら本当にシスコンだな……。穂乃果たちも応援してやってくれ」

「もちろん! さすがお姉様のバックダンサーです!」

「まだそれ信じてるのか……」

 

 

 良くも悪くも純粋なこころとここあは、かつてにこの吐いた嘘を今でも信じているようだ。まあシスコンのコイツらからしたら、大好きなお姉ちゃんが誰よりも一番輝いて見えるのは分かる。この2人とμ'sの話をする時は大体にこの話題になって他のメンバーに触れないことが多いから、もしかしたら今のμ'sが12人いるってことすらも知らないかもな……。

 

 会場の興奮が収まらないまま、遂に運命の時がやって来た。司会のスタッフが現れ、ステージの特大モニターに『最終ライブ進出グループ発表』の文字が映し出される。観客の熱気はヒートアップしたままだが、誰もがこの時を待ちわびていたのか一瞬で静まり返った。決勝ライブに参加したスクールアイドルたちもステージに続々集まり、観客共々投票の結果を固唾を飲んで見守る。

 

 

「投票の集計が終わりましたので、最終ライブに進出するグループを発表します! 進出する3グループの名前を同時に映し出しますので、皆さん一瞬たりとも目を離さないようお願いしますね!」

 

 

 こういった投票形式で結果を決める系の場合、大抵は出場者や観客の期待を煽るために下位から順番に発表される場合が多い。だがスクフェスは上位グループを大々的に紹介する傾向にある。事前投票で虹ヶ咲を大きく取り上げていたのがその証拠だ。

 つまり、今回の結果発表も一瞬。自分たちが何位かを待ち続ける緊張など一切なく、モニターの映像が切り替わった瞬間に最終ライブの進出グループが決定する。それはそれでまた別の期待と緊張があり、今の会場内は結果開示後の一喜一憂の騒ぎに向け、嵐の前の静けさのごとく静寂が支配していた。

 

 

「それでは発表します! 最終ライブの舞台に上がったのは、この3グループだぁあああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 司会者が掛け声を上げた直後、モニターに3グループの名前が映し出される。出場者も観客もあまりの緊張感の中にいたためか、モニターの文字を見た瞬間に場が硬直した。

 そして俺は、その静寂がどれだけ続いたのか分からなかった。一瞬だったのか数秒だったのか、そんなことがどうでもよくなるくらいの現実が目の前で起きていたからだ。

 

 

 最終ライブに進出した3グループ、それは――――――

 

 

μ's、

 

 

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、

 

 

そして――――Aqours

 

 

「マジかよ……」

 

 

 気付けば、会場内は歓喜に満ち溢れていた。会場の騒ぎをかき消すくらいの大きな拍手と共に、観客席からの多大なる声援。まだラストライブが残っているのも関わらず、もう優勝グループが決定したかのような盛り上がりだ。隣にいるこころとここあも目を輝かせてμ's……と言うよりにこに歓声を浴びせている。

 俺は周りのように騒いだりはしていないものの、自分と最も深い関りを持つ3グループが全員ラストに進出したことに驚きと興奮を覚えていた。前々からこの組み合わせでラストライブを飾れたら奇跡だと思っていたのだが、やっぱり女の子たちの底力ってすげぇよ。俺の想像を実現し、本当に奇跡のステージを作り上げちゃうんだから。

 

 そしてなにより、最後まで勝ち残れたことに驚いているのはAqoursだろう。俺は最前列にいるため彼女たちの様子をよく見ることができるのだが、観客の大熱気と同様アイツらももう優勝したってくらいの反応を見せている。目を見開いて驚いている奴もいれば、目の前の現実を笑顔で喜んでいる奴もいて、千歌なんて今にも泣きだしそうになっていた。まだこれからなのは事実だが、ほぼ無名のAqoursがここまでのし上がれたことに感無量なのだろう。いつやらか"ラブライブ!"の予選に出た時に最下位だった経験があるから、この結果になおさら喜びを感じるのかもしれない。

 

 μ'sの反応はAqoursに比べると驚きの度合いは明らかに小さいが、やっぱり自分たちのライブで上位をもぎ取ることができた興奮は4年経った今でも忘れられないらしい。まあ解散から随分と時間も経ってるし、どちらかと言えば久しぶりにライブの楽しさを思い出せて嬉しいって感情が強いんだと思う。なんつうか、アイツらの反応がライブ慣れしたプロのアイドルにしか見えねぇんだけど……。いつも一緒にいるから気にしないけど、他のスクールアイドルと比べれば大物で実力者だもんな。アイツらも成長してるってことだ。

 

 そういった意味では、虹ヶ咲の面々のメンタルはかなり強い。Aqoursと同じく公式の大舞台に立つのは初めてのはずなのに、名誉ある最終ライブの進出が決まっても手放しで喜んだりしない。むしろこの結果が分かっていましたと言わんばかりの自信っぷりで、コイツらもコイツらで事前投票圧倒的1位の貫禄を堂々と見せつけている。自分たちの実力を信じ切っているが故の余裕の反応なのだろうが、チラッとどこか嬉しそうな表情を見せるあたり、やはり駆け出しスクールアイドルっぽいな。それでもμ'sとAqoursに比べれば断然余裕綽々なので、最終ライブもこれまでと変わらず、いやこれまで以上のパフォーマンスを見せてくれるだろう。

 

 以上の3グループは見事に最後のライブを披露することになったが、当然それ以外のグループはここで敗退となる。でもどのグループも悔しがっているというよりかは、ここまで全力でやり切ったようで、残念な気持ちはあるだろうが悔いはなさそうな様子だった。A-RISEもSaint Snowもそうだが、実力的にはμ'sたちに劣ってはいない。結果発表は最終ライブに出場するグループ名しか載っていないので投票の内訳は分からないが、恐らく投票数は拮抗していたに違いない。ここで決勝戦の全てのライブを観てきた俺なら、それくらいは分かる。

 

 

 そんな訳で、決勝戦の最終ライブは今から時間を置いて始まる。つまり最終ライブが始まるまでに少し時間がある訳だが……どうするかなぁ。

 

 

「おにーちゃんどうしたの? さっきからそわそわしてるよ?」

「もしかしてお手洗いですか? それなら会場を出て右の突き当りに――――」

「いや、違うんだ。俺の知り合いのグループがみんな最後まで勝ち残ったんだ、ちょっと声を掛けてやりてぇなと思ってさ」

「なるほど、でもここは余計なことをせず、最後まで見守ってやった方がいいんじゃないかとか思ってます?」

「えっ、お前エスパーか!?」

「お兄様は分かりやすいので、顔を見ただけで大体察しはつきますよ」

「行ってくればいいじゃんおにーちゃん! もしおねーちゃんが緊張してたら、とびっきりの笑顔にしてきてね!」

「お前ら……。あぁ、じゃあ行ってくるよ」

 

 

 矢澤姉妹からの後押しを受け、俺は決勝の最終ライブを控えたみんなの様子を見に行くことにした。

 いつもの俺ならライブを控えたアイツらをただ静観するだけで、わざわざ控室にまで会いに行ったりはしなかった。でも今日はいつも以上にテンションが上がり過ぎているので、最終ライブまでのインターバルに居ても立っても居られないのだ。ここまで来て俺の激励なんて必要ないとは思うが、この興奮を抑えるためにはアイツらに会うしかない。それに、最後のライブに挑む意気込みを聞いてみたくもあるしな。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「ここまで来たはいいけど、アイツらの控室がどこか書いてねぇのかよ。ま、関係者専用の場所だから当たり前か」

 

 

 またしても秋葉に偽造してもらったICカードを使い、関係者専用のフロアへ侵入した。侵入したまではいいけど、どうやら決勝が始まる前と後では控室が違うらしく、決勝戦が始まる前に訪れたAqoursの控室には電気が消え鍵も掛かっていた。そのため現在絶賛控室の行方を捜しているのだが、本来ここは関係者専用のエリアということもあり、どこに何の部屋があるか一切の表示がない。そのせいでさっきから怪し気にウロウロするしかないのだが、決勝戦も大詰めということでスタッフも忙しいらしく、誰かとすれ違っても声を掛けられることはない。逆にスタッフならスクールアイドルたちの控室の場所を知っているはずため、こちらから控室の場所を聞くこともできない。つまり控室はどこかなんて聞いたら、スタッフじゃないことがバレちゃうんだよな……。

 

 マズいな。このままだと最終ライブが始まっちまう。もういっそのこと、誰かに電話してどこにいるのか聞いてみるか? でもみんな着替えや精神統一やらで忙しいと思うので、俺の連絡に気付いてくれるかどうか……。

 

 

「あれ? 先生?」

「えっ、千歌!?」

「どうしてここにいるんですか? もしかして、会いに来てくださった……とか?」

「あぁ、そのまさかだよ」

「わ、わざわざ……うっ、す、すみません涙が……」

「お、おい、大丈夫かよ……」

 

 

 千歌と遭遇したのも束の間、突然泣き出されてしまったため俺は思わず辺りを見回す。

 最終ライブに出場するアイドルが通路の真ん中で、しかも男と対面している状態で泣いている光景を、何の事情も知らない人が見たらどう思うのか容易に想像できるだろう。まあ俺もどうして千歌がいきなり涙を流したのかは知らねぇんだけどさ……。

 

 

「私、嬉しかったんです。これまで公式大会ではいい結果を出せなかったのに、今ここで自分たちの努力が実った感じがして……」

「それはそれでおめでとうだけど、最後のライブが残ってんだろ。滾る感情を表に出すのはそれが終わってからにしろ」

「そう、ですよね……。あはは、私、もう終わった気でいました。それに涙を流したのはそれだけじゃなくて、先生に会えたからっていうのもあります」

「俺に?」

「はい。先生が浦の星で私たちと別れる時に言ってくださりましたよね? 『俺を夢中にさせるようなAqoursが見てみたい』って。ようやく、その答えを先生に届けられそうなんです。そして偶然ここで先生と出会ったことで、ライブで吐き出す想いを思わず涙として漏らしちゃったと言いますか……上手く言えないですけど、そんな感じです!」

「うん、言いたいことは分かるよ。だったら俺がここへ来たのは余計なことだったかな」

「いえいえ! むしろ最後のライブの前に先生とお話できて、俄然力が漲ってきますよ!」

 

 

 こうして少し話をしただけで千歌のやる気が上がるなら、常に一緒にいたらテンションが振り切っちまうかもな。しかし、こうして緊迫した雰囲気の中で突然出会えたからこそ、今の千歌の感情があるのかもしれない。どちらにせよ、自分の存在が女の子たちの力になれるのならそれ以上のことはないよ。

 

 

「よぉ~しっ! 先生に会えたおかげで優勝も見えてきましたよ!」

「自信たっぷりなのはいいけど、μ'sと虹ヶ咲はお前ら以上の大物なんだ。足元掬われるなよ」

 

 

「そうですよ。まだ終わっていませんから」

 

 

「あ、歩夢!?」

「上原、歩夢さん……」

 

 

 今度は虹ヶ咲の歩夢と遭遇した。たまたま通りかかったのだろうか、それとも俺の気配を察知したのだろうか。虹ヶ咲の子たちって妙に俺の行動を読んでくるから、過去の蟠りが解消されたと言ってもその点だけは不気味なんだよな……。

 

 しかし、こうして決勝で戦う相手とバッタリ対面するのはお互い気まずいんじゃないか? 元々仲が良いかと聞かれたら、そもそも交流があまりないので仲が良好だとは言い難い。別にお互いに嫌悪している訳ではなく、ただ単にスクフェスの参加グループとしてライバル意識の方が強いだけだろう。

 

 

「こんなところで零さんと出会えるなんて、運命感じちゃいますね♪」

「運命っつうか、そもそもお前たちに会いに来たんだから、遅かれ早かれ顔は合わせてただろうよ」

「相変わらず肝心な時にノリが悪いですよね零さんって。そういうところも大好きですけど♪」

「悪かったな調和を乱す存在で……って、千歌? どうした?」

「い、いえ。歩夢さんがド直球に告白したので、ちょっと驚いちゃって……。私にはそんな度胸はないですし……」

「そんなに凄いことですか? 好きだから好きって素直に言ってるだけですけど」

 

 

 それが凄いことだとは、いくら説明しても虹ヶ咲のみんなには理解できないだろう。辛い過去を乗り越えて育った信念は、周りの目や羞恥心なんて顧みない。俺にグイグイ迫ってくるその積極性はμ'sやAqoursの子たちにはなく、対女の子とのコミュニケーションで普通に圧倒された(猥談系を除く)のは歩夢たちが初めてかもしれない。

 

 とは言いつつも、Aqoursのみんなだって出会った頃と比べたら相当積極的になったと思うけどな。さっきAqoursの控室では花丸やルビィもかなり積極的な発言をしていたし、当の本人である千歌もバスの中で俺を篭絡させようとしてくるくらいだ。まあ別のグループの人がいる前で『好き』って言っちゃう歩夢は、やはり千歌たち以上に度胸のある奴ってことかな。

 

 

「そうやって好きを好きって伝えられるのが羨ましいぃいいいいいいいいいいいいいいい!!」

「私はむしろもう少し感情表現を抑えられるといいなぁと思ってます。会うたび会うたびに好きを伝えていたら、零さんにとってもありがたみがなくなるでしょうから。言うなればそう、もっとお淑やかになるってことですかね?」

「はっ、だったら私はお淑やかな女性!?」

「「いや、それはない」」

「先生ヒドい!? それに歩夢さんまで!?」

 

 

 もし仮に千歌がお淑やかだったら、この世のほとんどの女性にその属性が付いてしまうだろう。そもそもAqoursにお淑やかな子っているのか……? ダイヤはどちらかと言えば品行方正寄りだし、梨子は表の性格ではかなりお淑やかだけど、裏の性格を知ると……うん、って感じだ。

 

 つうか、意外と仲良く打ち解けられているみたいで安心したよ。一度ショッピングモールの水着コーナーで顔を合わせ、その直後に歩夢たちの過去が語られて以降はお互い対面してないはずだ。歩夢たちの壮絶な過去を知り、千歌たちが俺たちに遠慮してしまうかもと若干危惧していたのだが、おふざけを含めた今のやり取りを見ている限りではそんな心配は杞憂だったようだ。

 

 

「あっ、零君!? それに千歌ちゃんと歩夢ちゃんも! なになに、みんなで何してるの?」

「穂乃果? お前もか……」

「穂乃果さん、お久しぶりです!」

「歩夢ちゃん久しぶり! 千歌ちゃんも!」

「は、はい、お久しぶりです。さっきまで皆さんのライブを観ていたので、あまり久々って感覚はないですけど……」

「あはは、確かに」

 

 

 穂乃果も登場し、またしても各グループのリーダーが一堂に集結した。しかも今回はスクフェスの最終ライブに出場する3グループということで、前回集まった時よりも各々の貫禄は大きい。もちろんお互いに決勝で戦う敵ではあるのだが、それ以上にライバル良きライバル関係だ。

 

 

「そういえば、千歌ちゃんたちも歩夢ちゃんたちもラストライブ進出おめでとう! スクフェスの最後の最後で、みんなと一緒にライブができるなんてワクワクするよ♪」

「ワクワクするか……穂乃果さんらしいですね」

「えっ、だって楽しくない? 友達と一緒にライブができるなんて!」

「友達……ですか? 私たちが?」

「当たり前だよ! 一緒に水着を買いに行ったし、一緒の合宿場で練習したし、それにこうして同じステージでライブをしてるんだからね」

 

 

 千歌も歩夢も穂乃果の言葉に驚いているようだが、すぐに笑みが零れる。そりゃそうだ、今から決勝を戦うライバルなのに、自分たちを巻き込んでスクフェスを楽しもうとしているんだから。スクフェスに参加している目的は各グループで違えど、ライブを楽しむという観点ではみんな共通だ。でもやっぱり決勝の最後まで勝ち上がってしまうと、自分の感情が膨れ上がって当たり前のことすらも忘れてしまうもの。最後の最後で穂乃果がスクールアイドルの楽しさを思い出させてくれて、2人も肩の力が抜けたようだ。

 

 

「しかしライブを楽しみながらも、μ'sさんやAqoursさんには負けませんから。ここで優勝すれば、私たちは晴れて零さんと……」

「穂乃果たちも負けないよ……って、晴れて何が起こるの!? もしかして、告白??」

「そ、それなら私たちも負けません! Aqoursだってこの日のため、先生に私たちの輝きを伝えるため、ずっとずっと練習を……!!」

「あはは、千歌ちゃん告白みたいだよそれ」

「あっ、えぇっ!?」

「さっきとは違って、意外と積極的なところもあるんですね。いい意味で見直しました♪」

「ふぇええええっ!? い、今の発言はなしで! で、でも嘘は言ってないと言うか……」

 

 

「どんどん墓穴を掘ってんな……ま、いっか、みんな楽しそうだし」

 

 

 決勝の舞台の最中に修学旅行並みのガールズトークを展開しているが、もはや緊張感の欠片もねぇな……。とは言え、下手に不安を見せていないあたり俺も安心できるので、これはこれでいいのかもしれない。まあ本人がいる前で告白云々の話をされると恥ずかしいんだけどさ……。

 

 ともかく、これからμ's、Aqours、虹ヶ咲の3グループで決勝のラストライブが行われる。各グループそれぞれの輝きでどんなライブを魅せてくれるのか、既に沸き上がってる興奮が更に爆発しそうだよ。

 そして、俺自身も決心しなければならない。ただみんなから伝えられる想いに甘んじるのではなく、自分の想いを伝える覚悟を――――――

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 次回、零君とAqoursの想いが直接交わる時――――!!


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