ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿

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 今回はスクフェス編の後日談を、ほのぼのとした会話で描きます。
 今思えば、スクフェス編はシリアスや恋愛といった緊張感のあるシーンが多くあり、今回のようなゆったりとした雰囲気はもはや懐かしいです(笑)


後日談
"あれから"と"これから"


 

 スクールアイドルフェスティバルの終幕から1週間ほどが経過した。

 スクフェスの盛り上がりによって沸き立っていた熱気も収まり、スクールアイドルたちは再び各々の日常に戻っていた。周りにスクールアイドルしかいない俺からしてみれば、みんなの雰囲気が一週間前と今では雲泥の差であることが伝わってくる。ライブの余韻に浸ってほのぼのとしている奴もいれば、当時の熱気に触発され自分の夢に向かって今まで以上に努力している奴もいる。何にせよ、誰にとってもスクフェスは通過点でしかなく、各々の目的や夢を叶えるための礎でしかない。そう考えると、何もかもやりきって満足している俺が一番ダラダラしているのかもしれないな。

 

 そう、俺は相も変わらず燃え尽き症候群に陥っている。μ'sやシスターズに告白した後もこんな感じだったから、何か1つ大きな課題を乗り越えた後は自然とそうなってしまうらしい。俺だってみんなとの関係が一歩前進したんだから、いつもとは違う日常を過ごしたいと思ってるよ? でもさ、女の子に告白するのってすげぇ勇気がいるじゃん? もう何年も大勢の女の子と一緒にいるが、畏まった態度で気持ちを伝えるのはいつになっても緊張する。だから告白が成功した後は削りに削った神経から疲労が溜まり、その後の数日間はぼぉ~っとしちゃうんだ。それに、今回は秋葉と虹ヶ咲の一件もあったしな。あんなシリアスな状況で戦ってたんだ、そりゃ精神も擦り切れるって。

 

 

「零君ってば、歩くの遅い! 緊急なんだから早くしてよ!」

「急に呼び出しておいて命令までするのか、穂乃果……」

 

 

 俺は穂乃果からの電話により突然呼び出され、何故か『穂むら』のために買出しを手伝うことになっていた。どうやら和菓子に使用する材料がなくなりそうだと言うことで、急遽穂乃果が買出しに駆り出されたらしい。しかし1人では到底持ち帰れる量ではなかったので、明らかに暇そうな俺を召喚したって感じだ。

 

 そもそも俺が暇だと勝手に決めつけていることが腹立つ。まぁ実際に燃え尽き症候群のせいで何もする気が起きず、今日も家でニート生活を嗜んでいたんだけどな。むしろ最近は何の用事もなく家にいることが多かったため、外に出る理由を作れたことに関してだけは感謝かもしれない。本人の前では『予想通り、やっぱり暇だったんだね』とか言われそうだから絶対に言わねぇけど……。

 

 そんな訳で、適当に買出しを済ませた俺たちは、現在『穂むら』に帰宅している最中である。

 

 

「零君どうしたの? 最近ずっとテンション低いよね」

「そりゃ立て続けに色んなことがあり過ぎたからな。それが無事に終わって良かったと言うか、安心したっつうか……」

「それって秋葉さんと歩夢ちゃんたちのこと? まさかスクフェスの最中に零君たちがギスギスしてるなんて、穂乃果知らなかったよ」

「なんだ、まだ怒ってんのか? 黙ってたのは悪かったって散々謝っただろ」

「別に最初から怒ってなかったって! どうせ零君のことだから『これは俺と秋葉たちの問題だ』とか言って、穂乃果たちを蚊帳の外にしそうだし」

「何があってもお前たちと一緒に人生を歩むって決めてたけど、あの問題だけは俺が自分の力で解決したかったんだよ」

「でも千歌ちゃんたちには助けてもらったんだよね。ふ~ん、へぇ~」

「やっぱり怒ってるだろお前!?」

「べっつにー」

 

 

 μ'sのみんなはスクフェスの裏で俺たちが何をしていたのか全く知らなかった。俺が何も言ってなかったからなのだが、それをスクフェス後に打ち明けたら当然のことながら大バッシングを受けてしまった。そりゃそうだ、俺たちは運命共同体として人生を共に歩むと誓った仲だ。それなのに俺から何も相談がなく、しかもAqoursには助力を求めたとあれば彼女たちが嫉妬するのは目に見えていた。

 

 だが今回の問題だけは俺が自分の力で解決しなければならないと分かってはくれたみたいで、腑に落ちてはいないが納得はしてくれた。Aqoursとの合同合宿の際に俺と虹ヶ咲の悲痛な過去を知ったが故の納得なのだろう。穂乃果たちには悪いことをしたけど、俺も自分が取った行動に後悔はしていない。結局Aqoursに頼ったと言っても、俺が絶望している最中でたまたま出会っただけだし、それがμ'sだったら穂乃果たちに頼っていただろう。だからμ'sを突き放していた訳じゃなく、たまたまこのような結果になったってだけだ。

 

 まあ腑に落ちていないせいか、最近μ'sのみんなに会うとこうして嫉妬紛いの言動をされるのはもう仕方ないか……。

 

 

「でもビックリしたよ、秋葉さんがあんなことをするなんて。変な人だけど、μ'sの顧問も引き受けてくれたり、雪穂たちのことを気遣って同棲生活を提案してくれたりもしたから、いいお姉さんだなぁと思ってたのに」

「それもアイツにとっては、俺を自分好みの色に染め上げるための作戦だったんだろうな。確かにアイツがしでかしたことは極悪非道だけど、それは自分の欲望を果たすためだけであって、俺たちを気遣う気持ちは別にあったと思うんだ。でなきゃ俺はともかく、お前らに執着したりはしないから」

 

 

 アイツは自分の欲望のために10年以上もの歳月をかけて仕込みをした。しかしそれだけの長い期間、己の欲望のためだけに生きるってのはかなり無理がある。秋葉にとっては戯れだったかもしれないけど、俺たちに色々手を貸していたのは自分の欲望だけじゃない、純粋に俺たちを思っての何かがあったはずだ。結局アイツを篭絡させてからはそれらの話を一切していないため、事の真意は分からない。いつかほとぼりが完全に冷めた時、腹を割って話せるといいな。

 

 

「ヒドい目に遭ったのに、意外と秋葉さんを許してるんだね。穂乃果はもう終わったことだから気にしてないけど、零君や歩夢ちゃんたちからしたら恨んでも仕方ないと思ったから……」

「今のアイツを見ていると、もう何もかも許したくなるっつうか、恨む気にもなれないんだよ。信じられるか? アイツが丸くなるなんて」

「あっ、それ楓ちゃんから聞いたよ。秋葉さん、大学院の研究室から零君の家に戻ってきたんだよね。しかもいつも楓ちゃんがやってる家事の手伝いまでしているとか。そんな家庭的な秋葉さん、穂乃果からしたら驚きしかないよ」

「だろ? 俺だってそうだよ。やっぱり『お前は俺が飼ってやる』発言のせいか……?」

「ん? 何か言った?」

「い、いや何も!」

 

 

 あっぶねぇ……もう少しで弟が姉に対して奴隷になれと命令したことがバレるところだった。肉親にそんな発言をするとか、もはや変態の次元を超えている。あの時は秋葉を言い包められたことに愉悦を感じたせいでそんなセリフを吐いてしまったが、今思えば調教モノの同人誌かってくらい最悪の発言だった気がする。今でも自分はかなりの鬼畜野郎だと思うけど、だからこそこれ以上みんなに変態のレッテルを張られたくないから黙っているんだ。

 

 それにしても、秋葉が家に戻ってくると連絡してきた時は驚いたよ。アイツにとっては研究室が家のようなもので、俺の家に帰ってくるのは決まって悪戯をする時か長期休暇の時だった。これも俺との一件による心境の変化なのかねぇ。最近俺に笑顔を向けることが多くなったと言うか、やたらと世話を焼かれるんだが、もしかしてアイツ……? いや、流石にそれはねぇか……多分。

 

 しかし何にせよ、秋葉の性格が丸くなったのは好都合だ。これからは波乱に満ち溢れない日常を送れると思うと、俺の未来も明るいな……多分。とは言いつつもアイツのことだから油断ならねぇと思うのは、これまでの人生で無駄に鍛えられてしまった本能のせいかもしれない。

 

 

「そう言えば歩夢ちゃんたち、打ち上げに来れなくて残念だったね。せっかく決勝を戦った仲なんだし、もっとお喋りしたかったなぁ」

「来れなかったと言うより、自ら来なかったと言った方が正しいけどな。アイツらはμ'sやAqoursよりもこのスクフェスで優勝することに熱を燃やしてたから、悔しいって気持ちもあったんだろうよ。本当の親もいなくて、生まれ育った施設も失ったから、アイツらにとってはスクールアイドルしかなかったんだ。その全てをかけたライブで負けたとあれば、お前らと違ってショックもあるさ」

 

 

 歩夢たちにとっては、俺に自分たちをアピールすることが人生の全てだった。親も施設も失ったアイツらにとって、心の拠り所は俺しかいなかったんだ。今はみんな養子として引き取られ幸せな家族生活を送っているが、命の危機から救ってくれた俺に対しては一生の恩と愛を抱いている。だからこそ、アイツらはμ'sやAqoursよりもスクールアイドルに情熱をかけスクフェスに挑んだ。大舞台で自分たちの魅力を俺に見せつけるためだけの、真っ直ぐにしてブレない愛をライブによって示した。

 

 結局優勝はAqoursに譲る形となってしまったが、アイツらの想いはAqoursと同じくらい俺の心を揺さぶった。辛い過去を乗り越えて再び輝こうとするその姿に感動を覚えたくらいだ。今はまだその想いに対して俺から応えは出せないけど、アイツらがもっと魅力的になった際にはきっと――――――

 

 最後に虹ヶ咲メンバーに会ったのは決勝ライブ後の一度だけであり、それ以降は会っていない。そこで彼女たちは『零さんに見合う人になって帰ってくる』とだけ宣言して、あまり会話もできず解散した。悔しがっている様子は隠しきれていなかったし、別れのセリフとしては淡々としていたが、それはそれでアイツららしいので俺は引き止めはしなかった。愛する人のために自分たちの魅力を最大限に高め、また大舞台でライブとして披露する。まさにアイツらっぽい方法じゃないか。今後の成長が楽しみ過ぎる別れ方をしたので、アイツらには期待してばかりだよ。

 

 

「歩夢ちゃんたちとのライブも楽しかったし、またμ'sとして一緒にステージに立ちたいよ! また戻ってきてくれるかな?」

「戻ってくるよ、アイツらなら絶対に。それに、戻ってきてもらわないとおちおち話もできねぇから。せっかく再会したのに、結局ま日常会話すらもまともにできなかったしな」

「戻ってきた時には、零君の周りにまた女の子が増えてそうだね。賑やかになって楽しそう♪」

 

 

 俺の周りに女の子が増えることを喜んでるなんて、俺もそうだけどコイツも相当常軌を逸してるよな。だってさ、俺と穂乃果って忘れがちだけど付き合ってるんだぞ? それなのにも関わらず、俺に親しいどころか恋人関係になる女の子が増えても動じない。まあ最初からμ'sの旧メンバー9人と同時に付き合い始めたこと自体が奇想天外だし、穂乃果たちも既に慣れているのだろう。社会的にやべぇことをしているのに、それを平然と受け入れてる俺たちって相当変人なのでは……? ま、そんなことは今更か。

 

 

「あっ、そうだ! Aqoursのみんなとは最近どうなの? それが一番聞きたかったんだよ。あれから一週間経つけど、もうデートとかしちゃったり??」

「あぁ、それは……」

「えっ、まだなの!? 肉食系の零君のことだから、もうとっくに手を出してるものとばかり……」

「あのな、人を所構わず女の子を襲うチャラ男みたいに言うな。俺はシチュエーション派だって何度も言ってるだろ……」

「それは冗談として、本当に何もしてないの?」

「まぁな。ほら、もう高校の夏休み終わったし、内浦に帰っちゃったんだよアイツら」

「あぁ、なんとな~く察したよ……」

 

 

 スクフェスの開催は8月末、つまり高校生にとっては夏休みの最後の3日間だった訳だ。だから決勝ライブが終わり打ち上げをした後は、名残惜しかったがアイツらと別れることになってしまった。もちろん学業が優先なので無理に引き止めたりはしなかったものの、あんな壮大な告白をして次の日には離れ離れってのはあまりにも寂しすぎる。

 

 

「だったら、零君が向こうの学校に遊びに行ってあげればいいんじゃない? 山内先生もいるし、生徒さんたちも零君のこと興味津々なんでしょ? 絶対に歓迎されるって!」

「興味津々どころか、学内SNSでは常に俺の話題で持ち切りなくらい思春期全開の奴らだぞ。急に行ったら大騒ぎになるに決まってる。それに千歌たちとはほぼ毎日連絡を取り合ってるっつうか、練習のアドバイスなんかもしてるから、交流が途絶えてる訳じゃないよ。まあ実際に顔を合わせてないから、寂しいのは変わらねぇけどさ」

 

 

 俺の時間が空いている時は、タブレットを通じたテレビ会議で千歌たちとミーティングをしている。だがそれで顔を合わせているとは到底言いづらく、ミーティングなのにアイツらが東京に来る日程相談で話が脱線することもしばしば。一応アイツらとはお互いに告白し合ってOKを貰った仲であるが、恋人らしいことをしているかと言われたら一度もしていない。これでアイツらの欲求不満が爆発して、かつてのμ'sみたいに頭がおかしくなったりしなきゃいいが……。恋する女の子ってマジで怖いからな、一触即発だよ。

 

 しかし穂乃果の言う通り、こちらから向こうに出向くのはありだ。浦の星の女子生徒のほとんどにフラグを立ててしまった関係上、学校に入った途端に揉みくちゃにされるのは仕方ないと割り切るべきか。浦の星は女子高で田舎だから、若い男が教師としてやって来ること自体が珍しかったらしく、ありがたいことに多くの女子生徒から目を付けられてしまった。これでAqoursといい関係になっているとバレたら、もはや学内SNSは大炎上だろう。そう考えるとやっぱり行くの怖くなってきたぞ……。

 

 

「俺からも聞きたいことがあるんだけど、結局μ'sはこれからどうするんだ? これを機に別のライブに出てみるとか考えてんのか?」

「うぅん、μ'sはまた解散。みんなはみんなの夢があるし、スクフェスが終わったらそれに向かって突き進んで行こうって最初から決めてたからね」

「そっか」

「あれ、もしかして零君……寂しい? 久しぶりに穂乃果たちのライブを観て感動して、また観たくなっちゃった??」

「そりゃまた観てみたいとは思うけどさ、お前らが夢を叶える姿をそれはそれで見てみたいんだ。だからお前らの好きにすればいい。それにμ'sのライブが観たくなったら、俺のためだけにライブを開いてもらうから覚悟しとけよ」

「いやぁ相変わらず零君は女扱いが荒いよねぇ~」

「その言葉、絶対に誰の前でも言うなよ……」

 

 

 俺が女の子に対する扱いが雑なのは、それだけ周りの子たちを信用しているからだ。ツンデレは愛情の裏返しみたいな、そんな感じ。ことりたちのような淫乱ちゃんをぞんざいに扱うのも、ご主人様気取りで傲慢に振舞うのも、可愛い女の子たちに囲まれていることに愉悦を感じるのも、全部みんなが好きだからこその言動だ。だから周りに女の子がたくさんいるからと言って、誰かを切り捨てるような荒い扱い方は決してしてねぇからな? むしろこちらから全員を抱きしめて回ってやるっつうの。

 

 

「そんな訳で、穂乃果もこうして『穂むら』を継ぐために修行を再開したんだよ。スクフェスの練習で休んでいた分、今まで以上に頑張らないと!」

「珍しいな、お前がそこまでやる気になるなんて。いつもは和食をボイコットしてるのに」

「確かに和食や和菓子は飽きたけど、作るのは小さい頃から好きだったからね。これが穂乃果のやりたかったことなんだよ。それに雪穂の夢もあるし、穂乃果が実家を継いでお父さんたちを安心させてあげないと!」

「自分のやりたいことをしながら、読者モデルとして活躍する雪穂も激励して、親孝行もしっかりする。お前らしい利他主義的な夢だな」

 

 

 一言で自分の夢と言っても、他人の幸せを勘定に入れてしまうあたり穂乃果っぽい夢である。だがそれでも夢へと続く道をしっかりと見定めているんだから凄いもんだ。こうして他人を幸せに導けるのも、周囲の人たちを自然と巻き込むカリスマ性を持つ者が故の能力だろう。

 

 

「そういえば、零君に夢ってあるの? 穂乃果たちの夢の話はよくするけど、零君の夢の話って全然聞いたことがないなぁと思って」

「夢か……。確かにお前たちの夢を叶えることばかり考えて、自分が何か目標を持って生きてるって実感はないな」

「やっぱり……。だったらさ、今考えようよ! 穂乃果たちを見守ってくれるのも嬉しいけど、穂乃果たちだって零君の夢の手助けをしてあげたいもん!」

「考えるっつったってなぁ……う~ん」

 

 

 穂乃果の無茶振りに既視感があると思ったらあれだ。小学生の頃に先生が『皆さんの10年後の姿を思い描いてみましょう』と言われ、分かりもしない未来を想像させられる状況に似ている。まあ今は俺もそれなりにいい歳だし、この時点で自分の思い描く未来を想像できていない方がマズいのかもしれない。

 

 とは言っても、俺がやりたいことは……うん、やっぱり女の子たちと平和に過ごすこと以外に何もない。みんなが笑顔で俺の隣にいてくれればそれでいい。

 あっ、そうか。それを自分の夢にすればいいのか。相変わらず女の子好き全開で欲望塗れな夢だけど、それが俺のやりたいことなんだ。

 

 

「俺の夢は、みんなが笑顔でいてくれることだ。俺もお前たちも、みんなが幸せと思えるような関係を築くこと。たくさんの女の子たちを手に入れる選択肢を取ってしまった以上、みんなから笑顔を消さないように務めるのは俺の義務でもあり責任でもあり、それに夢でもある。μ'sもAqoursも、虹ヶ咲のみんなも、なんならA-RISEやSaint Snow、こころやここあ、秋葉だって俺の欲望に巻き込んだっていい。もう誰1人として悲しい顔はさせねぇよ。全員残らず俺が手を握ってやる。もちろん今すぐに全員ってのは難しいと思うけど、だからこそそれが俺の夢なんだ」

 

 

 欲望だらけとか、野望に満ち溢れているとか、そんな罵倒は全部褒め言葉だ。今回は秋葉や歩夢たちによって過去に苛まれたが、これからはもう誰にも俺の人生を邪魔させない。自分がいて、周りにたくさんの女の子たちがいる。これが俺の世界なんだ。その世界を守るためにも、そして成長させるためにも、己の夢は絶対に果たしてみせる。

 

 

「思った以上に壮大な夢だね……。でも零君が自分の夢を持ってくれて嬉しいよ。穂乃果も全力で応援するね!」

「ありがとう。まぁお前らは俺の夢を支えると言うより、夢そのものなんだけどな」

「あはは、確かに。それにしても、零君の周りの女の子っていつの間にか多くなったよね。もう女垂らしって言われても言い返せないんじゃない?」

「別に言い返すつもりもないし、むしろ高らかに自慢してやるよ。俺はこんなに可愛い子たちを彼女にしてる、お前らにはそんな力量や出会いもねぇだろってな」

「うわぁ~性格悪い……。だけど、そうやって自信家で胸を張ってる方が零君らしいよ」

 

 

 穂乃果は呆れた面持ちで言うものの、いつもの俺を見られてどこか安心しているようだった。

 そりゃね、女の子たちをみんな笑顔にしたいと思う反面、たくさんの女の子に囲まれている人生を謳歌する自分に酔っているところはあるよ。だって仕方ないじゃん、男なんだし。それに周りにいる子たちのほとんどがスクールアイドルなんだから、有象無象の野郎共に自慢したくもなるって。

 

 

 そんな訳で、これからは夢を叶えるために努力しつつも、自分が今置かれている女の子塗れの状況も最大限に愉しみたいと思う。

 

 変態だとか犯罪者だとかイキリだとか、何を言われたっていい。そんなことを言う奴らを見返すくらい、俺はみんなとの幸せを見せつけてやるからそう思っとけ。

 




 そんな訳で、今回はスクフェス後の零君たちの生活を会話形式ですが公開しました。
 前書きでも言いましたが、ほのぼのとした雰囲気や無気力な零君など、最近では見られなかった光景で執筆している私ですら戸惑っていたのは内緒(笑) しかし、そんな雰囲気だからこそまた1つのお話が終わったんだと実感できますね。嬉しいような寂しいような……



 次回、遂にこの時が―――最終回の前編です。



新たに☆10評価をくださった

かささかさん、本好きたけちーさん、ネインさん

ありがとうございます!
もうすぐ最終回! まだ評価を付けてないよって方も、よろしければ今回を機に評価を付けてくださると嬉しいです!

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