ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 最近ハーレム系のエロゲーをいくつか嗜んでいたせいか、零君と女の子キャラとの会話を文章に起こすだけでもテンションが上がってきます(笑)


ファッション清楚少女とヤリ○ン主人公

 これでも一応Aqoursのみんなとはそれなりの仲になったつもりだ。スクフェスの決勝前にお互いに気持ちを伝えあい、その想いを受け取った。おかげでアイツらの士気が上がったのか、その勢いを保ったままスクフェスで優勝してしまうんだから驚きだ。でもその姿を見て感動したのは事実であり、アイツらの輝きの源はまさに『愛』によるものだろう。それくらいステージの上のAqoursから強い想いが伝わってきたんだ。

 

 これだけ雄大にお互いの愛を確かめ合ったはずなのに、俺はどうしてこんなところで梨子(コイツ)と初デートしてるんだ……?

 

 

「ちょっと零さん、しっかりと周りを見張ってください。知り合いに見つかったら私たち、もう生きていけないですから……」

「いやそれはお前だけだから、サラッと俺を巻き込むな」

「次はあのサークルに列に並びますよ。さぁ早く」

「どうしてこんなところにいるんだろ、俺……」

 

 

 俺と梨子は大規模な同人誌即売会に来ていた。とは言っても同人誌だけではなく、同人グッズの販売やコスプレイヤーたちの作品披露会にもなっているので、もはやここはオタクたちのお祭り会場である。

 そんなところに俺が来ているのは、何を隠す必要もなく梨子のせいである。清楚な見た目と言動とは裏腹に、そこそこドギツイ性癖と趣味を持ち合わせているのがコイツ。そう、今日俺はコイツの趣味に付き合わされているのだ。多数の大好きなサークルが新作を出すからと、こっちの有無も言わせず強制的にここへ連れて来られた。

 

 荷物持ちのため――――というのは名目で、俺が連行された真の目的は周りの監視だろう。梨子のこういった趣味を知っているのは世界で俺だけであり、家族はもちろん千歌たちにも秘密にしている。とある事情によって俺だけには知られてしまったのだが、そのバレたのをいいことに俺を度々こういうところに呼び出しては、周りに自分の存在を悟られぬよう監視役として置いておくのが常となっていた。確かに梨子はAqoursとして名が馳せてきたせいで、一般の人にも顔が知られるようになっている。だから1人では中々こういったオタク丸出しのところに来られないのは分かるが……。

 

 

「あのさ、俺とお前って一応恋人同士になったんよな? 恋人同士になって初めてのデートがこれって違和感ねぇか……?」

「恋人になったからこそ、お互いのことをもっとよく知るべきだと思うんですよ。そして、私の秘密を知っている人は唯一あなただけ。つまり、私とここでデートできるのは零さんただ1人なんですよ!」

「なんか『私を独占できることに喜びを感じろ』って上から目線で強制されてるみてぇだな……。てかお前、今日はいつもと全然キャラが違うじゃん。いや分かってたことだけどさ……」

「他にこんな興奮できることがありますか!! もちろんAqoursの活動も作曲も楽しいのは楽しいですけど、それとこれとは話が別ベクトルです。ねじれの位置です」

 

 

 いつもは物静かでお淑やかで見た目は整ってるけど、どこか地味だからモブキャラにも見えるのが梨子の特徴だ。だから親しい千歌たちを含め、周りからの評価は総じて物静かな清楚系と言われることが多い。ピアノを弾いている優雅な様が似合っているのも相まってか、そういった印象を持たれるのはもはや必然だろう。

 

 だが、人間は表もあれば裏もある。スクールアイドルの活動とピアノの練習を両立して頑張るひたむきな姿とは逆に、BLもGLもこよなく愛する腐女子レズなキャラも持ち合わせている。自室には同人誌が至る所に隠されており、時には自分の妄想をノートに書き出して小説やイラストを描いたりする本格的なオタク少女なのだ。

 そしてそのオタクモードに入った時が少々扱い辛く、普段の引っ込み思案で自信なさげなお嬢様キャラはどこへやら、今のようにただ自分の欲望に忠実になる下等生物に成り下がっている。そのせいで恩師である俺すらぞんざいに扱い、自分の目的(今回であればお気に入りサークルの同人誌を全入手)のためなら顎でこきを使うのほどだ。

 

 それにテンションもやたら高く、食い気味に喋っているのが特徴的。いつもは相手の会話を聞く立場で、いわば聞き上手というやつなのだが、今に至っては完全にコミュ障のオタク。オタク特有の早口で聞いてもいないのに自分の好きなサークルについて語り出す始末で、もういつもとは別人としか思えない。言うなればそう、淫乱化する前後のことりを見ているかのような変わりようだ。

 

 

「ったく、こんなところに付き合ってられるほど暇じゃねぇのに……」

「何を言ってるんですか。特に用事がなければ家に引き籠っているくせに」

「引き籠っているイコール暇だと思うなよ。家の中でもやりたいことがたくさんあるんだ」

「そろそろお目当てのサークルの列ですよ。迷子にならないようについてきてくださいね」

「人の話聞けよ……」

 

 

 梨子は俺の手を掴み、こちらの意思など無視して人混みを練り歩く。いつもなら異性どころか同性と触れ合うことすら恥ずかしがっているのに、この積極性はテンションの高さから来るものなのだろうか。なんにせよ、このままでは即売会の会場から帰るまでに体力も精神も疲れ果ててしまいそうだ。色物揃いのμ'sと付き合ってるから変人の扱いには長けてると自負してたんだけど、コイツはまた別のヤバさがあるんだよなぁ……。

 

 もう抗うだけ無駄なので、無気力状態で梨子に手を引かれながら歩く。

 だが、すぐに梨子の足が止まった。さっきまであれだけ急いでいたのにどうしたんだ……?

 

 

「物販の列に並びに行くんじゃなかったのか? まさかトイレとか?」

「相変わらずデリカシーの欠片もないですね……。とにかく、向こうから回り込みますよ」

「えっ、どうして? お目当てのサークルの列に並ぶなら、こっちの方が近いじゃん」

「だ、だってそっちは……ほらあそこ」

「あそこって――――あぁ、なるほどね……」

 

 

 さっきも言ったが、ここは同人誌の即売会の会場であるのと同時にコスプレイヤーたちの集いの場でもある。そのため同人作品に興味がない人たちもたくさん会場に来ているのだが、梨子にとってはそこが盲点だった。

 

 

「全力全身! ヨーソロー!」

「虚空からの誘いか。フフッ、そろそろこの世にも飽きてきたところ。別次元へ転移する準備を進めないといけないわね」

 

 

 多くの人に囲まれて写真を撮られているのは、そこそこ際どいへそ出し腋出しの航海士のコスプレをしている曜と、いつも通り堕天使紛いの痛々しいコスプレをしている善子だった。コスプレの出来もそうだがやはり女の子としての見た目も良いからか、男女関わらずたくさんの人の被写体となっている。会場を行き交う人たちの目を引いたり足を止めさせているので、アイツらのコスプレが如何に高クオリティなのか人だかりを見れば明らかだった。

 

 そんな彼女たちもこちらの存在に気付いたようで、善子は驚いた顔で、曜は笑顔でこっちに手を振ってきた。周りの人の注目も一気に俺たちに集まるからやめて欲しいのだが、本当に危機を感じているのは俺の身体の後ろに隠れている梨子だろう。見てみればいつの間にか帽子を深く被り、マスクまで装着して完全に顔を隠していた。男がその恰好をすれば怪しすぎて即通報されるレベルである。

 

 まさか自分と同じグループの1人が不審者のような風貌になっているとはつゆ知らず、曜と梨子は俺たちに近づいて来る。

 

 

「こんなところで会うなんて奇遇ですね! 零さんの姿が見えた時に驚いちゃいましたよ」

「まぁちょっとな……。つうか、お前らこそこんなところにいるとは思わなかったぞ」

「善子ちゃんに可愛い服をたくさん着られて、しかも大々的にお披露目できるイベントがあるから参加してみないかって誘われたんですよ。ね?」

「曜もコスプレに興味があったみたいだし、ついでに誘ってあげただけよ」

「つうことは、お前はこういうイベントに結構参加したことあんのか?」

「ちょいちょいね。堕天使の格好をして『カッコいい』とか『似合ってる』って言われたいからとか、決してそんな意図はないわよ?」

「つまり快感に浸れるってことか……」

「わざわざ意訳すんな!!」

 

 

 なるほど、確かにコスプレってこういうイベントの時でないと冷ややかな目で見られるだけだもんな。だからこそここは痛い格好が大好きな善子にとって絶好の場所なのだろう。本人は結構打算的な考えでここに来ているみたいだが、普段は社会の裏でこそこそしているオタクたちが自分の作品を披露できる数少ない場からこそ、そういった承認欲求が湧いて出るのは分からなくもない。

 

 

「そういや、アンタもこういうところに興味あったのね。こういった趣味に理解はあるみたいだけど、ここまでオタク趣味にどっぷり浸かってるとは思わなかったわ」

「いや、俺はコイツに無理矢理――ぐふっ!?」

「えっ、なにどうしたの??」

 

 

 梨子の奴、いきなり俺の横腹に肘打ちをしてきやがった。しかもそこそこのパワーで……。

 梨子に目を向けてみると、既に怒りの籠った目線で見つめられていた。『余計なことを言いそうになりましたよね、バカ』と罵倒まで含んでいるかのような強い眼力をしているため、何としてでも自分の存在をこの2人に知られたくないらしい。自分の裏の趣味を誰かに知られるのは黒歴史に発展するし、何より俺がその怖さを知っている。仕方ない、コイツの名誉は俺が守ってやるか。

 

 

「一度こういうところに来てみたかったんだよ。特定のサークルのファンとかはいないけど、雰囲気を楽しむ……みたいな?」

「なるほど。それで、零さんの後ろにいる女の子は……?」

「あ、あぁ、この子は……」

「もしかしてその子――――」

「えっ、ち、違う、この子は――――」

「アンタ、またナンパしたのね。どこへ行っても女を引っ掛けて……常に女と一緒にいなきゃ生きていけないの?」

「そ、それは……そうだよ!!」

「うわぁ、不潔……」

 

 

 なぁ、これどうしたらよかったの!? 梨子の存在を隠すためとはいえ、俺が無実の罪を背負うことになってるんだが……? 善子からは冷たい目で見られるし、曜は呆れた表情をしている。確かに女の子は大好きで知り合いも多いけど、別に俺から引っ掛けているわけではなく勝手に向こうから来るんだよなぁ……。とは言ってもここで弁解して信じてもらえるとも思っていないので、梨子のプライドのために俺が犠牲になったと思って納得するしかない。腑に落ちなさ過ぎるけど……。

 

 とりあえず、適当な理由を付けて自然な感じで会話を流そう。

 

 

「いいか? この子がお目当てのサークルの列が分からなくて迷っているところを助けてやっただけで、決してナンパしたわけじゃないんだぞ? ただ声を掛けただけだ」

「ふ~ん、ホントに~?」

「ホントだって、なぁ?」

 

 

 梨子は俺の後ろに隠れたまま頭をブンブンと縦に振る。声を出さないのは、声色だけでこの2人に正体がバレるのを防ぐためだろう。スクールアイドルだからこそ同じグループメンバーの歌声は聞き慣れているだろうし、声だけで身バレする可能性は相当高い。やはり梨子もオタクの中のオタク、自分がリアルバレしないように陰キャ戦法を取る方法を熟知しているようだ。

 

 

「そうだ、せっかくだし一緒に色んなサークルの本を見て回りませんか? 私はコスプレが着られるって聞いてここに来ただけなので、他の皆さんがどんな作品を出しているのか気になるんです」

「一緒に? それは―――ぐふっ!? な、なんだよ……」

 

 

 またしても梨子にエルボーをされたので彼女に目を向けてみると、今度は涙目になって首を横に激しく振っていた。

 そりゃそうか、なんたって今から回るサークルの出している本はオタクであろうとも受けの良いものではない。例え他人のフリをしていると言えども、流石にBLやGLが趣味だってことをバラすのはそれなりの度胸がいる。梨子の涙の訴えから必死さが伝わっており、何としてでもこの2人とは別行動しろと切実に訴えかけてきていた。

 

 

「悪い。回るサークルの数が結構あって、時間的にかなり急がないといけないんだ。でもお前ら、その格好じゃ動きにくいだろ?」

「確かに、先に着替えないといけないかもですね」

「流石にこの翼を着けたまま列に並ぶことはできないわね。イベント終了間近だと更衣室も混んじゃうし、今のうちに着替えに戻ったほうがいいかも」

「それじゃあ着替えが終わったら連絡しますんで、その時にまだ回るところがあればご一緒させてください!」

「あ、あぁ……」

 

 

 そして曜と善子は着替えのため更衣室エリアに向かった。

 なんとか別行動になることはできたが、時間限定という制約付きに止まってしまった。でも梨子の存在を悟られないようあれこれ画策しながらもこの場を切り抜けられたから、結果としては上々だろう。

 

 

「零さん、早く行きましょう! そして早々に目的を達成して帰宅します!」

「アイツらの着替えがいつ終わるかも分からないし、各サークルを回るにものんびり歩いてる暇はないな。待機列が長くなっていなけりゃいいけど……」

 

 

 梨子が目的としているサークルがどれだけ人気なのかは分からないが、周りを見渡す限り同人誌の購入のために列が形成されているところはいくつかある。あまり並んでいる時間もないので後日通販で買えばいいじゃんと言いたいところだが、彼女曰く『エッチなゲームを特典目的であちこち走り回るのと同じく、同人誌も自分の足で手に入れたものでないと意味がない』らしい。俺もオタクの端くれだから分からなくはないが、その面倒な性格のせいで劇的に偏った自分の趣味が親友たちにバレそうなのを忘れないで欲しい。

 

 

「そうと決まれば、片っ端からお目当てのサークルに――――」

 

 

「あっ、零くんだ! にこちゃん、ちょっとこっちに来て!」

「どうしたのよことり――――って、零!? なんでアンタがここに!?」

 

 

「またかよ……」

 

 

 不運ってのは大体上乗せされるもんなんだよな……。今度はことりとにこの2人とエンカウントしてしまった。しかもメイド姿だし、もしかしなくてもコイツらもコスプレイヤーとして参加してるクチか……?

 ちなみに梨子はまたしても帽子とマスクを装着し、俺の後ろに隠れた。その速さはまさに忍びのごとく、普段から自分の正体を隠し慣れているな絶対。もう既に涙目になっているので、今頃身に降りかかっている不幸を呪っているに違いない。

 

 

「お前ら、どうしてメイドなんだよ……」

「以前ことりがバイトをしていたメイド喫茶のオーナーに頼まれちゃって。今日のイベントで出張店として参加する予定だったんだけど、メイドさんに2人欠員が出ちゃって、昔の好みでピンチヒッターをすることになったんだ」

「それでもう1人の補充要員として、ことりからにこに連絡が来たのよ。まぁ可愛い服が着られるのなら大歓迎だし、何より日当もいいから断る理由はなかったわ」

「そうか……」

「なによその微妙そうな顔は。可愛い恋人2人がメイド服を着てるってのに、感想の1つもないわけ? ホントにいつまで経ってもデリカシーってものがないんだから」

 

 

 今日はナンパに間違えられたり女性扱いを無下にしていると勘違いされたりと、何かと俺の評価が落ちるシチュエーションばかりな気がする。俺は梨子の気持ちを汲み取り、彼女の正体を隠し通すという善意に満ち溢れたミッションを遂行しているというのに、この仕打ちはあんまりじゃねぇか……??

 

 

「ん? 零くんの後ろにいるのは……女の子? まさかまたナンパしてたの?」

「だから、お前らはどうして俺をチャラ男に仕立て上げるんだよ!? この子が目的のサークルがどこにあるのか分からないって迷ってたから、案内してるだけだっつうの!」

「な~んだ、てっきりアンタが迷子になって寂しそうにしている女の子の心に浸け行って、言葉巧みにお持ち帰りしようとしてるのかと思った」

「零くんってウブっぽい子を自分好みに染め上げるのが大好きだもんねぇ~♪」

「お前ら仮にも清楚なメイドの設定だろ、会場のど真ん中で猥談を持ち出すんじゃねぇよ――――って梨子、じゃなくてお前、どうして距離を取る……?」

「い、いえ、なんか身体が零さん……神崎さんに拒否反応を起こしちゃいましてはい……」

「どうしていきなり他人行儀になるんだよ!?」

 

 

 なんか最近よく俺が誰とも構わず女の子に手を出すヤリチン野郎だと思われることが多いような……。しかもそのせいで、さっきまで俺を心の拠り所にしていた梨子までが離れていく始末。なんかコイツを守るたびに俺が損をしている気がする。あぁ、女の子を守るために自己を犠牲をするなんて優しいな俺って。そう言い聞かせないと惨めになりそうだ。

 

 

「後ろのアンタ、零に手を出されそうになったらにこたちに連絡しなさいよ。ちょっとでも油断すると、いつの間にか脱がされて挿れられちゃうから」

「お前の中で俺はどれだけヤリ手なんだよ……」

「挿入から種付け、そして着床させるまでのタイムアタックなら零くんの右に出る男性はいないよね♪」

「ちょっ、あらぬ誤解を振り撒くなコイツが信じちまうだろうが!!」

「あ、あなたって人は、もしかして私のことも……!?」

「違う! 違うから逃げ腰になるな!!」

「零くんってば照れちゃって~。ことりのココにはもう……ね?」

「おい、お腹をさするな余計に勘違いされるだろ……」

 

 

 断っておくと、誰かを妊娠させた覚えは一切ない。これをしっかり弁明しておかないと、この先また同じような話題で俺が虐げられるから必死にもなる。ただでさえ大学ではセフレが欲しい女子は神崎零を誘惑しろって噂も流れているってのに……。放っておいても噂は消えないだろうから、捻じ曲げられた事実はこうして俺自身が少しずつ矯正していくしかないんだ。その間にもあらぬ事実がどんどん膨らんでいく未来しか見えないのが絶望だけど……。

 

 

「コイツを案内する役目があるから、俺はもう行くぞ。ほらお前も、そんなところでビクビクしてないで早く来い」

「ヒッ!? 孕まされる!?」

「お前は味方じゃなかったのかよ!? ここまで散々助けてやってんのに……」

「流石ね零、ここでおっぱじめるなんて。今まで数々の女を手籠めにし、その淫らな欲望で数多の純潔を散らしてきただけのことはあるわね」

「やる? ヤっちゃう零くん?? セッ○ス? レ○プ?? 見知らぬ女の子相手に鬼畜ぅ~♪」

「セ、セック……レ、レイ……零さんに……!?」

「なにテンション上がってんのお前ら!? えぇい、お前も黙って俺についてこい」

「「まさか青姦プレイ!?」」

「もうお前ら黙って!!」

 

 

 もはや俺を強姦魔に仕立て上げて人生を終わらせたいようにしか見えないんだけど、これどうすればいいの!? この世にはこうやって女の子に弄られることによって興奮を覚える変態もいるようだが、生憎俺はドMではなく健全なのでこの状況に危機感しか覚えない。ことりやにこに悪気があるかどうかは分からないが、自分たちが楽しんでいるだけってのは確かだろう。μ'sの奴らは俺の醜態を見て『どうしてこんなのを好きになったんだろう』と言うことがあるけど、それは俺も同じだからな??

 

 

「零さん! 更衣室が空いてたから意外と早く着替え終わっちゃいました……って、ことりさんににこさんも!? ここで何をしてるんですか!?」

「アンタ周りから注目浴びまくってるけど、また何かやらかしたの? 興奮しているメイド2人に、涙目になっているマスクの女の子……はぁ、アンタまた……」

「曜に善子!? だ、だから違うってぇええええええええええええええええ!!」

 

 

 その後、なんとか梨子を連れてここから離脱した。あのままアイツらの波に飲み込まれていたら、周りの人に警備員を呼ばれて拘束されていたところだ。アイツら、次に会った時は絶対にアヘらせてから覚悟しておけよ……。

 

 

 そんなことがあってどっと疲れたから、すぐに帰ろうかと思っていたのだが――――――

 

 

「さて、次は各ショップを回って委託販売専用の限定グッズも手に入れますよ! 私たちの戦いはここからです!!」

「まだ別のところを回るのかよ!? 疲れてるから、どこかで飯を食いがてら休憩にしないか?」

「…………」

「な、なんだよ……?」

「食事のお誘い……これが幾多の女の子を誘惑してきたさり気ない手口なんだなぁと。それから言葉巧みにホテルに連れ込まれて――――」

「もうその話題から離れろ!!」

 

 

 梨子と2人きりになった後も、俺の疲労は積り続けていた……。

 




 本来は梨子をメインに据えようと思っていたんですけど、いつの間にか零君が蔑まされる事態に……。

 最近は自分の中でハーレム旋風が再び吹き荒れているので、こういった女の子たちとの日常を描くことにまたしてもやる気が出ています。だからといって更新ペースは上がってないのですが……また気長にお待ちください(笑)


 ちなみにですが、11月7日にこの『日常』シリーズの小説が5周年になりました!
 一応完結はしているので今は蛇足的に更新しているだけなのですが、まだやめるつもりはないので6年目も応援をよろしくお願いします!(バンドリ小説の方も是非!)

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