ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 らぶくえ編パート3です!
 今回はタイトル通り『新日常』ならではの内容となっています。果たして零君は海未ちゃんの純潔を守れるのか!?


ラブライブクエスト3~海未ちゃんの処女貫通式~

『おきのどくですが、うみはさらわれてしまいました』

 

 

 

 

「いきなりかよ!?脈略なさ過ぎるだろ!!」

「ホントだ!?いつの間にかいなくなってるよ!?」

 

 

 今さっきにことの戦闘に勝利したばかりなのだが、戦闘終了からここまでの間に一体何が起きた……。

 気が付いたら海未の姿が消え、ある人にとってはトラウマを植え付けられるBGMと共にコメントウインドウが表示されていた。

 

 

 急に1人目の四天王が現れたり、突然海未が消えたりと、高速展開過ぎてついて行けねぇよ!!

 

 

「あっ、次の指令が出たわ」

「真姫のところに出るのかよ……それで、指示は何だって?」

「この街から東、闇が深き森へ行け……らしいわよ」

「森かぁ~、いかにもRPGのダンジョンって感じだね!!」

「穂乃果、お前楽しそうだな……」

「だって本当に楽しいんだから仕方ないでしょ!!海未ちゃんには悪いけど、囚われた仲間を助けに行くって燃える展開じゃない?」

「まぁ、それには同意だな」

 

 

 今まで画面の前でしか感じられなかったRPGの世界を、今は生で体験しているんだ(この言い方なんかエロい)。これで燃えなかったら偽物のゲームマニアだよ。

 

 

 それにしても、海未は森の奥へ攫われたのか。ビキニアーマー戦士と言えば、囚われてからのエロ展開が主流だ。モンスターのアレに屈して堕ちてしまう有名なストーリーがあるくらいだからな。

 

 ん?そう考えてみれば海未の貞操にも危機が!?許さんぞ!!海未の初体験は俺のものと世界の理で決まっているんだ!!モンスターごときに海未の処女膜はやらんぞ!!

 

 

「ちょっと、にこの出番はどうなるのよ!?」

「お前は負けたんだよ。俺のアツアツの太麺にな。だからこれ以降は――――」

「で、出番なし!?」

「そういうことだ」

 

 

 男のアレに屈してしまった女は、その男に一生飼われてしまう奴隷となるのだ。だから出番どころか人生も奪われたに等しいってことだよ!!

 

 ――――というのは冗談で、四天王なんだからどこかでまた活躍する機会があるかもしれないぞ。過ちを更生して勇者たちを助けに来るとかいうアツイ展開が。

 

 

「それよりも早く海未ちゃんを助けに行こうよ。海未ちゃん、ことりたちのこと待ってると思うから」

「ちょっと!!『それよりも』ってどういうこと!?ことりからの扱いが段々ヒドくなっているような気がするんだけど!?」

「俺がそう教え込んだからな」

「身体に教え込まれちゃった♪」

「なに発情してんのよ!!」

 

 

 ことりは頬っぺに両手を当て、『きゃぁ~♪』と言いながら妄想の世界へ旅立ってしまった。これは当分戻ってこられそうにないぞ……。

 ちなみにことりが俺に乗っかってきただけだからな。この俺が、可愛い可愛いにこのことを馬鹿にするはずがないじゃないか☆

 

 

「もうっ!!いいから早く行きなさい!!女王なんて面倒な役割、もう終わらせたいんだから」

「分かってるよ。それじゃあにこのことよろしくな」

「暴れないように鎖で繋いでおくから心配ないわ」

「はぁ!?にこは心配するわよ!!」

「じゃあねぇ~にこちゃん♪」

「絶対に海未ちゃんを連れて帰ってくるからね!!」

「勝負に負けたらこんな扱いになるの!?聞いてなかったんだけど!?」

「俺たちがそんなこと知るかよ」

 

 

 どうやらにこは街にいるNPCなどと同じく、技も魔法も使えなくなっているらしい。ステータスも表示されないところを見ると、完璧なモブに成り下がってしまったのだろう。それにしても四天王から一気にモブとは、負けたものへの扱いは適当なのかこのゲーム……。

 

 

 そんな訳でにこが暴れないように縛り付け、俺、穂乃果、ことりの3人は四天王が住むと言われる森の神殿へ向かった。そこに海未もいるはずだ。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「くらっ!!なんだここ!?」

「まだ昼間なのに、森の中は夜みたい……」

「そうだね。思っていたよりも不気味かも……」

 

 

 俺たちは目的の森に到着したのだが、森の中はまるで真夜中かのように薄暗かった。しかも物静かで生き物が住んでいる気配さえない。なるほど、これが真姫の言っていた『闇が深き森』ってやつなのか。確かに入口からでも前方十数メートル先ぐらいしか見えないな。

 

 

「あっ、看板があるよ。えぇ~と、『迷いの森』だって」

「これだけ暗かったら迷うのはもはや当たり前だろ。さぁここからどうやって進もうか」

「闇雲に進んだら帰って来られなさそうだもんね……」

 

 

 行き詰ったということは、この前のにこ戦のように状況を打開するためのヒントがこれまでの旅の中であったはずだ。前回は凛から貰った激辛スパイスラーメンを使ったから、じゃあ今回は――――

 

 

「これだ!!」

「ま、眩しい!?それって花陽ちゃんから貰った黄金米おにぎり?」

「そう、これがあればこの闇であろうとも明るく照らすことができるだろ」

「おにぎりの近くにいるだけで、目がクラクラしちゃうくらいだもんね」

 

 

 持っているだけでも失明しそうな光を放っているこのおにぎり。俺たちの周りは背の高い木も見上げられるくらいに、黄金米の光によって照らされていた。だけどこれを持って歩くのは危険過ぎるぞ……主に俺たちの眼が。

 

 

 

 

「れ、零くん!!」

 

 

 

 

「どうした穂乃果?」

「えっ?穂乃果は呼んでないよ?」

「ん?じゃあことりか?」

「うぅん、ことりでもない」

「え?じゃあ誰が……」

 

 

 おにぎりのせいでここまで明るというのに、俺の名前を呼ぶ声の主は見当たらない。俺たちの周りには怪しい色の草木が物騒に生い茂っているだけだ。

 

 

「ま、まさかお化け!?きゃぁ~零くん♪ことりこわぁ~い♪」

「あざとさMAXだな……でもRPGの世界だし、あながち間違ってないかも」

「きゃぁ~零君♪穂乃果もこわぁ~い♪」

「ことりに対抗しなくてもいいからな……」

 

 

 俺は身体の両方から穂乃果とことりに抱きつかれる。本当ならここでエロいことの1つや2つ、最悪10個ぐらいは妄想するのだが、今はそれどころではなかった。

 

 またうっすらと声が聞こえたからだ。しかも後ろから――――

 

 

 

 

「零く~ん、穂乃果ちゃ~ん、ことりちゃ~ん」

 

 

 

 なんだなんだこの耳に突き刺さりそうな高い声は!?まさかこれも秋葉がけしかけたキャラクターじゃないだろうな!?しょうがねぇ、3人しかいないけど戦闘の時間だ!!

 

 

 

 

「私です!!亜里沙です!!」

 

 

「は?亜里沙?」

 

 

 誰だぁあああああああああああああああ!!俺の(重要)マイラブリーエンジェルである亜里沙の名前を使っている奴はぁああああああああああああ!!こうなったらにこ戦同様に徹底的に羞恥を味あわせてやるからなぁあああああああああああ!!

 

 

 ――――そして俺たちは警戒をしながら後ろを向いた。

 

 

「あ、亜里沙ちゃんだ……」

「ち、ちっちゃ~い!!」

 

 

 俺たちの目の前にいたのは正真正銘の亜里沙だった。だが身体はミニチュアフィギュア並みに小さく、背中に透明な羽が生えていた。服は明るい緑色のワンピースで、髪は普段よりも長めのウェーブが掛かっている。

 

 て、天使だ!!本物の天使が現れたぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 

「本当に亜里沙……なのか?」

「そうですよ!!」

「でもその格好にその身体……」

「まるで妖精さんみたいだね!!」

「みたいではなくて、私の役目は妖精らしいのです」

「亜里沙ちゃん、可愛い~~♪」

 

 

 ことりは妖精姿の亜里沙を見てウットリとしている。だが今回ばかりはことりの気持ちが分かるぞ!!身体は小さいのも亜里沙だからこそ似合う。これは異種交配という禁断の属性にまで手を染めてしまいそうだ……。

 

 

「それよりも無事でよかったよ。妖精の姿だけどな」

「でもどうして亜里沙ちゃんが妖精に?」

「勇者様たちがここへ来た時に、案内役として私が配置されたのです」

「で?妖精はお前だけなのか?」

「はい。この森は妖精たちが住む森だったのですが、森の奥にオークたちが神殿を建ててしまい、それ以降妖精たちはこの森を追放されてしまいました。だから勇者様たちのこの森を取り戻して欲しいのです」

「なるほどそういうストーリーか……」

 

 

 戦闘やキーアイテムはめちゃくちゃなのに、本編のストーリーだけはしっかりしてるんだな。秋葉がどんなRPGを目指しているのかが正直分からん。でもアイツの思考なんて元から読めたものじゃないけど。

 

 

「森の奥へ進みたいのは山々なんだが、この黄金に輝くおにぎりが眩し過ぎてな」

「それではこれをお使いください」

「こ、これは……?」

 

 

 

 

『れいたちは壊れたカンテラを手に入れた!!』

 

 

 

 

「壊れてるのかよ!!」

「火が点かないだけですよ。カンテラとそのおにぎりを組み合わせてみてください」

「こうか」

 

 

 いつの間にやらメニューにアイテムを合成できる機能が加わっていたので、言われた通り壊れたカンテラと黄金米おにぎりを組み合わせる。すると見事に合成は成功し、1つのアイテムとなった。1つになったと言ってもカンテラの中に光るおにぎりが入っているだけなのだが。こんなの言われなきゃ気付かねぇだろ……。

 

 

「光がある程度弱くなったね。これでクラクラする心配もないよ」

「どんな合成をしたらおにぎりの光が弱くなるんだよ。ホントに適当なゲームだな……」

「まぁまぁ今は妖精さんたちと海未ちゃんを助けに行こうよ」

「オークたちは徐々に勢力を拡大しています。急いで行きましょう!!」

「へいへい分かってるって」

 

 

 俺たちは妖精となった亜里沙の導きの元、遂に迷いの森の内部へと足を踏み入れた。

 オークたちの神殿に海未がいるのか――――――ハッ!!

 

 

 待てよ。このシチュエーションは、エロ漫画やエロ同人誌なんかでよくある展開なのでは……?ビキニアーマーの戦士がオークの太いアレに抵抗するが屈してしまうという、R-18界隈では王道とされる展開が……。

 

 

 ま、まさか海未も!?オークにこんなことをされているかも!?

 

 

 

 

~~~~~

~~~~~

 

 

 

 

「何をするのですか!?離しなさい!!」

 

「ウヘヘ……姉ちゃん、いいカラダしてるじゃねぇか。脱いでもらおうか?」

 

「誰が脱ぐものですか!!」

 

「そうかそうか、無理矢理が好みなのか。じゃあご希望通り……」

 

「や、やめ……!!」

 

「フフフ……いい鳴き声を期待しているぞ」

 

「くっ、いっそのことなら殺しなさい……」

 

「殺すなんてもったいない。お前は一緒私を楽しませる人形となるのだ……」

 

「い、いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

~~~~~

~~~~~

 

 

 

 

「オークめぇえええええええええええええええええええええええええ!!許さんぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!海未の処女膜は俺のモノだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

「わっ!!どうしたの零君!?」

「あっ、走ると迷子になっちゃうよ!?零く~~~ん!!」

「ど、どうしましょう……」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

~その頃の海未ちゃん+四天王:希ちゃん~

 

 

 

 

「そう言えば、海未ちゃんをワシワシしたことなかったよね♪これはいい機会!!」

「の、希!?やめてください!!」

「そんなエッチな格好をしてよく言えるわぁ~♪」

「これは不本意ながらです!!」

「フフフ……これは零君が泣いて喜びそうなシチュエーションやなぁ♪」

「くっ、いっそことなら殺しなさい……」

「殺すなんてもったいない。海未ちゃんのカラダはウチがたっぷりお料理してあげるで♪」

「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「迷子になった……」

「もうっ!!零君が勝手に奥へ行っちゃうからでしょ!!」

 

 

 だってしょうがねぇだろ、海未の処女膜が心配過ぎて頭に血が上ってたんだから。こうしている間にも、海未の処女膜貫通式が行われているかもしれない。だが闇雲に進んでも入口に戻されるだけだ。そこら辺は流石迷いの森と言ったところか。どうやら妖精たちが住んでいた頃とは森の構造が変わっているらしい。

 

 

「急いでもいい結果は出ないよ。もっとゆっくり行こう♪」

「くそぉ~そんな悠長にしている時間はないのに……」

「大丈夫ですよ。オークは獰猛ですが、安易に人を殺めたりはしませんから」

 

 

 女の子の処女膜は突き破るんですよね――――とは亜里沙の前では言えなかった。もしかしたら、"処女"って言葉を知らないまであるからな。そんな天使を汚す訳にはいかない。でもこの前、亜里沙のおっぱいを吸っていた夢を見たような気がするが、あれは本当に夢だったんだよな……?

 

 

「まぁまぁ世間話でもしながら歩けば、知らない間に神殿へ着いてるよ。だから零君、穂乃果たちに聞きたいことある?」

 

 

 穂乃果とことりはゆっくり行こうと提案してくるが、俺としては海未の処女を守るために少しでも早く神殿へ着きたい。でも今度は穂乃果が魔法を使ってでも俺を止めにかかるらしいし、ここは適当に猥談を振って早々に話題を切り上げるか。流石に猥談を世間話だとは思うまい。

 

 

「唐突だな。えぇ~と……そうだ、おっぱいが大きくなると、練習中邪魔じゃないか?」

「おっぱい?うぅ~ん、確かに1年前よりは大きくなったけど、気になるほどではないかな?」

「あ、あぁ……そう」

「ことりは練習の時だけ運動用の下着を着けているから、大きくなっても全然問題ないよ」

「えっ、あっ、そうなのか……」

「私も最近かなり大きくなってきましたけど、お姉ちゃんのお下がりの運動用下着を借りているので大丈夫です」

「あ、亜里沙も……」

 

 

 あれぇ~!?なんでまともな議論してんの……?ここは『零君のエッチ!!もう早く神殿に行くよ!!』っていうパターンじゃないのか!?

 でもよくよく考えてみれば、俺、穂乃果、ことり、亜里沙って、ツッコミ役1人もいなくね?穂乃果とことりは変態度MAXだし、亜里沙は純粋過ぎて猥談でも猥談だとは気付かないだろう。これは話のチョイスを間違えた!!

 

 

 

 

 ここは何とか軌道修正をしなければ――――――ん?この声は?

 

 

 

 

「どうしたの零君?」

「聞こえる……」

「な、なにが?まさかまた亜里沙ちゃんみたいな妖精がいたの?」

「えっ、ここにいる妖精は私だけのはずですが……」

「違う……膜からだ」

「へ……?」

 

 

 

 

「海未の処女膜が悲鳴を上げてるんだ!!『助けて!!零君に貫いてもらう予定の私が、オーク如きに貫かれそうなのぉおおおおお!!』ってな!!聞こえる……海未の処女膜の泣いてる声が!!待ってろ海未ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!絶対中古になんてさせねぇからなぁああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

「また走るの!?もう~!!追いかけるよ、ことりちゃん、亜里沙ちゃん!!」

「うん!!」

「はい!!」

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 そんなこんなで俺たちは森の奥の神殿へ到着した。処女膜の声が聞こえたから今回は迷わなかったぞ。

 それにしても物々しい神殿だな。とても豪腕なオークが建てたとは思えないほど丁寧な造りだ。現実世界の森の奥でこんなものが見つかったら、確実に世界遺産レベルだろう。

 

 

 そして俺たちは神殿の内部へと侵入した。意外にも神殿内は狭く、入口からでも奥にある祭壇が見える。それと同時に、俺たちが探し求めていた人物も発見した。

 

 

「海未!?」

「「「海未ちゃん!?」」」

「零!!穂乃果!!ことり!!そして……その小さい妖精さんは亜里沙ですか?」

「はい、妖精として勇者様たちをサポートしているんです」

 

 

 海未は無事なようだが、鎖でガッチリと祭壇に縛り付けられていた。剣に力を込めて鎖を断ち切ろうとするも、思った以上に頑丈でビクともしない。何かキーアイテムでも必要なのかと思ったが、激辛ラーメンも黄金米おにぎりも使っちまったし、これ以上使えそうなアイテムはねぇぞ……。

 

 

 

 

「お困りのようだねぇ~勇者一行さん♪」

 

 

 

 

『四天王の希が現れた!!』

 

のぞみ

HP3000

 

 

れい

HP120

 

ほのか

HP70

 

ことり

HP90

 

うみ

HP150

 

 

 

 

「の、希!?」

「「「希ちゃん!?」」」

 

 

 突如として俺たちの目の前に現れたのは希だった。

 希は豊満な胸を強調させまくっている毛皮のコートを来て、狼のような耳を装着している。お尻には尻尾を装備し、楽しそうな本人の意思に反応してフリフリと動いていた。凶暴なオークか狼のモンスターをモチーフにしたのだろうが、結局は希の穏やかな雰囲気が漂いまくっていて全然怖くない……。

 

 

 待て待て、希がこの神殿にいるってことはもしかして――――

 

 

「お前、四天王の1人なのか!?」

「その通り!!ウチが2人目の四天王としてこの神殿を任されたんや!!」

「さっきにこと戦ったばかりだってのに、もう次の四天王戦かよ……」

「フフフ……にこっちは四天王の中では最弱、ウチからが本番や」

 

 

 サラッとヒドイこと言いやがったな……あれでもにこ戦はかなり頭を使ったんだぞ。そもそもにこの爆笑プロフィールを知らないと詰むだろ。にこのプロフィールがネタだらけだったおかげで覚えていたからよかったものの……。

 

 

「そうだ忘れてた!!海未、お前カラダに異常はないのか!?」

「え、えぇ……」

「希に何をされた!?俺の海未のカラダがあ~んなことやこ~んな目に遭ってたと思うと……」

「されそうになりましたけど必死で抵抗しましたから!!」

「ホッ、じゃあお前の処女は無事なんだな」

「はい……?」

「れ、零君?急になに言ってるの……?」

 

 

 海未と希はキョトンとした顔で俺を見つめてきた。希はエロいことに耐性があるはずなのだが、俺と同じく攻められると弱くなるという弱点がある。ちなみに穂乃果たちは『またか』みたいな表情で呆れ顔だ。

 でも……俺って今変なこと言ったか?彼氏としてはごく普通の心配事だと思うんだけど……処女。

 

 

「なんでそんな言葉がここで出てくるのですか……」

「聞こえたんだよお前の処女膜から。『助けて!!零君に貫いてもらう予定の私が、オーク如きに貫かれそうなのぉおおおおお!!』ってな!!本当にお前の処女膜は無事なんだろうな!?ちゃんとハリはあるよな、新品だよな!?」

「は、破廉恥ですよ!!そんな言葉を連呼しないでください!!」

「流石のウチでもそれはちょっと……」

 

 

 コイツら……男にとって女の子の処女がどれだけ重要かが全然分かってないようだな。女の子を食うなら初モノでなければダメだ!!中古用品には一切興味がないんだよ俺は!!

 

 

「俺はな、海未の処女を守りたいんだよ。容姿端麗、才色兼備、文武両道……言葉では言い表せないくらいの魅力的な女の子であり俺の自慢の彼女。その処女膜を貫いてみたいと思うのは当たり前のことだとは思わないか?」

「思いません」

「思わんなぁ」

 

 

 ふんっ、所詮は男と女の性別の壁。どれだけ俺たちの間に絆があろうと、分かり合えないことはきっとあるだろう。まさに今がその状況。処女は女の子の神秘なのに、その素晴らしさが分からんとは……。

 

 

「ねぇ穂乃果ちゃん、どうする……?」

「黙っていた方がいいね、絶対……」

「そ、そうですね、あはは……」

 

 

 後ろで何やらゴチャゴチャ言っているが、そんなもの今の俺にとってはどうでもいい。俺はこの神殿に処女の素晴らしさを教えに来たのだ。むしろ邪魔するならそこでずっと傍観してろ。

 

 

「分からぬというのなら開催するしかないな。海未と希の処女貫通式を」

「な、ななな何を言ってるのですかあなたは!?」

「そ、そうや!!こんなところで……もっとムードってものがあるんやない!?」

「なんだ、ムードがよければ処女を捧げてくれるのか?」

「そ、そんな訳……ないやん」

「最後ちょっと迷っただろ」

「そんな破廉恥なこと、する気はありませんから!!」

「いいじゃんゲームの中だし。ここでヤっても現実世界じゃ処女のままだって……多分」

「最後ちょっと迷いましたね!?」

 

 

 待てよ、ゲームの世界でカラダを重ね合って、現実の世界でもカラダを重ね合えば、処女貫通式を2回行うことができるのでは!?相変わらず俺ってば完璧すぎるな。女の子の処女を2回も味わうことができるなんて。

 

 

「穂乃果、ことり。零はずっとこの調子なのですか……?」

「う、うん、まぁ……」

「全く、男女の営みは責任を持ってするものです。ですのでこれからはそのような言動は控えてもらわないと……」

 

 

 

 

「…………」

「…………」

「…………」

 

 

 

 

「な、なんですかその沈黙は……!?」

「もしかして零君に穂乃果ちゃんにことりちゃん、ウチらに内緒で……?」

「……」

 

 

 ………………………………こ、これは……ま、マズイ!!

 

 しかも亜里沙は顔を真っ赤にしながら、蚊取り線香の煙に囚われた蚊のようにフラフラと床へ落ちていった。

 

 

「ま、まさかやったことがあるとでも……?」

「よ、よし、ことり、穂乃果、今日は帰るか……」

「そ、そうだねぇ~……」

「ほ、穂乃果お腹空いっちゃった~……」

 

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

 

 

「「「はい……」」」

 

 

 海未からモンスターもビックリの、ただならぬ狂気に満ち溢れたオーラが迸っている。ビキニアーマー戦士だから魔法は使えないはずなのに、怒りの赤い炎が具現化され海未を縛っている鎖を徐々に溶かしていく。どう見ても穂乃果の魔法以上の威力はあるぞ……。

 

 

「いつやったのですか……?」

「同棲生活中に……穂乃果とことりがお風呂に押しかけてきた時に興奮して……」

「お風呂にですか……ほほぅ」

「ふ、普段お世話になっている零君の背中を流そうとしたんだよ!!ね、ねぇことりちゃん?」

「う、うん!!そうしたらことりたちも興奮しちゃって……」

「でも本番はやってないぞ!!穂乃果とことりの純潔はちゃんと残ってるから!!」

 

 

 その瞬間、突然バギィと金属がはち切れる音が神殿内に大きく鳴り響いた。海未が遂に自分を縛っていた鎖を断ち切ったのだ。だがもちろんそれだけでは終わらない。海未は既に剣を抜き、顔を真っ赤にしてはぁはぁと吐息を漏らしながら俺たちを睨みつける。

 

 

「覚悟はいいですね、あなたたち……」

「ま、待て!!俺たちは仲間だろ!?」

「黙りなさい!!この破廉恥野郎!!今日という今日は、命残り一滴になるまで制裁をプレゼントしてあげますよ!!」

 

 

 今日の海未は完全に殺る気だ……!!今までとは比べ物にならないくらいの邪悪に満ちたオーラ。目の前の俺を殲滅するためだけに生まれてきたかのような、まさに暗殺者。誇り高く光っていた戦士の剣も、今は海未の怒りに応えて真っ黒に染まって不気味な闇を纏わせていた。

 

 

「の、希!!お前HP高いんだから助けてくれよ!!」

「零君の自業自得やし……」

「このままだと海未がこのゲームを支配しかねない!!現実に戻ったら、なんでも1つ言うことを聞いてやるから頼む!!」

「その言葉、後から忘れたとか言わない……?」

「言わない言わない!!だから早く!!」

「それならウチに任せといて!!」

 

 

 希は俺たちと海未の間に入り、邪気に満ちた海未と対峙する。海未のHPは3桁になったばかりの、所詮まだレベル15程度。対する希は四天王の一角でHPは3000。これは希の勝ちゲーですわ!!

 

 

「邪魔です……」

 

 

 

 

『うみの剣の舞!!しなやかに唸る剣技で更に追加攻撃!!』

 

 

 

 

「えっ、連続攻撃とか聞いてへん……」

 

 

「殲滅します……」

 

 

 

 

『うみの剣の舞!!しなやかに唸る剣技で更に追加攻撃!!』

『うみの剣の舞!!しなやかに唸る剣技で更に追加攻撃!!』

『うみの剣の舞!!しなやかに唸る剣技で更に追加攻撃!!』

 

 

「ちょっ、海未ちゃん!!まだウチ一回も行動してへんのやけどぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

 

『のぞみに100000のダメージ!!四天王ののぞみを倒した!!れいたちは経験値50000を獲得!!』

 

 

 

 

「さて零たちは……逃げたのですね。フフフ……切り刻んであげますよ♪」

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 穂乃果とことりもちゃんと処女ですよ(笑)


 今回は処女貫通式……ではありませんでした。流石にまたR-18を書く訳にはいきませんからね(笑)
でもらぶくえ編屈指のご都合+意味不明展開になってしまいましたが……

 そして希の出番も適当に……次回も出番を作るので許して希ちゃん!!


ここでメインキャラの役職まとめ

零・・・勇者
穂乃果・・・魔法使い
ことり・・・僧侶
海未・・・ビキニアーマー戦士
花陽・・・おにぎり屋
凛・・・ラーメン屋
真姫・・・女王
絵里・・・?
希・・・四天王
にこ・・・四天王
雪穂・・・?
亜里沙・・・妖精
楓・・・?


付録:RPG初心者のための用語解説

・処女
男の憧れであり、女性の神秘。

・オーク
豚鼻を付けた二足歩行のモンスター。非常に豪腕。でもエロ展開の時は手先が器用になる。

・黄金米おにぎり
闇を照らす光を放つ、おにぎりの最高峰。食べることはできない。

・妖精
RPGでは人間を嫌っている設定が多い。エルフと言われることも。

・処女貫通式
ゲーム世界と現実世界で2度味わえる。彼女持ち限定。

・勝ちゲー
100%勝てる戦い。絶対に負けることはない。


新たに高評価(☆9以上)を下さった方々(敬称略)

福見三等兵、暢賢

ありがとうございました!


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