上杉の章 新たな兵衛   作:北極星

134 / 207
第百二十三話 嵐の前の騒がしさ

 長島一向一揆の全滅は本願寺に衝撃を与えた。

 幕府とはあくまで信長憎しというところで利害が一致している為に結ばれた同盟関係のような間柄で繋がりが深い訳ではない。

 幕府という大きな権力を持っているのは足利家の為に本願寺が従うのが道理であるが、長島一向一揆が倒れた以上、更なる規模を持っているのは後一つしかない。

 

「それで我々に白羽の矢が立ったということか・・・・・・越後をまだ取っていないんだが、まぁ、良い」

 

 尾山御坊の富樫晴貞には本願寺顕如から越後方面への進出を諦めて越前の一向一揆と共に信長に対抗するようにと書状が届いた。

 上杉を相手にしていたのはあくまでも北陸を己が手に収めようとしただけの野心の為、狙っていたのは謙信ではなく越後にしか過ぎない。

 謙信達はあくまでも副賞のようなもの。付いて来たら運が良い程度のものである。

 越前もまた北陸ではある為、いずれはと晴貞も思っていた。

 攻めなかったのは朝倉という大名が今まで織田に対抗する為の防波堤の役割を補ってくれていた為で背後に気を取られる心配があまり無かった為だ。

 何度か攻めて来るという報告があったが、結局何も起こらず、誰かが一向一揆の勢力が大きくなるのを嫌ったからだろうと晴貞でも分かっていた。

 

「ま、俺にはどっちだろうと構わないからな」

 

 晴貞は他人事ように思考を捨てると野心の達成を完成させた自身を想像してにたぁという表現が良く似合う残虐な笑みを浮かべる。

 いずれは取るつもりの二つの国。越後は狙っても越中勢が魚津城すら攻略出来ておらず、戦況は今も膠着状態で今は松倉城に待機している。

 その状況を打破する為にはどこかで動きを入れなければならない。

 そう考えていた晴貞にとってこの依頼は千載一遇の好機である。

 新たに越前という場所を得ることで更なる力と血と女を手に入れることが出来る。

 今からそれを思うだけでぞくぞくと身体が武者震いを起こし、身体が今にでも西へと向けられる。

 

「越中の奴等に任せておいて良かった。俺のところにある力は十分に備わっているからなぁ・・・・・・」

 

 更に笑みを深めると先程まで楽しんでいた寄り添う女を放り投げる。

 服を整え晴貞は控えていた側近を呼んで評定を始めると命じながら舌を舐めて下品な笑みを浮かべる。

 晴貞はゆっくり立ち上がると書状を蝋燭の火に掛けて評定の間に向かった。

 歩いている間も笑い声が収まる気配は一向に無い。止める者もいなければ眉間に皺を寄せる者もいない。

 寄せる者がいれば潰せば良い。それだけで済む。

 血が騒ぐ。人を殺したい。女を犯したい。邪な衝動に駆られる。

 

 凶人が再び腰を上げた時、北陸には新たな暴風が吹き荒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 春日山城にも織田が長島一向一揆を殲滅させて全てを灰と化すようなことを行ったという情報が上杉に入って来た時、皆の反応はほぼ無に等しかった。

 信長の性格を自身の目で見て来た慶次の意見も役に立ったことと一向一揆との激しい対立は畿内の間者達から情報が入っていた為、おおよその結果は見えていた。

 

「(さぁ、何で俺はこんな状況になっているんでしょうか?)」

 

 龍兵衛は頭の中で自問自答しても答えは無い。何故なら答えは分からないからだ。

 

「それにしても、前々から思っていましたが、河田殿は随分と喋らない方なのですね」

「べらべら喋ることはあまり好きじゃありませんからね」

 

 出された茶を啜りながら面倒臭いと思いながらもいつもの感情の籠もっていない声で返答する。

 先程から目の前にいる寺島盛徳が質問して龍兵衛が答える。これに一切の変動は無い。

 普段と違うのは互いの衣装だ。

 龍兵衛は安定の濃い灰色の服に黒いきちんとした羽織り。

 評定の時でさえも滅多に着ることの無い、儀式が行われる際に着るようなものを着ている。

 一方の盛徳は赤を基調とした服を着こなし、決して派手過ぎず、地味過ぎずという武人らしいさっぱりとした雰囲気を相手に与えている。

 一方で顔には盛徳が女性であるということを分からせる化粧をしていてそこだけを見れば普段の男らしさも影を潜めている。

 

「確かに、必要以上にべらべらと喋って逆に顰蹙を買うようなことや要らぬことを話して情報を流してしまうよりは全然ましですね」

 

 とはいえ言葉遣いはいつも通りに武人らしい話し方でそれに合わせるように話題も互いの私を探るというよりも普段の公の行動で疑問に思ったことを探るようになっている。

 龍兵衛はただ単に公で話すことがあまり好きではない為に積極的に発言することが無いだけだが、素直に言うのも憚られるので敢えて言わないでおいている。

 他にも理由は一つあった。それは龍兵衛の視界の隅に入っている猿。猿が乗っている頭がちょこんと茂みの上から出ている。

 外では不安げな景勝、興味津々の慶次、どこで嗅ぎ付けたのか伊達の成実と綱元が部屋の中の二人に気付かれているのに二人は気付いていないかのように部屋を覗いている。

 

「嘘吐き~普段から何かに付けてからかう時はからかうくせにぃ」

「(こくこくこく)」

 

 ちなみに景勝と慶次は部屋内の二人が行っている一問一答に感想を一回一回述べている。

 

「へぇ~意外だね。さえちゃん」

「うん、私達には普通に話し掛けてからかうなんてこと絶対にしないよ」

 

 初めて知った龍兵衛の一面に驚く伊達の二人。

 普段の時のようにただけらけらとからかっているばかりではなく他家との間では常に龍兵衛は決して自分の弱味をさらけ出すまいと気を払っているだけである。 

 上杉の二人は伊達の二人が龍兵衛のことについて普通に驚いていることに驚いている。

 互いに色々と龍兵衛には振り回されることがあった景勝と慶次にとって彼は一種の問題児のような感じでもあった。

 

「それにしても、いつまでああして話しているんだろう?」

「盛徳、喋る、止まらない」

「へぇ~意外~普段は如何にも武人だ! っていう感じなのに」

 

 大分景勝の言うことも他家の面々も分かって来たかと慶次は内心喜びながら再び龍兵衛と盛徳の会話に耳を傾ける。

 

「近頃は尺八をなさっているとか?」

「お、私生活入った」

「ただの趣味ですよ」

「かぁ~何て返し方してんのよぉ~」

 

 感情の籠もっていない声で素っ気なく返す女心など全く理解していないような龍兵衛を慶次は恨みがましい視線で見る。

 しかし、盛徳は何故か明るい女性らしい笑顔になっていた。

 

『えっ?』

 

 龍兵衛を含む全員の声が一気に重なる。

 

「そのように見せかけている姿、とても惹かれます」

「えっ、えっ?」

 

 何故か龍兵衛も分かっていない為にきょろきょろと何でこんな展開になったのか分からないというように誰かに助けを求めようとするが、外の四人はささっと茂みの中に隠れていないふりをしてしまい、彼は完全に孤立無援になった。

 盛徳は戸惑う龍兵衛の隙を突いて素早く組み敷くと外の四人に聞こえないように龍兵衛の耳元で囁く。

 

「そう普段は斜めに構えていても、かつて神保様を励ましたように熱いものをお持ちであるのを私は知っております」

「あぁーあれですか・・・・・・」

 

 ちらちらと外から来る好奇と嫉妬の視線を逸らしながら龍兵衛は盛徳から目を逸らす。

 

「ま、まぁ、あれはその・・・・・・ただ神保殿を励まそうと思って・・・・・・」

「いえいえ、あれほどまでに真っ直ぐな目は私、河田殿から初めて見ました。あれこそ貴方の本当の姿なのでは?」

「いや、多分、違う・・・・・・」

 

 近過ぎる顔に目を逸らしつつどうにか否定の言葉を探そうとするが、女性の熱い眼差しを至近距離で受けるとさすがの龍兵衛もどぎまぎする訳である。

 ここで見ていられなくなった景勝が足音を少し立てながら撤退した。

 

「そうでなくても良いのです。はっきり言ってあの時の河田殿に大層惚れてしまいました」

 

 気付かないふりをしてぐいぐいと盛徳は龍兵衛との距離を更に近付ける。

 じたばたと龍兵衛は抵抗しているが、武術の心得は圧倒的に職定の方が上手。無駄な足掻きというやつだ。

 伊達の二人はこの先は見ない方が良いと判断して撤退を始めた。

 

「謙信様と颯馬みたいにならなければ良いけど」

 

 綱元が去り際に言った台詞に慶次は全く驚くようなことは無く、溜め息を付いた。

 

「(やっぱりばれてるわねぇ・・・・・・はぁ、けんけんも颯馬っちもいっそのこと皆にも言っちゃえば良いのに・・・・・・)」

 

 もう少し二人の様子を見ていたいと思ったが、慶次は一瞬こちらに盛徳の鋭い眼光で睨み付けられた気がしたのでこちらがばれてると思い、彼女はそそくさと退散することにした。

 

「逃げるなー!」

 

 龍兵衛の声が聞こえた気がしたが、慶次は心から彼がまともな恋を出来ることに祝福を送ることにした。

 

 

 

 

 

 

 その日の夜になって龍兵衛の部屋では望まないお見合いをさせられてぐったりしていた彼と突然押し掛けた景勝のある戦いが繰り広げられていた。

 

「(じぃぃぃぃー・・・・・・)」

「(痛い。視線が痛い。後、近いです)」

 

 二人の間の距離は約十五センチぐらい。龍兵衛が一歩下がれば景勝は一歩詰めるの繰り返しを続けて龍兵衛の背中は押し入れの扉にくっ付いている。

 先程から景勝がまた城勤めで屋敷に帰れない龍兵衛の部屋に押し掛けてからずっとこのままである。

 景勝は部屋に入るや否や無言のままずっと龍兵衛に近い所に立っている。

 理由は取り敢えず何故、盛徳とお見合いなどしたのか。何故、自分には何も言わずにお見合いをしようとしたのか。

 要は単なる嫉妬である。未だに龍兵衛に一途な景勝にとって由々しき事態である。

 盛徳に対してどう返答したのか気になる。もし、龍兵衛が首を縦に振ったのであれば景勝も強硬手段に出なければならない。

 それが惚れた男に対する一途な乙女が行える最大の勇気と最高の効果がある行いだ。

 

「ちゃんと断っておきましたよ」

 

 見透かしたように掛けられた景勝をこの上なく安堵させる言葉。

 景勝はほっとしながらもやはり応えてくれない龍兵衛に苛々している。

 またもやその思いを察したのか龍兵衛は申し訳なさも含めた薄い笑みを浮かべる。

 

「なかなか答えが見つからないことには謝罪しかありません。しかし、今は少し大人しくしていた方が・・・・・・」

 

 話す内に徐々に気まずそうに視線を逸らす彼を見て景勝も少し顔を赤くしてこくりと頷いて早く答えを出すように念を押して部屋を出た。

 翌日、謙信と話す機械がな出来た龍兵衛は彼女の部屋を訪れた。

 

「よう、昨日はお疲れ様」

 

 予想通り颯馬も一緒にいる。

 

 

 

 

 二週間程前のことだった。上杉の家臣達が突然召集されて何だ何だと思っていたところで謙信は上杉家内のことだけにして欲しいという前提でさらっと言った。

 

「私は颯馬と婚姻を結ぶことにした」

 

 反応は当然ながら無。全員が何とも言えない表情で互いを見合う訳でも無く不気味な沈黙が流れた。

 ほとんどの者が『(何を今更・・・・・・)』という目で見ていた。

 皆が呆れていることを内心で必死に隠そうとしている中でのことだった。

 

「えぇええぇぇー!!?」

 

 驚愕の叫び声ははっきり言ってその時の評定の間の中で浮いていた。

 

『(誰だ? 今更。こっちが「えー」だよ)』

 

 そう叫び声の主を訝しげに辿って行く。しかし、主を見た途端に何となく皆も納得してしまった。

 景家である。

 武人の道一本というような感じで上杉の重臣の中で一番こういうことには疎そうな人である彼女なら仕方ないと家臣一同そう思った。

 

「何で? 皆もびっくりしたでしょ?」

『もう皆知ってたよ(いましたよ)』

「えぇぇー!? な、何で、どうして?」

「あたしは、けんけんに相談されたし」

「某も薄々感づいていました」

「私と龍兵衛などは二人が城下でお忍びで逢い引きしていたのを見たからな」

 

 慶次・親憲・弥太郎と次々に上げられる二人のいちゃついていた事情の目撃談。

 

「自分は颯馬が朝に謙信様の部屋から出て来るのを見ました」

 

 とどめとばかりに龍兵衛が決定的瞬間を見た時のことを話す。

 恥ずかしそうにしている謙信と颯馬を『(今更何を)』という白い目で皆が見ている中で弥太郎は驚いていた景家に本当に知らなかったのか確認の問いを入れる。

 

「というか、景家は本当に気付かなかったのか?」

「えっ、いや、何か仲が良いなぁ・・・・・・とは思ってたけど」

「「「鈍っ!」」」

 

 慶次・龍兵衛・兼続からの単純かつはっきりとして実に効果的な感想の刀に景家はとうとう撃沈して隅っこでいじけてしまった。

 その後は見境無く仲が良いところを見せた謙信と颯馬に今にも斬り掛かりそうになった兼続を慶次が羽織い締めにして騒ぎに乗じて龍兵衛の隣にこそこそと景勝が来たと思えば「景勝、ああなりたい」と彼を大いに慌てさせ、わざわざこの為に一旦魚津城から帰還した景資が親憲と共に呆れるというぐだぐだな光景が出来上がり、その日は誰もが仕事に手を付けることが出来なかった。

 

 

 

 今となればなかなか笑える光景だなと思い返しながら龍兵衛は場を整えてくれた謙信に盛徳とのお見合いについての結果を報告する。

 

「何で断ったのだ? 折角、私も期待していたというのに」

 

 先ず驚き、それから心底残念そうな表情を謙信は浮かべている。

 一方の龍兵衛は知っている。

 自身が整えたのに断って泥を塗ったとかお見合いが駄目になって互いに可哀想だと思っているのではなく、恋愛に疎そうな二人の戸惑う姿をからかう楽しみが消えたというがっかりした感情から来ていると。

 

「別に良いじゃないですか。自分にだって色々とあるんですよ」

 

 実際に昨日、龍兵衛は盛徳にきっぱりと「お断りします」と言い、盛徳が呆然としている間に組み敷かれた腕を解くと申し訳ないと頭を下げて着物を整えながら部屋を辞した。

 謙信と颯馬はそう説明しながら平然と茶を啜る龍兵衛を見て驚きながら互いに目を合わせる。

 龍兵衛も浮ついた噂が無くてもやはり男。好みというものがあるのだろう。

 謙信の思考は先ず以前起きた颯馬と慶次の一件について出て来た。

 

「颯馬のように胸に好みがあるとか、か?」  

「まだ生きてたのか、それ!?」

「永久に不滅だな」

 

 現に颯馬は謙信と婚姻を正式に結んだ以上、謙信も大きい為に否定出来る立場ではなくなった。

 かなり曲解だが、今の発言はまるで謙信のことを否定するようにも聞こえる。

 じとっとした目を向けられた颯馬はおろおろとしながら龍兵衛に助けを求めるように視線を向けるが、彼は扇子を取り出してどこ吹く風と扇いでいる。

 

「だ、だいたい、寺島殿の身体付きは弥太郎殿とほぼ同じだぞ?」

「む、そういえばそうだな・・・・・・ならば、龍兵衛は兼続のような胸の小さい方が好みか?」

「ぶっ!?」

 

 苦し紛れの颯馬の発言に真剣に答えた謙信のとんでもない疑問に動揺した龍兵衛は転けた際に右手を打ってしまった。

 打ち所も悪かった為に痛そうに手をぶらぶらさせている龍兵衛を見ると謙信は妙に納得したような表情になる。

 

「やはり、そうか・・・・・・龍兵衛は小さい方が良いのか」

「人の好みを勝手に決めないで下さい! しかもその言い方は誤解を招きます!」

 

 さり気なく颯馬が自身から距離を取っているのを横目に龍兵衛は謙信に対しての礼儀作法もぎりぎりのところで怒鳴りつける。

 

「怒るな。人の好みはそれぞれだからな。私もそこまでは口出ししない」

 

 完全に謙信はおかしい方向に行っている。止めなければ謙信の中で自分は変な好みがあるということが確定してしまう。

 龍兵衛からすれば謙信はともかくとして隣で腹を抱えてどうにか声を出さないで笑いを堪えている颯馬をどうにかしたい。

 二人共何かを誰かに簡単に喋る程、口が軽い訳ではないが、颯馬の場合面白がって敢えて誰かに言ってそこから絶対に広まるという自信が龍兵衛にあった。

 防がなければならない頭の中でどう対処すべきか龍兵衛は思考を巡らせる。

 

「ただし・・・・・・」

「っ!?」

 

 思考を完全に遮ったのは謙信の言葉。否、彼女の戦場で見せるような圧倒的な威圧感であった。 

 

「景勝には変な真似はするなよ」

「・・・・・・はい」

 

「もう遅いです」なんて口が裂けても言えない。

 ちらっと颯馬を見ると謙信の凍てつくような気にやられたようである。

 

「(あれなら今夜中に忘れるだろう)」

 

 内心安堵しながら龍兵衛はそそくさと部屋を辞した。

 安心したのも束の間、出て来た瞬間に龍兵衛は背筋が凍った。何かがいる。一人ではなく二、三人は確実にいる。

 龍兵衛の姿を確認すると人影はゆらりと動いて龍兵衛に迫る。

 

「誰ですか?」

 

 形だけの警戒した声。出て来たのは好奇心旺盛な目で彼を見る弥太郎・慶次・官兵衛。 

 先程、謙信から問われたことを聞きに伏せていたのだろう。

 そう考えると合点が行く。その一方で、完全に進む方向を防がれて逃げられない状況を打破する策を一つだけ思い付いた。

 

「あ、猫・・・・・・」

「えっ?」

「いる訳ありまっせーん!」

「きゃっ!?」

 

 動物がいると反応してしまうのが弥太郎である。

 見え見えの嘘だと気にしなかった二人違って龍兵衛が見る先へと視線を移したのを彼は見逃さない。

 突き飛ばして空いた道から一気に駆け出して全力疾走で逃げる。

 曲がり角を上手く利用して前へ前へと行かず、たまには屋敷まで距離のある道を通るなどして龍兵衛は四半刻(三十分)後にようやく屋敷に転がり込むことに成功した。

 

 

 

 

 

 

 翌朝、龍兵衛は昨日の逃走の疲れからいつもより遅く城に来て仕事前に歩いていると背後から足音が聞こえてきた。

 足音は龍兵衛の背後で止まるとくいっと龍兵衛の裾を引っ張りながら言葉を発した。

 

「景勝の胸、龍兵衛好きって言ってくれた♪」

「んなこと一言も言った記憶がありません! というか、誰からそんなこと聞いたんですかあ!?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。