その人は何処へいった?   作:紙コップコーヒー

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20.迷子の上手な休暇の過ごし方

ガタン、ガタン

 

ガタン、ガタン

 

 

規則正しい振動が列車の車体を揺らす。

体に伝わる僅かな振動が、まるで揺りかごの様に心地良い。

春の暖かい陽射しもあって、寝不足でも無いのにあちらを眠気を誘う。

 

あぁねむい。とてもねむい。

 

 

「ふぁ・・・、ふぅ。このまま終点に着かなければいいのに。」

 

 

今、あちらが乗っているのは、山岳部を走り抜けるリニアレールの一車両。

今日は天気は見事の晴れていて空は青く、山の新緑がとても清々しい。

吹きすさぶ風の中に薫る緑の薫りは、それだけで気分を落ち着かせる。

 

今はこの状況を楽しもう―――例え明日からまた仕事だとしても。

 

 

「……仕事、行きたくないなぁ。」

 

 

別に嫌いという訳ではないが、また明日から黴と古紙とインクの香りしかしない不思議空間に缶詰かと思うと少し憂鬱になる。

 

来る日も来る日も仕事、仕事、仕事。

次々に舞い込んでくる資料請求にてんやわんやで対応する日々。

 

……あれ?

なんでそう言えば私はこんなに働いているんだろう?

確か私って非常勤ですよね?

 

 

脳裏ににっこり人のいい笑顔で笑う、蜂蜜色の髪をした今の上司兼友人の姿が浮かぶ。

 

 

やっぱりユーノに仕事の斡旋を頼んだのは間違いだったかなぁ。

昔は『あちら、あちら』と言いながら後を付けて来て、それはもうとっても可愛い子だったのに。

久しぶりに会ってみれば随分逞しくなってしまって……。

 

まぁ、こんな事は本人の目の前では言わないが。

言ったらきっと、にっこり笑ってどっさり案件を押し付けて来るに違いない。

 

きっとこの調子でこの(セカイ)を後一年過ごすんだろうなぁ。

…きっと貯めた給料は使わずに。

 

どうにも目的と手段が逆転している気がしないでもないが、あちらの正体を知る友人は余り多くない。

偶の友人の頼みくらい聞いてあげても罰は当たらないだろう。

 

 

重い溜息をついて、あちらは頭を切り替える様に振る。

 

やめだ、やめ。

少なくてもあと半日は休暇なのだ。折角、勝ち取った休暇にこんな事を考えてても仕方ない。

今はこの瞬間を楽しもう。

 

そうしてあちらは立ち上がって、体を解すように大きく伸びをする。

着こんでいた茶色いコートが風に煽られて大きくはためく。

 

360度(・・・・)、見渡す限りに山、山、空。そしてあちらの背後には切り立った崖。

ここは山岳部を走るリニアレールの一車両。

そして貨物列車(・・・・)屋根の上(・・・・)

屋根の上にはトランクとあちらのみ。

 

もちろん貨物列車の屋根の上に他の乗客が居るはずもなく。

 

―――立派な無断乗車だった。

 

 

いや、別に無賃乗車ではない。断じて!

ただ無断で貨物列車に乗っているだけだ!

 

ミッド中央部までの切符は買ってあるから大丈夫。

ただ休暇に行った所が列車の本数が殆ど無い場所で、殆ど貨物列車しか止まらなかった。

そのためあちらは仕方なしに貨物列車に乗ったのだ。

 

余り乗り心地はいいモノでは無かったが、列車の屋根の上で過ごす旅もなかなか乙な物だ。

それに自然と澄んだ空気を存分に堪能できる。

あちらは結構それを楽しんでいた。

 

 

 

―――その時までは

 

 

 

 

メッキ、ベキ

 

 

 

 

「ん?」

 

 

足元から伝わる微かな振動と異音にあちらは不審を抱く。

 

……何かが動いている?

 

―――おかしい。この列車は無人運行列車の筈だ。

車掌や運転手が居ない代わりに、自動列車運転システムが搭載され、中央管制室でコントロールされている。

それ故にこの貨物列車は閉鎖され、窓すらない。

それなのに何かが動いているのはおかしい。

 

最初はネズミかとも考えたが、すぐに否定する。

足元から伝わる振動や、風切音に紛れて聞こえてくる異音は、明らかにそれよりも大きな物体が蠢いている事を示している。

 

明らかに人より大きい(・・・・・・)

 

 

―――厭な予感がする。

それも厄介事に片足を突っ込んだような。

 

それはもう予感というよりも確信に近かった。

 

 

「―――まだ休暇中なのになぁ…。」

 

 

 

 

べごッ!ギャリ!!ギィィィィィィィィィィィィィ――――

 

 

 

目の前の屋根を突き破って突如現れたナニカ(・・・)は、そのままの勢いで天井を引き裂いて行く。

耳障りな金属音を響かせながら、それは天井を切り開き、ナニカ(・・・)はゆっくりその異容を現した。

 

 

 

―――光沢のある、硬い金属で出来た愛嬌のある丸こいボディ。

 

 

―――あちらにフォーカスを合わせるつぶらなカメラ。

 

 

―――うねうね蠢く鋼鉄製の触手は、よく見るととってもチャーミング……

 

 

 

突然の事態にも慌てる事無く、あちらは飽くまで自然体のままそれを見つめる。

 

 

「そうですよねー。

ミッドチルダは世界観的には魔法少女モノですものねー。触手なんかはデフォですよねー。

 

ここから『らめえぇぇ』とか『悔しい!でもッ!…ビクンビクン』とかが始まる訳ですね分かります。」

 

 

冷静に錯乱していた。

 

 

「―――いや落ち着け、あちら。

ここは首都のミッドで管理局のお膝元だぞ。

 

いきなりそんなハードな18歳未満お断り的な展開が有る筈が無い。

第一ここには魔法少女が居ないじゃないか。」

 

 

……そう!あれは無人機型車掌とか!

無人運行のリニアレールを保守するセキュリティシステムとかに違いない。

 

そう頭の悪い結論を出した後、あちらは胸元のポケットから一枚の紙切れを取り出した。

 

 

「あ、ちゃんと切符は買ってありますよ。」

 

 

 

返答は身を焦がす(・・・・・)程に情熱的な熱い砲撃で返って来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼その人は何処にいった?

 

「迷子の上手な休暇の過ごし方」

 

 

 

 

 

 

 

―――古代遺物管理部 機動六課

 

 

 

 

 

和やかな雰囲気の隊舎を鋭い警報音が引き裂く。

目を刺す様な紅いレッドアラート・ランプが非常事態を示していた。

 

 

「一級警戒態勢!?」

 

 

瞬時に意識を切り替えた戦闘部隊の長である高町なのはが、状況を確認するためにロングアーチを呼び出す。

 

 

「グリフィス君!!」

 

 

それを待っていたかのように通信にグリフィスが答える。

 

 

『はい、教会本部からの要請です。』

 

 

丁度その時、外出先の教会本部から、機動六課の部隊長である八神はやてから通信が入った。

それに続いて同じく外出していたフェイト・テスタロッサからも通信が繋がる。

 

 

『状況は?』

 

 

その質問に、恐らくカリム・グラシアから直接要請を受けたであろうはやてが状況を説明する。

 

 

『教会騎士団の調査部で追ってた、レリックらしきものが見つかった。

場所はエイリム山岳丘陵地区。対象は山岳リニアレールで移動中。』

 

『移動中って!?』

 

「まさか!?」

 

 

それにはやては残念そうに答えた。

 

 

『そのまさかや…。内部に侵入したガジェットのせいで車両の制御が奪われてる。

リニアレール車内のガジェットは最低でも30体。大型や飛行型の未確認タイプも出てるかもしれへん。

 

……いきなりハードな初出動や。なのはちゃん、フェイトちゃん、行けるか?』

 

『私はいつでも。』

 

「私も。」

 

 

隊長陣は厳しい顔付ながらも冷静に。

 

 

『スバル、ティアナ、エリオ、キャロ。みんなもオッケーか!』

 

「「「「はい!」」」」

 

 

新人フォワード陣は自らを奮い立たせるように。

それを見たはやては新人達の顔を見つめてにやりと笑う。

 

 

『―――よし、いいお返事や。

 

シフトはA-3、グリフィス君は隊舎での指揮。リインは現場管『はやて。』―――なんやカリム?』

 

 

はやてが矢継ぎ早に指示を与えていると、カリムが通信の横から呼びかける。

その声色は厳しく、余り良くない話の様だ。

 

 

『調査部から送られてきた追加情報よ。

そのリニアレールだけど……生体反応があるわ。しかも争っているみたいね。』

 

『民間人か!?けど確か資料には無人貨物列車てあったけど…。』

 

 

新しくウインドウが一つ立ち上がる。

例のリニアレールをライヴで観測している映像の様だ。

そこには山岳部を走るリニアレールの屋根の上で、一人の男性が巨大なガジェットと対峙している光景が映っていた。

 

 

「なッ!?」

 

『あれはッ―――!?未確認の新型!?』

 

 

その光景になのはは色を無くし、はやては存在が疑われていた新型の出現に息を呑む。

新人達は男性の身の安全を心配し、顔色は真っ青だ。

 

巨大なガジェットはベルト状のアームを振り回し、搭載している火器を惜しみ無く斉射する。

映像に映る男性はそれらを最小限の動きで避けて行き、どうしても避けれない物は手に持っているトランクで受け流す。

その体捌きは見事な物だが、先程から魔法を使っていない。明らかに非魔導師だ。

それなのにガジェットの攻撃は掠りもしない。

 

 

「な、何者なの…?」

 

 

ティアナの呆然とした呟きを聞いたからなのかは知らないが、その疑問にグイフィスが答えた。

 

 

『身体的特徴や輪郭をスキャンしてデータベースで照合しました。

……ウチの身内ですね。管理局員の様です。

 

 

本局無限書庫所属、迷子あちら非常勤職員。魔導師ランク未取得。魔力ランクはE。

ユーノ・スクライア司書長の推薦で無限書庫に入ったみたいですね。

現在、休暇中……どうも休み中に事件に巻き込まれたようですね。』

 

「ユーノ君の?」

 

『偶然にしてはけったいな場所にあるなぁ。

…まぁええわ。後でたっぷり話を聞かせてもらおか。

 

それにこのままやと彼、危ないしな。

 

 

リインは現場管制!

なのはちゃん、フェイトちゃんは現場指揮!』

 

 

『「了解。」』

 

 

『ほんなら・・・機動六課フォワード部隊、出動!』

 

 

 

部隊長の号令と共に部隊は本格的に動き始める。

 

 

これが後に”伝説の部隊”と謳われる、古代遺物管理部機動六課の表舞台に躍り出る第一歩。

 

そして次元世界を揺るがせる歴史的大事件の序章の幕開けでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの湾岸署の人は言った。

”事件は現場で起きているんだ”と。至言である。

それを身をもって知るとなおの事。

 

 

―――あちらは今、結構な窮地に立たされていた。

 

 

明らかな手抜きデザインロボットが、繰り出してくる触手攻撃や火器を紙一重で避け続けながら、あちらは考えていた。

 

このままではまずい、と。

 

確かにこの特殊性癖変態ロボ(仮称)の攻撃は避けられる。

戦術AIは組み込まれているんだろうが、まだ学習が足りないのか攻撃は単調だ。

照準も杜撰。避ける分には問題が無い。

 

 

だがそれだけ(・・・・)だ。

こちらには決め手が無い。

こちらの手持ちは衣類の入ったトランクと命綱用の超張力鋼線一束。それに魔力を込めた宝石が3個。

 

これでは恐らくあの特殊性癖変態ロボ(仮称)の装甲を打ち破る事は出来ないだろう。

おまけに特殊性癖変態(仮称)がこれだけとは限らない。いや、もっといるだろう。

 

なんとかと変態は一匹見かけたら三十匹はいると言うし。

 

様々な不思議道具が詰まったトランクは宿舎の部屋だし、ここで態々『はさみ』なんか使いたくない。

下手にこの特殊性癖変態(仮称)のログにでも残ったりすると厄介だし、万が一戦闘データを製作者に送っているとなったら目も当てられない。

管理局にバレでもしたら、一級ロストロギア扱いされて封印されるのが関の山だ。

 

こんな事ならもっと装備を持って来れば良かったと考えても後の祭り。

 

もうどうしようもない。

 

 

時間は短期で見ればあの性癖変態(仮称)に味方するが、長期で見れば私に味方する。

 

前者は私の体力と集中力が何時まで持つかという問題。

後者は異常を察知した管理局が動いてくれるかも知れないという意味。

 

 

先の見えないゴールまで走り続ける事が出来るのか?

自分の集中力が切れる前に管理局が来てくれる可能性は余り高くない。

自分は連絡をしていないし、そこは列車のセキュリティが優秀である事に期待しよう。

恐らく列車の異常を感知した中央コントロールが地上本部に通報して、そこから陸士隊なり航空隊なりが到着するまでの時間は一体どれくらいだ?

 

 

………。それはとっても楽しい時間になりそうだ。

 

 

ならば方針は決まりだ。

 

とりあえずこの変態(仮称)は潰す。

その後はどこかに隠れている。管理局の到着を待つ。

私は残りの休暇を過ごせて幸せになる。

 

……完璧だ。それで行こう。

 

 

考えが纏まると、あちらは大きく後ろに跳び距離を取る。

するとあちらはガジェットに背を向けて走り出した。目指す先はこの列車の最後尾。

 

獲物に逃げられたガジェットは搭載された火器を撃ちながら、戦術プログラムに従い追撃を開始する。

その様子をあちらは薄ら笑いを浮かべ、走りながら横目に観察する。

 

その顔をもしAIではない人が見れば、こう判断するだろう。

 

 

―――あ、なんか悪い顔している、と。

 

 

車両の最後尾に到着すると、あちらは鋼線の束を取り出して端に輪っかを作る。

意外と足の速いガジェットがそう時間を置かずに最後尾に到着する。

あっという間に鬼ごっこは終わってしまい、あちらとガジェットの距離はもう少ししかない。

あと一歩後ろに下がってしまえば、あちらは線路の上に落ちてしまう。

 

だがあちらは駈け出す。今度はガジェットに向かって。

 

迎撃のために次々と放たれる光線を避け、またはトランクで受けながらガジェットに接近していく。

ガジェットがベルト状のアームを振り回すと同時に、あちらはそのアームに鋼線を投げつけ絡ませる。

あちらは周囲を走りまわり、ケーブルに、ボディに、アームに次々と絡ませていく。

ガジェットがもがけばもがくほど絡まって行く鋼線。

 

しかし、幾ら特殊仕様だと言っても、所詮はワイヤー。

数十秒後には張力に限界が訪れ、鋼線は切れてしまうだろう。あちらの小賢しい小細工もここまで。

ガジェットを破壊するには至らなかった。

 

だが、その数十秒があちらのもっとも欲する物だった。

 

 

―――その本体の装甲を無防備に晒す(・・・・・・)数十秒が。

 

 

接近したあちらはそっと装甲に掌を押し付ける。

 

ガジェットの装甲とあちらの掌の間には、今まで溜め込んだ膨大な魔力の解放を今か今かと待つ宝石が。

 

 

「その装甲……零距離からでも大丈夫ですか?」

 

 

―――二番。収束、解放。

 

 

宝石に溜められた膨大な魔力が、術式に従い解放される。

その威力は凄まじく、巨大なガジェットの体躯を大きく揺らす。だが致命傷には至っていないようだ。

 

…あちらは手抜きデザインと言っていたが、あの丸みは”避弾径始”と言い、攻撃を受けた時のエネルギーを分散させる効果を持つ。

それ故にあちらの魔術は威力をいくらか減衰させられていた。

 

 

あちらはすぐにガジェットから離れた。間髪置かずアームがあちらの頭のあった場所を通り過ぎる。

すでに鋼線は引き千切られ、宝石を使った攻撃も、機体の運動機構に損害を与えたものの決定打には至らなかったようだ。

 

だがあちらに作戦が上手く行かなかった事への悲壮感は欠片も無い。

むしろ笑っていた。

 

上手くいったと(・・・・・・・)

 

 

ガジェットがぎこちない動きであちらに搭載火器の照準を合わせる。

だがあちらはそれを気にも留めず、にやりと笑ってこう言い放った。

 

 

 

「一度言ってみたかったんですよね。

 

 

―――『大地がお前を殴るハンマーだぜ、ベイベー』」

 

 

 

瞬間、最後尾に鎮座していたガジェットの足元(・・)に転がっていた宝石が炸裂する。

その宝石はガジェットでは無く、貨物列車の屋根(・・)を一撃で破壊した。

 

足場を破壊された事により、バランスを大きく崩すガジェットは崖に向かって傾いていく。

体勢を立て直そうにも、先程の攻撃で運動機構(バランサー)が壊れている。

ガジェットの戦術AIはなんとか体勢を立て直そうと奮起するが、一度崩し掛けたバランスは如何ともし難い。

 

それでも丸こいボディがあたふたして知る様は、どこかコミカルで憐れみを誘うが―――

 

 

「おりゃ。」

 

 

がつん。

 

あちらには何の容赦も無く、ガジェットのボディを蹴り飛ばす。

たったそれだけの事でバランスは連鎖的に崩れ、哀れガジェットは皮肉にも丸い機体がころころと崖に向かって転がって行き――――――

 

 

すぽーん、と物理の教科書に載る様な、見事な放物線を描いて落ちて行った。

 

 

貨物列車が走り去って暫らくすると、遥か崖の下の方から低い爆発音が聞こえてきた。

 

その音を聞いて緊張が解ける。

 

 

「・・・疲れた。触手モノは嫌いなんですけどねぇ。」

 

 

たまらずその場に座り込んだ。

なんだこれ。どうして休暇の筈なのになんでこんな事になってんだろ・・・。

更に明日から仕事だと思うと気が滅入る。

 

・・・まだ数ヶ月しか経ってないけど、もう別の(セカイ)に移動しようかなぁ。

 

そんな下らない、取り留めの無い事をぼんやり考えていると、遠くの方からヘリのローターが大気を叩く音が聞こえてくる。

その方向に目を凝らすと、一機のヘリがこちらに向かって飛んできている。

 

地上本部にしては妙に仕事が早いなぁなんて考えていると、遠くの方で桜色と雷色の光りが空を飛んでいるのが分かる。

なにやら空戦をしているらしい。ここまで爆音は聞こえてこないが、儚い花火が着いては消えていく。

 

 

―――桜色と雷色の魔力光に、最新鋭機のヘリを所有する地上部隊

 

 

……そういえばユーノがなんか言ってたような。

なのはがどうとかあーだとか。

 

 

あぁ。厭な予感がする。

それも厄介事に片足を突っ込んだような―――巻き込まれる事が確定したような。

 

 

「―――はァ。とりあえず・・・・・・熱いお茶が飲みたい。」

 

 

あちらは大きな溜息をまた一つついて、こちらへ飛んでくるヘリを見上げた。

 

 

 

未来のストライカーの卵達が飛び出してくるまで

 

 

 

――――――あと少し。

 

 

 

 


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