ええ、皆さん、とてもお久しぶりです。
正直モチベが下がってるって言うのが1番ですが、リアルの方もだんだんと忙しくなっていたり、投稿はしていませんがプライベートで書いている他の小説を優先していたりとしていたおかげで1年以来の投稿です。
ほんと〜〜〜〜〜にゆっくり書いていたおかげで、内容がもしかしたらちぐはぐかもしれません。
誤字報告や内容の指摘等、よろしくお願いします。
side out
フィオナが目を覚ました。
そう聞いた時ソフィはホッとひと息ついていた。何せフィオナを連れて帰ってきたのは紛れもなくソフィだからだ。関所でラントを護るため戦うフィオナが倒れてからソフィが寝付くまでずっと、傍に居たのも彼女だ。そして、なぜ倒れるまでに至ったか…それを目にしたのもまた、彼女だった。
ソフィはただずっとフィオナを気にかけ、アストン達が帰ってきてからする筈だったソフィの記憶探しも中止し、食事が終わればフィオナ、風呂から上がれば髪も乾かさずすぐさまフィオナの下へと向かう程。ヒューバートやシェリア、アスベルもフィオナの部屋に居たが、夜も更け就寝時間になるとそれぞれ部屋に帰って行った。
そんな中、ソフィはずっとフィオナが眠るベッドの窓側の方に座り看病を続けていた。
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眠り続けるフィオナの顔をソフィはじっと見つめている。膝の上に置いた両手にはフィオナに渡そうとしていた琥珀色の宝石が埋め込まれたネックレスが握られていた。
ソフィの視線の先で、フィオナは穏やかに眠っていた。死んでいるようにも、ただ眠っているようにも見えた。
本当にこのまま目が覚めることは無いんじゃないか、とソフィは若干の心配を覚える。
そう不安になって左手を伸ばしフィオナの手を握れば、彼女の体温が伝わる。そうするだけでその心配も安堵へとやや変り、気休め程度にはなっていた。
そうしてまた手を離してやれば、その顔を見て心配になり、また手を握り、そしてまた…と、延々と続ける。
そうして幾度目か手を繋いだ時、ソフィはフィオナが倒れた時のことをはたと思い出していた。
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ソフィがアストン達の後にこっそりと続き、関所を超えた辺りでフィオナの姿を見た。
片手に開いた頁から薄緑の光を発し続ける本を片手に、彼女自身に襲いかかってくる魔物を脚で攻撃し、周りの騎士達のフォローを行っていた。
ソフィは誰からも気ずかれぬよう、アスベル達と共に出てきた裏山への小道の林にこっそりと隠れた。
それからキョロキョロと辺りを見回し、関所から林までの短い道のりで感じたほんの僅かな違和感を探していた。そうして目が留まったのは今しがた出てきた関所─正しくはラント領内だった。
関所から街まですっぽり覆われる程度の範囲で張られた結界を、ソフィは感覚的に風の原素を使ったものだと感知していた。それと同時に、フィオナの持つ本の発光も同じく風の原素が結晶化し輝いているものだ、とも感じていた。
ソフィは自らの記憶を探すために訪れた西ラント道(このみち)からラントの街へ帰る際、フィオナが原素を纏い皆で帰った時の感覚を思い出した。
ほんのり温かみのある、柔らかな風が静かに吹いているような曖昧な感触をラント領内で感じていたからこそ、その正体に気づいたのだ。
(あれ、それじゃあフィオナは今…)
ソフィは視線をフィオナへと変える。同時にその帰り際の会話を思い出した。
──うわぁ、フィオナはホントにスゴイな!オレ達5人で空を飛べるなんて!これならどこまででも飛んでいけるな!
──いや、それは出来ない。簡単に飛んでいるように見えるけど皆に纏わせた原素は私の体内から生成された原素だし、その推進源も私の原素。空気抵抗で肉体が崩壊するのを防ぐために空気中の原素を操作して─
─えーっと…つまり、どういうことだ?
─多分、フィオナは自分の体で原素を作ることが出来るんだと思う。私たちが空を飛べて、進めているのもフィオナが作った原素のお陰、って言うことだと思う。
─それで飛びながら空気中の原素を動かして、ボク達を守ってくれてるってことなんだと思うよ。
─へぇぇ、ヒューバートはわかるとは思ってたけど、お前もそういうのわかるんだな!やるじゃんか!
あの時、アスベルが褒めてくれたことを思い出し少しだけ得意な気持ちになった。
いや、違う。ソフィはそれを思い出そうとしたのではない。
その後の会話を思い出す。
─でもそれって、フィオナの作ってる原素が無くなっちゃったら飛べなくなるってことよね?
─え、オレ達落ちるのか!?
─…原素が切れないように調節しているから堕ちることは無い。ただ、そのせいであまりスピードが出せないのだけどね。
─それじゃあ、飛びながら原素を使うことは出来ないの?
─消費の激しいものは使えない。すぐガス欠になる。けど手品程度なら出来るわね。
「消費の激しいものは使えない」。
フィオナは今、武器を持っていない。結界で膨大な原素を消費している以上、きっと手品程度でも厳しいのだろう。そうなれば武器は己の身一つ。しかも左手は使えないときた。
(…どうしよう、このまま出てったらきっと怒られちゃう。でも、フィオナが…)
うんうんと唸り悩み、どうすべきかを模索する。
フィオナが強いとソフィは理解している。しかし背負っているハンデが決して小さなものではないとも理解している故に、出て行くべきだと判断できた。
(行こう。多分、正しいのはこっち…だと思うから。)
隠れていた樹から身を離し戦場となっている街道へ飛び出そうとして、しかしピタリと足は止まってしまった。
「…っ危ない!」
フィオナがさほど離れてはいないがフォロー出来ない範囲にいた兵士を助けようと、伸ばした右手の指先から火花がパチリと弾けた。
火花は小さくとも決して消えることなく、兵士を襲った魔物へと当たる。ジュウと焼けた音がしたと思えば瞬く間に魔物は火達磨になり地をのたうち回った。
兵士がふうと息をつき安堵し、フィオナに礼を言おうと彼女を見遣れば表情が一変、険しい顔つきになる。
「ッ全員関所へ走れ!早く!!」
彼女の叫び声が木霊する。皆一瞬言葉の意味が理解出来ずに戸惑うも、彼女から発せられている雰囲気を目の当たりにすると言われた通り関所へと走った。
しかしソフィは関所まで戻らず踏み出した足を1歩元に戻しただけだった。そのまま彼女はフィオナの様子を見続けた。
指の先から、火花が散る。それは収まることなくいつまでもチリチリと発生し続けている。
─あの火花は、魔物を燃やすくらいまで大きくなるんだろうか。
ソフィはそう思いながら先程発火した魔物を見遣る。魔物は既に死に絶え、骨も残さないほど強く燃え続けていた。
(このままここにいたら、きっと私も危ない。)
でもフィオナが、とソフィはなかなか足を動かせずにいた。
「ぐっ、ううううぅぅぅぅ…!」
低い唸り声を上げ、指先だけに留まらなくなった火花を必死に抑えようと魔導書を落とさないようにしながら身体を強く抱いている。その急変ぶりに魔物達も危機を悟ったのか、関所からじりじりと後退し距離を取り始めていた。
「フィオナ殿…!」
アストンが駆け寄ろうと一歩踏み出す。が、副隊長と思わしき人物に胴に巻きつかれ動けずにいた。
ソフィはじっとフィオナを見つめる。
火花は止まず、勢いを増すばかり。近づこうにも溢れ出る熱気のせいで難しい。
何も出来ないもどかしさに拳をぐっと握った。あんなにも苦しそうに、危機に晒されているというのに。
ただ、見ているだけなんて。
自分の無力を嘆くソフィは俯いた。
シャラリ、と何かが擦れる音がした。フィオナのネックレスだ。握っていた拳からチェーンが落ちた音だった。
その微かな音に、フィオナは反応する。はっとして音の発生源に目を向ける。
花畑へと続く街路に生い茂る木々の隙間に、見知った姿があった。
何故、何故此処に?
フィオナがまず先に思ったのはこれだった。当然だ、ソフィはアスベルと共に屋敷に居るはずなのだから。
それがどうして、自身のネックレスを握りしめて此処にいるのか、理解ができなかった。
兎も角、今は悠長にそんなことを考えている場合ではない。一刻も早く自らの原素を鎮まらせ、最悪の場合を回避しなくては。
そんなことを考えた、矢先だった。
フィオナはソフィに向かって手を伸ばした。
彼女の死角から鳥型の魔物が襲いかかってきているのが見えたからだった。
標的は自分か、または気づいていないソフィか。
そんな事はどうでもいい。兎に角どうにか(・・・・)しなければ。
伸ばした指先から派手に火花が散った。
刹那、フィオナを中心に爆発が起こる。
「フィオナ殿ぉぉぉぉぉ!!!!」
「っフィオナ!」
アストンとソフィの声が重なる。
爆発によって生じた衝撃と暴風により、互いの叫びは互いに届きはしなかった。
爆発の中心が、フィオナだった。
然しラントを包む風の結界は消えてはいない。
その事実は彼女が生きているということに、アストンもソフィも瞬時に悟る。
それ故に救い出さねばならない。両者ともに動き出すがアストンは変わらず側近に阻まれ、ソフィも小柄なせいかなかなか前に進めない。
(どうしよう…どうしよう!フィオナが、フィオナが…!)
ソフィ自身もわからない気持ちが湧いてくる。この胸の焦りは、一体なんだろう。でも、フィオナがこのままでいるのはすごく嫌だ。
そんな思いを抱きながらソフィはのろのろと歩を進めた。
自分の手には届かない。
いくら頑張っても辿り着けない。
ソフィの焦燥感は高まるばかり。
(誰か…誰か!)
「フィオナを…助けて…!」
俯き、悔しげに呟いたその瞬間だった。
─────リィ_____ン___─────
鈴の音が、聞こえた気がした。
ハッとしたソフィは顔を上げる。
パシャリ、と横から音がした。
音は水の音だった。花畑への道の途中にある、アスベル曰く「すごく元気の出る湧き水」だ。
水が独りでに龍のようにうねり、そしてフィオナのいる場所へと覆い被さった(・・・・・・)。
「…え……」
信じられないものを見たソフィは目を見開く。
覆い被さる水は形を変え、軈て人の形へと変わっていった。
それは形だけではなく、服装も、髪型も、顔までもが認識できるほどに精巧にだ。
水の女性は形作られていくと同時にフィオナに膝枕をするような体勢をとり、左手で頭を撫で、右手で身体をそっと撫でていく。
するとみるみる内にフィオナから溢れ出ていた炎は鎮まり、彼女自身が負った傷や火傷までもが消えていく。
水の女性はフィオナの身体の傷が癒えたことを確認すると穏やかな顔で瞼を閉じ、そのままフィオナを撫で続ける。
まるで、大切なものを慈しむように。再び開かれた瞼は、慈愛がこもっているように見えた。
この光景はソフィだけではなくアストン達関所近くに退避していた兵達にも見えている様で、その神秘的な光景に目を奪われていた。
軈て彼女は満足したのか、けれども惜しむように最後にギュッと抱き締めてからフィオナを地へと降ろした。
立ち上がる動作をするが、その前にソフィを目にし、そっと右手の人差し指を自身の唇の前で立てた。
(あれは…秘密、ってこと?)
ソフィはひとつ、こくんと頷いた。
女性はそれに満足したのか完全に立ち上がり、静かに上を向いた。すると彼女を構成していた水が再び龍のようにうねりながら空へと飛んでいく。行先は湧き水のあった方だ。そこへきっと還るのだろう。
ソフィ達は茫然としながらもそれを静かに見送る。気付けば、魔物たちは消えていた。フィオナの爆発に巻き込まれた辺りも、まるでそんなものがなかったかのように再生していた。
夢でも見ていたのだろうか。
そんな錯覚を起こすほど穏やかなのだ。
然しそれは夢では決してない。
戦闘の後の魔物の死骸や、折れた剣、フィオナが倒れている事こそそれを物語っていた。
「っ…フィオナ殿!」
誰よりも早く行動を起こしたのはアストンだった。彼はフィオナへと駆け寄り、その状態を確認する。
意識は無い。しかし、外傷は先程の女性が癒していたおかげでかすり傷一つとして見当たらなかった。
それからというもの、アストン達ラント兵は素早く撤収作業を開始した。戦闘中に破損した武器を回収、怪我人の確認、西ラント道の被害状況や魔物の行方を追う指示もその場で出していた。
その最中にソフィはアストンに見事に見つかり、その場で説教を食らった。時間がないこともありすぐ切り上げられたが、帰ってからアスベル共々叱られることとなったそうな。
その後フィオナは荷馬車へと乗せられ、敷かれた毛布の上に横たえられた。ソフィも心配からずっと離れようとせずフィオナの手を握ってラントの屋敷へと帰っていった。
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不思議な女の人だとソフィは思った。
あの湧き水で出来た女性はどこかで見た気がしたからだ。
(あの人、私は初めて見たはずなのに。なんだろう、どこかで会っている気がする。)
間違いなく会ったことが無いのに見覚えがあるように感じてしまう。
然しそんな筈は無いと一瞬で考えを消し去り、離していたフィオナの手を再び握る。
その時シャラリとペンダントのチェーンがソフィの手から少し滑り、揺れる。
揺れるペンダントの琥珀の飾りがやや少しずれる。
そこから僅かに見えたのは小さな肖像画のようなものだった。
作者は書き溜めというのがどうも苦手なものでして、次話の用意なんて真っ白な紙状態です。
一応原作の方をもう一度見直して、それから手をつける感じになります。
テイルズオブグレイセス自体、ご都合主義なるものが結構存在しているので書きやすいっちゃあ書きやすいのですが、どうも主人公がチートくさい力持ってるおかげで幼少期は特にやりにくいです。
あとこれからの展開ですが、次話からサクサク進めていきたいと思います。
文字数も最初に比べて半分程の5,000字くらいで進めていきます。
読み返してみるとこれがまあ疲れること笑
訂正も入れにくいので少なくすることにしました笑
不定期投稿なので次がいつになるかはわかりませんが、次話をお待ちください。