とか思ってる方、少なからずいるでしょう。ほら、そこのあなた!今思ってるでしょ!
とかいうプチ茶番は放り投げ、スライディング土下座の如く素早いフットワークを駆使して土下座をして謝罪したいと思います←何を言っているんだ貴様は
更新遅れて申し訳ありません!
内容を慎重に考えすぎました!ゲーム本編を進めた方わかると思いますが、西ラント道の小屋への道、超短いですよね。
小説書く以上あんな距離では短すぎてリチャード止めるための旅なんて一週間あれば足りますよね。
それじゃ物語の構成とかムズすぎるので伸ばしました。(距離を)
そうですね、距離で言えば…子どもの足で最短のルートを通ってそして地味に風の原素使ってスピード上げておよそ二時間程度、小屋から西ラント港への道は同条件で四時間程度…そう考えています。
更に本編では登場しないはずの街などをガンガンだ出していこうかなとか思ってます。
それでは幼年期4話、お楽しみください!
ストラタの旅人ならこの少女の事がわかると思った私たちは早速西ラント道へ来ていた。
「私、西ラント道って初めてなの。」
「どうして?」
「ほら、此処には北ラント道よりも少し強い
恐らく危険だと教えたのはフレデリックだろう。彼はシェリアは唯一の家族だと言っていた。
「僕は兄さんと船を見に何度か来たよ。」
「二人だけで?此処の
「でも、どうしても船を見たくて。」
「船?」
シェリアが確認するように言葉を繰り返す。
危険を犯してまでそんなに船が見たいのか?変わっているのね。
「うん。道をずっと行くと西ラント港ってところがあるんだ。そこには外国の船が停泊してるんだよ。」
「ふーん。船が好きだなんて、やっぱりヒューバートも男の子なんだ。」
「むっ…どういう意味?」
船、か。
乗り飽きるくらい乗ったな。初めて乗ったときは楽しかったけど、時間が経つにつれて段々退屈になってくる。修行は水の
「さて、旅人探しに行くか。シェリアは危なくなったらフィオナを頼るんだぞ。」
「どうして?アスベルは?」
「俺は…俺なんかよりフィオナの方が強いだろ?だからそっちの方が安全だと思うし。」
私を頼れと言われてもあまり自信はないのだが…まあ、出来る限りの最善は尽くそう。
そういえば何故アスベルは危ないところに行くのが好きなんだ?探険や冒険だって危険なものであるのは彼自身だって知ってるはずなのに。
「ねえアスベル。なんで危ないところが好きなの?」
「危ないところって…ああ、探険とかの事か?」
こくりと私は頷いた。
するとアスベルは歩きながら空を見上げて、自分の夢を語りだす。
「俺は騎士になりたいんだ。王様に仕える騎士。騎士になるためには強くなきゃいけないんだ。だから強い敵がいるところで強くなるんだ。」
「騎士って、そんなに凄いの?」
「ああすごいさ!」
でも騎士になりたいと思うのなら、力が足りない。きっと学校とかもあるんだろうけど…苦労しそう。
…仕方ない。少しばかりの手解き、してあげようかな。
「アスベル。あの小さい
「な、なんだよいきなり…」
「怖いの?」
「怖いわけないだろ!」
むっとして鞘付きの剣を強く握る。
何か悪いことを言ったわけでもないし、それでも気を悪くさせたら申し訳ない。
とか思って見ているとアスベルは一人で鶏型の
縦殴りから横殴りへの連撃。斜めに殴ったりして相手に隙を与えない。
(アストンさんとあまり変わらない剣筋…良い剣使いになりそう。けど技も粗削りだし隙も多い。隙突かれたらすぐにやられる…)
もう最後の一体かと思ったとき、突然体の大きな熊のような
獰猛な性格で、攻撃的。小さな子供なら確実に命を落とすし、大人でも死人は出るクラスだ。
「兄さん!危ない!」
「大丈夫だって!こんなやつ、俺一人でも…!」
先程の
私は彼を見送った。若しものために乾坤剣を手に持って。
彼と
「っあ!」
がら空きの胴体に
腹部を押さえて痛みに耐えるアスベル。
「くそっ…!」
「兄さん!」
「アスベル!」
居ても立ってもいられなくなったシェリアとヒューバートが走り出す。
もう、良いかな。
「お疲れ様アスベル。あなたの実力はよくわかったわ。」
そう言って私は乾坤剣を一つだけ飛ばす。これは
走る二人の間を乾坤剣が通り抜ける。そしてアスベルの頭上を通過し、そのまま…
ザンッ…
赤い血溜まりが点々と目立つ。少々やり過ぎてしまっただろうか。
青い
「…大丈夫?」
「っ何であんな倒し方したんだよ!!」
アスベルに差し伸べた手を、彼は払った。
シェリアやヒューバートを見ると…いや、私が目線を彼等に変えた途端に怯えていた。
「何故って…あなたが危なかったから。」
「けど違うだろ!?あんなの酷すぎるだけだ…」
「じゃああなたは、殺されてもよかったの?」
彼は言葉を聞いて固まった。目を伏せて、何かを悔やむように。
騎士になればいつか国王を守るためにたくさんの敵と戦う。血を流すことだって当たり前になる。
「アスベル。あのね、フィオナはアスベルを助けたかったんだよ。」
「…でも…」
アスベルは少女の目を、少女はアスベルの目をじっと見つめる。そしてアスベルは諦めたかのように深い溜め息をついた。
「…わかったよ…」
そう言って彼は立ち上がった。土埃をほろい、少し遠くに落ちた剣を拾い上げる。そして私のところまで歩いてくると、そのまま強いデコピン一発を食らわせられた。
「…痛い…」
「今の
「斬られたら…痛い?」
何でわかるの?アスベルは斬られたことあるの?
そんな気持ちを抑え込んだ。よくわからない。
でも、なんだかモヤモヤして気持ち悪い。よくわからない。
けどなんだろう…少しだけ、安心するような…
「…わかった。違うのにする。」
この気持ちは何だろう?
気持ち悪、い…?
「フィオナ?どうした?」
胸の奥から吐き気が込み上げる。何だろう、異物を飲み込んで体が拒否反応を起こしたようなこの感じ。
頭、グルグル思考が回る。焼けるように熱い胸。
「なんでも…ない。」
不思議そうに私を見たあと、皆は先へ進んでいった。
ひとつ深呼吸をした。ピタリと思考を止める。
今までの私にリセットする。
(今のは…何だったんだろう)
まだ少し熱くなった胸を押さえながら、私はアスベルたちの後を追った。
もう間もなく西の小屋につく頃、少女は立ち止まった。
視線は脇道の草原の奥。隙間に少しキラキラしたものが見えた。
「キラキラが落ちてる。」
「ん?ああ。たまにだけど結構良いアイテムが落ちてたりするんだよな。」
アスベルは少女の視線の先のキラキラを拾い上げた。ヒューバートが彼の手を覗きこむ。私も続いて覗いてみると、手には100ガルドがあった。
「どうして落ちてるの?」
「どうしてって……なんでだ?」
「皆よく物を落とすんだよきっと。僕たちはそうならないように注意しないとね。特に、兄さんはしっかりね。しょっちゅうなくし物をしては僕のせいにするんだから。」
「だって……それは……ヒューバートが…」
口を尖らせていじけるアスベル。そんな彼を見て微笑むヒューバート。
落とし物か…そういえば旅してると落とし物は目立ったな。私は一日終わる
…あれ、シェリア?
「……?」
辺りを見回すと、彼女の姿はなかった。先行してるワケでも無さそうだし、となると置いてきた……?
気付けば走り出していた。たかが数メートルかもしれない。けれど
「シェリアっ…」
「あ、フィオナ…」
シェリアは道の真ん中でへたりこんでいた。
辺りには
ほっと、私は胸を撫で下ろした。
「ちょっと疲れちゃってね…少ししたら行くから、フィオナは行ってても良いのよ?」
「…待つ。」
彼女の隣に腰を下ろす。…今日の私はなんだか変だ。こんな風に誰かの隣に座るなんてこと無かったし、アスベルにデコピンされてあんな気持ち悪いの起きたことなかったし…
「…なんだろ…」
そう呟いてまた、抑え込んだ。
そうしてシェリアの回復を待っていると、私たちがいないのに気づいたのか、アスベルたちが来た道を戻ってきた。
「ごめんシェリア!気付かなかった!」
「何で気づかなかったのよ!ひどいじゃない…」
さあと心地よい風が優しく吹いた。この国の
王都か…今度、行ってみようかな。
少し時間をかけて漸く西の小屋に着いた頃には陽が沈み掛けていた。大体四時少し前に出たから…多分今は六時少し前かな?
「ねえ、あの人がバリーさんが言ってた人じゃない?」
シェリアの指す方向を見ると確かにストラタから来たらしい旅人がいた。足元には黄色い鳥のような
話を聞くために近寄っていくと、逆にあちらから話しかけてきた。聞けば珍獣…もとい
アスベルは首を横に振って、見るのを否定した。
「この子を知らないかな?」
ストラタの旅人は顎に手を当てよく観察するが、
ということはストラタから来たんじゃないのね。となるとフェンデルからか?
「…全然知らないわね。何か訳ありかしら?」
「この子、自分の事思い出せないんです。」
「それは困ったわねぇ…」
再び考え込む旅人。宛でもあるんだろうか。ただこれ以上西に行くとストラタ行きの港へ着いてしまう…流石に私がついていても外国に行くのは危険だ。
ならばどうする…?
「世にも珍しい芸を見たら思い出すかもよ~」
…そうきたか。
これにはアスベルも悩んでるし。見ないって言ったばかりなんだけどね。
「…じゃあ頼む。」
渋々頼んだアスベルの返事と共に、旅人は
「…よく芸と言えるものね。微動だにしないじゃない。」
「フィオナ!言い過ぎだよ!確かに、全然動かなかったけど…」
最後の言葉を濁したって無駄だよシェリア。バッチリ聞こえてるし、旅人この世の終わりのような顔して落ち込んでるから。
「アスベルなら、出来るかもね?」
無茶を承知でちらりと彼を見た。すると思いの外ヤル気満々でやる前から自慢気になっていた。
その隣の少女はじっと
まさか、
「フィオナが言うならきっと出来るだろ!それじゃ…アブラカタブラ…回れっ!」
アスベルがワクワクしながら
…筈なのだが何故少女がその命令を飲んで、私たちの前で空中前転しているのだろうか。
「…何でこうなったんだか…」
小声で呟く。誰も私の言葉を聞いていなく、ただ少女の超人のような芸に興奮していた。
私も屋根上ったりバク宙したりするけど…修行を積めばこの子みたいに高く飛べるかな?
「素晴らしい!実に素晴らしい!」
拍手喝采の中、旅人が感慨の声を上げる。
素晴らしい、か。最も聞き飽きて嫌いなコトバ。
私を縛るコトバ…。
けれど今はこれを知る人もいないし、里にいるわけでもない。外にいるときくらい忘れるようにしてるんだから、別に深く考える必要もない、か。
「いやぁ、いいものを見せてくれてありがとう!その動きからすると恐らくあなた、とても優秀なサーカス団員なんじゃない?もしくは…秘密組織に訓練された美少女傭兵だったり!いずれにせよ、ロマンが溢れているわねぇ」
サーカス団員に、傭兵、か。
動きならどちらでもあり得る。傭兵というなら、恐らく強いのだろうけど。
そんな考えに耽っている私の背後にシェリアが迫っているなど、私が理解するには残り3秒後の事。
「旅人さん、もっといいもの見てみる?」
シェリアが悪戯半分に私をずいと差し出すかのように旅人の前に立たせた。
私に芸なんかないのだけれど…
「ふむふむ…この子も何かできるの?」
「うん!それはもうとびっきりすごいこと!」
いや、ちょっと待てシェリア。
まさか
「そうだよフィオナ。あのときは川だったけど、今度は海!だからもっとおっきいのが見れるかと思って。」
「でもまだ修行中…」
そして私ははっと気付いた。
此処は海辺。ということは勿論海がある。
それに砂浜があるではないか。何故今まで気づかなかったのか。近くにあるものほど盲目になるもの…。
丁度良い。ストラタでしかできない砂の
「…良いよ。考えてみたら私にも都合がよかった。」
それじゃあ、海辺へ。
私を先頭に少し歩いた先にある海辺へと歩き出した。
「で、フィオナはどうするんだ?」
砂浜の砂の性質を確かめる私に、アスベルが尋ねた。
どうせ「
「まぁ…凄いと思えるもの?」
彼らの反応はわからないから言葉を濁す。
しかしそんなことも露知らず、アスベルたちは更に期待度を増していく。
「さっきから砂ばかりを弄っているけど…何をしているの?」
傍らにしゃがんでいる旅人が次に尋ねた。
旅人も大人だしきっとわかるとは思うけど…それでも、科学者じゃないから興味はないと思う。
「準備です。…よし、それじゃあ始めます。」
少し彼らに離れてもらって、私は彼らに背を向ける。
使うのは風と砂と水の
両腕を広げて半回転。体の回転の勢いと共に風の
左手をくいと上にあげ、伝記等に出てくる神殿の柱のような物を砂で造り上げる。それを一定間隔でいくつか作り上げた。
そして風と水の
海水の塊を右手を上げたと同時に空へ細長い
空から戻ってきたのは海水で出来た「龍」。先程作り上げた柱の中央に君臨するかのように浮遊する。
私は水で板のような物をいくつも作り、螺旋状に龍の周りに置いていく。そして足の裏に微量の風の
龍の頭上を軽く越えた辺り…地上から10メートル程の地点で円盤状の小さなステージを造る。そのステージには軽い細工が仕掛けてあった。ステージの中に、砂で出来た龍が画かれているのだ。これは地上から見ても見えるほど、鮮明に。
ステージに上がった私は両手を体の横に軽く伸ばし、右手に水の
(こんなに
両の掌には大きな南瓜を越したくらいの大きさにまで大きくなった
もう少し…いける!
この大きさ以上は修行の域に達する。見世物でもなんでもない。複数の
そして限界を告げる、身体中に痛みが走った。
諦めたくない。けど…これ以上続ければ体が裂けてしまう。
この先の事を案じて、
パァン...
風球と衝突した水球は激しい音を発てながら、私が操作する風の
私はそれがやまないうちにと、ステージを強く蹴って高く飛ぶ。
右斜めに四度捻り、体を地面と垂直になるよう戻した後にグルグルと縦に回転しながら地面に接近する。
見事着地したときはぴったり彼らの方に向いていた。海水のカーテンはまだ止むことなく降り注いでいる。
立ち上がって体勢を戻し、右手の指をパチンと鳴らす。すると水の龍は四方八方に細かな水滴となり弾け、柱は突如崩れだしたかのようにきれいに崩れる。
螺旋階段状の水の板はカーテンの一部と化し、ステージは水だけなくなり模様として入った砂の龍は形を保ったまま私のもとへ降下する。
降下してきた龍は私の周りをぐるっと回り、その後にアスベルたち一人一人の間を駆け抜け上空をまた昇っていく。私が飛び降りた地点に達したところで、龍は綺麗に弾け水のカーテンに馴染みながら私たちに降り注ぐ。
「…どう、かな?」
こんなもので本当によかったのか、不安になって皆に尋ねた。
やっぱり途中から修行みたいになってたし、と言うより何故私はこんな心配をしているの?
「凄かった。キラキラしてて、綺麗だった。」
少女は目を和ませて嬉しそうに笑っていた。そういえば、この子笑ったの初めて見た―
遅れて拍手が起こる。どうやら港への道やラントへの道の通行人等も高く出来た龍や私を見つけていつの間にやら観客も増えていた。
「…アスベル?」
「これ…親父に見せたことあるのか…?」
「修行の一環は少しだけあるけど…こんなに大きなのはない。」
アスベルだけでなく、ストラタの旅人もその
「ブラボー!あなたも素晴らしいわ!あなたならそうねぇ~古より伝わる謎の武力集団「シノビ」みたいね!伝説だからほんとにいたのかわからないけど、俊敏な動きで敵を惑わしたって聞いたわ。高いとこから飛んだり…そんな感じしない?」
ピクリとだけ体が反応してしまった。
シノビ…「忍」は私の家系で間違えてはいない。私の故郷の里では極々一部だがその存在は認識されている。ただ誰がそうなのか、それを知ることはできない。金を積んで情報屋に依頼しても、自ら調べても。伝説の存在であるには代わりないけど…まさか外の世界に漏れているとは。
「うーん私たちも負けてられないわ!行くわよプクプク!」
旅人の声に合わせて
私たちはそれを見送り、ラント方面へと歩き出した。
辺りを見るともう陽は沈んでいた。
これは早く帰らなければ。
「…もうおしまい?」
少女が私を覗きこんで尋ねる。
おしまいと言われればおしまいだけど、早く帰らないといけないから…
あまり使いたくはないけど、風の
懐から取り出した紙にメッセージを短く書き、それを丸めてからピィーと遠くまで聞こえるような指笛を吹く。
少し間を開けてからバサバサっと鳥の羽音が響き、私の周りを旋回する。素早く手甲を取り付けた私は私の周りを旋回する鳥…梟を停まらせた。
「この鳥…フクロウだね。ぼく見るの初めてだよ。ラント領域じゃいないからさ。」
「里を出るときに連れてきたの。古くから私の家で梟は伝書鳩のような役割をしてくれたりするから。私の家…私に与えられた梟だから。修行で家を空けるとこの子の世話は誰もしてくれないから。」
梟の足に紙を巻き付け、そっとその頭を撫でる。気持ち良さそうにする梟は目を細めた。
撫でるのをやめ、梟に耳打ちをし、そして勢いよくラントの方向へ飛ばした。
「これで遅れたことは心配ない。さ、みんな帰ろう。」
「帰るって言っても…もう暗いし、私たち子どもだけじゃ危ないよ?」
「歩いて帰るとして、夜道は安全だけど時間がかかるし…」
「走って帰るわけにもいかないしな。」
「今日は特別に
そう言ってアスベルに近づき、少女と手を繋がせる。
「なっ何するんだよ!」
「こうしないと力の漏洩が激しいの。個人でやるより、誰か運動能力が高い人が一緒にやる方がいい。」
二人が繋いだ手の上に自分の手を重ね、風の
ふわり、と二人の体を浮かせ、少女の空いた手を掴む。
「いい?貴女は絶対にアスベルの手を離してはいけない。そして、寄り道をしない。私の指示に従うこと。いいね?」
「わかった。離さない。」
頷いたのを確認して二人の下から離れ、シェリアとヒューバートの手を握る。
彼らにしたように手に
体の感覚をしっかりと探る。周りの
「二人にも言ったけど、絶対に手を離しちゃダメよ。じゃないと、どうなっても知らないから。」
実際、どうなるか判っているようで判っていないけど。
注意を聞いた二人は緊張しながら頷く。
さて、時間もないことだし早くしよう。
「ええと…貴女、足の裏に少し力を入れてみて。」
少女にそう言うと、彼女は言われた通り力を入れた。するとややゆっくり上昇していった。
私も彼らの手を強く握り直し、アスベルたちの後を追う。大体同じ高さまで到達すると体を傾け、変わらず足に力を入れてと教えると少女はまた頷いて言われた通りにした。
少しゆっくりだけどラントの方へ進んでいく。中々飲み込みが早くて助かる。
「さ、二人とも。少しスピードをつけて帰るから、落ちないようにね?」
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西の門の前で飛ぶのをやめ、歩いてラントへ入る。門番に多少の注意はされてはいたけど、私は顔見知りだということもあって私だけお咎めはなかった。これも3年前に遭ったことなんだけれどね。
「それにしても、サーカス団員に美少女傭兵か。でも傭兵はありそうだな。実際強いし。」
街中を歩いていると、ポツリとアスベルが呟いた。が、呟きと言うには大きすぎたようでみんなに聞こえていた。
「確かに強いよね。裏山から僕たちが帰るとき、たくさん助けられたし。」
ヒューバートもうんうんと頷く。助けられたと言う辺り、ヒューバートも剣は習っているのだろう。
アストンさんの息子である二人は剣術に自信を持ってもいい。あの時は流されて言えなかったけど…思っていたよりやるようだ。
あの時と言えば、あの鈍い痛みが未だに判らない。吐きそうで、痛くて苦しくて。また「何故?」と考えるだけで思考が止まらなくグルグルと回る。一体何なんだろうか。
それに、私は何故シェリアがいなかった事に気付いた?…あれ、どうして?
どうにしろ、これは私には解せない。私にないもので体が拒否しているのか、或いはないものだから
明日きっと二人と話す機会がある筈だから、悩みとも言える此れを聞いてもらおう。きっと、良い答えが聞ける。
「…フィオナ?どうしたの?」
「何でもないよ。それより、シェリアを家まで送っていかないと。もう暗いし、一人じゃ危ないでしょうから。」
シェリアの手を引いて昼間教えてもらった所へ歩き出そうとする。
と。
「おや皆さん、ご無事で何よりです。」
後ろから老執事…フレデリックの声が聞こえた。恐らく、手紙を寄越していたけれど心配になって待っていてくれたのだろう。
私とシェリアの繋がれた手を見て、フレデリックは驚くと共に微笑んだ。
「シェリアを家まで送っていきます。フレデリックはアスベルたちを連れて領主邸で私が帰るのを待っていてくれますか?」
「ん?送っていくなら俺たちも行くよ。どうせ、帰ったところで親父の説教が待ってるんだ。少しでも時間を稼ぎたいし。」
「…フレデリック、今のは胸の内に納めてやってください。」
「かしこまりました。ヒューバート様は如何いたしましょうか?」
「僕も付いていくよ。一人で帰ったら父さんに一人で怒られそうだしね。」
少女もコクリと頷いてアスベルのそばへと寄った。
それじゃあ、と言って私たちは再び歩き出す。フレデリックが頭を下げて見送っているのが見えた。
「フィオナって、よくわからないよね。」
フレデリックと別れてからそう経たない内に、唐突にヒューバートがポツリと言った。
よくわからないか…私もよくわかっていない。自分の事なのに、よくわからないと言うのは滑稽ね。
「ヒューバート?誤解しちゃうことは言わない方が…ゴホッゴホッ!」
「っ!シェリア…」
立ち止まって繋いでいた手に更に空いていた左手を重ねる。小さな光がシェリアの手から全身へ広がっていく。
けれどその光はそう長くは続かなかった。
「…シェリア、どこか悪いの?」
少女はしゃがんで、咳き込みすぎて立っていられなくなったシェリアの顔を覗きこんだ。
「うん…時々胸が痛くなって、咳が止まらなくなるの…ゲホッゲホッ…」
胸を強く押さえ、痛みに耐えながらも少女の問いに答えた。
少女は左手をシェリアの前で翳し、私と同じ…「治癒術」を使った。本当にシェリアの咳は止まり、何より…術を使用したときのあの光が、目の前で輝いているのだから。
(嘘、でしょ…?私の他に、使える人がいたなんて…)
が、治癒術は別。天性のものだと言える。私だって物心ついたときにはもう使えていた。修行で傷付いた体をよく癒していた。
「あ…ちょっとだけ楽になったかも…フィオナと、同じ力?」
「多分同じだと思う。…でも、判らない。シェリアの苦しいのがなくなれば良いと思っただけ。」
少女は淡々と言った。
それは私だけではなく、アスベルとヒューバートさえも驚かせていた。
治療術師、か。いやきっとオールマイティーなんだ。戦闘では前線から支援、幅広く活躍できる。
私の理想の姿。
心底こう思った。『この子みたいになりたい』と。
他人に対してこういった思いを抱くのは初めてだ。戸惑いと、ほんの少しの羨望というものだろうか。
「あ、ありがとう…。」
「それじゃあシェリア、帰ったらちゃんと寝てるんだよ?」
「そうそう。そうしないとシェリアと遊べなくなるかもしれないし、悪くなったら俺が怒鳴られるし。」
ふざけながらもちゃんとした優しさが垣間見えた。さて、これに皆は気付けるのだろうか。というより、本人も自覚していないが。
「家まであと少し。早く送っていこう。」
彼女の手を強く握ったまま、私は再び歩き出す。
シェリアを早く寝かせ、そしてアスベルたちを家に帰さねば。アストンさんもケリーさんも心配してる筈。私がいるとはいえ、まだ子どもだ。大人からすれば夜道は危険だと思うだろう。
早く、安心させなければ。
安定の後書き、いきましょうか!←
とは言っても眠たすぎて何を書けば良いのか判らないという悲惨な状況です。
誤字・脱字、まだないとは思いますが(一生来ないと思われるが)リクエスト、質問などがあれば構わずお願いします。
次回はラント領主邸~リチャードがラントを訪れる前までいこうかなとは思います。少女の名前が決まって、リチャードが来ることを言われる(合ってるよね?)あれとそれに加えてリチャードがラントに到着するまでの数日を書こうと思います。(前半本編沿い、後半オリジナルてことです)
それではまだまだ始まったばかりのテイルズ・オブ・グレイセスfオリジナル小説「運命は偶然か、必然か」をよろしくお願いします!