真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート) 作:ヘルム
いやーなんか、感慨深いです。
とりあえず、受けが良かったらいいなと思っています。
では、どうぞ!
これは、直江大和がもしも禁断の力を手にしまったら、というありえたはずのもう一つの未来の物語。
真剣で私に恋しなさい ACC
遠いどこかで何かが起き上がるような音がした。それは、同じ人間のように感じられるが、彼らを間近で見たものは、口を揃えてこう言うだろう。
『こいつらは何かが違う』と、そうして起き上がった三人は口を揃えてこう言った。
待っててね母さん
2009年11月4日
川神 変態大橋付近
「川神百代!自分は最強の名を求めて来た!覚悟!!ケエエン!」
となんかやたら拳法を学んでそうな男が現れ、鳥のような声を出しながら1人の少女に向かって行った。
ガクト「おー、おー、やってるやってる」
京「今回の挑戦者はいかにも雑魚っぽい登場の仕方だね。しょーもない…」
とガクトと京はそれぞれ言い合っている。
キャップ「いや、案外ああいうヤツが意外にも強かったりするんじゃねーか?」
モロ「それはさすがに自由すぎる考えだよ。キャップ…現にホラ負けちゃってるし」
ワン子「さすがお姉さまだわ!」
クリス「うわー、随分な吹っ飛びようだなー」
まゆっち、松風「あ、首から落ちました。大丈夫でしょうか?」『相手そこそこ武術学んでたようだしきっと大丈夫じゃね』
とキャップこと風間翔一につづきモロ、ワン子、クリス、まゆっちは口々に言い合った。
モロ「あ、モモ先輩こっちに気づいた!近づいてくるよ!多分、大和いじるために…って大和?」
とモロに声をかけられた直江大和はというと
大和「…………」
完璧に上の空だった。そこへ、
百代「美少女だぞ〜!お姉ちゃんだぞ〜!」
大和「うお!」
川神百代はのしかかってきた。
大和「ね、ねえさん!いきなりなんだよ!?」
百代「決まっているだろう。今回の相手もつまんなかったからな。その分弟で弄って解消しようというわけだ。」
大和「またかよ!」
姉の理不尽なストレス解消道具にさせられてしまっている大和は、思いっきり叫んだ。
百代「で、何を考えていたんだ?」
大和「ん?何が?」
百代「とぼけるな!この美少女の存在に気付かなかった程考え込んでいたんだ。さぞや、大層な考え事をしてたんだろーなー?」
大和「イタタタ、別に何も考えてないよ!」
百代「ほんとーかー」
大和「ああ…ほんとーだよ。」
百代「…ならば、よし!」
と言って百代は大和を離してあげた。
キャップ「そんじゃ、今日も頑張って学校に行こうぜ!みんな!!」
一同『おおー』
今日も風間ファミリーは仲良く号令して一緒に学校に行った。
ただ一人直江大和を除いて…
川神学園
ユキ「やーまとー、ウェイウェーイ」
冬馬「大和くん今度デートしませんか?」
準「いやー、やっぱ、小学生最高だぜ。」
上から順にユキ、冬馬、準が話しかけて来た。
大和「…ほんと、ぶれないね。お前ら…」
ユキ「?やまと、何かあったの?」
大和「いや?別に何もないが?」
準「そうなのか?なんかお前…」
大和「ほんと、何もないって気にすんな!」
と言って大和は教室に向かって行った。
冬馬「…どうしたんですか?彼は?」
と風間に向かって冬馬は問い掛けた。
キャップ「やっぱ、お前らも気づいたか。なんか元気ないんだよ。今日あいつ」
準「モモ先輩がいじりすぎたんじゃね?」
百代「ほう、いい度胸だな?ハゲ!ちょっとこっちこい」
準「いや、もちろん冗談ですって。勘弁してくだ…ギヤー」
冬馬「冗談はこれくらいにして、心当たりは?」
キャップ「ねーよ。朝飯食べるまでは普通だったんだ、あいつ。登校途中からだよ。ああなったのは」
冬馬「そうですか……相手は大和くんですしそうそう口を簡単には開けてくれなさそうですね。」
ガクト「そうなんだよ。あいつ変に抱え込むとこあるからな…どうにかしてあげたいけど」
うーんと考え込む葵ファミリーと大和除く風間ファミリーとそこで、キャップが
キャップ「ま、うだうだ考えても仕方ねーって、とりあえず今日大和をどこかに連れ出してみようぜ!」
ガクト「どこかってどこだよ?」
ガクトを筆頭にみんながキャップの方を向いた。
キャップ「それはな…」
大和「カラオケ?」
大和は問い返した。
キャップ「そう、今日みんなでカラオケ行くことになったから」
大和「そりゃ、また急だな。この前までそんなこと言ってなかったろ?」
キャップ「ああ、なんせさっき決まったことだからな!」
大和「ほんとに急だな!!」
思わず大声で突っ込んでしまった。
キャップ「で?大和は行く?行かない?どっちなんだ?」
大和「どっちって、葵ファミリーも含めてみんなでいくんだろ?行かないわけないじゃん?」
キャップ「よっしゃ、そんじゃ放課後に集合な!」
イエーイ、と誘われた本人よりも喜んでいる親友の姿をみて、大和は苦笑しながら小声で
大和「それに、あそこ行く前の気分転換にもなるだろ……」
と呟いた。
川神学園 放課後
キャップ「そんじゃ、みんないくぞー!」
一同『おおー』
と風間ファミリーと葵ファミリーは同時に発進していった。
ユキ「で、どうなのー?キャップ、大和の調子は?」
キャップ「うーん、本人「大丈夫だ」っていってんだけどなー」
京「まあ、見ての通りなわけで…」
と京が大和を指し示すと
準「うわ、完璧に上の空じゃねーか?」
冬馬「これは…かなりの重症ですね…」
と準と冬馬は言い合う。
百代「あいつ本当に隠す気あるのか?もう、いっそのこと私が無理矢理口を割ってやろうか?主に物理的に」
モロ「いや、何恐ろしいこと言ってんの!?モモ先輩!」
とモロが突っ込んだところで、
ワン子「ま、そのためのカラオケだもの今日は楽しみましょうよ!」
とワン子が言うと皆が頷いた。
カラオケボックス
カラオケではやはり、京と百代が目立ち、ワン子とまゆっちは壁の花を決め込んでいた。葵ファミリーはというと
ユキ「準ー、また崖の上のポニョー?」
準「やかましい!ロリが歌ってんのそれしかねーんだから仕方ねーだろ!ってアレ?若は?」
ユキ「トーマならさっき女の子連れて別の部屋に行ったよー」
準「あっそ、若も相変わらずだな…」
という感じであった。
大和はその微笑ましい光景を見ながら、苦笑し、しばらく自分も歌などを歌った後に出ていった。
大和「ふう…」
百代「休憩か?」
大和「っ!!?」
大和が振り向くとそこには、百代が立っていた。
大和「…ああ、ちょっと歌い過ぎちまったからな。」
百代「よく言う。3時間で合計3本しか歌ってないだろう?おまえ?」
大和「…見てたのかよ」
百代「まあな」
観念したかのような大和の顔を確認すると、百代は大和の隣に来た。
百代「お前…本当に今日はどうした?」
大和「…別に、なんでもないよ。」
百代「とても、そんな風に見えないぞ?」
大和「大丈夫だって、悩みがあったとしても、そんなに大層なことじゃないから。」
百代「大したことないのなら、お前の姉である私に教えてくれても構わないだろう?」
『……』
二人とも黙りこくってしまった。しばらくして百代が
百代「私の好きな言葉知ってるよな?(誠)だ!だから、私は何事にも正直なものの方が好きだ。だから、今のお前は正直好きじゃないな…」
大和「…誠か、そうだなそういう意味で言えば、ねえさんとオレは対極に位置しているよな。」
百代「は?」
意味が分からず思わず間抜けな声を出してしまった。いったい、何を言っているんだろう?こいつは?と思っていると、大和がはあ、と溜息をついて、
大和「なあ?今まで自分自身に嘘をつき続けたやつってやっぱり、最低のやつなのかな?」
と言った。どう答えればいいのか迷っていると大和は立ち上がり、
大和「悪い。困らせる気は無かったんだ。ただ、ちょっと聞いてみたくなっちまってさ。」
と言って、大和は手を振りながらカラオケの店内に帰っていった。百代はその背中をただ呆然と見ることしかできなかった。