真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート)   作:ヘルム

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『見ていた』

直江大和が突進していく。

それに対して、黛由紀江は構えて待っていた。神速の斬撃をカウンターとして放つために、だが、

 

まゆっち「(っ!やはり、どこにも隙はない。)黛流 十二斬!!」

 

神速の十二連の斬撃が飛ぶ。その十二撃を

 

大和「確かに速いが、一番最初の斬撃を見切れれば、どんなに速くても意味がない。」

 

そう言って、大剣一本で刀を止めてしまう。

 

大和「お返しだ!」

まゆっち「っ!?」

大和「凶斬り!!」

 

今度はまゆっちがその一撃を見極めようとした。だが、

 

まゆっち「きゃあっ!」

 

ありえないことに、「凶」と書くように斬られた斬撃は、同時に飛んできた。

 

まゆっち「あ…ぐっ!?」

大和「意味がわからないといった顔だな。だったら、教えてやるよ。まゆっち。姉さんに瞬間回復があるように俺にも実は一つだけ異能がある。」

まゆっち「!?」

大和「異能の名前は『顕現』、こいつは自分の闘気に実体を与えたり、闘気そのものを顕現させて置いたり、自分の攻撃にイメージを顕現させて攻撃力を倍増したりすることができる。

まあ、実体化ともなるとさすがに制限が出てくるが…」

まゆっち「なっ!?」

大和「今のは闘気を載せた斬撃を空中に置いたんだ。そしてそれを一気に放った。だから、同時に飛んできたんだよ。」

まゆっち「そん…な…」

 

そう言って、黛由紀江は倒れた。その瞬間、後ろの竜巻が散っていった。

 

大和「これで…あと一人だ。姉さん」

百代「ああ…見たところそうなるな…だが、勝つのは私たちだ。」

大和「似合わないよ…いつからそんなキャラになったんだ?」

 

そう言いながら、剣を百代の方へと構える。

 

百代「ふっ、ついさっきだ!」

 

百代も構える。互いに隙を見つけようと模索し、そして…

 

ドン

 

大和が突然視界から消えた。

ゾワっとうしろからとてつもない気配を感じた百代は、とっさに背後に裏拳をかます。それをかわす大和は今度は、横薙ぎに一撃加えようとした。百代が跳んでそれをかわし、

 

百代「ふん!」

 

距離を置くように飛び蹴りを加えた。これを剣の側面で防御する。

 

ボコッ

 

とそれだけで地面がめり込んでしまった。

 

大和「えあ!」

 

そのお返しとばかりに、大剣をまた横薙ぎに振る大和、上体をそらしてそれをかわした百代はゾッとするものを見た。

 

ズバン

とその正面にある山が横に割れていたのだ。

 

だが、これで臆するわけにはいかない。くやしいが、自分よりも目の前の弟が強いことは分かっていたことである。

 

百代「川神流無双正拳突き!!」

 

そのまま大和に突進しながら、突きを放った。

 

そんな百代たちの音速を超える闘いをかつて、最強と呼ばれたものたちは小型のスクリーンで見ていた。

 

鉄心「まずいの…」

ヒューム「ああ、まったくだ。今回に関しては、百代の未熟ではなく単純に相手がうますぎる。」

鉄心「うむ。特に先ほどの分断、あんなものをされてはさすがのモモも皆を守りきれまいて…」

 

燕「これは…まずいねん…」

矢場「やっぱり…そうなのかな?」

燕「うん…このままじゃ、モモちゃん負けるね。」(キャラが作られてないって言わなきゃいけないかなー?)

京極「矢場…やはり、キャラ作りは…」

矢場「キャ、キャラ作りではないで候!」

燕(あ、なおした)

 

ルー「百代は、元々の実力差を自分の仲間たちと共に戦うことにより埋めていタ。最低でも黛由紀江が残っていれば、なんとかなったかもしれないガ…」

 

釈迦堂「だが、敵さんがそいつを理解していないわけがねー。敵さんの狙い通りあの嬢ちゃんがやられちまった以上…」

 

大和(ゲームオーバーだ。)

 

ガキーン

 

気がつけば、隕石が墜落していない別の河原にいた。

百代の拳と大和の大剣がその空中で衝突する。当然、力の押し合いになると思った百代が力をかけると、そこで突然大和が力を抜いた。

いきなりのことで驚き、思わず体勢を崩してしまった百代のすぐ上で、大剣が振りかぶられる。

 

大和「終わりだ!姉さん!」

百代「いや、まだだ!川神流

 

人間爆弾!」

 

大和「っ!?」

 

直後に爆発が起きた。まず、この距離なら完璧には避けられないと思ったが、

 

大和「危ないところだったな…あとちょっとで一撃もらうところだった。」

 

なんと、避けられていた。

 

百代「なっ!?」

大和「驚いてるな…まあ、俺が相手じゃなけりゃ確実に入ってたぜ?だが、俺の異能『顕現』は気の流れをコントロールすることによりそれを実体に変えている。だから、とりわけ気の流れには敏感なんだ。まあ、オーラジャミングに関しては、完璧に姉さんと山の気が同調していたから気づくの遅れたけど

 

さっきから姉さんがずっと右手に貯め続けている闘気にも最初から気づいてる。」

 

百代「ぐっ!!」

 

大和「さて…じゃあ、

 

終わりだな…」

百代「ああ、終わりだ

 

私たちの勝ちで!」

 

その瞬間、大和の足元の土の中からモロ、ガクト、キャップ、準の四人が飛び込んできた。

 

3日前

 

冬馬「作戦はこうです。あなた方武士娘がなるべく長い間闘った後私が指定する位置まで大和くんを移動させてください。

そして、そこで私を除く男子勢四人が一斉に飛びかかるのです。」

ガクト「はあ?そんなものすぐほどかれるだろう。」

冬馬「ええ、普通はそうでしょう…ですが、大和くんの力は強すぎる。人は全力を出してる最中にいきなり力を抜けない…そんな力にもしも、この中でもっとも非力な師岡くんが晒されたらどうなるてしょうか?」

キャップ「そりゃ…っておい、まさか!」

冬馬「そういうことです。この作戦は、『師岡くんがもしも、後遺症を残す程の大怪我になったら』という未来を大和くんに連想させて動きを止めるという『大和くんの優しさ』を利用した作戦です。成功確率が非常に低い上にとても、作戦とは言えませんが…」

準「あれ?ちょっと待て!それ思いっきり、師岡だけがいればできる作戦だよな?なんで俺たちが?」

冬馬「より本気を誘発するには、ある程度実力がある人も飛びつかないといけないと思うので…まあ、要は爆弾をもっと爆発しやすいように周りに火薬を敷き詰めるような役ですね。」

男子三人『おい!!』

 

現在

 

四人は一斉に飛びかかった!

 

だが…

 

四人が飛びかかろうとした場所にはすでに誰もいなかった。

 

一同『なっ!?』

 

あたりを見回してみると大和は後方に高速移動していた。

 

大和「危ないな。さっき、オーラジャミングに気づかなかったら、やられてたかもしれないけど…残念」

 

冬馬「いえ、残念ながら、やられますよ」

 

「涅槃寂静!!」

大和「ごふっ!?」

 

いきなり何が起こったのか分からなかった。ただ、異常な速度の何かがいきなり自分に衝撃を与えてきた。

見てみるとその姿には見覚えがあった。

 

大和「まゆ…っち!?」

 

3日前

 

冬馬「が、この作戦おそらく成功しないでしょう。もしも、私の存在に気づいたら彼ならば、どこかにあなた方四人が隠れてることも見通すはずです。

だから、これ自体を囮にします。

私たちの存在に気づいたら、しばらくの間、彼は『私たちの存在に気づかせないためにオーラジャミングを張った』と思い込むでしょう。」

百代「それは、そうだろうな。それが狙いだと言っていただろう?」

冬馬「ええ、ですから影で百代先輩以外の五人は死んだふりをしてください。」

ワン子「ちょ、ちょっとまってよ!それってまさか!?」

冬馬「はい、彼の一撃を最初モロにくらい、それを気で防御してください。」

クリス「バカな!そんなことの方が不可能だ!自分がさっき言ったがモモ先輩以外あんな一撃食らったらただではすまない!!」

冬馬「果たして、本当にそうでしょうか?」

キャップ「何?」

冬馬「彼は言いましたよね。我々を認めなかった時の条件として、『ついてくることを禁じる』とあれは、恐らく私たちをこれからくる戦いに巻き込みたくなかったからでしょう。

ならば、彼はこう考えるでしょう?

『自分がこの川神にいない時、私たちがまともに動けなかったらどうなるだろう?』とね、そうなった場合どうしても、彼は一番最初のトドメの一撃だけは我々一人一人を倒せる最低限の一撃にするはずです。」

京「そんなに簡単にいくものなの?」

冬馬「私と彼の思考回路は似通っている。彼と私は大事を成し遂げたい時、風間くんのように、大博打を張るのではなく、リスクを減らし確実性を増やしてから行うはずです。」

キャップ「いやあ…(テレテレ)」

モロ「褒めてないよ…キャップ…」

準「だとしても、そんなに簡単にいくもんなのか?」

冬馬「椎名さんと同じことを聞きますね。準、先ほども言った通り私達には百代先輩のオーラジャミングがあるんです。気を極限まで弱めてしまえば、気絶しているかどうか気づくこともないでしょう?」

ユキ「おお〜」

ガクト「どっちにしろ、『大和の優しさ』に頼るってことかよ…」

 

現在

 

大和(まさか…オーラジャミングはオレにまゆっちたちが気絶してないと気づかせないために?だとしたら、まずい!)

 

大和は急いでその場から離れようとした。だが、遅い。

ヒュッ

と音がしたかと思うと、足に分銅が刃先にある矢が突き刺さる。

 

大和「グッ!?」

ワン子「川神流 顎!!」

クリス「零距離 刺突!!」

ユキ「えーと、キーック」

大和「ぐあああ!?」

 

次々と攻撃が飛んでくる。

だが、先ほどの神速の斬撃と矢のダメージが相まって完全に身体が止まってしまい、攻撃を受けるしかない。

そして、目の前には

 

百代「川神流…」

 

冬馬「確かにあなたにはこの後大事な戦いがあるからというのもあるのでしょうが、それよりもあなたの敗因に直結してるのは『あなたが私達を見ていなかった』ことでしょう。」

 

葵冬馬はらしくなく、センチメンタルになりながら淡々と呟く。

 

冬馬「私達はあなたの過去を知りたい、あなたをちゃんと『見たい』という思いであなたと戦いました。

ですがあなたはどうでしょう?

私達を戦いに巻き込みたくない…確かにご立派な意見だと思います。ですが、それは結局敵の強大さ、存在を『見て』あなたが決めたこと、あなたは結局最後まで私達を『見なかった』。

 

だから、負けるんですよ。」

 

百代「星殺しー!!」

大和「うわああああ!!」

 

大和は至近距離で星をも砕く一撃を食らい、吹っ飛ばされる。

長く吹っ飛ばされた後、ズザザザザザと地面にすられ、やがて止まった。

 

大和「ちっ!…負け…たか…」

 

そうつぶやいて、大和は意識を落とした。




はい、今回はブーイング上等カモーンという調子で書きました。
自分で書いといてなんだけど、結局大和の心情を組み込むしか、勝ち目が無いと思いまして、だってなんというかこのころの大和くん少し怖い感じなんですもん…
だからなんとしても、百代側を勝たせてあげたいなという思っていたのです!!
作戦についてはどんなのが最低最悪かなーって考えたらやっぱ囮作戦が一番かな、と…
うん…見苦しいですね。
そういうわけで、ご意見(ブーイング)お待ちしております!
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