真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート)   作:ヘルム

3 / 46
はい、今回で、カダージュたちが登場です。ちなみに自分の好きなのは、ロッズです。理由はなんか、すぐ泣いてしまうところが親しみやすいと思うからです。


3つの影

大和「よお、ザックス久しぶりだな。」

 

突然、流暢な英語で大和は大剣に話しかけた。

 

大和「10年振りか。おれももうあとちょっとで、17歳だよ。時間が流れるのは早いもんだな。後で研究所にも向かおうと思っているが」

 

愛車のフェンリルの方をむくと、

 

大和「ん?ああ、あいつは前に九鬼財閥の従者たちのクーデターを止めた時に紋様に『何か欲しいものはないか』って言われてな。それで、『大剣六本ぐらい入る大型のバイクが欲しい』って言ったらくれたんだ。さすが、九鬼だよな。

まあ、ほとんど哀れまれてくれたんだろうが…」

 

と言って、全国に向かって広がってしまった。自分の恥ずかしいセリフを思い返した。

 

大和「人工知能は付けなくていいって言ったんだけどな。まあ、これはこれで楽しいから、別にいいけど…

ん?哀れまれて大丈夫かって?大丈夫だよ。だって…

 

あの悲劇に比べれば、本当に些細なものだ」

 

一方、フェンリルは一人黙々と剣に向かって喋っている主人を見て、不思議と可笑しいと思わなかった。ただ…

 

フェンリル(本当にマスターは話しているのかもしれない。ここにいるはずのない10年来の友達と…)

 

と結論付けて別のことを考えることにした。

 

フェンリル(しかし、さっきは受け流してしまったが、何故マスターは気などを使えるんだ?

あれほど気の扱いに長けたものならば、川神の武芸者に気付かれそうなものだが…うん?)

 

異変に気付いて、フェンリルは思考を切り替えた。

 

フェンリル(これは生命反応に似たようなもの?

まずいな。どんどん、近づいてきている。)

《マスター!!》

大和「ああ、どうやら時間切れみたいだ。

研究所に行けなくて残念だが、ん?大丈夫だって…おれは死なない。だって、おまえが言ったんだろ?

 

オレがおまえの生きた証だ

 

ってさ。だから、おれはおまえの分まで生きていくよ。」

 

フェンリルに乗り込み

大和「じゃあな、また会おうぜ!」

 

ブーン

 

発進させようとした瞬間に、黒い影が3つ飛び込んできた。

 

「やあ、兄さん」

 

バイク集団の先頭にいた肩に掛かるか、かからないかぐらいの銀髪、そして特徴的な空色の瞳を持った黒いレザースーツの少年が問いかけてきた。

他の二人も髪の毛、瞳の色、服装まで似通っていた。ただ、違うとすれば、右側の少年は短い髪をオールバックにして、左側の少年は長い髪をダランと伸ばしていた。

だが、髪の毛と瞳の色だけで充分だった。

 

大和「……」

 

大和の苦々しい記憶を蘇らせるには

 

「早速で悪いけど、単刀直入に聞くね?

 

母さんはどこ?」

 

-母さん一緒に人間共に復讐しよう-

 

大和「っ!!?」

 

突然の言葉に驚愕と怨念を隠しきれないでいたが、大和はすぐに冷静な表情に戻って

 

大和「おまえら、一体何を知っている?」

 

問い返した。

 

「質問は、僕たちがしているんだけどな?」

大和「ああ、そうだったな。だが、いきなり現れてきて、おれのことを兄さん呼ばわりした挙句、勝手に質問とは随分な礼儀じゃあないのか?」

「それもそうだね。じゃ、自己紹介ぐらいしておこうか?僕の名前はカダージュ」

「俺はロッズ」短髪

「俺はヤズー」長髪

カダージュ「さて、じゃあ僕たちの質問に答えてくれないかな?母さんは…」

大和「知らないな。なんのことだ?」

カダージュ「…釣れないな。」

「用件はそれだけか?じゃあ、帰らせてもらう。」大和

 

そう言ったと、同時にフェンリルは発進した。

そしてカダージュは告げた。

 

カダージュ「…追うぞ」

大和「ちっ、やっぱり追って来たか…」

フェンリル《マスター!奴らを知ってるのか?》

大和「知ってるとも、知らないとも言える。ただまあ、あいつら個人に会うのは、あくまで初めてだ。あまりにも気の感じがヤツに似すぎているが…」

フェンリル《ヤツ?》

大和「とにかく、今はっきりしていることは、ヤツらが俺たちの敵だってことだ。荒っぽい運転になるが、よろしく頼む。」

 

そう言いながら、剣をバイクから一本出して、横の木を一本切り倒した。

そして、木はカダージュたち三人の行く手を阻むように倒れこんで来た。だが、ロッズは殴り飛ばし、カダージュは切り裂き、ヤズーは蹴り飛ばした。

 

大和「ま、そりゃそうか。うん?」

 

下を見てみると、黒い影らしきものが出て、追ってきていた。

 

大和「っ!!やばい!」

 

大和が黒い影を避けるとそこから、黒い獣が出てきた。

 

大和「気でできた獣か…こんなことができるとはな!」

 

大剣で斬ると、獣が煙のように分散して、また、獣になっていった。

 

大和「ちっ、なるほどな!実体があるわけではなく、あくまで攻撃なわけか!」

 

獣に目を奪われていると、後ろから、また黒い影が出てきた。最初は、獣かと思ったが違った。銀の長髪をたなびかせているヤズーがバイクごと飛んで来たのだ。

 

大和「なっ!!?」

 

ヤズーが銃を自分に向けているのを知ると、顔を急いで逸らした。

 

ズガンッ

 

銃弾がじぶんの装着しているゴーグルに当たって、ゴーグルが弾かれていった。

 

大和「がっ!!?」

ヤズー「ちっ、惜しい。」

 

なんとか、避けたが状況がまずいことには変わりない。横は森、ヤズーに前を、カダージュとロッズに後ろを取られた形になっていた。つまり、

 

大和(挟まれたか…)

 

どうしようか。迷っていると、後ろから音楽が流されて来た。

カダージュ「なに?」

 

それは、カダージュの携帯の着信音だった。どうやら、だれかから電話が来たようだ。

 

カダージュ「はあ?一回戻ってこい。ちょっと待ってよ。今、兄さんが目の前にいるんだ!」

 

カダージュは叫んだ。が、

 

カダージュ「はあ、分かったよ。あんたらとも協力する約束だったからね。」

 

と言って、携帯を切った。

 

カダージュ「ごめんね。兄さん。なんだか急用が入っちゃってさ、今度ゆっくり話そうよ?」

大和「何だと?」

 

そう言って、カダージュたちは去っていった。

 

フェンリル《なんだったんだ?》

大和「さあ、だが少なくとも、いい感じはしないな…」

 

そう言って、瞳を空に向けた。その瞳の色は、いつも川神で見せる焦げ茶色の日本人らしい瞳ではなく、カダージュたちと同じような空色の瞳だった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。