真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート)   作:ヘルム

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それぞれの戦い

辰子「あれ〜?師匠いないの〜?」

店長「ああ、今さっき帰っていったぞ?なんか、忙しない様子だったな?」

天使「ちぇーっ!なんだよ!?師匠がいないんじゃ、梅屋で奢ってもらえねーじゃん!」

 

板垣家はキツキツの家計のこともあって、この梅屋にたまに来ては牛丼をたかりに来てる。

何度もいうようだが、キツキツの家計にはタンパク源が非常に重要になってくる。なので、梅屋に牛丼をたかれないとなると、結構な痛手となる。

 

竜平「ちっ!こうなりゃ、食い逃げでもするか?」

亜巳「やめな。最悪、師匠に殺されかねないよ。」

 

亜巳がそう言った後、板垣家は揃って梅屋を出ていった。

 

亜巳「さて、どうしたもんかね?」

辰子「ねえねえ、亜巳姉?」

亜巳「なんだい?辰子?」

辰子「なんだかさ…人通りが段々と少なくなってきてるような気がするんだけど…」

天使「あん、そうか?タツ姉」

竜平「ああ、それオレも思ったわ。なんか、まだ昼だっていうのに、閉まってるレストランもあるしよ。」

 

言われて、周りを見てみると、確かに昼になろうとしているというのに、ガラガラとシャッターを閉めているところや、そそくさとどこかへと逃げていくかのように、去っていく人の姿を確認できた。

 

そんな、全く以って奇妙な街の成り行きを見て、頭に?マークを浮かべる板垣家。遂には、梅屋の店長なども、ガラガラとシャッターを閉め始め、辺りは板垣家以外誰もいない商店街になった。

 

竜平「なんだ?こりゃ?」

【ググラアアア】

 

竜平がそう呟いた瞬間、背後から何かの唸り声が聞こえてきた。その唸り声に慌てて後ろを振り向く。

 

そこには

 

犬とも何とも取れない。ただ、獣に何枚もの刃を装着させたかのような、そんな獣が出てきた。しかも、一体や二体などではなく、ゾロゾロと出てくる。

 

天使「…なあ、亜巳姉?最近の犬は服を着せるのが流行ってるっていうけどよ?あれも、流行りの一種なのか?」

亜巳「さあねえ、あたしは犬飼ったことないから分かんないけど…」

 

もう一度、獣を見る。すると、獣は口元からダラダラとはしたなくヨダレを垂らしながら、板垣家を見ている。

 

亜巳「…あの犬ども。どうやら、あたしたちを食いたいようだよ。躾がなってないねぇ。こうなりゃ、あたし直々に躾けてやるよ。」

天使「ああん!なんだと?上等だ。あたしら今、腹減って気が立ってるんだ。逆にてめえら食ってやるよ。このボキャー!」

辰子「食べても美味しくなさそうだよ〜」

竜平「オレが突っ込むのもおかしいと思うが、天使も本気で言ってるわけじゃないと思うぞ。タツ姉。」

 

そんなことを言ってる間に、獣は板垣家へと襲いかかってきた。突進してきて、まず、竜平の方へと歯を向け、バクンと噛み付いてきた。

 

だが、竜平は屈むことで噛み付きから逃れ、そのまま、獣の土手っ腹に一発強烈なパンチをカウンターの要領で放った。

 

強力な一発に獣は一瞬、宙を浮かし、一瞬悶絶するかのように息を詰まらせるが

 

【グワアアア!】

竜平「っ!?かってーな!おい!」

 

すぐに体勢を整え、竜平に噛み付き攻撃を再開する。

竜平は驚きながらも、一歩引くことでその攻撃をかわし、天使たちの元に戻っていく。

 

竜平「おい!こいつら半端じゃねーぞ。俺ほどじゃないにせよ。相当タフだ。」

亜巳「ああ。みたいだね。仕方ない。タツ。本気出していいよ(・・・・・・・・)。」

辰子「ん…」

 

亜巳がそう言った瞬間、辰子から猛烈な殺気が振りまかれる。その殺気の量に思わず先ほど竜平を攻撃をした獣はたじろぐが…

 

その先のことはその獣は覚えてない。なにせ、その後、獣はいつの間にか他の獣たちがいるところまで吹っ飛んでいたんだから。

 

【グ…ガ…アア…】

 

最期にそう呟いたかと思うと、ゆっくりとその姿は虚空へと消えていく。消えていった後に見えるのはこんな商店街に一体どこにそんなものがあったのか。バス停の看板を思い切り振り抜いていた辰子の姿だった。

 

亜巳「へえ、死体が残らないのかい。これはやり易くていいね。」

辰子「アアァァァ!!!」

天使「ヒャッハー!!そんじゃ、ま、暴れさせてもらうぜ!!」

竜平「へっ!うるさく言う奴がいないところで、暴れられるっていうのもいいもんだぜ!」

 

板垣家と獣同士が争おうとしたちょうど同時刻、川神市周辺では…

 

マルギッテ「不死川心。いつものように、ヘマをやらかしてお笑いキャラにならないことです。もし、そうなった場合、私が狩ると知りなさい!」

心「お笑いキャラとはなんじゃ!?お前、此方のことをそんな風に思っておったのか!?」

武蔵小杉「あ、あのー、絶賛、敵が目の前にいるんですけど、先輩方…」

マルギッテ「あなたにも同じことが言えます。直接話したことはありませんが…不死川心と同じような雰囲気を漂わせているので。」

武蔵小杉「雰囲気だけで!?」

心「だから、お前は此方のことをなんだと思っとるのじゃ〜!?」

 

そんなことを話している心のたちの目の前には、板垣家の前に現れた獣と全く同じ獣たちがのしのしと前進してきた。

現在、マルギッテたち…というより、マルギッテは猟犬部隊のリーダーを務めていたところから、九鬼の従者部隊の一部隊を指揮するのに的確ではないかということで、九鬼従者部隊を率いながら、川神の一角にて待機していた。

 

ちなみに、心たちがなぜここにいるかというと、心の方はS組の中で自分だけが戦闘に出ないというのは、屈辱だったと言うのもあるが、それ以上に友達の黛由紀江に「お願いします!川神を守ってください」と言われた方が強い。

 

で、武蔵小杉は単純に家名を上げるためにという本当に至極単純な理由である。

 

マルギッテ「…本来なら、中将もこちらに来られるはずでしたが…なぜか九鬼がそれを全力で阻止したらしく、中将はこちらに来られないと言っていました。」

心「当たり前じゃ!!あんな親バカ、こんな戦場に来てみよ。あの獣の騒ぎどころではない!確実にこの戦場が混沌と化すわ!」

 

事実、クリスの父親であるフランクはただの娘の喧嘩にジェット機などを応援によこすほどの親バカぶりを見せている。

街中でそんなものを使われてはどうなるかなど、文字通り、火を見るよりも明らかである。

 

【グワアアア】

 

獣の一匹が咆哮を上げたと同時に、獣たちは突進してきた。

それを確認すると

 

マルギッテ「まあ、いい。では、九鬼従者のものたちよ!私に続きなさい!」

九鬼従者部隊『おおおお!!』

 

マルギッテのトンファーを掲げながらの号令と共に従者部隊たちが一斉に獣の大群へと向かって行った。

 

そして…

 

武蔵小杉「まずはこのプッレーミアムな私、武蔵小杉が…

【グオオオ!】えっ?ちょっ、待っ、まだ私何も…ヒデブ!」

 

武蔵小杉が一瞬の内にやられた…

 

マルギッテ「…今のように、単独では攻めず、なるべく2対1を心がけるようにしなさい!」

心「…あやつ、一体何がしたかったんじゃ?」

 

幸いにも不死川の方は武蔵小杉の犠牲のおかげでお笑いキャラにならずに済んだ。

 

心「どういう意味じゃ!?」

マルギッテ「何を一人で喋っているのですか?不死川心?」

 

神羅 住宅街

 

神羅は本部である神羅ビルを中心に、組織展開を行っている。

以前も言ったように、それは社員の住宅街であったり、工場であったり、または派生会社であったり、児童遊戯施設などなど、そこから離れられないような者のために、そこで暮らせるだけの最低限の物資があるようにしてある。

そのため、神羅は会社というより、その実、街といった方が正しいと思えるような風貌をしており、神羅の中にはトンネルがあったり、道路があったりなどもしている。

 

更に、神羅ビルからどんなに遠くてもその建造物が同距離に位置させるために、神羅は神羅ビルを中心に円を描くようになっている。

 

現在、九鬼揚羽一行はその円でちょうど北に位置する場所、そして、神羅ビルに最も近い位置に位置付いている。

住宅街の中心に立っている。(百代たちが闘っている工場エリアは東方面)

 

ちなみに、ここまで色々と障害物があったが、それについてはまあ、なんというか一蹴という言葉が似合いすぎるほどの揚羽たちの蹴りの連打でボコボコにされていた。

 

 

で、今現在、九鬼揚羽たちがなぜ止まっているかというと…

 

揚羽「さて、ここで三手に別れるぞ。我とゾズマ、クラウディオ、あずみ、ステイシー、李、燕と従者部隊100名は全員で神羅に乗り込み。義経、弁慶、与一、その他従者部隊150名は周辺や百代たちの方角における戦闘の補助。そして…梁山泊、お前たちは本当に梁山泊メンバーだけでいいのか?」

林冲「ああ。私たちは曲がりなりにも、傭兵部隊。こういう乱戦の中をどうすれば、生き残れるかぐらいは心得ている。」

楊志「それにあくまで私たちは、私たちの顔に泥を塗ったあの長銀髪男に落とし前を付けさせるっていうことで、あの飛空挺に乗させてもらったからね。」

史進「ここらが別れどきってわけなんよ。」

公孫勝「え〜?面倒だよ。このまま、九鬼についてけばいいじゃん。」

武松「公孫勝、後でゲーム買ってやるから、な?」

公孫勝「ブー…」

 

そんなわけで、それぞれ、三チームに分けた後…

 

揚羽「それでは…散!!」

 

各々違う方向へと走って行った。

 

神羅ビル 玄関

 

ここには、二人の男が待ち構えていた。

一人は二十代半ばであろう赤髪とゴーグル、目元の傷が特徴的な青年、名はレノ。

二人目は三十代はいってそうな顔のスキンヘッドの黒人男性、名はルード。

 

レノ「…なぁ、相棒?前からやけに強え気配がすんだけどよ?これって…」

ルード「残念ながら、本物だな。」

レノ「だよなぁ。めんどくせーけど。仕事の時間ですか、と…」

 

そう言うと、レノはダルそうに屈めていた腰を上げた。

すると、腰から愛用の警棒を取り出し、

 

レノ「ルード、他のタークスに連絡は?」

ルード「既に済ませてある。残りの神羅兵にもな。後は到着を待つだけだ。」

レノ「おっと、さすが〜、そんじゃ、ま、お仕事開始としますかね!相棒!!」

ルード「ああ。相棒。」

 

神羅と九鬼。

神と鬼の激突が始まる。




すみません。前長すぎたせいで、皆さん、読みづらかったでしょう?
本当に申し訳ありません!

で、もしかしたら、目にしていてなお、いいや、と思った人がいるかもですけど…
前回の人外の戦闘、という回…詳しくやってくれた方が嬉しいという方。感想くれるとありがたいです。つまりは続きを書いて欲しいという方。
いえ、めんどくさいというわけではないんですが、ただ、これをやってしまうとクライマックスまで行くのにすんごく長くなってしまうのです。

それが嫌だという方もいるでしょうから、感想を聞かせて欲しい次第なのでございます。はい…

あ、ちなみに、タークス戦も詳しくやらずに飛び飛びでできるのですが、そちらはどうでしょうか?

すみません。読書様に采配を任せきりで…ただ、やっぱり、クライマックスを早く出せ!という方もいるでしょうから、どうか、感想をお願いします。
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