真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート)   作:ヘルム

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すみません。随分と遅れました。ちょっと、半端なところで終わらせてしまいました。




鬼vs神

神羅 玄関フロア

 

バタンと扉を開き、入っていく揚羽たち。

 

そこには…

レノ「ようこそ。九鬼の皆さん…こちら神羅カンパニー本社玄関フロアでございまーす、と」

 

ふざけた雰囲気の赤髪の青年がふざけた調子で出迎えた。

 

ステイシー「あ?なんだ?てめえ?ここの門番か何かか?」

レノ「門番って言えば、確かにそうだけど…その前に自己紹介しねーとな。俺の名前はレノ。こっちのでけえのがルード。よろしくよ、と。」

 

そう言って、自分の隣にいる大男を紹介した。

そんなすっとぼけた返しにあずみはイラつき

 

あずみ「おい、てめえ。いい加減にしねえと…「よしなさい。あずみ。」…は?」

 

自分が喋ってる途中に横から割り込むような形でクラウディオがあずみをなだめた。

 

クラウディオ「これ以上話し続けていたら、それこそ彼の思う壺になります。何より、彼ら二人の相手は私たちが務めますので、あなたは神羅の社長室に行くことに専念しなさい。」

あずみ「っ!分かりました。…は?今なんて?」

クラウディオ「ですから、彼ら二人の相手は私とゾズマがやります。その間にあなた方は行きなさい。」

 

クラウディオとゾズマが前に出る形でレノとルードの前に立つ。

 

あずみ(なっ!?九鬼従者部隊の3位と4位であるこの二人は、本来最後まで、揚羽様にお供するはずたったはず…その予定を、完璧執事であるクラウディオ自らが破棄するとは…あいつらはそれほどの相手だということか?)

 

あずみはそう考え、困惑した。、

 

ルード「完璧執事のクラウディオ・ネエロと火薬使いのゾズマ・ベルフェゴール…」

クラウディオ「おや、私たちを知っているのですか?」

レノ「当然だぞ、と。敵さんの情報を掴むのも戦う前の常套手段だし、何よりあんたら二人って裏でも表でも、結構有名だからな。」

ゾズマ「ほう、それは光栄だね。私たちのようなたかが執事ごときをマフィア気取りのボディーガードに知って頂けているとは。」

ルード「褒められてる気がしないな。」

 

そんなことを話している間に、彼らの間にある空気は段々と変わっていく。その感覚に後方にいる従者たちは息を飲む。

 

チリっという音がしたと誰かが思った

 

瞬間…

 

一番最初に動いたのは、レノだった。レノは真っ直ぐにクラウディオに目掛けて突進していく。

 

レノ「まずは挨拶代わりだ。受けとれよ、と」

 

そして、側頭蹴りをかます。左腕でクラウディオはそれを難なく受け止め、開いていた右手を握りこぶしに変える。

すると、レノの方へと引き寄せられるかのように、糸が集まっていく。

 

レノ「おっと」

 

レノもこれをバク転して距離を取るように避ける。

 

クラウディオ「ほう。いい動きをしますね。これを読むとは…」

レノ「…の割には、全然驚いてるように見えねーけどな!」

ルード「全くだ。」

 

と、クラウディオと後方を陣取り、拳を握ったルードは呟いた。そして、強烈なストレートを叩き込もうとした瞬間、

 

ゾズマ「オレを忘れられては困るな。」

 

ゾズマがバチンと指を鳴らす。すると、クラウディオの後方でありながら、小さな爆発が起きた。

 

ルード「む!?」

 

腕を交差することでその攻撃を防御するルード。

後方に自分で飛びながら、その爆風から逃れる。

 

クラウディオ「ゴホゴホ、全く、危ないことをしますね。私のすぐ後ろを爆発させるなど…」

ゾズマ「すまないな。だが、助かっただろう?」

クラウディオ「ええ。まあ…」

レノ「ったく…もう、老害だっていうのに無茶するなよ、と。」

ルード「ああ。そんなことをしなければ、オレの拳一発で済んだものを…」

クラウディオ「いえいえ、まだまだ私たちも若い方々に負けて入られませんからね。」

 

そんな戦いを後ろで一瞬呆然と眺める九鬼従者たちに対して、

 

ゾズマ「何をしている?早く行け!ここは俺たちに任せてな。」

揚羽「うむ、頼んだぞ。ゾズマ。その間に私たちは上に行く。皆、行くぞ!」

 

揚羽の号令により、クラウディオとゾズマの間をすり抜けるように従者たちは通り越し、そのまま、階段の方へと走っていき、その後、なにごとかの指示を揚羽が飛ばした後分散していった。

 

レノ「…いやはや、大したもんだよ、と。俺たちの横を通り過ぎさせておいて、仲間に手を出させないためにあそこまで俺たちに動かせないなんてな(・・・・・・・・・・・・・)。」

 

そう。レノとルードはすきあらば、九鬼の部隊の戦力を減らすために動こうとしていた。だが、できなかった。

 

なぜなら、目の前にいる男二人がことごとく自分たちの動く先を阻んでくるビジョンを彼ら二人は見たからである。

 

クラウディオ「…いえ、こちらこそ驚かされました。(隙あらば、彼らを仕留める気でもいたんですが…こちらも彼らの動きを読めるように、彼らもこちらの動きが読めるというわけですか…)」

 

なんだか、同じことを考えて同じように止められているという事実は苦笑物だな、とクラウディオは心の中で笑った。

 

ゾズマ「これは…凄まじいな。九鬼に欲しいくらいの人材だ。俺たちが苦戦させられるビジョンをやすやすと見せてくれるとは…」

 

お互い、達人同士だからこそ、彼らはほとんど動かずとも、どのような結末を迎えるかということを頭の中で想定することができた。

そして、そこからどうやって勝利につなげていくのかも…

 

クラウディオ「…さて、では行きますか。ゾズマ」

ゾズマ「了解した。」

レノ「来るぜ〜。ルード」

ルード「ああ。分かってる。」

 

また、空気が緊張する。そして、今度もそのすぐ後に…

 

クラウディオ「はっ!」

ゾズマ「ふん。」

レノ「おらよ、と。」

ルード「むん!」

 

彼ら四人は激突した。

 

バゴーン

 

ステイシー「うお!なんだ?今の音!?」

李「クラウ爺たちが激突した音でしょう。しかし、ここまでの衝撃音…どうやら、彼らは本当に強敵だったようですね。」

 

神羅の廊下をかけながら、ステイシーと李は言い合っている。現在、揚羽、燕と別れることにより、こちらの班にはあずみ、ステイシー、李そして従者部隊約70名がいた。

 

彼らは歴戦の猛者であり、当然幾たびの戦場をかけてきた経験がある。だが…

 

九鬼従者「ぎゃあ!?」

あずみ「っ!?止まれ!」

 

ズザッと全員が同時に止まり、そして、後ろを振り向く。

 

ステイシー「おい…なんか少なくなってないか?私ら…」

李「はい、少なくとも70人いました。ですが…今は…」

 

ザッと見渡してみると、50人そこらしかそこにはいなく、どう考えても、数が減っていることがわかる。

 

あずみ「無音殺人(サイレントキリング)忍ら(あたいら)の分野なんだけどな…ここまで、あたいに気付かれずにやってくれるとは…だけど、ここまで派手にやったらさすがに気配がバレるけどな!!」

 

言いながら、クナイを柱の陰や壁に向かって投げつけた。

 

あずみ「出てこいよ!居場所がバレている以上、もう無音殺人(サイレントキリング)が効かねえのは分かってるだろう?」

 

すると、長身の赤毛の女性と金髪の平均身長並みの女性がそれぞれ姿を現した。

 

あずみ「やってくれたな。あたいらに気付かせずにここまで…」

赤毛「そこまで難しくなかったわ。ここまで来る間にレノとルードから敵がどうやって分散したのか分かったから、後はココで待ち伏せていれば、あなたのようにどれだけ気配探知に優れていようと、この多人数のおかげであなたたちの気配探知能力は私たちの気を文字通り気取られることなく、最後までやるはずだったんだけどね…」

 

言いながら、ジト目で横にいる金髪の女性を見つめた。

 

金髪「うっ!だ、だから言ったじゃない!私は姉さんほどサイレントキリングはうまくないから姉さんが全部やってくれた方が確実だって!」

赤毛「だからと言って、もう少しやりようというのもあるでしょう?イリーナ…まったく…おかげでこんな廊下で乱戦をしなきゃならないんだから。」

 

そう言いながら赤毛の女性がバチンと指を鳴らすと女性2人の後方とあずみたちの後方から囲むような形でゾロゾロと神羅兵が出てきた。

 

あずみ「……」

赤毛「改めまして、私の名前はシスネ。こちらは妹のイリーナ。状況は分かってるわよね。できるなら、無条件降伏が望ましいんだけど…」

あずみ「…へっ!一つ聞いておくけどよ。敵地に乗り込む時、わざわざあたいたちがあんたらに地の利がある場所を何の対策もせずに近寄ると思うか?」

シスネ「…何?」

 

今度はあずみがバチンと指を鳴らす。すると、あずみたちの後方にいる神羅兵たちが悲鳴をあげて、次々に倒れていった。

 

シスネ「あれは…馬鹿な。片割れの従者部隊!?

ということはまさか、上に行ったのは…」

あずみ「ああ。こちらとしても、賭けだけどな…」

 

九鬼ビル 上層部

 

ツォン「なるほど。随分無茶をする。まさか、こちらに来たのがあなた方2人だけとは…」

 

言いながら、ツォンは目の前にいる2人の女性に対し、警戒の意味も込めた睨みを利かせる。一人は九鬼揚羽もう一人は松永燕。

 

揚羽「ふっ。こちらとしても、お前たちの陣地に押し入るわけだからな。それ相応の覚悟を持って、努めさせてもらうさ。」

ツォン「だが…もしも、彼らがあちらで全滅した場合や、私がこちらに応援をよこすように指示を出せば、一気にあなたたちは窮地に立たされる訳だが…」

燕「それは困るねん。何より、今この間にも指示を出されるようじゃ…ね!」

 

言いながら燕はツォンに正拳突きを繰り出し、そして、それを左手で受け流したツォンだが、後手に持っていた通信機を落としてしまう。

 

ツォン「鋭いな。…中々の腕だ。」

燕「それはどうも。揚羽さん私がこの人の相手してますから、お先にどうぞ!」

揚羽「!?」

 

揚羽は驚いた。実はこのツォンという敵に関してはヒュームに並ぶと聞かされていたので、2人で相手をすることになるだろうと予想を立てていたからである。

何よりも…

 

揚羽(こいつは負ける戦は絶対にしない。だからこそ、松永燕という武士娘は無敗を貫き続けることができた。

この男は正直な話、我らが2人でかかって勝てるかどうかという敵だ。

それでも、勝てると踏んだのか?燕は?)

 

疑問に満ちた表情を燕に向ける揚羽。それに対し、燕は貼り付けたような強気の笑みで返した。

明らかに強がりだと分かるが、そこにはわずかながらでも確信があることも揚羽には理解できた。

なので、揚羽は、

 

揚羽「…分かった。先に行くぞ!燕」

燕「おまかせあれ!!」

 

揚羽が背を向け、最上層へと上っていく。すると、燕とツォンがお互い弾かれるように距離をとる。

 

ツォン「…随分と、無茶をするんだな。君は利口な生き方をするタイプだと聞いていたんだが…」

燕「うん。でも、たまには無茶をしないと…スポンサーの方々もガッカリさせちゃうと思うから。(まあ、もちろん、嘘だけど…)」

 

両者は腰を屈めた。次の瞬間、上段蹴りの衝突による爆音が放たれる。

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