真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート)   作:ヘルム

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いやー、スンマセン。今回、長くなった所為かいつもより遅くなって…って、そんな言い訳はいいか。
まず、申し訳ありませんでした!
いや、本当に今回は遅くなってしまい、どういう風に話を進めようか迷ったのもありますが、自分大学3年なので実質これが人生最後の夏休みと言っても過言ではないので思いっきり遊びたいなー。と思ってしまったのが主たる原因です。

はい。
本当にすみませんでした!!


風間ファミリーvsバハムート 3

大和「よっと」

空中で百代をキャッチした大和はその後、綺麗にフェンリルの元へと着地した。

 

フェンリル《全く…いきなり、『悪い、フェンリル。ちょっとの間ここ離れるわ。』と言われた時は何事かと思ったぞ。》

大和「はは、ごめんごめん。かなり、急いでたモンだから事情説明する時間なくってさ。ところで、姉さん?さっき、気弾が飛んできた方向を考えるとあっちにみんながいるってことでいいんだよな?」

百代「…ああ。だが、それにしても本当に遅かったな。もう少し、早く来る者だと思ってたぞ。私は。」

大和「いや…オレもそうしたかったんだけど。さすが、軍事において九鬼を勝ってるなんて言うだけはある。

かなり、時間を削られちゃったよ。って、んなこと話してる場合じゃない!捕まって姉さん!あいつらのところにすぐ行かないと!」

 

実際は、神羅兵の命を考えなければ、もっと早くに到着していたはずだったが、彼はこれ以上自分の手を血で汚したくなかったため、なるべく、最小限の攻撃でことを済ませたのである。

 

まあ、飛空戦艦に関しては、若干微妙ではあると思うが…

 

百代「あ、ああ。そうだな。」

 

百代が大和の背中にギューッと捕まると、すぐに大和はフェンリルにエンジンをかけ、その場を離れるように走り出した。

 

百代「……」

大和「あの、なんか背中にギスギス刺さってる感覚があるんだけど、ひょっとして姉さん機嫌悪い?」

百代「いーや、べっつにぃー?」

大和「……」

 

明らかに機嫌が悪そうだが今はそんなことを考えている時間も惜しいので、大和は気にしないことにし、先ほどから時折爆発音が聞こえ、何かが羽ばたくような音がここまで届いていることに若干焦りを感じアクセルを更に強く押すのであった。

 

そして、そんな大和の様子を見た百代は、

 

百代(むぅー…まあ、別に今が大変だということは分かっているが、あまりにも淡白じゃないか?)

 

更に胸を押し付けるように(・・・・・・・・・・)してしがみつくのであった。

 

神羅 工場地帯

 

まゆっち「はあ、はあ、うぐ…く」

ユキ「まゆまゆ!!」

 

黛に次ぎ、機動力があるユキは黛が工場にあった土管だった物の上で崩れる姿を見てすぐに擦り寄ってきた。

近くもなく遠くもない距離にいたワン子とクリスもそちらを目で確認し、心配そうな表情を浮かべていた。

 

まゆっち「だ、大丈夫です。ユキさん。」

ユキ「無理しちゃダメだよ!モモ先輩がいなくなってからずっと、まゆまゆが主にあのドラゴンの相手してたんだから!」

 

風間ファミリー間では百代に次ぐか、彼女並みの戦闘能力を持つ黛は、百代が気弾で飛ばされて以降、バハムートの相手を実質ほとんど任されたような状態になってしまった。

 

もちろん他の皆も援護をする形で戦闘に参加はしているのだが、その援護後にピンチになる瞬間が少なからずあった。

 

そのため、黛は彼らを救うためにそこへ飛び込んでは、バハムートに応戦し、彼らから距離を作り出していた。

 

バハムート【……】

 

一方、バハムートも百代が抜けてからの要が黛だということを確認したこともあり、まっすぐに黛の方へと視線を向けた。

 

そして、黛を自信の最優先目標にした。

 

そのことについていち早く気づいたモロ。

なぜ、気づいたか?それは彼自信が役に立っていなかったからだと言える。

 

今まで、師岡卓也はずっとそばにいるガクトに守ってもらった。

だから、彼はそんな自分にできることはないものかと探し続け、バハムートを見続けていた。

故に、彼はバハムートの微細な変化にもいち早く気づいた。

 

モロ《まずい!逃げて!まゆっち!あのドラゴン、まず一番最初にまゆっちを倒すことを最優先にしたみたい。》

まゆっち「っ!?」

 

連絡を受けた黛は息を整えるのをやめ、目の前の龍の王へと睨みを利かせる。それを合図と取ったのか、はたまた、その時に不意打ちをしようと思ったのか。定かではないが、バハムートは黛の方へと勢いよく突進してきた。

 

まゆっち「…すぅうううう!」

 

更に黛は、バハムートが突進してくると同時に目を閉じ息を勢いよく吸い込む。

気が充実し、側にいる味方のユキすら身震いを起こすほどの威圧感を放つ。

 

だが、バハムートは構わず突っ込み、グワッと爪を振り上げ、黛の方へと振り下ろす。

黛はそれを跳んで躱した。が、バハムートはそれを予期していたかのように今度はバク転する形で、尻尾による振り上げ攻撃を行う。

 

まゆっち「っ!(まさか、私の動きを読んで!?)すでにここまでの形になってるとは…はあ!」

 

黛はそれに対し、刀を横にし、防御体制をとることで凌ごうとした。

キイィイイイィイと、鋼のような尻尾と刀の摩擦によっておこる火花によって、あたりは一瞬フラッシュする。

だが、それにだけ目をとらわれている場合ではない。

バハムートの体重の違いすぎる一撃。そんな物を黛のサイズで受け切れる訳がなかった。

 

まゆっち「ぐっ…!」

 

重すぎる一撃に対し、遂に重心が崩れ

 

まゆっち「キャアアア!!」

 

黛は吹っ飛ばされて行った。

好機と見たバハムートは一気に攻勢を仕掛ける。

その瞬間、バハムートに対し、右に待機していたガクトは当たらなくてもいいからと言う思いでバズーカの最後の一発を撃つ。

ガクトとは反対側に待機していた弓兵である京も同じような心境故か、今日何度目か分からぬ自分の中で最も高威力を持つ爆矢雨(ばくさめ)を放つ。

 

ガクト「俺様の最後の一発!受けやがれ!!」

京「行って!!」

 

左右から爆発を主とする技が襲い掛かってくる。

だが、バハムートはそれに対し、歯牙は黛へと向け、左右からの攻撃に対しては、文字通りに歯牙にもかけていなかった。

いくら自分を怯ませた攻撃であるからといって、ここまで見せられれば、バカでもそのパターン、スピードが分かる。

 

だから、この攻撃に対し、バハムートは怒りをも露わにしていた。

京の爆矢雨(ばくさめ)に対しては、角で受けることにより、その攻撃を軽減し、ガクトのバズーカ砲に関しては、弾丸の先端を刺激しないように尻尾で器用に叩くことによって、

 

バズーカの弾丸はまっすぐにガクトの方へと跳ね返って行った。

 

ガクト「げっ!!」

モロ「やば!」

一同『ガクト、モロ!!』

まゆっち「ガクトさん!くっ!」

 

黛の方へと向かっていたバハムートに対し、援護の手を緩める訳にも行かなかったため、ユキ、クリス、ワン子、京の四方は黛の方へと急ぎ、走って自分では間に合わないと判断した冬馬はその作戦指示へ、よって、ガクトとモロの救助には準とキャップが急いで向かった。

 

急いで、避けようと考え、その場から移動しようとした。だが、場所が悪かった。元々狙撃能力は皆無のガクト。

それ故に無駄弾がないように、見晴らしのいい高い場所へと、そして、バハムートの死角に位置しているであろう場所へと移動し続けていた。

だから、自然彼は狙撃する時、立てることには立てて安定もしているが、いざ進もうとすると、隙間がその気を起こさせなくする鉄骨と鉄骨の間をクロスした鉄筋によって構成されている鉄骨や、比較的大きな土管の上などにいた。

そして、守ってもらっている立場である師岡もその例にもれずにそこにいた。

 

急ぎ走ろうにも、慌てるとすぐに落ちてしまう。

そんな不安感の中にいたガクトたちは出来るだけ、速く早歩きをすることによってその場を離れるしか無かった。だが、時すでに遅し、ガクトの放った弾丸はまっすぐに跳ね返りはせずとも、目の前の鉄骨柱に命中。

その鉄骨柱はゆっくりと軌道をガクトとモロのいる方向へと向け、落ちるようにして折れていく。

 

準「ヤベェぞ!アレ!間に合わねー!」

キャップ「諦めんな!きっとなんとかなる!」

 

いつも、この根拠のない理屈が通るため、今回もそうなのではないかと一瞬考えてしまった準だが、すぐにそんな甘い考えは打ち消される。

目算で、後三秒で、あの炎を纏った鉄骨はガクトたちに向けて、鉄槌を下す。

 

後二秒。

 

 

 

 

ボカーンという凄まじい音ともにガクトたちがいた鉄骨は、同じようなデザインをした鉄骨柱によって、虚しくも崩れ去って行った。

 

その光景にショックを受け、膝をついてしまう両名。

 

キャップ「嘘だろ…おい!ガクト、モロー!!」

準「チックショウが!」

 

風間は嘆き、準は拳を地面に振り下ろす。

 

大和「…?何やってんだ?お前ら」

 

そして、悲嘆にくれていた両名の背中に素っ頓狂な声が響く。

声の主は言うまでもなく、直江大和である。

 

キャップ「や…大和!お前…ってアレ?何を…その腕に持ってんだ?」

 

思わず、遅えよ。と、らしくもなく風間ファミリーのキャプテンとしての器量など忘れて叫ぼうと思ってしまったキャップだったが、そこは豪運を持つ男、間違っても彼はその場において、正しくない台詞など吐かないのであった。

 

大和「何って…ガクトだけど…さっき、危ないところをギリギリ助けたんだ。あ、ちなみにモロは姉さんが助けてくれたよ。」

 

ほら、あっちにいる。と大和が指した方向には呑気にこちらに向かって手を振っている川神百代がいた。そして、その腕にはお姫様抱っこされている師岡の姿が…

なんというか、妙にマッチしている。

 

それが、大衆から見た今の二人に対する意見である。

 

対照的にガクトの方は、大和も多少雑に扱っても大丈夫と判断したのか、まるで抱えきれないほどの大きさのゴミ袋を移動させるかのような仕草でシャツの襟を引っ張って引きずっていた。

 

恐らく…襟を引っ張られたまま、救出されたのだろう。

そんな風に引っ張られれば、「ぐえっ!」とアヒルが鳴くような結末になるのは目に見えている。

何が言いたいかと言うと、ガクトは空中で呼吸困難に陥り、現在白目を剥いている。

 

準「…なあ、大和。島津のヤツ大丈夫なのか?」

大和「え?大丈夫だろ。だって、風間ファミリー(ウチ)のパワー担当だぜ。こいつ? …とは言え、今は闘いの最中だ。悪いが、このままゆっくりというわけにもいかないんだよな。というわけで…」

 

ガクトの方へと顔を寄せた大和は、手を頬に添える。

多分、京がここにいたら、まさかここでキスを!と勝手に盛り上がっていただろうが 、そんなロマンチックな物では断じてなく、(BLを果たしてロマンチックというのかどうか知らないが…)

 

大和「おーい、ガクトー!おーきーろー!!」

ガクト「へぶぶぶぶぶ…!!」

 

ばしん、ばしん、ばしん、ばしん、と馬に鞭を打つような感覚でガクトに往復ビンタを浴びせまくる大和。

その姿は、若干嗜虐心を感じないでもなかったからか、準も風間も止めに入ることはできなかった。

 

場面変わって、

 

バハムートvs女子チーム(百代抜き)

 

まずは女子チーム、こちらはもう、正直立っているのがやっとの状態の者しかいなかった。

 

まゆっち「はあ、はあ、ぐ、ごほ…ごほ!」

 

こみ上げてくる吐き気から黛は思わず咳き込む。そこには少なからず、血が混ざっており、確実に内臓を痛めていることが伺えた。

 

クリス「はあ、はあ…」

ユキ「うぐ…く、きゅー…」

ワン子「き、キッツー…」

京「…うう。」

 

ほか4名に関しても同様であり、彼女らはそれぞれ離れた位置にいたが、うずくまるような形でそこから動けないでいた。

対するバハムートは、余裕綽々とは行かなかった。

 

バハムート【…グルルルル…】

 

ただ、警戒するように唸っていた。

彼らがバハムートを苦戦させたのは事実であり、彼らに対する敬意の念も抱いていたバハムートは油断なく躊躇いなく、彼らを始末しようと前に出る。

 

そんな時だった。

 

バハムート【…!?】

 

今まで、何者の威圧感であろうとひるまなかった竜王は突如として、降りかかってくる異常な威圧感にひるむどころか、

大きく後ろに下がった。

 

その竜王の姿に一同呆気にとられていたが、次の瞬間、

 

大和「よ!みんな!!」

 

絶望に閉ざされようとした一同に光を射すかのような明るい声がその瞬間響いた。

 

一同『大和!!』

 

その姿を見た瞬間、仲間たちは歓喜し、すぐに寄り添って来ようとしたが…

 

大和「すまないけど、話は後だ。今はあのドラゴンを先に片付けないと…あと、お願いがあるんだけど…」

 

作戦の支持を出し、これからどのように動くか支持した大和は、その後、その蒼天のように蒼く変化させた双眸をドラゴンへと向ける。

 

バハムート【グルルルル…】

 

バハムートはその男が今までで一番厄介だと直感で気づき、一層警戒を強める。

 

大和「…まずは、この場所から移動してもらわないとな…」

 

背中にあった大剣と腰にあるノコギリ状の片手剣に手を伸ばし、腰を低くする。

 

一瞬の静寂

 

周りにいる仲間たちはその光景にゴクリと唾を飲む。

 

大和「おおおおおお!!!」

バハムート【ギャオオオオオ!!】

 

天を貫くような雄叫びが大地を震わせた瞬間、

 

彼らは激突した。

 

最初は大和から仕掛ける。

ノコギリ状の片手剣による横薙ぎの一撃。

普通なら、見切ることすら不可能な速度で放たれたその斬撃を

バハムートは歯で受け止める。

至近距離で互いの視線が交錯する。

 

大和はすぐ様、バハムートの口から剣を引き抜くと、

 

大和「ふっ、はっ、ぜあ!」

 

バハムートの顔に向けて、二刀の連撃を放つ。

それを角と歯で受け切ってみせるバハムート。

 

大和はそうしながら、徐々に空中で方向転換と移動を繰り返し、バハムートを動かしていく。

 

そして、ようやく自分の狙った位置に着いたことを確認すると大和はすぐ様後退し、無事だった土管に足を着ける。

 

大和「さて…」

 

そこで、大和は考えるような素振りをしながら、バハムートを睨みつける。

 

大和(ここまでは、なんとか計算通り…ただちょっと、離れ過ぎちまったな…こうなると、あのドラゴンの使う手は…)

 

すると予想通り、バハムートは大和に向かって気弾を放とうとしていた。

この攻撃を大和は避けるわけにはいかなかった。大和が移動した場所とは、この工場地帯の中で最も高い施設を持つ場所。

よって、もし避けて、ここを破壊されると空中を飛ぶバハムートとの戦闘を有利に運べなくなる。

 

なので…

 

ノコギリ状の剣を大剣に収納させるかのように合体させると、大和は背中に大剣を回す形で構え、バハムートを睨む。

 

バハムート【グワオ!!】

 

咆哮と共に気弾を放つバハムート。それを待ち構えていた大和は

 

大和「破晄撃!!」

 

気を纏わせた大剣を振り抜くことで斬撃を飛ばす。

通常の気弾同士だと、先ほどの百代の一撃との衝突のように普通は爆発を起こすが、

大和の気弾は斬撃を飛ばした一点集中型の気弾。

 

故に…

 

二つの気弾が衝突するとバハムートの方の気弾はぱかっと、桃が割れるかのように、両断され、工場を破壊せず、素通りし、宇宙空間へと飛んで行った。

そして、大和の気弾は威力こそ落ちたが、バハムートの顔に直撃する。

 

バハムート【ギャオオオオオ!!】

 

威力を失ったとは言え、最強クラスの斬撃を食らったのだ。バハムートの半顔には無惨な切り傷が残る。

 

バハムート【グルルル…オオオオオオ!!】

 

遠くからでは駄目だと判断したバハムートは先ほどの戦闘で、自分が苦戦する状況に陥らせた地形を罠だと、薄々感づいていても突進せざるを得なかった。

それを確認した大和は跳び、空中で激突する。

 

先ほどと同じような下りで、彼らは互いに重い連撃を繰り出し、拮抗していた。

だが、大和の一撃は大剣一本に集中していた分、確実に重くなっており徐々に大和が優勢になり、そのことを見極めた大和は剣の一撃による反動で上へと跳んだ。

 

それを目で追うバハムート。そこには、青白い気を剣に纏わせ、それを後光のように自分に向かって照らしていた直江大和がいた。

 

そして、直後、バハムートの頭部に今までとは、格段に違う一撃が放たれる。

これまで、百代の一撃にも耐え切ってみせた竜王だが、耐えきれず、突き落とされる。

バハムート【グギャオオオオオ!!】

 

絶叫を上げながら、地に落ちていく龍の王。

それを追い、大和は剣をバハムートへと向け、突進する。

 

バハムート【グ…オオオ!!】

 

だが、なんとか体勢を立て直したバハムートは逃げるようにして、上空にいる大和を避け空へと浮かび上がる。

 

大和「くっ!?」

 

予想外とまでは行かずとも、わずかに驚きを示した大和はその後、舌打ちをする。

 

大和(ちっ!予定が狂ったな。本来なら、地上に落とした瞬間、オレの攻撃と共に皆の総攻撃を仕掛けて倒すはずだったんだが…)

 

だが、大和がそんなことに一考している間に事態は急変していく。

バハムートの口元から後光のような光と共に異常な勢いで気を溜められていることを感じた時にはもう遅かった。

 

大和「やばい…あいつ!神羅ごと消す気か!?」

 

どう考えても、今までとは破格の破壊力を生み出すであろう気弾が出来上がっている真っ最中だった。

 

百代《おい!大和!どうするんだ!?あれは!?》

大和「どうするっつったって…」

まゆっち《アレはまずいです。あんなものが放たれればここら一帯が焼け野原になることは間違いありません!》

大和「分かってる!ちょっと黙っててくれ!」

 

らしくもなく、八つ当たり気味に返す大和。

その間にも彼の頭の中では凄まじい速度で現状打破に対する作戦を考えるために次々と案が練られていく。

 

大和(どうする?どう考えたって、あの気弾を地上に届かせたら、ここどころかこの戦い自体が最早、収拾がつかない事態になることは明白だ。

だが、だからと言って、あの気弾を打ち消すためにはそれなりに気を溜める時間が必要だ。その間に、次弾装填でもされたら、キリがないし、何よりこの後の戦いに差し支える。

 

つまり、オレたちが今達成すべきノルマは砲弾を打ち消しつつ、ヤツに一撃を加え、確実に倒し切る。

 

どんな、無理ゲーだよ。どう考えたって、実現可能とは思えねー…

 

突っ込みでもしない限り…突っ込む?

 

…いや、俺一人の脚力じゃ、あの気弾に押し返されるのがオチだ。

 

ん?俺一人…)

 

そう考えた後、大和は周囲を見渡す。

先ほど、仲間たちに出した指示とはあのドラゴンを強襲するため、なるべく上を陣取るように動いてくれ、というものだった。

 

だが、バハムートの学習能力が予想よりずっと早く、すでに大和以外の風間ファミリーの動きを見切れていたバハムートは彼らの間合いを見極め、空に向かいながらも動きを阻んだのである。

 

だが、補足するならば百代に限っては違い、バハムートはそのことについてはどうするか検討していたが、バトルマニアの百代も大和が何よりも大切な存在になったせいか、

一瞬だけ、バハムートから大和へ意識が行ってしまい、そこを突かれてしまった、というわけである。

 

なので、彼女は今現在、そんな自分に対して忌々しげに舌打ちをしている最中であった。

 

大和《みんな!聞いてくれ!》

 

そんな折に、大和から連絡が入り次の作戦に対する指示が耳へと流れてきた。

それに対する百代たちの反応は…

 

一同『はあっ!?』

 

 

 

大和「そんじゃ、行くぞ!」

 

わずかもしない内に、作戦を開始する合図を皆に送る大和。

そんな大和を一番近くで見ている人物はというと、

 

冬馬「本気でやる気ですか?あんなことを…」

準「正気とは思えねえぞ。大和。」

大和「正気も正気だよ。こうでもしないと、あいつには届きそうにないんでね。じゃ、行くぞ!」

キャップ「へ、ずいぶんと面白そうだな!大和!

 

言った瞬間、大和は準、冬馬、キャップのいる方向へと走っていく。

そこで準もやれやれと覚悟を決めたような素振りを見せ、風間はこれからアトラクションでも待ち構えてるかの様な表情で彼の前でバレーボールのリベロのような構えを取る。

その手に足をつける様に、わずかにジャンプし、足の上に乗った大和。

 

大和「思いっきり頼む!」

 

準「つーか、オレたちがお前の脚力でオレの腕が折れないか心配なんだけど…」

大和「そこは…なんとかしてくれ!」

準「オイ!」

キャップ「ま、なんとかなるだろ!」

冬馬「では、お願いします。大和くん」

大和「了解!!」

 

言った瞬間、大和は勢いよく飛び、準もそれに合わせる様に思いっきり撃ち放つ。

 

ガクト「ホントに来やがった!」

モロ「ちゃんと、キャッチしてよ!ガクト」

ガクト「おうよ!」

 

すぐ上にいたガクトたち大和の左手に向けて、手を伸ばす。

その手を大和はがっしりと掴む。

 

ガクト「行け!大和!」

モロ「お願いだよ!」

大和「おう!」

 

更に加速して、跳躍していく。

その上にはワン子が薙刀を足場にする様に構えていた。

 

ワン子「行くわよ!大和!」

大和「ああ!」

ワン子「ていやー!」

 

飛び加速する。

その上にいるクリスはあいわかった、という風に空中に身を乗り出す。

 

クリス「まだまだ…飛べー!」

 

クリスは空中であるにもかかわらず、器用に体を丸め足の裏を大和の足裏に合わせると蹴り出す様に空中に飛ばす。

 

ユキ「いっくよー!僕の本気、見せちゃうね!大和!」

 

次のユキは、脛に大和を乗っけるとそのまま、空中に蹴り飛ばす。

 

次に出てきたのは

 

大和「お友達で!」

京「大和!これが成功したら、結婚…はっ!読まれていた!」

 

京は結婚を迫りながらも、両手で大和の手を包み込む様に握った。

京は「ちぇっ」などと言いながらも、仕事はちゃんとする方なので、両手でそのまま飛ばして行った。

 

まゆっち「行きます!ご武運を!大和さん!」

 

ぼろぼろになりながらも、最後の力を振り絞り、刀の峰に大和を乗せ、弾き飛ばす!

 

加速する!

 

そして、いよいよ、最後そこで待ち構えていたのは

 

百代「フルパワーで行くぞ!バランス崩すなよ!大和」

大和「大丈夫だよ!姉さんこそね!」

 

百代は特別サービスとばかりに、両手両足をつける様な形で大和の足に合わせる。

そして、それを全て同時に上へと放り出す!

 

超加速!!

 

最早、彼の加速に何者もついてこれないと言えるほどに、大和は加速していく。

青白い光を伴い、それは天に向かっていく流星となって、まっすぐに、まっすぐにバハムートの方へと向かっていく!

 

バハムートの方も、ようやく気が溜まり終わったのか。

その巨大な気弾を放つ!

 

大和はそれにも臆せず突っ込んでいく。

ズポン、と気弾に突っ込み、入っていく大和。

 

大和「ぐっ、くうぅうぅ!!!」

 

体が焼けていきそうだ。皮膚がジリジリと音を立て、徐々に大和の肉体を削っていく。

それはそうである。いくら大和が強いとは言え、それがイコール気弾が効かないということにはならない。

 

まるで、オーブントースターの中にある食材の様にぷすぷすと音を立て、こんがりしていく様な感覚を味わう大和。

 

大和(まずっ!…予想以上に気弾が強力すぎた。このままじゃ…)

 

迎撃されてしまう。そう感じた大和は今からでも退くべきかと、一瞬考えようとした瞬間、

 

[はい。]

 

聞き覚えがある声と共に大和へと手が差し伸べられる。

幻かと思ったが、そんなことはどうでもいいと瞬時に考え直し、大和はその手を握る。

それだけで、言いようのない安心感に包まれ、力が溢れてくるのが分かる。

 

そして、空中でさらに加速する!

 

 

 

気弾を抜け出た。

 

その瞬間大和が見たのは、目を見開き驚いた様子のバハムート。

バハムートは迎撃しようと手を前にだすが、遅い…

 

それよりも早く、大和はバハムートの肩へと剣を降ろし、そこで握る手を強める。

 

大和「クライムハザード!」

 

技名を叫び、一気に背中を登り駆ける。バハムートはその斬撃に対して、なす術もなくそしてついに…

 

ズバン

 

バハムートは真っ二つに裂かれた。

そのことに遅れて気づいたバハムートは力なく落ちていくのだった。

 

風間ファミリーvsバハムート

 

勝者 風間ファミリー

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