真剣で私に恋しなさい ACC (アドベントチルドレンコンプリート) 作:ヘルム
どういう人物なのかは想像してみてください。
後、今回短いです。
神羅 本社 社長室
ルーファウス神羅は現在、豪奢なシーツが敷き詰められたふかふかのクッション付きの椅子に横たわりながら、現在の状況について聞いていた。
ルーファウス「なるほど…バハムートがやられた…か」
苦悶の表情を浮かべながら、報告を聞いたルーファウスはつぶやいた。
ルーファウス(流石に唯一の生き残りといったところか…最近になってようやく知れた事実だったが…それにしても、やはりこれは今まで内部で情報操作をしていた者がいたと考えて間違いなさそうだな…)
直江大和が如何にあの力を嫌い、遠ざけていたからといって、ここまで10年経っているのである。
10年以上もたかが小僧だった少年の脱走を今まで知らなかったなど、一組織として問題である。
ルーファウス「だが…今、この様に戦争になっている以上、そこを今追求しても徒労か…」
そう思い直し、彼は先ほどから自分の背後にいる二人の人間に向かうと、
ルーファウス「そういうわけだ。バハムートがやられたらしい。なので、君たち二人にあの男を倒してもらおう。データ上、君たちと彼をぶつけるのは実に
そう言われた二人は一度ルーファウスに礼をする。
一人は黒い髪を後ろに流した青年で格好はベスト、ブーツ、肩当、更には工事現場で履くようなダボダボの黒いパンツ、もう一人は栗色の髪の毛を三つ編みにして束ねた少女であり、格好はピンク色の長いスカートに長袖の薄い上着という極めてシンプルで、村娘という言葉がピンとくる女性である。
彼ら二人は礼をした後、その姿を虚空へと消し、既に気配もなくなっていた。
そのことを確認したルーファウス神羅は満足げに口を歪め、
ルーファウス「さて、それではこちらも来客をもてなすとしようかな…」
椅子から体を離し、正面の門へと向ける。
騒々しい足音が聞こえてきたと思った次の瞬間、ドゴウと扉が勢いよく吹っ飛び、ルーファウス神羅の左右にそれはそれぞれ吹き飛んで行った。
ルーファウス「…やれやれ、常識がない。あなたは客室に来るときは、いつもこのように扉を壊して入って来ているのかな?」
揚羽「…ふっ、我とて常識はある。こういう時はまず、
ルーファウス「…なるほど、だが、このように扉が吹き飛ぶようなノックは他人の迷惑になるとは考えなかったのかね?」
揚羽「だから、ちゃんと貴様の横に行くようにしただろう?」
両者、口を歪めつつの皮肉の応酬、それに対し最初に話題を切り上げたのは、
ルーファウス「さて、では、貴女がきた目的は…ふっ、聞くまでもないか?」
揚羽「ああ。貴様に我が拳を食らわせ、性根を叩き直しに来た。ついでに何が目的なのかも聞き出しにな。」
ルーファウス「なるほど、ではこちらも相応の対応をさせてもらおう。」
そう言った後、ルーファウスは足元にずっと置いていた鞭とショットガンに手を伸ばし、その鷹のように鋭い瞳を揚羽に向ける。
揚羽(此奴、隙がない。なるほど、流石はあのタークスを纏め上げているというだけはある。恐らく、我流ではあろうが、我らと同じレベルまで行っている。)
流石に先ほど出会ったツォン程ではないにしろ、彼からは明らかに壁は超えているであろう程の闘気と殺気を感じた揚羽はより一層警戒を強める。
次の瞬間、ノータイムでショットガンの銃口が揚羽へと突きつけられる。引き金を引かれ、散弾が飛び散る。
それに対し、驚愕はせず、淡々とした様子で揚羽は横へと身を避ける。
そして、すぐさま距離を縮めようと迫るが、そこへ鞭が横合いから放たれる。
揚羽「ちっ!」
片手でそれを受け止め、鞭がその腕へと巻きつかれる。
ルーファウス「ふん!」
ルーファウスはそれを待っていたとでも言うかのように、思い切り引っ張る。
揚羽「なっ!?」
この時は流石に揚羽も驚いた。百代や項羽程の火力はないにせよ彼女とて壁を超えた者である。
それをルーファウスが鞭で引っ張った瞬間体が確かに浮き、投げ飛ばそうとまでしているのである。
揚羽「っ!?」
投げ飛ばされそうになった彼女だったが、そこは流石に敵の思う通りにさせなかった。すぐさま、鞭を腕から解き、荒々しく壁へと着地する。そのせいで壁には亀裂が走る。
揚羽「驚いたな。我とてパワーに自信がないというわけではないというのに、まさか、我と腕力比べで勝ってくるとはな…」
そう言いながら、彼女は床に着地する。
それを実に愉快げに見つめていたルーファウスは、
ルーファウス「私とてここを纏め、更にはタークスも纏め上げているのだ。一定以上の強さは必要だろう?」
それに対し、確かにな、と笑みを浮かべながらうなずき返す揚羽。そして、自信を落ち着かせるように一度深呼吸をし、また向かえ打つようにその双眸をルーファウスへと向ける。
静かではあるが、お互い腹黒い世界を生きてきた者同士である。心の駆け引きなどお手の物。それ故に、彼らは同時に同じような感想を抱いた。
『これは想像以上に時間がかかるな』
と…