『なぁ、ラウラ、明日空いてるか?』
電話越しから一夏の陽気な声が聞こえる。
「空いてるも何も、今空港だが...」
『え?初日から何処か旅行に行くんだったのか?』
「いや、仕事の為に本国に帰るんだが..」
『そうなのか...何時頃帰って来るんだ?』
「...夏休みの終わり位?」
『え〝』
その後数分雑談をした後、電話を切る。
「終わったか?」
電話を切ったラウラの前には、同じくドイツへ帰るアブが居た。
「はい。...デュノアは?」
「其処で買い物してる。勝手に離れなすぎないようには言ってあるから大丈夫だろう」
「もうそろそろ時間です...呼んできます」
「あぁ」
~~~~~~~
「二人って何時もこんな感じなの?」
それから二人は余りに無言だった為、搭乗口から飛行機に乗ろうとしたとき、シャルロットが聞いた。
「..まぁ、仕事だしな...」←アブ
「...仕事だし...少佐と大佐の間柄なので...」←ラウラ
「..ハァ」
「そもそも仕事に必要なこと以外余り話さなくても良い気がするが..」
アブのその言葉に、シャルロットは頭を抱える。
「何時も学校に居るときはまだマシなのに..」
「まぁ余り警戒されない様にキャラ作ってる面もあるしな」
「えぇ...」
~飛行機内~
三つ並んだ席を予約していたアブ達は、シャルロットを窓側、アブを真ん中、ラウラが外側の配置で座る。
「...安全面からシャルロット真ん中の方が良かったと思うのだが...」
「重要度でいえば大佐も十分重要人物だと言う事を認識して下さい。それにシャルロットには楽しんでもらいたいし...地獄の前に出来るだけ(ボソッ)」
「え今なんて?(震え声)」
「いや何でも..」
シャルロットが更に嫌な予感を募らせる中、飛行機は飛行場を離陸した。
「まぁ我々が例年より忙しいのは事実だがな」
唐突にアブが口を開く。
「え?そうなの?」
「前話した内部のゴタゴタで戦力(特にIS)が大幅に減ったからな...正直猫の手も借りたい状況だ。女尊男卑の例の元少将が女尊男卑の考えを持って居るウチの戦力数人を引っこ抜いて逃げた様だしな...ハァ」
「じゃあ私は期待の新人?」
「というか物凄く大事な即戦力。新人扱いされないだろうな...」
アブのその言葉に、シャルロットは冷や汗しか出なかった。
「デュノアは戦力であると共に護衛対象だから、くれぐれも自分の身には気を付けてくれ。私と大佐だけでは守れ切れない所もあるだろうしな...」
ラウラの言う通り、シャルロットはフランスから逃げてきた為、フランスからどの様な報復を受けるか分からないのだ。
「まぁ大体は基地に籠る事になるだろうしそこまで注意しなくても大丈夫ではあるんだが...」
数時間のフライトの後、ドイツにある空港に到着する。
「此処がドイツかぁ...」
「隣国なのに来た事無かったのか?」
シャルロットは初めてのドイツに浮かれ気味の様子だった。
と、その時
「お久しぶりです、大佐」
近くに止まっていた車から銀髪の女性が出て来る。
その女性は大佐と握手をする。
「シャルロット、この女性がシャルロットが配属される部隊のトップだ。」
「あっど、どうも...」
女性はシャルロットに向き直し、
「どうも、レスター・ケルン中佐です。これから宜しく」
「ど、どうも、シャルロット・デュノアです...」
シャルロットと握手を終えたレスターはラウラへと向かい...
「...ハァ、相変わらず変わってませんね...」
「悪いですか」
レスターの言葉にラウラはムッとする。
「大体、幾ら仕事だからといって貴女は暗すぎです。一兵士である前にまず女の子、それにまだ十五歳何だから...」
「むぅ...また始まった」
「またとは何です、また言われるような事になってたからでしょう」
まるで母親と娘の様だと苦笑するシャルロット。
「シャルロットさん、良いですね?絶対にボーデヴィッヒの様にならない様に」
「そもそも苗字読みの時点でレスターさんも大概なんじゃないのか?」
横からアブが口を挟む。
「私はお三方を無事に基地へと送る〝任務〟として来ています。なので問題はありません。と言うより大佐、貴方も...」
「ハイハイ其処までです。こんな事で時間を潰されたら困ります。予定が詰まってるんですから」
レスターの矛先が大佐まで飛び火しそうになった時、流石に時間が拙いと感じたのか、車の運転席に座っていた金髪の男性が止めに来た。
「久しぶりだな、オイゲン」
「お久しぶりです大佐、さぁ時間が少ないので中へどうぞ」
アブにオイゲン、と言われた運転手は四人を車に乗せ、出発させる。
「改めまして、オイゲン・アベルです。アーブラハムとは旧友って感じですかね」
「...アブに友達なんt「シャルロット?」いや何でもない...」
シャルロットは後ろの席の真ん中に座って居り、左にアブ(大佐)、右にレスター(中佐)と新人には厳し過ぎる状況となっていた。因みに前席(右)にはラウラが乗っている。
アブとラウラは知り合いとはいえ、他の二名は全くの初対面である。
「....。」
まぁそんな訳で、すっかり縮こまってしまうシャルロットであった。
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~基地前~
「此処で一旦分かれる。後でまた合流しよう」
基地の前で車から降りたアブ達は、アブとラウラ、そしてシャルロットとレスターで別れる事になった。
「付いて来てくれないの..?」
「我々は上層部に報告しないといけないからね...」
若干不安そうな表情のシャルロットは、レスターに半ば引っ張られるような形で離れていった。
「んじゃアーブラハム、また後で」
「ん」
車を置きに行ったオイゲンとも別れ、二人はそれぞれ更衣室に入り、軍服に着替える。
そしてアブとラウラは基地内で一番大きい建物へと向かう。
「...なぁラウラ」
「何でしょう」
アブとラウラはある気ながら会話を続ける
「レスターにも言われてたが、仕事の時だとしてももう少しラフになれないのか?」
「...少佐と大佐という立場上無理かと」
「せめて人目のない所だけでも良いから治らないかね...大佐としては部下の不敬より部下がコミュ障の方が心配だ」
「...そういう大佐はどうなんですか」
追い詰められたラウラは苦し紛れに反撃する。
「僕は良いんだよ、対外用に仮面被れるし、そもそも男だから其処までコミュ力は要求されないし。」
「うっ...」
致命的ダメージを受けたラウラの歩調が少し遅くなる。
「さ、着いたぞ。此処からは仕事だ。そのバツの悪そうな顔を正せ」
「ッ...ハイ」
両頬を叩いて気持ちをリセットさせたラウラは、扉をノックしようとする...
「ちょっと待て」
「へ?」
「襟。ちゃんと正せ」
「...あっ」
アブに指摘されて初めて気が付いたラウラは、羞恥心で顔を赤くしながら急いで襟を直す。
コンコンコンッ
「どうぞ」
「...失礼します。」
改めてラウラは扉をノックしてアブと共に入る。
中には、軍服姿の人物が居た。
「アーブラハム・カーティス、ラウラ・ボーデヴィッヒと共に帰還致しました」
「あぁ、お疲れ様。学校生活はどうだったか?」
「とても有意義な時間でした。各国の代表候補とも接触出来た為その情報も収集出来ました」
「それは結構。それにしてもかなり〝大きい〟お土産を持ってきたものだね。この前連絡が来た時は些か驚いたものだ」
「えぇ。無断で持って来た為後で〝土産店〟から料金を請求されそうで怖いですが」
「大丈夫さ、その時はまた〝以前の様に〟落とせば問題ない。」
「ですね。〝例の塔〟で記念撮影したいものです。」
「それにはこの国のトップ、それも独裁者にならなければ無理だな。」
ハッハッハッと邪悪に笑うアブ達に、コミュ力とは...?と考え直したくなったラウラであった。
シャルロット&ラウラ回(むしろそれ以外出て来ない...一夏?知らんな)でした。
今後数回は余り原作キャラ(特に日本人)は出て来ないと思います。
最近進捗どうですかの恐ろしさがようやく分かった気がする...