早苗がある"もの"を使って、霊夢に会話を試みるが...

1 / 1
今の若けぇもん、前の若けぇもん

-博麗神社 AM9:00-

 

「今日はいい天気ね」

朝っぱらからそんな呑気なことを言っているのは、博麗霊夢である。

しかし、そんな霊夢の顔が一変して少し怪訝な表情を見せる。

「なんのようかしら?」霊夢は問う。何もない空間に。

その声に答えるように霊夢の後ろから声がした。

「あら?気づいてたの?」

霊夢の問いに残念そうに答えた声の主は、スキマを使って博麗神社に遊ぶに来ている八雲紫だ。

紫の存在にイラつきを見せながら霊夢は返す。

「あたりまえじゃない!」

そんな霊夢を宥めるように紫が言った。

「まぁまぁ...プレゼント持ってきたし... ね?」

霊夢は不機嫌な態度を変えずに聞く。

「プレゼント?」

「ええ。」

そう言って、紫は手のひらの物を霊夢に見せた。

なにやら外の世界の物のようだが...

「なによ...コレ...?」

 

 

-その頃-

森の上空を緑髪の少女が溜息を交えながら飛んでいる。

その少女とは、東風谷早苗である。

早苗はパトロール中なのだが、

「最近はなにもなくて暇ですね...」

と言う程には、幻想郷は平和であった。

「空から何か落ちてこないかn...」

早苗がふとそんなことを言った時だった。

早苗の目に太陽の光を反射して光を放つものが目に入った。

森の中にそんなものがあるのはおかしいと感じた早苗は”それ”に近づいた。

早苗には見覚えのある物だった。

とにかく一度、神奈子に知らせるためにと早苗は”それ”を手にしてその場を去った。

 

 

-博麗神社 PM9:00-

霊夢が紫に貰ったもののことについて思い出していると、突然"それ"が「ブゥ」という音とともに激しく振動し始めた。「なによ」

落ち着くのにだいぶ時間がかかった気がするが、自分の勘を便りに画面を触ってみた。

 

-守矢神社 PM10:00-

早苗「も、もしもし...霊夢さん?」

拾ったものが何であるのか知っている早苗は、神奈子には話さずに"それ"を使って霊夢との会話を試みていた。

霊夢「ん?早苗? ねぇ、何なのコレ?」

早苗「これはですね、外の世界にある"携帯電話"というものです」

  「って、霊夢さん!何なのか知らないのになぜ持ってるんですか?」

霊夢「ん?ああ、ちょっとある奴からプレゼントされたんだけど...」

そう言いながら。霊夢は紫の顔を思い出して少し不愉快になった。

早苗「そうですか、なにはともあれ」

  「霊夢さんとこうして直接会わなくても話せるなんて...」

  「嬉しいです!」

霊夢「・・・」

早苗「どうしよう!テンション上がりすぎてもうヤバイです!」

霊夢は電話越しにでも分かる早苗の高揚っぷりに、引いていた。が、早苗はそんなことお構いなしに喋り続けた。

早苗「これから毎日霊夢さんにモーニングコールとかしちゃおうかな♪」

  「ああ、でも寝る前にも霊夢さんの声が聞きたい...」

  「寝る前にもかけちゃおっかな♪」

  「おーい、霊夢さ~ん!聞こえてますか~?」

  「霊夢さん!」「霊夢さんってば~」「寝ちゃったのかな?」

早苗の言動に耐え切れなくなった霊夢は口を開いた。

霊夢「早苗?」

  「ひとつ言っていいかしら?」

早苗「はい!なんでしょう?」

霊夢「あなたそんなに一人で喋ってて 悲しくならないの?」

早苗「・・・?」

思いがけない霊夢の言葉に、早苗のテンションも一気に下がっていった。

霊夢「そりゃ、あなたからしたら 私と話していることになっているんでしょうけど」

  「周りから見たらあなた、ただ一人で機会に話しかけ続けてる...」

  「おかしな子にしか見えないわよ?」

早苗はただ黙って聞いているしかなかった。

霊夢「人と話すということはただ声を、音を相手に伝えるだけじゃないのよ?」

  「話している時の表情、

                    体の動き、

              目線...」

霊夢「それら全部を使って、相手に自分の気持を伝えるのが会話ってもんでしょ?」

早苗「それはそうですけど...」

霊夢「私たちが今しているのは、"音声"というデータを相手に送っているだけ」

  「これでは会話とは言い難いわね」

早苗「・・・」

遂に涙目になる早苗。しかし、霊夢は気にせずに続けた。

霊夢「まぁ、これはあくまで外の世界のあまり文化を知らない、私だから言えることかもしれないけどね」

  「やっぱりあんたとは声だけじゃなくて、」

  「あんたのその純粋無垢で真っ直ぐな目を見て 話をしたいじゃない」

霊夢「風のような、あたりまえのようにそばにいてくれる存在」

  「それがあんたでしょ?」

早苗「.....霊夢さんの....バカ...///」


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。