『キャスター陣営』
・早眞冬児
聖杯戦争に巻き込まれた男子大学生。愛する女の子を救うために戦うことを決意する。
・キャスター(一騎目)
真名不明。日本風の顔立ちの紫の着物装束の美少女。
『アサシン陣営』
・平桔平
バイクが好きな青年。喝馬町のオーナー・壬生家を壊滅させるが、キャスターの手によって大ダメージを受ける。
・アサシン(一騎目)
真名不明。雪のように白い肌をもつ可憐な暗殺者。宝具は巨大な獣。
○【日本・渇馬町第一教会】
古びた教会。
蝋燭の灯りだけで照らされた礼拝堂には、教会の管理を任されているアレーシア以外、一人として人と呼べるものが存在しない。
急遽行われることになった時代遅れの聖戦の監督役を引き受け、この地に立ったものの驚くほどこの日本という環境はそれに適していなかった。
かつての戦いもこの国で何度か行われたらしいが結局呼び出したのは二度だけだというし、やはりそんな大層な土地とは思えないのが本音だ。
だからといって仕事を投げ出すこともできないから彼女は今、七体の使い魔の前に監督役として立っているのだ。
「ではお集まりの皆々様。わかりきったことだとはお思いでしょうが、先日。遂に今戦い最後となる、九体目のサーヴァントが召喚されました」
この場にいるものは所詮は異形のもの。それを通して聞いている“マスター”供がどういう反応しているのかをかすかに想像して、仕事仕事と改めて決意を固める。
「此度の戦いは紛れもない“聖戦”。皆様が持ちます神の移し身と呼ばれるものの欠片、つまりは聖杯の欠片が皆様の参加資格となります。ですので決して無くしませんよう。
それと、言うまでもありませんが、我々『バルドリア』は魔術協会・聖堂協会と敵対関係にあります故、我らが取り仕切る戦いに参加するということは双方との関係が危うくなることも覚悟して頂かなければなりません。よろしいですね」
――ああ、何で私がこんな爺臭い話し方をしなければならないのですか。
と、本音は隠していても、雰囲気出すために薄ら笑い浮かべてるのは、おかしくはないだろうか。
作り笑いになれておらず、口元が時折痙攣してしまうのが恥ずかしい。
早急に自身の痴態を晒すの終わらせたかったアレーシアは少々早口で話を続ける。
「では簡単なルールの説明を。まずは規定のサーヴァントの召喚、は皆さんクリアされていますので、続いて此度の決闘の舞台について。
場所は『日本・喝馬町』。
マスターの皆様には現時刻から3日以内に喝馬町に来て頂かなければ不参加とみなしこの聖戦から退場して頂きます。
私が滞在しているこの第一教会もこの町にありますので、ルールに関してなにかご質問があった場合、ご足労ですがお越しください」
監督役の居住区として、アレーシアの父であり秘密結社バルドリアの総帥である人物は、山の上の使われていない北の教会を選んだ。
過去の聖杯戦争における聖堂協会の真似事ではないが、やはり魔術を扱う化物共を相手にするとなると、その中立機関は教会が相応しいという考えの下だ。
「次に、此度の聖戦中は決して日本からお出にならないよう。日本は我々の力が及んでいますからまだしも、他の国で好き勝手やられては先程話した二つの団体以外からの妨害も受けかねませんから」
続いて三つ、と少々興奮気味に強い口調で話を紡ぐ。勿論演技だ。
「今回、聖杯統合戦に参加するサーヴァントのクラスは既存の英霊として、
剣の騎士【セイバー】
弓の騎士【アーチャー】
槍の騎士【ランサー】
騎乗兵【ライダー】
狂戦士【バーサーカー】
魔術師【キャスター】
暗殺者【アサシン】
更に今回は新たなクラスの英霊が必要ですので、
盾の騎士【シールダー】
技術士【メイカー】
と、監督役である私の護衛としてもう一騎サーヴァントをつけることで、最大10のクラスとなります」
そして、と加え使い魔を通して聞いているマスター達の驚く顔を想像しながら机に手をついて声を大にする。
「更に、今回は追加ルールがあります……!」
今頃どこぞの屋敷で優雅に紅茶でも楽しみながら耳を傾けているマスター達は首を傾げているに違いない。そんな魔術師共に追い討ちをかけるようにアレーシアは自信満々に宣言する。
「もし、自分のサーヴァントが負けるようなことがあっても!!欠片さえ奪われなければ再度儀式を行い
『新しい英霊を何度でも召喚可能』です!!
そのためにかかる魔力の負担も私たち、バルドリアが負いましょう!!」
ーーと、はりきって言っても返事がないことぐらいわかってるわよ。使い魔相手に話してるんだから。
「と言いましても、再度召喚できるのはあくまでサーヴァントが消滅した後の場合のみ。呼び出される英霊も、始めに呼び出した英霊のクラスと同じものだけですのであしからず。欠片にはそういう効果が予め付与されているそうです……」
後半が声が小さくなったのは使い魔が相手だから返事が無くてテンションが下がったとかではない、と自分自身にだけ言い聞かせる。
「勝利条件は全ての欠片を集め、ここ第一教会に辿り着くこと。さすれば万能の願望器の力で貴方方の願いは叶えられるでしょう」
言ってから左手の甲を見せつけるように少し挙げる。
細くしなやかな手の甲には巻き付く茨のような赤い刺青が刻まれている。
それがマスターに贈られる人外であるサーヴァントへの絶対命令権、“令呪”であることは、使い魔越しに監視していたマスター達の大半は理解していた。
「さて、以上を心得たマスターの皆様はそのまま欠片を所持し続けてください。決して聖杯統合中はこの喝馬町からはお出にならないよう。
今夜0時、“令呪”がこちらから貴方方の肉体に転送されますので」
では、とスカートの裾を指で摘まんで持ち上げ軽く礼をし、
「善き戦いにならんことを願っております」
監督役は聖戦の開幕を正式に口にした。
※反省点
収集つかなくなりそう。