*現在記載できる登場人物のみ掲示。
『キャスター陣営』
・早眞冬児
この物語の主人公。魔術師を義父にもつ一般人。不遇な苦しみに囚われる少女を救うために聖杯統合戦に参加することを決意する。
・キャスター(一騎目)
冬児のサーヴァント。紫と白の装束を纏った日本風の顔立ちの少女。
『アサシン陣営』
・不明
・アサシン(3体目)
地下空洞にて聖杯の核を守っていたがランサーと相打ちになり死亡。真名は人類史初の殺人者、“カイン”。
『シールダー陣営』
・不明
白髪の老人だと思われていたが、死亡。正体は定かではない。
・シールダー(二体目)
西洋の老騎士。最期は英霊としての威厳を守る為に、冬児とキャスターを守って消滅する。
『ライダー陣営』
・矢部崎結香
冬児の幼馴染である眼鏡の少女。冬児に対して異常なまでの愛情を見せる。 黄金の魔眼を持つ。
・ライダー(一騎目)
黄金の舟に乗るサーヴァント。常に上から目線の性格だが、愛に生きるマスターには情を見せる。
『アーチャー陣営』
・ライングル
イタリアの大マフィア『クリムゾン』の代理ボス。内気な少年で戦いにも気乗りではない。
・フラン
アーチャーのマスターであるラインの護衛。過去の事件から肉体の四分の一を別の何かに変えられている。
・アーチャー(一騎目)
青丹色の髪と金属を幾つも身につけた青年。真名はインドの叙事詩『マハーラーバタ』にも載る大英雄、アルジュナ。
・ルツ&マーク
フラン同様、ラインの護衛。
『ランサー陣営』
・現在未確認。マスターであるハクアが謎のサーヴァントに斬り殺され、欠片はその後行方不明。
『バーサーカー(?)陣営』
・赤ん坊
事実上バーサーカーのマスターであり令呪も宿している。が、当然話すことも自分で歩くこともできない。
・バーサーカー(一騎目)
肩から二対の大蛇を生やす漆黒の騎士。聖杯統合戦四日目にて悪竜と化したことから、ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』に登場する王、ザッハークだと判明した。
『メイカー陣営』
・ガルム ・ドルギスタン
ナチス現最高指導者。老人でありながら、卓越した武術を身につけ、聖杯を掴む勝つ為ならば手段を選ばない。
・メイカー(一体目)
軍服の長身の女。真名は第二次世界大戦において世界を混乱に陥れた軍人、アドルフ・ヒトラー。宝具は固有結界であり、自らの思想の全てをこの世界に出現させる。
【参加者以外の登場人物】
「バルドリア」
・アストル・ハーデンベルト
教会にも協会にも属さない独自の宗教組織『バルドリア』の大師父。自分達の教祖の意思を実現させるため今回の聖杯統合戦を起こした。
・アレーシア・ハーデンベルト
聖杯統合戦における監督役。アストルの実娘であり、息子を一人持つ。基本的に温厚な性格で抜けているため争いには向かない。
・キレイ・ハーデンベルト
アレーシアの息子。アレーシアの護衛役として付いてきてるが、日本に来てからやっていることはほぼ家事のみである。
「聖堂協会」
・熊
埋葬機関所属。№不明。竜種(実物かどうかは不明)の骨から作られた大剣を片手に異端者を狩りに喝馬町に来た。ちなみに熊というのは本名ではない。
「その他」
・壬生カグラ
冬児の代わりに元々聖杯統合戦に参加する筈だった少女。何者かの襲撃に会い、人の形を保てていない。
・壬生安山
カグラの父親。既に死亡している模様。
・早眞トーリ
冬児の父親。
・サンジェルマン伯爵
歴史上の人物の名を語る中年。堂々と魔術協会に喧嘩を売る。
○【聖杯戦争五日目・早眞邸】
いつもなら静寂に包まれる筈のこの深夜に、大凡この世のものとは思えない化物の咆哮が鳴り響く。
それは存在している。喝馬町の中で今も唸りを上げては町をどんどん破壊し、人を殺し尽くしている。
だというのに騒ぎにすらなっていないのは監督役の人間達が人為操作を行っているからなのだろう。竜と化したバーサーカーが暴れているのは南部の海岸で、冬児達の拠点であり住居である早眞邸は山岳に近い北部にあり、その距離は数百とあるというのに咆哮はかすかに耳に届く。
それでもテレビを付けるといつも通り深夜のお笑い番組がやっているし、サイレンの音も聞こえないし、隣の家の住人も異変を察知してインターホンを鳴らしになんて来ない。
当然だ。その方が良いと冬児は思う。聖杯統合戦に参加して今日に至るまで、数々の人外と呼ぶに相応しい英霊達を目にしてきた彼からしたら、例え軍隊が動こうとも、人間が小さな羽虫を手で潰すように殺すことが奴等には可能だと理解していたから。
だから止めるのは自分達の仕事だ。
追加の令呪や新たな聖遺物が与えられることなど関係なく、二人はそう理解していたから早眞邸に戻ってきたのだ。
自分の用事をいち早く済ませ、冬児はキャスターが待つリビングへと進む。扉を開けると一瞬眼が怯む。
何事かと思って目を凝らせば、自分やキャスターが食事をするテーブルの上に、一体何処から出したんだと言わんばかりの数の勾玉が置いてあった。
「すっ凄いな。これ全部持っていくのか?」
「――いや」
見ればキャスターは確かに幾つかの勾玉を袋詰にして纏めてはいたが、それは戦闘のために持っていくのではなく、屋敷のそこら中に隠していた。
「ちと道具作成スキルを乱用して作りすぎてしまっての。余ったのは帰ってきた後に使えるように隠しているのじゃよ」
そこで成る程と冬児は頷く。確かに幾ら作ろうとも、持っていけないものも沢山あるだろうからな。暖炉の中に隠した真っ赤な奴とか、ティッシュの箱ぐらいの大きさでもはや勾玉とは呼べなそうだったし。
一通り整理が終わったのか、キャスターは服に付いた埃を手で払いながら冬児に目を向ける。
「お主の方こそ、用事というのは済んだのか?」
「ん?……ああ。この前商店街で一緒にお茶飲んだろ?そんときに貰った鍵で蔵から取ってきた」
そう言いながら冬児が取り出したのは、“ただの蒼い石”だった。
別段おかしなところはない。魔力さえ纏っているものの、それこそキャスターが作った勾玉の方がより多くの質のいい魔力を保存していると言っていい。
「それは?」
当然ながら疑問に思って小首を傾げるキャスターに、冬児は苦笑しつつあまり石を見せずに懐に仕舞う。
「もしもの時用の俺の秘密道具。あんまり使いたくはない」
ほほーっと、若干興味を示したキャスターも、それ以上深追いしまいと目を逸らし、テーブルの下に置いてあった風呂敷を冬児に渡す。
「では、主様。お主の勝負服じゃ。
まぁデザインはいつものお主の服と変わらんがの。あれじゃ、サーヴァントが夜なべして作った愛情入り防具♪」
「はははっ」
恐らくはいつも着ているのと同じ、防護の加護付きの服だろう。それでもこれが無いと死んでいたと思う局面は何度もあったし、たぶんこれからも助けられる。
そう思った矢先、急にキャスターは真面目な表情をして真っ直ぐに自分の主を見つめる。
「主様。もう一度言うが行かなくてもいいんじゃぞ?
お主はお主の愛するものの為に命懸けの聖杯統合戦に参加したのじゃ。その中に、お主と何ら関係のない人々の為に戦うといった選択肢は含まれていない筈じゃ」
心からの心配と優しさ。キャスターは本心で口にしたことを思ってくれているのだろう。
その気持ちは何よりも嬉しかったが、それでも冬児は僅かな微笑を浮かべて首を横に振る。
「いいや、キャスター。含まれているんだよ。
カグラはこの町を守る魔術師だったんだろう?なら、あいつが居ない今、その肩代わりをするのがあいつの彼氏である俺の役目だ。俺がやらないといけないんだ。だからキャス――」
言い切る前に白く細い指が頬に触れる。前を見ると何処か切なそうに笑う、大事な人の一人。
「その先は言わなくていい。お主が言わなくても我はお主に付いていく。何処までもな。
じゃが、決してその結果の為に自分の命を投げ出すな。それだけは我は許さぬからな」
「ああ、わかってるよ」
そう言って二人でお互いを戒める言葉を言い合って数秒、沈黙が保たれた。
何時までも続くとさえ思えたが、意外にも少ししたら部屋の奥の扉から味方が一人入ってきてその空気は壊された。
「おや、お二人共準備は終わりましたか。では参りましょうか」
自身も武装して入ってきた男は、キャスターも冬児もよく知る男だった。二人の神妙な空気を察知し、それでも場を和ませようと緩やかな笑みを浮かべる青年。
「アルジュナこそもう準備は終わったのか?」
ラインがナチスに連れ去られ、離れた場所でメイカーと激突していたアルジュナの安否は数刻前まで不明だった。しかし家に帰るとあっさりとキャスターはアルジュナが無事だということを口にし、何故か右手に宿っていた一つ限りの令呪を使ってアルジュナを早眞邸に召喚したのだ。
アルジュナが無事だったこととキャスターが令呪を持っていたこと、その2つの疑問はキャスターが持つたった一つの宝具の効力によって説明がつく。
『契約結びの金印』。正式名称は聞かされていないが、キャスターが石の鏡の他に持つとされるその金印は、お互いが決めた契約を必ず実行させる宝具。
戦闘では全く役にたたないと宝具だと彼女は自虐していたが、その宝具は魔術師であるキャスターにとっては最高のバッグアップ宝具に他ならなかった。
比較的零脈の付近にある早眞邸に工房を作ったキャスターは、早眞邸に居る限りほぼ無限の魔力を手にすることができる。それはつまり、もし契約結んでいる使い魔がいたらその使い魔にも無限の魔力が流しこまれることを同義とする。
それを見通してメイカー戦の前にキャスターとアーチャーは契約を結んだ。勿論、本来のマスターであるラインとの契約をそのままとしての二重契約である。
キャスターの宝具からアーチャーの腕に刻まれた印に向かって魔力が流れる。単独行動スキルを持ち、魔力貯蔵量の莫大で、それでいて大英雄がある為に魔力消費量の多いアルジュナには、流れ込む魔力量は多い方が断然良い。そういう意味でもキャスターとアルジュナの契約は、効率が良かった。
満身創痍で屋敷に帰ってきた冬児とキャスターが最初に見たのは、行儀よく屋敷の前で佇立するアルジュナの姿だった。万全の状態でメイカーとの激戦を果たしたアルジュナだが、結局逃亡する彼女を捉えられずに早眞邸に帰って来たらしい。
それ以前に思念によるラインの声が聴こえ、アルジュナは助けに行こうとしたらしいのだが、流石にそこは耐えたらしく早眞邸に戻って来た、と沈鬱な表情で彼自身が語っていた。
「ええ、私も準備を終えました。いつでもあの龍めを撃ち落とせます」
恐らく冗談のつもりではないのだろう。勿論、目の前にいる男があの神話に登場する大英雄・アルジュナだというのならばそれも不可能だとは思わない。
100万のガンダルヴァ軍を焼き殺す、6万台の戦車を矢で破壊し、布遊する黄金都市を撃ち落とした。
数ある伝説はどれも壮絶なものばかりで、ライバルたるカルナの全力には及ばないとされながらも、彼自身の戦闘力は普通の英雄のそれを超えているだろう。
バーサーカーを止めたいことをアルジュナに伝えると彼は迷う事なくそれに応じた。
その代わりと、我が主の奪還に力を貸せとのことだが、元より頼まれなくても冬児はそうつもりだったのでありがたかった。
高潔な精神に強力な暴力。味方になればここまで心強い奴も居ないだろうと冬児は内心で安堵の溜息を漏らす。
「では主殿」
先に扉の前でアルジュナと並んだキャスターがこちらに手を伸ばしてくる。横で弓を背負うアルジュナも穏やかな笑みを浮かべている。
「あぁ、行こう。俺達でバーサーカーを止めるんだ」
○
そして歴史に名を残した英雄達は、喝馬町南部の海岸に集結する。
冬児とキャスターとアルジュナがその場に到着した時には、他の陣営がその場所にいる様子は感じられなかった。まだ来ていないのか、傍観するつもりなのか。
海岸から三人で海を見つめる。冬児とキャスターには微かな影しか確認できなかっだ、アルジュナには見えているらしく一番先に口を開く。
「確かに、アレは討伐するに相応しい」
アルジュナの鷹の目に映っていたのは、まさしく伝承に残る悪竜の姿だった。三つの首を持ち、三つの口を持ち、六つの眼を持つ、暗黒の龍。一息する度に口から呪いが染み込んだ毒息を吐き、唸りを上げれば大気すら震わせる。巨大な身体の至る箇所からは無限に有象無象の蟲が沸く。
その姿は、まさに英雄と対を成す、人類に対しての紛れもない害悪に相違無かった。
「ふむ。まずはどうやってあそこまで我らが向かうかだな。陸に上がらせたら、終わりだぞ」
「私の船が使えればいいのですが……生憎、弓兵として呼ばれた故に使えないのです」
「いやそこまでお主に期待できん。しかしまぁ、どうしたものか」
アーチャーもキャスターも近接戦闘タイプではなく、遠距離を得意とする為、此処からでも攻撃は十分可能なのだが、どうやらある程度近づかなくては紛いものとはいえ竜種に傷を付けることは不可能らしい。
「おそらくランクA相当の対魔力が備わっているのでしょう。私の弓でも近づかなくては攻撃として機能しない」
「驚くべきことはそこだけではないだろう」
「――ええ。誰があれほど強力なサーヴァントに留めどなく魔力を送っているか、ですね」
キャスターの言うところ、どうやら海上で暴れるあのサーヴァントは動くだけでも魔力を大幅に喰らうらしい。監督役からの魔力供給も止められている今、誰があのサーヴァントに魔力を送っているか、不明だそうだ。
信じられないことに元々のマスターは年端もいかぬ赤ん坊だったと監督役の使いは言っていたが、その赤ん坊も今は行方不明らしい。
「勝利条件は3つ。
1つは何とか近付いてあのバーサーカーを倒す。これは一番可能性が低いが、一番手っ取り早い。
2つはバーサーカーのマスターを探し出し、魔力供給を止めさせてバーサーカーが自然消滅するのを待つのがあるが、そんな時間も残されていないだろう。
3つは監督役に言われたとおり、教会まであの竜を連れて行くこと。監督役がどうするか聞いていないが、これならまだ全員が生き残れる可能性がある。が、その場合上陸の際の町の住人の命の保証はできない」
キャスターが選択肢を上げるとアーチャーが直ぐ様挙手する。
「私は1で」
「迷わず笑顔でそう言えるのはお主の英雄たる処よな。
主様は?」
「……」
――俺は。
――俺は正義の味方じゃない。守れるものは守れたらそれでいい。目に見えるもの全てを救うなんてことはできないし、やろうとも思わない。ただ大事なものを守れたらいい。
――その大事なものっていうのは、恋人であるカグラであり、友人である矢部咲や熊であり、知人である鳩さんや劉さんやその他である。
――つまりはその全てが存在するこの町こそが、俺の守るべきものだ。
「俺もできれば1だ。でも俺は誰にも消えてほしくない、それはキャスター。お前と、アルジュナ。お前もだ」
そう告げると自身のサーヴァントは何処か満足気に頷き、対してアルジュナは少し意外そうな表情をしていた。
「私もですか……?」
「ああ、当然だろ。例えこの先に敵になるんだとしても、今は仲間だ。それにお前は普通に良い奴だしな。
ラインとルツさんとマークさんの救出にもお前の力は必要だし」
「……貴方は、いえ。言わないでおきましょう。きっと、貴方自身が否定するようにそうではないのでしょうから」
少々心に残る言葉を口にしてからアルジュナは再び海岸に迫る竜に目を向ける。
褐色の両手には、それぞれ黄金の弓と矢が握られている。
「さて、どうしましょうか」
アルジュナが再度そう口にした時、上空から風が吹いた。その場にいる全員が見上げると、天空で輝く月に被さって現れたのは同じ様な色をして輝く黄金の木舟。
「あら?お悩みなら手を貸そうかしら?」
●
「何者ですか?」
「あら、私のこの舟を見て気付かないなんて相当なマヌケかしら?
でも今はアンタに用があるんじゃないの。私が用があるのは、そっちのマヌケ顔の坊や」
そう言って黄金の木舟の主は、自ら木舟から地上に降りる。
突如目の前に降り注いだそれに、冬児は一瞬見えても決して掴めない星の輝きを連想する。それほどに可憐、それほどに美しかった。
目の前に立つのは、キャスターより小雀な翠色の髪の少女。キャスターが着る着物とはまた違った艶やかな蒼色の着物を着用して、不思議そうな顔で冬児の顔をあらゆる視点から見つめている。
「なっなんだ。というか誰だ」
「ふーーん。こんなのがいいんだマスター。私には理解できないわ。背が特別高いわけでも、顔が特別良いわけでもないのに。でもそうね、どこまでも一途っぽいわ。その点だけは私も評価してあげる」
一人でにブツブツ語ると、少女の人差し指が冬児の鼻先に触れる。一瞬、背後からキャスターからの殺気を感じたが少女は構わず言葉を紡ぐ。
「よくてよトーリ。マスターに変わって、私が貴方に手を貸してあげる。私はライダー。
天上掛ける、月の木舟を持つ姫君よ」
「――えっ」
――ライダーと言ったか。この女の子は。
キャスターもアルジュナも全く警戒しないが為に自分も警戒しないでいたが、まさかサーヴァントだとは思いもしなかった為、驚きを隠せずに冬児は背後に少し下がる。
「おっおま、サーヴァント!!?」
「あぁ、この際細かい説明とか無しよ?何で自分を助けるのか?とか。時間ないんでしょ?あの化物倒す為だけの協力と考えなさい」
予想通りの反応見せた冬児にライダーを名乗る少女は呆れさえも通り越した表情で首を振る。
そこから黄金の木舟を自分の側に呼び、冬児からアルジュナに目を向ける。
「私を信用するかどうか貴女達次第よ。乗るか、乗らないか、文字通りね」
そう言って自身の木舟を叩いて見せる少女を一見し、アルジュナは目を瞑って頷く。
「いえ、信用するかは別としても今は乗りましょう」
「アルジュナっ!!?」
「心配しないでください。もし彼女が私達を騙していたとしても、例え空中でも海上であろうとも彼女を撃ち落とすことができます」
確かにアルジュナならそれは可能だろう。しかし、本当にいきなり現れたサーヴァントを信用すべきかと思うと、冬児は更に頭を悩ませる。
「ま、乗る奴がこう言ってるからいいでしょ?
貴女は残るんでしょう?キャスター」
「ああ。勿論だ。海上での戦闘は任せたぞ」
意外にもあっさりと。背後にいる自分のサーヴァントは突如現れたサーヴァントの協力を受け入れてしまっていた。
「キャスターまで!?」
「落ち着け主様。今はとにかく戦力が多い方がいい。どちらにしても他の陣営が手を貸すように頼むつもりだったのだ、丁度良いではないか」
「そそっ。頑固な男は嫌われるわよ、トージ」
キャスターの後押しも効いて調子良く嘲笑う少女を、冬児は訝しげに見つめ口を開く。
「ていうか、何でお前、俺の名前知ってるんだよ」
「えっ」
その問はライダーにとって鬼門だったのか、意外と聡しいのねと呟きながら彼女は頭を掻く。
「えっと、それは」
――彼女が間の悪そうな顔で横目になったとき、海上から閃光が走った――
それが攻撃だと最初に理解したのはアルジュナだった。
彼は海上から迫る、破壊の波動を自身の弓で迎撃する。結果、アルジュナの凄まじい威力の弓の前に大半は消滅するが、光の残留が冬児達襲う。
が、その紫の閃光は黄金の木舟によって塞き止められ残留すら残さず塞がれる。
閃光を防いだのは間違えることなくライダーの宝具で、その行為は自分を含め、その場にいる全員を守る為の行動だった。
「“
そう口ずさむアルジュナの表情からは緩やかな笑顔は消え、戦場に向かう戦士のそれに変わっている。
冬児といえば、さっきまで悪態をついていた相手に守られて戸惑っている最中だった。
「あっありが、」
「礼なら私じゃなくて、全部終わった後に私のマスターに言って」
本気でお礼を言うつもりだったが言葉は遮られ、少女は舟の中に戻って浮遊する。アルジュナを屋根に乗せて未知なる竜種に挑む前に、一度だけ冬児に目を向け、一言添えて。
「さて、地上の敵は任せたわよ。小さな英雄さん」
●
海上。
着々と地上に接近する悪竜に高速で近付く、黄金の浮遊物体があった。
その屋根には高速移動によってかかる風圧などものともせずに立っている男が一人居る。
次第に悪竜に近付くと男は弓を構えながら口を開く。
「黄金の船に乗って敵を倒すとは――生前を思い出しますね。フフフ」
「馬鹿なこと言ってないでさっさとあの化物何とかしてくれないかしら色黒男」
「いっ意外と毒舌ですね、ライダー」
そう苦笑しながら、眼前に迫る敵を、アルジュナは睨む。口元には笑みを、思い浮かべる遠い日の戦場の記憶。
矢を持つ右手から振り絞った弓まで自身の電撃を纏わせ、彼もまた高揚した気持ちを抑えきれずにいた。
「ではご相手願いましょう。この世全ての悪に繋がる、哀れな王よ」
「“
○
海上から空中に向けて雷光が輝いのたのが見えた。
アレは間違いなくアルジュナの弓から放たれた攻撃だ。天空に放たれた雷光は、雷を纏う無数の光の矢となって悪竜に襲いかかる。
同時に悪竜も唸りを上げ、アルジュナが乗る黄金の船を敵と判断して爪を振り上げる。
そこからは紛うことなき神話上の人物通しの戦いだった。内一人は竜に変貌している為人と呼べるかは不明だが。
冬児にそれ以上先を確認する余裕は無い。ただの視力での限界という訳ではなく、それ以外にやるべきことがあったから。
気が付けば冬児とキャスターはこの前と同じ様な状況に陥っていた。
二人を囲むのは無数の軍隊。統率者は同じくガルム・ドギルスタンだが、但し今回は前回とは違い、二人を囲う軍隊全てが敵意を表しているかの如くそれぞれの銃口を二人に向けているのだ。
「またアンタか」
冬児は僅かに冷汗を欠いてガルムを見つめる。
恐らく、アルジュナがいなくなった瞬間に現れたのは偶然ではないのだろう。ここで自分達を叩きのめす為に息を潜んでいたに違いない。
冬児の言葉を聞いてか、本当は耳には届いているだろうが弱者の声はガルムの心に届いていないのだろう。冬児には目すら向けずに要件だけを伝える。
「降伏しろ。貴様らには期待していない」
二言。そう告げると、ガルムの背後から奇妙な怪物が現れる。
「……奇怪な」
恐らくは人工的な合成獣。それも魔術ではなく、完全なる“科学”の力で生み出された紛いもの。一言でそれを表すのならグロテスクの一言に限る。
一体何人の人間と何種類の生物を犠牲にして作られたのか。その怪物はゆっくりとその6足を動かしてキャスターと冬児に近付く。
ナチスの生物兵器というオカルトチックな噂。それがゆっくりとゆっくりと、ただの人間である冬児に近付いて行く。
降伏しろ、とは口にしながらどうやら相手は自分達を返すつもりなど毛頭無いらしい。
大量の軍隊、未知の合成獣、人類の戦闘力を平均値から軽々しく離れる人間。
自分達二人では撃破どころか、逃亡すら不可能かもしれない。絶望的状況はキャスターも察したらしく自分を守護するように前に出る。
「主様、下が――」
その言葉を遮って、
「いや、ここは俺に任せてくれ」
早眞冬児は戦闘において、自分を守る少女の前に出る。
「あっ主様っ!!?何を!?」
普段、滅多に驚きを見せないキャスターが声色も表情も驚愕のそれに変えて自身のマスターを見つめている。
既に歩き始めた冬児はといえば、その真っ直ぐな双眸で敵であるガルムを見つめている。対するガルムは苛立ちをも含めた訝しげな表情で冬児を睨み付けている。
「英霊ですらない貴様が
「そうさ。何か出来なくても、何かしようと行動するんだ。それぐらいしか俺にはできないからな」
ガルムは前回と相対した時とは違う少年の気に、僅かに印象を変える。いつもと違う主の雰囲気にキャスターでさえ息を呑む。
冬児が踏み出してから数本目程で、巨大な合成獣の横を通る。
同時に合成獣はその巨大な
「“剣を左手に 右手には彼の者の心臓を”」
奇怪な咆哮を上げながら近付く獣さえ気にかけず、
冬児は
「“希望を胸に 身に纏うは装甲なる青の鎧”」
最後の一綴を言い終え、詠唱が完成するその前に合成獣が冬児の身体を頭から爪先まで飲み込む。
が、途端に生命を無くしたのは飲み込まれた冬児ではなく巨大な合成獣の方だった。
途端にその黒点だらけの皮膚が赤黒く腫れ上がり、爆発する。血飛沫が天空から地上に飛び散り、
――合成獣の巨体の変わりに現れたのは蒼銀の鎧を身に纏う戦士の姿。
「“
○
「いいか冬児。この力には使用制限がある。つまりは使える回数に限度があるんだ」
トーリに力が欲しいと伝えた後、ある“石”を渡された。
それはトーリが製造した魔術礼装らしい。もしくは概念武装にも分類できる、魔術的近代兵器。
ある英雄の能力をそのまま鎧と剣として具現化させるその石は、まんまその英雄の武具を基礎として作られたらしい。“3度しか使えない宝剣”と“蒼色の魔法の鞘”を溶かし固めたと言っていた。たったそれだけで作れるとは信じられなかったが、トーリ出来たと言ったのだから間違いはないのだろう。
「この剣は“過程はどうであれ、必ず勝利を掴むことのできる”魔法の剣だ。但しさっきも言ったように使用回数があり、3度しか使えない。
だからまぁこれはお前に託したってことは、使うべき場面をちゃんと考えて欲しいってのもある」
それから俺が鎧を装備したことはない。ただの一度も。
今の自分では扱えないものだと。変身する為の石は知り合いの店主に事情を話して預かってもらった。いつか必ず大切なものを守る場面があることを信じて。
早眞邸の地下で死にものぐるいで剣の修行をし、一年ぐらい山に放り込まれもした。基本優しいトーリは修行という名目に関しては厳しいのだとあの時の自分は実感していた。
しかしそのおかげで今の自分は立っている。
ようやく自分の力が使える場面が来たのだから。
○
大気は奮え、空気中の
その姿は戦士のそれだった。
顔を含めて全身を蒼い装甲に身を包み、左手に握るは光り輝く黄金の剣。空中から飛来する化物の血飛沫を魔力で出来た見えない
「貴様は……誰だ」
そう口にしたのはガルムで、彼は未だ信じられないといった表情で目の前の戦士を見つめる。
それは有り得ないことだったのだ。つい先日出会った時まで、調査データも加えて、全マスター中バーサーカーのマスターの次に脅威レベルが低いとされたキャスターのマスター・早眞冬児。
その青年が今、大凡『現代の人間が扱える筈のない宝具』を手にしてガルムの前に立ちはだかり、そして今なお彼の胸を高鳴らせているのだから。
「――フッ」
――瞬間、『戦闘』が始まる。
蒼き装甲が地面を蹴って一瞬でガルムまで接近する。その速度はサーヴァントの俊敏ステータスのランクB相当に該当する。
「――!!」
ガルムも瞬間遅れながらも、“分解”の概念武装を装備した脚で撃退しようとする。その右脚は見事冬児が振り下げた魔剣と激突し、周りに衝撃波を巻き起こす。
「ッ!!」
凄まじい攻撃を受けながらガルムは痛感する。
――重い、それよりも受け流せない。
冬児の魔剣から響き渡る激しい轟音がそうさせる。僅かにガルムの戦闘力に影響を及ぼしているのだ。概念武装を扱うには精神力を大幅に使う。それを英雄ベズワルの魔剣から溢れ出す轟音が邪魔をする。
初撃が防がれた後、すぐさま冬児は二撃目の斬撃を振り払う。丁度ガルムの身体を横断する様に振り払われた魔剣は、同じ様に概念武装を装備された膝でガードされ、
同時に冬児は後方から殺気を感じた。
「撃てぇー!!撃てぇー!!」
背後から襲い掛かって来たのは無数の銃弾の嵐。既にガルムの前には防弾対策の特別装甲を施された二人の兵士が防御役として立ち塞がり、銃弾による被害は受けないが、前方にいる戦士の剣の前ではそんな盾2枚紙に等しい。
背中に銃弾を浴びながらも難なく2枚の盾を纏めて横断し、ガルムの眼前に冬児の剣が迫る。
「はぁ――ふっ!!」
ガルムは再度冬児の斬撃を蹴りで防御しようとするがそれは叶わない。四撃目は先程までの斬撃よりも速く、且つ蛇のように柔軟にガルムの蹴りを避けてから軌道修正し、太腿辺りからガルムの右脚を斬り落とす。
「あがっ!!?小僧っ!!!」
「喋るな、舌を噛むぞ」
剣を逆手に持ち直し、ガルムの頭を掴んで地面に思いっ切り叩き付ける。
個人武力に関して、人間の力量を超えた筈のガルムが、たった一人の青年に為す術もなく打ち倒されている。動く事もできず、喉に大剣を振り払われるのも時間の問題だった。
「言い残すことはないか。聞いてやる」
「――フッ。良い気になったものだな。鎧が無ければ何の力もない、ただの小僧が」
「別にアンタが悪態をついてから死にたいって言うのなら止めはしない。間違っていないしな、アンタの言うとおり俺は無力だ」
今の冬児の姿は、見た目こそ蒼銀の鎧を着こなし、黄金の剣を振るう英雄のそれだが、
――冬児の戦い方はとても人のものとは呼べなかった。
その戦い方は生命を守る為のものではない。それは鎧の所持者である、冬児も含めて。
魔法の鎧がある為確かに防御しなくてもダメージが通らないのだとしても、一瞬でも身を守る素振りすら見せず。
躊躇いもなく人の姿をした物質を両断し。
怪力で敵の頭を掴んで振り投げ、常人が振り回せるものではない魔剣を片手で振り回して敵の喉に付ける。
その力は借り物だ。何一つ冬児自身が自分の手で手に入れた力ではない。神話の英雄の力をそのまま継承した、偽りの力。
しかしであるからこそ、彼は笑うのだ。彼らしくもない意地の悪い笑みを少しだけ浮かべて。おそらくそれさえ神話の英雄から得た借り物の一つなのだろう。
「どんなのなんだ。年月をかけて鍛え上げた肉体が何の成果も上げていない男に負ける気分ってのは」
「っ!!!きっさまぁっ!!」
ガルムが残った脚で地団駄を踏む。瞬間、ガルムの脚に装着された礼装の効果が発動し、二人が居た地面が軽く崩落する。
その瞬間を残りの兵士達も見逃さず、一部の兵士達がガルムを奪還し残りの兵士達で冬児に総攻撃を仕掛ける。
ガルムは移動させられながら治療され、終始冬児に向けて殺意を浮かべていたが、いずれこの戦場から離脱する。
明確な殺意だけを場に残して。
●
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」
一人目。
「うぁぁぁぁあああああ!!!」
二人、三人。襲い掛かってくるナチスの兵士達を切り伏せる。
「がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
斬りつけた人数が10数人を超えた所でようやくキャスターの元へ辿り着いた。彼女は未だ信じられないといった表情で、全身を鎧で固めた主に目を奪われる。
「主様……?」
「ああキャスター。悪い、心配かけた」
顔も甲冑で隠れてしまっている為、キャスターからは冬児の表情は伺えない。しかしその優しげな声色は間違いなく自分の主のものだと理解していた。
その鎧の真意について問わねばなるまいと心に秘めながらも、今はこの状況を打開することが最善だと敵を前にする。
改めて確認すると増えている。冬児が斬り殺した分を足したとしても未だ軍隊は増え続けている。手にする武器も様々で、戦闘機まで空中を旋回し始めた。
「メイカーの奴め……自身は姿を見せずに固有結界だけ張って兵士を増殖させておるな。この軍勢をあの悪竜に立ち向かわせれば倒すのも容易くなるだろうに、どこまでも自己利益を欲する女よ」
「倒すかキャスター」
「無理を言うな主様。お主のその装甲、代償は無いにしても行動する度に消費する魔力量は馬鹿にできるものでもないのだろう」
「!気づいてたのか……」
冬児は甲冑の奥で驚きの表情を浮かべ背後に佇むキャスターに目を向ける。
対するキャスターは何故か自傷気味の笑みを浮かべて戦闘態勢に入る。
「何構わん。元より主様を戦力の一つとして数えておらんかった。お主の
そうしてキャスターは、過去シールダーと戦った時と同じ様に両手いっぱいに勾玉を手にして前に出る。
「我から離れるなよ主様。いざという時助けられぬかもしれぬからな」
○
海上。
青丹髪の英雄は弓を振り絞り、一矢一矢が必殺の一撃を悪竜に放つ。
橙の炎を纏った弓矢は当たれば悪竜の鱗を砕くが、どうやら悪竜には治癒の魔術が自動的に発動するようで一撃で倒す程の威力を秘めた一撃でないと意味がない。だからといって、魔力を貯めようにも不安定なライダーの木舟の上ではどうにもそうはいかない。
「あの!ライダーさん!?もう少し速度落とせないでしょうか!?私自分の船以外どうにも慣れなくて…」
「あぁ?知らないわよ!誰がアンタみたいな色ボケ男守ってあげてると思ってんの!?ていうか普通こんな状況で口説いてくる奴いる!?信じられない!!」
「いえ、私は純粋にこの戦いが終わったら私が作った料理を貴女に食べていただきたいと。下心なんてありませんよええ」
「死ね!!」
と毒を吐きながらライダーの黄金の木舟は大きく旋回し、悪竜の
幻想種にも該当しない紛いものだとしても竜の姿を模したもの。強力なサーヴァント2体でも討伐は難しそうだった。
連続した攻撃を避けて一息付きかけたライダーの頭に、一瞬頭痛のようなものが走る。それは痛みというよりは女の叫び声で、それが聞き慣れた声だと理解するとライダーは耳に入った言葉を復唱するように口に出す。
「えっ……マスター、何を……!?こっちに来る!?」
※今回の反省点
主人公の鎧をね、もうちょっと詳しく……あとガルムさんがすっかり噛ませ犬に
話は変わりますが、グランドオーダーのアーチャー……
やっぱりアルジュナじゃねぇか!!!!!( ゚д゚ )
もう泣きそうだよ。いやまぁ公式が書いたんだから仕方ないけど……
ということでまだ確定ではありませんが、公式のキャラクター紹介ページでもわかるようにたぶんアルジュナさんです。私の二次創作にも彼は登場してますが、あくまで私のはただの二次創作。別物としてお楽しみください。
これ以上鯖被りしたら俺のエーテル核は消滅しかねない……(´・ω・`)では皆さんまた
・本編脱落サーヴァント集
アサシン《1体目》
登場話数:「戦争前夜その②」
マスター:平桔平
真名:シトナイ
性別:女性
身長体重:139cm、28㎏
属性:中立、善
イメージカラー:白
特技:刺繍、沈黙
好きなもの:トケ、マスター/嫌いなもの:酷いことをする化け物
天敵:キャスター
「能力」
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力D 幸運A 宝具C
「クラス別能力」
気配遮断:C(A):本来暗殺者ではないので低めだが、自然環境が整っているとランクが上がる。
「詳細」
小樽の西北、祝津の海岸に赤岩山という岩山があるが、そこの洞窟に、昔巨大な白蛇が棲み着いて近付くものは人間でも動物でも、ただひと口に呑み込んでしまった。 そこで村人のアイヌたちは、大蛇の機嫌をとるため穴の入り口に熊や鹿の肉を供え、「どうぞこの内を召し上がり、その替わりに人間は食べないで下さい」と頼んでいた。 するとある夜、コタン (村) の酋長ウヘレチの夢に、この大蛇が現われて、 「今年から毎年、八月の祭りの夜、コタンのメノコ (娘)をひとりわしに捧げろ。もしいうことをきかぬと、村中を恐ろしい目に遭わせるぞ。」と告げた。 驚いた酋長は、八月の祭りの当日、村中の娘を集めくじ引きをさせ、当たった者をかわいそうだが大蛇に供えることにした。この生賀は毎年つづけられ、やがて九年目となった。 その年、酋長の娘のシトナイは父のウヘレチに向かい、「いままでわたしたち姉妹だけは、酋長のメノコだというのでくじを引かないでよいことになっていました。でもわたしも同じコタンのメノコです。今年はくじ引きを止めてください。わたしが生贅になります」と申し出た。ウヘレチは驚き、しきりに止めたが、シトナイの決心は変わらなかった。 いよいよ八月の祭りの夜になると、シトナイは父に、「猟犬のトケと、よく切れるマキリ (山刀)を貸してください」 と頼み、トケを連れマキリを携えて赤岩山へ出掛けて行った。山へ着いたシトナイが岩陰に隠れて様子をうかがっていると、やがて洞穴の中から大蛇が現われ、らんらんと目を光らせながら、ただひと呑みとシトナイに襲い掛かって来た。そのとき、目にも止まらぬ速さで大蛇の口の下をかいくぐったトケが、相手の咽喉に鋭い牙を突き立てて噛み付いた。 思いがけぬ攻撃にひるむ大蛇を、トケはなおも矢継ぎ早に噛み伏せ、シトナイもマキリを抜いて斬り付けた。たてつづけの攻撃に、さしもの大蛇も血だらけとなり、ついに動かなくなってしまった。
「技能(保有スキル)」
直感:C:戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
投擲(短刀):C:短刀を弾丸として放つ能力。
動物会話:D:言葉を持たない動物との意思疎通が可能。動物側の頭が良くなる訳ではないので、あまり複雑なニュアンスは伝わらない。ランクが低いため本当に簡単な意思疎通しかできない。
「宝具」
『“祝津の猟犬”』
Rank:C 種別:対人宝具 レンジ:5 最大捕捉:1
・彼女と共に大蛇を討伐した黒き巨大な猟犬。宝具として昇華されている為、生前より肉体は強化され、サイズも大きくなっている。並の生物では追いつけない程の俊敏性と強靭な牙を持つ。英霊相手なら大した脅威ではないが、マスター単体を狙うなら効果的。また僅かながらではあるが、竜種に対して追加ダメージ有り。
説明:何を隠そうこの二次創作初のサーヴァント。見た目のイメージは白髪のポニテロリ忍者です。お気に入りだったのですが、これからの激戦を考えるととても生き残れるとは思えないので早めにリタイアさせませた。
たまたま聖杯戦争に参加できたバイク馬鹿が聖遺物無しで呼び出した英霊ですが、彼とは似てるところが何一つありませんね。
ちなみにイメージで声を付けるなら日高里菜さんだと僕は嬉しいです。ちょっと可愛すぎるかな、声が。
シールダー《1体目》
登場話数:「盾の英雄」「愛の形」
マスター:ジェイ・フコス・アルバ
真名:???(平一族の誰か)
性別:男性
身長体重:169cm、69㎏
属性:混沌・善
イメージカラー:黒(赤)
特技:剣技
好きなもの:闘争、酒/嫌いなもの:道理
天敵:キャスター
「能力」
筋力C 耐久B 敏捷D 魔力D 幸運C 宝具C
「クラス別能力」
耐久度:C:本来の耐久度に加えて耐久度上がるシールダーのクラスのサーヴァントのクラス別能力。ランクはランダム。
対魔力:D:↑と同様。
「詳細」
※一族の誰かとは解っていたが何者かは不明の為後述できず。本来そういう予定の鯖だったので、すいません。
「技能」
心眼(偽):B:直感・第六感による危険回避。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。
「宝具」
『小烏丸』
Rank:B 種別:対人宝具 レンジ:10 最大捕捉:1〜15
・平家一門の家宝であり、刀工「天国」(あまくに)作と伝えられる日本刀。魔力を練り上げると光の束となって相手に襲い掛かる。
『薄雲鎧』
Rank:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
・平家一門の重代、先祖伝来の家宝の一つ。壇ノ浦の戦いで平が滅んだ時に失われたとされていたが誰が着用していたか不明である。ただ攻撃を耐えることに特化した黒の鎧。
『唐皮鎧』
Rank:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
・平家一門の重代。不動明王から与えられたとされている赤の鎧。物理ではなく、魔力ダメージを軽減させる。
説明:彼は平の誰、というよりは平一族の運命を変える為に立ち上がった一族の誰かといった感じです。性格は大仰ですが何処か憎めない感じを目指しました。宝具的にも好きなんですが、これから生き残るにはやはり少し能力値が低いので、ライダー姫の轢き逃げアタックでぽっくり逝って貰いました。ごめんね。
彼も聖遺物無しで呼び出されました。
イメージとしては声は東地 宏樹さんです。
ランサー(1体目)
登場話数:「それぞれの準備」「監督役の仕事」「槍兵穿つ」
マスター:ハクア・フリューゲルス・シニュアノーズ
真名:クー・フーリン
性別:男性
身長体重:185cm、70㎏
属性:秩序・中庸
特技:魚釣り、素潜り、山登り
好きなもの:気の強い女、無茶な約束/苦手なもの:回りくどい方針、裏切り
天敵:アサシン(3体目)
「能力」
筋力B 魔力B 耐久C 幸運D 敏捷A 宝具B
「クラス別能力」
対魔力:C:魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
「詳細」
クー・フーリン。アイルランド神話『アルスター伝説』に登場する大英雄。太陽神ルーとアルスターの王コノールの妹デヒテラの子。幼名はセタンタ。
幼い頃、豪商クランの番犬をあやまって殺してしまったことで、自分がこの犬の子を育て忠実な番犬にし、それまでは自分がクランの家を守ると誓った。以来彼は「
成人すると「赤枝の騎士団」に入団し、影の国の女王スカサハの下で数々の魔術と体術を会得し、魔槍ゲイ・ボルクを授かった。また、同じくスカサハの弟子であるフェルディアとは互いに強さを認め合う親友となった。
故郷アルスターに攻め入った、コノートの女王メイヴ率いる大軍を一人で撃退し、メイヴに差し向けられた親友のフェルディアをも討ち取り、メイヴを捕らえたが女であることを理由に彼女を釈放。しかし、この一件で復讐者と化したメイヴの策で、様々な誓約を負わされてしまう。それでも、国を守るため自らの破滅を覚悟し誓約を受け入れた。その後、メイヴの策略で誓約を次々に破らされ、ついにはゲイ・ボルクを腹に受けてしまう。それでも、柱に自分の体を縛りつけ最期まで倒れることなく戦い続けた。
この最期は後に「
「技能」
戦闘続行:A:往生際が悪い。名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
仕切り直し:C:戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
ルーン:B:北欧の魔術刻印・ルーンの所持。
矢よけの加護:B:飛び道具に対する防御スキル。ランサーのそれは先天的なもの。攻撃が投擲タイプであるなら、使い手を視界に捉えた状態であれば余程のレベルでないかぎり通じない。ただし超遠距離からの直接攻撃、および広範囲の全体攻撃は該当しない。
神性:B:神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
「宝具」
『
Rank:B 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:1人
由来:クー・フーリンが師匠スカサハから授かった魔槍ゲイ・ボルク。
彼が編み出した対人用の刺突技。
槍の持つ因果逆転の呪いにより、真名解放すると「心臓に槍が命中した」という結果をつくってから「槍を放つ」という原因を作る。つまり必殺必中の一撃を可能とする。心臓を穿つため、仮に「約束された勝利の剣」に耐える者でも確実に相手を死に至らしめることができる。それでいて、魔力消費も少なく、一対一ならば六連戦しても魔力を補充しなくてよいことから、対人戦に非常に効率がいい。
『
Rank:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:5~40 最大捕捉:50人
由来:クー・フーリンが師匠スカサハから授かった魔槍ゲイ・ボルク。
魔槍ゲイ・ボルクの本来の使用方法。渾身の魔力と力を持って投擲して放つ。
速度はマッハ2。「刺し穿つ死棘の槍」が命中を重視したものならば、こちらは威力を重視している。一人一人を刺し貫いていくのではなく、炸裂弾のように一撃で一軍を吹き飛ばす。
因果を歪ませる呪い及び必中効果は健在であるものの概念的な特性や運命干渉などは無く(必ず心臓に当たるわけではない)、あくまで単純威力系宝具に分類される。
説明:この人に関しては私が説明するべきではないっていうか、なんといいますか。アレです。公式様勝手に出演させてすいませんしたぁぁぁぁ!!!
個人的に好きなサーヴァントでしたので出しました。ですからもっと出したかったのですが、流石に出し過ぎるとアレかなって。ホントは新しい宝具とか考えてたんですけど、あえなくボツ。