けど、いつかは見つかる。
格差がある時代に生きている僕らは、どうにか這い上がるやつもいれば、そのままでよいと上のやつに押しつぶされていく奴もいる。
僕はどちらなのだろう。
僕は何をしたいのだろう。
中学生の僕はまだ答えを見つけられてはいない。それでもいつかは見つけ出さないといけない。でも、どうやって見つけられるのか分からない。友達に「俺の夢はねぇ―」と話しかけてくる奴がいるが、そいつみたいに見つけることができない。
己の中から。泥沼の中から。
僕にできるのか?
「将来の夢は何ですか?」
担任の先生が、僕に質問をした。
まあ、二者懇談でもお決まりのセリフなのだろう。他の奴にも聞いていると聞いたことがある。まだ決まっていない僕は正直に
「まだ決まっていません」
「そうですか……、まぁ、まだ中学生だから今すぐに考えろっていうわけじゃないし、高校へ行って考えるのも一つの手だよね」
担任は僕に向かって微笑んだ。否、これは営業スマイルというやつなのか?
にしても、いつか本当に見つけられるのだろうか。
見つけられなかったら?今の自分のままだったら?
未来は不透明。しかし、今から将来について考えていかねばならないことは総合の授業の時に学んでいる。
「先生はどうやって自分の夢を見つけたんですか?」
僕が問うと、先生は腕を組み、「うーん……」考え出した。
「私も実は中学の時に夢はなかったの。でも、高校に入って、私、小、中、高と、テニス部に入ってたんだけど、中学の時より本格的な部活をやって……部活には絶対顧問の先生っているでしょ?その顧問の先生は熱血で、少し面倒な人だったんだけど、でもちゃんと私たちのことを考えてくれてるのがわかったの。「お疲れ」って言って差し入れ持ってきてくれたり、怪我したときは手当てしてくれたり。テストとか、授業とか、私たちのためにいろんなことをやらないといけないのに、部活に毎日顔を出してくれてるのが、すごいなーって。私もそんな人になりたいなーって思ったのが教師になった理由かな……」
「へぇ……」
「だから、小澤くんもそういう風になりたいなーって思える人にきっと会えるよ。その時に将来のことを考えればいいと思うよ」
先生はにっこりと笑った。さっきとは全然違い、花が開いたようだった。
「……はい」
初めて先生がまともなことを言ったような気がした。
いつもの先生はおっちょこちょいで、みんなから笑われている可哀そうな人だった。
でも――――いいかもな。教師。
少しだけ、道が開けたような気がした。