ラブライブ!~未来へ響く多重奏~   作:朝灯

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いつの間にかUA9000突破してました!本当にありがとうございます!
これからも楽しんでいただける作品にしたいと思っています!

最近この作品を見た友人に言われたこと、それは人数多くなって会話が多くなるのは分かるけど多すぎる気がするということです。

私自身もそのことは気にしていたりしますw

もっとテンポよく書けたらなと思います......。


厳しさの裏側

「アイドル研究部?」

 

「そう、すでにこの学校にはアイドル研究部というアイドルに関する部が存在します」

 

そんな部があったのか、この学校。アルパカといい......珍しい学校だよな。

 

生徒会室に来たのはいいが、アイドル部設立の申し込みをしたところ、すでに似たような部があると言われて俺たち4人は驚きの表情を隠せないでいた。

 

さすがに7人全員で申し込みに行くのは迷惑になるので、今生徒会室に来ているのは2年生の俺たちとなる。

 

「まぁ、部員は1人やけど」

 

「え!?でもこの前部活には5人以上って.....」

 

「そう言えば......設立時は5人必要だけど、その後は何人になってもいいって決まりだったよな」

 

穂乃果の質問には俺が答える。

 

「その通りや、優くん」

 

「生徒の数が限られている中、いたずらに部を増やすことはしたくないんです。アイドル研究部がある以上、あなたたちの申請を受けるわけにはいきません」

 

「そんな......」

 

「これで話は終わり」

 

「になりたくなければアイドル研究部とちゃんと話をつけてくることやな」

 

綾瀬会長が終わりにしようとした話に落ち込んでいると、そんな俺たちを見かねたのか希先輩が助け船を出してくれる。

 

ありがたいんだけど......この人綾瀬会長の味方じゃないのか?本当に掴みどころが見当たらない。

 

「希!?」

 

「2つの部が1つになるなら問題はないやろ?」

 

綾瀬会長も予想していなかったんだな......希先輩が俺たちに肩入れするような意見だすなんて。

 

「部室に行ってみれば?」

 

「分かりました!行ってみます!」

 

穂乃果を先頭に生徒会室を出ようとする。

 

「あ、優くん」

 

何故か俺だけ呼び止められる。

 

「何ですか?希先輩」

 

「今度手伝ってもらいたい仕事があるんやけど、えぇ?」

 

「希!?生徒会でもない生徒に頼むことなんて......」

 

「じゃあ、あの山積みのダンボール......えりちは女子だけで運べるゆうんやね?」

 

「そ、それは......」

 

ニヤッと人の悪い顔で笑う希先輩と山積みのダンボールを想像したのか苦虫を噛み潰したような顔をする綾瀬会長。

 

「まあ、力仕事ですから......微力ですけど、手伝いますよ!」

 

「助かるわ~!用事はそれだけやから、もう行ってえぇよ?」

 

「それじゃ、これで!」

 

生徒会室から出た俺はすぐに3人の背中を見つける。どうやら待っていてくれたようだ。

 

「なんの話だったの?」

 

「あぁ、希先輩が今度力仕事を手伝って欲しいんだってさ」

 

「優はいつから副会長のことを名前呼びなんですか?」

 

「あ、私も聞きたいなぁ~♪」

 

あれ?これはまさか......逃げられないな、これは。

 

「前、練習の時に希先輩が呼び方変えてくれって頼んできたんだよ、他意はない」

 

「だから『優くん』って呼んでたんだね!」

 

「そんなことより早く1年生連れてアイドル研究部の部室に行こうぜ」

 

これ以上好奇心で聞かれるとあることないこと話してしまいそうだ。ないことは話しちゃダメだろ......。

 

何とか話題を逸らすことが出来た俺は足早に1年生の元に向かった。

 

***

 

「「「「「「「あぁ~!?」」」」」」」

 

「げっ!?」

 

お互いに出会うことは予想外だった。まさか......こんなとこで再会するなんてな。

 

アイドル研究部の部室に行くと、ちょうど目の前に俺の脛を蹴って逃げたあの黒髪の人がいた。

 

ちなみに相手は俺たちを見て、顔が引きつっていた。

 

「あなたがアイドル研究部の部長!?」

 

「にゃあぁぁぁぁ!!!!!」

 

穂乃果が聞いた途端、その人は急に猫みたいな唸り声を上げ、腕を振り回してきた。

そしてすぐに部室に入り、鍵をかけてしまう。

 

「部長さん!開けてください!」

 

「Hey!Openthedoor!」(おい!ドアを開けろ!)

 

「何で英語なのですか!」

 

しまった!つい慌てすぎて!?こうなったら仕方ない!

 

「......凛」

 

「にゃ?」

 

「外から回り込むぞ!」

 

「了解にゃ!」

 

中でがさごそ音がしてるってことは多分荷物か何かをドアの前に置いているんだろう。

 

外へ回り込むと、ちょうど窓から逃げようとしているところだった。

 

「待つにゃぁ~!」

 

「待てこらぁ!!!」

 

追ってくる俺たちに気づき、その人は背中を向け、走り出す。

 

俺はともかく......凛から逃げきれると思うなよ!

 

凛はどんどん相手との距離を詰める。

 

「捕まえた!」

 

と思ったのだが、相手は上手くしゃがんで凛を交わす。

 

「逃がすな!生け捕りにしろ!」

 

「ゆーサン怖いにゃー!?」

 

食い物の恨みと受けた足の痛みは忘れない!

 

「凛、捕まえたら......何か好きな物奢ってやるぞ?」

 

「ラーメン!?」

 

「もちろんOKだ!」

 

「行っくにゃー!!!!!!!」

 

先ほどよりもスピードを上げて、相手に迫るが、直前で姿が消える。

 

「あれ~?いない?」

 

「よく見ろ」

 

「え?あぁ~!?」

 

消えたと思ったらどうやらアルパカ小屋に突っ込んだだけのようだ。

 

気持ちよさそうな顔をして気を失っている。

 

「まぁ.....とりあえず、部室に運ぶか」

 

アルパカ小屋に足を踏み入れると、茶色いアルパカが俺に唾を飛ばしてくる。

 

俺はそれを回避し、手早く気絶している女の子を回収して、小屋から出る。

 

「悪いけど.....今回はお前に構ってる暇はないんだよ!」

 

「クッ!」

 

茶色いアルパカは避けられたということに驚きを隠せないようだ。

 

「ふっ......いつまでも過去の俺じゃないんだよ!」

 

微塵の遠慮もなく勝ち誇っていると

 

「ゆーサン......何してるの?」

 

凛が呆れたような顔をして俺を見ていた。

 

「すまん、忘れてくれ」

 

「チャーシュー、大盛り」

 

「分かった、手を打とう」

 

薄ら暗い交渉が成立した。

 

***

 

「これが......アイドル研究部の部室、すごいな」

 

第一声はそれだった、見渡す限り壁一面のアイドルグッズが飾られている。

 

「校内にこんなところがあったなんて.....」

 

「勝手に見ないでくれる?」

 

「じゃあ見てもいいですか?」

 

「駄目よ!」

 

どうしろと!?

 

「こ、これは!?伝説のアイドル伝説!DVD全巻ボックス!持ってる人に初めて会いました!」

 

「そ、そう......」

 

花陽が何か箱を持って部長さんに迫っている。

 

いつもとキャラが違う!?

 

「すごいです!」

 

「ま、まあね!」

 

「へぇ~、そんなにすごいんだ......」

 

「知らないんですか!?」

 

何か憑依されてんの!?本当にいつもと違う!

 

「伝説のアイドル伝説とは、各プロダクションや事務所、学校などが限定生産を条件に歩み寄り、古今東西の素晴らしいと思われるアイドルを集めたDVDボックスでその希少性から伝説の伝説の伝説!略して伝伝伝と呼ばれるアイドル好きなら誰もが知ってるDVDボックスです!」

 

「は、花陽ちゃん、キャラ変わってない?」

 

「通販、店頭、共に瞬殺だったそれを2セットも持ってるなんて....尊、敬!」

 

「家にもう1セットあるけどね!」

 

「本当ですか!?」

 

誰か花陽を止めてくれ!さっきの説明も早口でよく分からなかったし、ついていけねぇ!

 

「じゃあ、みんなで見ようよ!」

 

「駄目よ、それは保存用」

 

「くぁぁぁ!......で、伝伝伝.....」

 

あ、止まった.....のか?

 

「かよちんがいつになく落ち込んでる!?」

 

慰めるのは凛たちに任せといて......しかしこの部屋本当すごいな~、と俺が辺りを眺めているとある一面をジッと見ていることりに目が止まる。

 

「ことり?何見てるんだ?」

 

「あぁ、気づいた?」

 

「へ?あ、はい」

 

ことりの目線を追っていくと、そこには1枚のサインが飾ってあった。何て書いてあるか読めないけど。

 

「秋葉のカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

 

「ことり、知っているのですか?」

 

「あ、あ、いやぁ......」

 

ことりがこんなに慌ててるのって珍しいな。

 

「ま、ネットで手に入れたものだから、本人の姿は見たことないけどね」

 

「ふぅ....」

 

胸を押さえてホッとしてる?まぁいいか。

 

「と、とにかく!この人すごい!」

 

「それで?何しに来たの?」

 

「アイドル研究部さん!」

 

「にこよ、矢澤にこ」

 

この人矢澤先輩って言うのか.....。

 

「にこ先輩!実は私たち、スクールアイドルをやっておりまして!」

 

「知ってる、どうせ希に部にしたいなら話つけてこいとか言われたんでしょ?」

 

「おぉ!話が早い!」

 

心底めんどくさそうに話す矢澤先輩。

 

「ま、いずれそうなるんじゃないかと思ってたからね」

 

「なら!」

 

「お断りよ!」

 

「え?」

 

これも大体予想通りだった。解散しろとか言ってくるぐらいだからな、俺たちのことをよく思っていないはずだ。

 

「お断りって言ってるの」

 

「私たちはμ’sとして活動出来る場が必要なだけです。なのでここを廃部にして欲しいというのではなく.....」

 

「お断りって言ってるの!」

 

さっきの口調よりも少し怒気を含んでるな。

 

「言ったでしょ!あんたたちはアイドルを汚しているの!」

 

「でも!ずっと練習してきたから、歌もダンスも!」

 

「そういうことじゃない」

 

その言葉で矢澤先輩に俺たちの視線が集まる。

 

まさか......ルックスとか言わないだろうな?別にμ’sの中に可愛くない子なんていないと思うけどなぁ.....

 

「あんたたち......ちゃんとキャラ作りしてるの?」

 

「「「「「「「え?」」」」」」」

 

これは予想出来なかった......何て言った?キャラ作り?

 

「キャラ?」

 

「そう!お客さんがアイドルに求めるものは、楽しい夢のような時間でしょ!だったら、それにふさわしいキャラってものがあるの!ったく、しょうがないわね!」

 

矢澤先輩は力説したあと俺たちに背中を向ける。

 

「いい?例えば....」

 

固唾を飲んで見守っていると

 

「にっこにっこに~!あなたのハートににこにこに~!笑顔届ける矢澤にこにこ~!にこにーって覚えてラブにこぉ!」

 

まるで雷が落ちた時ぐらいの衝撃だった。だって....さっきまでとげとげしかった人がいきなりこんなことをしだしたんだぞ!?

 

みんなを見ると、俺と同じような顔をした人もいれば......いや訂正、みんな同じような顔をして固まっていた。

 

「どう?」

 

「う.....」

 

と言葉に詰まる穂乃果。

 

「これは....」

 

と驚愕する海未。

 

「キャラというか.....」

 

と戸惑うことり。

 

「私無理ぃ.....」

 

と呆れる真姫。

 

「ちょっと寒くないかにゃー?」

 

とぶち込む凛。

 

「ふむふむ....」

 

と熱心にメモを取る花陽。

 

「っく!」

 

と凛の反応に少し笑ってしまう俺。

 

結果、花陽以外は耐えきれなかった。

 

「そこのあんた......今寒いって?」

 

「うわわわ!いやぁ!すっごい可愛かったです!最高です!」

 

「え?そうか?」

 

思わず余計なことを言ってしまう。

 

「すみません!優がセンスなくて!?」

 

「簡単に人を売るなよ!?」

 

海未てめえ......。

 

「あ、でもこれもいいかも!?」

 

「そうですね!?お客様を楽しませるための努力は大事です!?」

 

「素晴らしい!さすがにこ先輩!」

 

みんなは必死に取り繕う。花陽は多分心から言っている。目、輝いてるし.....。

 

「よぉ~し!そのくらい私だって「出てって」....え?」

 

「とにかく話は終わりよ!とっとと出てって!」

 

全員まとめて部室の外に締め出されてしまった。

 

俺以外。

 

「何でまだいるのよ!?」

 

「いや、座って見てたら追い出されなかったんで.....」

 

「男がいるって状況に慣れてなくて、ついスルーしちゃったわ、いいから早くあんたも出ていきなさい」

 

矢澤先輩が話は終わりと言わんばかりに俺に背中を向ける。

 

「先輩、昔何があったんですか?」

 

「はぁ!?」

 

「いや、何かどうして1人なのかと思って.....」

 

聞くのは失礼だと思ったが、何故か気になって仕方がなかった。

 

「何であんたに話さないといけないのよ」

 

「じゃあ、話すまで出ていかないと言ったらどうします?」

 

「はぁ......分かったわよ!私はね.....」

 

矢澤先輩は過去のことをポツリポツリと話始めた。

 

***

 

矢澤先輩は自らのことを話してくれた。

 

1年生の頃、他の同級生の部員と一緒にスクールアイドルをしていたこと。しかし、他の部員が辞め、今は1人になってしまったこと。何よりも.....アイドルとしての目標が高すぎてついていけないと言われたこと。

 

「何だよ.....目標が高いことの何がいけないんだよ!!」

 

俺はやりようのない怒りを感じ、言葉と共に吐き出す。

 

「あんた......何で怒ってるのよ」

 

「目標が高いことはいいことじゃないですか!上を向けるって最高にかっこいいじゃないですか!それなのに......」

 

話を聞いた俺がここまで悔しいとか辛いとか感じるんだ、本人の痛みはそれ以上だろう。

 

「先輩、昨日はすいませんでした、あんなこと言って!」

 

「昨日?あぁ、あれね」

 

俺が言ったこと、『あんたに昔何があったのかは知らないが』だ。

 

「もう、用事は済んだんでしょ、なら早く出ていって」

 

「失礼します」

 

「あんた、名前は?」

 

「八坂優です」

 

「そっ」

 

俺は名前をいい、素直に部室を出る。

 

そのまま外に出ると、希先輩が穂乃果たちと話していた。

 

「優くん、にこっちから聞いたん?」

 

「はい、全部」

 

「私たちも今聞いたところだよ」

 

穂乃果たちも.....あれ聞いたのか。

 

「だから.....あなたたちが羨ましかったんじゃないかな?」

 

「え?」

 

「歌に駄目だししたり、ダンスにケチつけたり出来るってことはそれだけ興味があって見てるってことやろ?」

 

そうか......そうだったのか。

 

「ありがとうございます、行こっ、ゆう君、ことりちゃん、海未ちゃん」

 

穂乃果が傘を差して先を行く。

 

「中々難しそうだね、にこ先輩」

 

「そうですねぇ.....先輩の理想は高いですから、私たちのパフォーマンスでは納得してくれそうにありませんし.....説得に耳を貸してくれる感じもないですし......」

 

「そうかなぁ~?」

 

穂乃果が間延びした声で言う。

 

「穂乃果?どういうことだ?」

 

「にこ先輩はアイドルが好きなんでしょ?それで、アイドルに憧れてて.....私たちにもちょっと興味があるんだよね?」

 

「うん」

 

まだ穂乃果の意図が掴めない。

 

「それって、ほんのちょっと何かあれば上手くいきそうな気がするんだけど.....」

 

「具体性に乏しいですね......」

 

「それはそうだけど.....ん?」

 

穂乃果が見ている先には階段からこちらを見ている矢澤先輩がいた。

 

俺よりあとに部室から出たのにもうあんなとこにいるのか......まあ、重要なのはそこじゃない。

 

「今の.....」

 

「多分.....」

 

「いや、絶対そうだよな」

 

「どうします?」

 

すでにそこに先輩の姿はない。

 

「声かけたらまた逃げちゃいそうだし.....」

 

「ん~......あっ!ふふっ!」

 

何か思いついたのか穂乃果は急に笑みを浮かべる。

 

「どうかしましたか?」

 

「これって海未ちゃんと一緒じゃない?」

 

「「ん?」」

 

俺と海未は分からずに首を傾げる。

 

「ほら!海未ちゃんと知り合った時!」

 

海未と知り合った時って......俺と海未が知り合った時はもう穂乃果たちと一緒にいたから.....俺は出会った時を思い出す。

 

確か....

 

『おれはやさかゆう!きみは?』

 

『うぅ~....お、おとこのひと.....!』

 

『ほら、うみちゃん!だめだよ!ちゃんとあいさつしないと!』

 

『はずかしいですぅ~.....ほのかぁ、ことりぃ....』

 

こんな感じだったはずだ。

 

『そ、そのだ.....うみです.....』

 

『うん、よろしく!うみちゃん!』

 

まだこの頃は穂乃果たちのことをちゃん付けで呼んでいた。

 

「そんなことありましたっけ?」

 

どうやら穂乃果が出会い話を海未にし終わったようだ。

 

「海未ちゃんすっごい恥ずかしがり屋さんだったからぁ~」

 

「そうだったな」

 

「優まで!それが今の状況と何か関係があるんですか!?」

 

どうやら今でもその話は恥ずかしいらしい海未。

 

「うん!ねっ?」

 

穂乃果は隣にいることりに目配せをする。

 

「あぁ!あの時の!」

 

「そうそう!」

 

「どんな感じだったんだ?」

 

この3人の出会いって聞いたことなかったな.....。

 

「えっとねぇ~.....」

 

***

 

俺は穂乃果とことりと海未との出会いを聞いた。

 

「そんなことがあったのか」

 

「優、頬が緩んでいます!」

 

「そういう海未は頬が赤いぞ?」

 

海未の指摘に軽口で返す。

 

「優は練習倍で」

 

「まじ勘弁してください」

 

「だからきっとにこ先輩も同じだと思うよ!」

 

「ならこの方法しかないな!」

 

「だね!」

 

***

 

授業が終わる、今日もいつも変わり映えしない日だった。

 

「はぁ......」

 

ため息交じりに荷物を片づけて、私は部室へと向かう。1人ぼっちの世界だ。

 

あいつらみたいにもっと.....楽しそうに......

 

そこまで考えてハッとする。

 

「そんなこと考えてない!」

 

声に出して否定するけど、その声さえ震えていた気がする。

 

そうして部室の前に着き、鍵を開けて中に入る。

 

***

 

矢澤先輩が部室に入ってくる、その瞬間電気をつけた。

 

「「「「「「「お疲れ様でーす!」」」」」」」

 

「な!?」

 

「お茶です、部長!」

 

「部長!?」

 

何か驚いているけど......知ったことじゃない!

 

「今年の予算表になります、部長!」

 

「部長~!ここにあったグッズ邪魔だったんで棚に移動しておきました~!」

 

「こら!勝手に!?」

 

「さ、参考にちょっと貸して、部長のオススメの曲」

 

「な、なら迷わずこれを!」

 

花陽、そんなにそれ見たいのか......。

 

「あぁ~!?だからそれは!?」

 

「ところで次の曲の相談をしたいのですが、部長!」

 

「やはり次は更にアイドルを意識した曲の方がいいかと思いまして」

 

海未の満面の笑み。それは自分の首を絞めることになりそうだな。

 

「それと、振り付けも何かいいのがあったら」

 

「歌のパート分けもお願いします!」

 

「こんなことで押し切れると思ってるの?」

 

「押し切る?私はただ、相談しているだけです!音ノ木坂アイドル研究部所属のμ’sの7人が歌う次の曲を!」

 

俺たちが実行した案、それは矢澤先輩をμ’sのメンバーにするというシンプルなことだった。

 

「7人.....?」

 

「にこ先輩!」

 

「.....厳しいわよ?」

 

「分かってます!アイドルへの道が厳しいことぐらい!」

 

それは今更って感じだよな。

 

「分かってない!あんたは甘々!あんたも!あんたも!あんたたちも!」

 

矢澤先輩は全員を指差す。

 

「いい?アイドルっていうのは笑顔を見せる仕事じゃない!笑顔にさせる仕事なの!それをよーく自覚しなさい!」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

アイドル研究部の入部届、

 

高坂穂乃果

 

南ことり

 

園田海未

 

八坂優

 

西木野真姫

 

星空凛

 

小泉花陽

 

そして矢澤にこ.....これでμ’sは8人。

 

「おい、みんな!雨が止んでるぞ!」

 

入部届を出したあと、雨が止んだ屋上で矢澤先輩が何やら教えてくれるらしい。

 

「いい!?やると決めた以上!ちゃんと魂込めてアイドルになりきってもらうわよ!分かった!?」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

「声が小さい!」

 

「「「「「「「はい!!!」」」」」」」

 

「上手くいってよかったね!」

 

ことりが小声で話かけてくる。

 

「うん!」

 

「でも、本当にそんなことありましたっけ?」

 

海未はまだ思い出せないらしい。

 

「あったよぉ!あの時も穂乃果ちゃんが!」

 

俺が聞いた話はこうだ。

 

『うわわわ.....』

 

と木の影に隠れて恥ずかしがっていた海未を

 

『あ、み~つけたっ!』

 

『わぁ!?』

 

『つぎ、あなたおにだよっ!』

 

『え!?』

 

『いっしょにあそぼっ!』

 

と穂乃果らしいやり方で海未を引き入れたらしい。

 

「いつまで話してるのよ!さっさとあとに続きなさい!にっこにっこに~、はい!」

 

「「「「「「「にっこにっこに~!」」」」」」」

 

「全然ダメ!もう1回!」

 

「にっこにっこに~!はい!」

 

「「「「「「「にっこにっこに~!」」」」」」」

 

「つり目のあんた!気合入れて!」

 

「真姫よ!」

 

ふと思った.....これ、俺やる意味なくないか?まあどうせ聞いてもらえないか.....

 

「「「「「「「にっこにっこに~!」」」」」」」

 

「はい!ラスト1回!」

 

「「「「「「「にっこにっこに~!」」」」」」」

 

「全然ダメ!あと30回!優はあと60回!」

 

「俺だけ2倍!?」

 

まあ今後ろ向いた時目が潤んでたの見たら.....断れないよなぁ。

 

「えぇ~!?」

 

「まだ30回ならいい方だろ?60回に比べればな!」

 

「何言ってるの!まだまだこれからだよ!にこ先輩!お願いします!」

 

「よぉ~し!頭から!行っくよぉ~!!!!」

 

そんな矢澤せんp......にこ先輩の声は雲の隙間から覗く太陽から祝福されているように空に響き、弾けるように校舎を駆け回った。

 

-To be continued-

 




今までで最長です!

次の話数に分けることを考えたのですが......この回は大切な話だと思ったので全部通して書くことにしました!

よって今回の雑談コーナーは無しです!
次回もお楽しみに!
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